老人性白内障の鍼灸治療はWHO(世界保健機構)に適応疾患として定義されています。
当院の白内障に対する施術は、眼の周辺の経穴にハリやお灸をすることにより、眼の血行状態を良くして視機能の回復を促します。当院では、初期の老化による白内障・紫外線の活性酸素増加に伴う白内障を施術対象と考えております。目の周囲の血流改善により老化を防ぎ、活性酸素を排出することで白内障を予防する効果が期待できます。
また白内障は五臓六腑の「肝」と「腎」に深く関係しているので肝や腎に関する経穴を用いて「肝血」や「腎精」を補うことや肝気の巡りをよくします。
目の老化が原因で白内障が発生している場合、目ばかりでなく体全体が老化しています。当院では、東洋医学の診断法に基づき診断して、東洋医学の特徴である全身を診て調整施術致します。そうすることで、目ばかりでなく体の老化予防や体調改善に繋がります。
白内障の手術は、日帰りの手軽にできる手術の場合が多く、視力回復が期待できます。しかし、はり灸施術でも病状の初期や予防には対応できますのでぜひ一度ご相談ください。
中医学では五臓六腑の肝は眼に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能の障害が深く影響していると考えられていてその中でも「肝血」が不足した状態に陥ると視覚の異常や運動系の異常などがみられます。
また中医学では肝と腎は同じ源にあるといわれており、「肝血」と「腎精」は互いに補い合っています。加齢により「腎精」が減少した状態だと「肝血」にも影響を与えると考えられます。それは白内障を引き起こす原因にもなります。
白内障はさまざまな原因で眼の水晶体という部分が濁る病気です。昔から俗に「しろそこひ」と呼ばれています。私たちが眼で見ている映像は、外から入ってきた光が角膜・水晶体や硝子体を通り抜けて網膜で集められた映像が電気信号に変わり視神経から脳へと伝えられ、はじめて物として見ることができるのです。
また物を見るために対象物にピントをあわせているのが毛様体です。毛様体には毛様体筋があって、この働きにより遠くの物を見るときには水晶体が薄くなり、近くの物を見るときは水晶体が厚くなります。その水晶体が様々な原因で濁って様々な症状の原因となります。
症状として
ⅰ)目がかすむ
一番多い症状で、ひどくなると前に人がいるのがわからなくなるまで進行します。
ⅱ)明るいところで眩しく感じる
光のあたる明るい場所に出るとまぶしくつらさを感じます。
ⅲ)物がだぶって見える
片目で見ていて、二重三重に物がだぶって見えます。(複視)
ⅳ)視力が低下する
細かい字が読みにくくなって老眼と間違えやすいが、白内障の場合は老眼鏡をかけてもよく見えません。
ⅵ)近くが一時的に見えやすくなる
中心部の濁りが強くなることで近くが見えるようになるために老眼が一時的に良くなったように思われがちだが、やがて全体が見えにくくなります。
白内障の発症は45歳以上の中年世代に多く、年齢を重なるにつれて発症しやすくなります。また80歳以上の高齢者はほとんどなんらかの原因により白内障の症状を引き起こしています。進行の速さには個人差があって、目が見えづらくなるといった症状に至るとは限りません。
白内障は老人性白内障・糖尿病による白内障・アトピー性皮膚炎による白内障・先天性白内障・紫外線や赤外線による白内障・薬の副作用による白内障などがあります。
ⅰ)老人性白内障
白内障でもっとも多い原因が加齢によるものです。年を取れば誰しも体力が落ちて身体機能が低下し、病気になりやすくなります。それと同じように白内障も眼の機能が低下して水晶体がだんだんと濁ってきます。進行のスピードは人それぞれですが、10年、20年かけてゆっくり進行していきます。
ⅱ)糖尿病による白内障
高血糖が長く続くことにより水晶体の成分に変化が起こって白内障が発症することがあります。早い人では30~40歳代から発症してたちまち進行していきます。また糖尿病による白内障の場合、白内障手術後に網膜剥離や緑内障を発症する可能性が高くなると言われています。
ⅲ)アトピー性皮膚炎による白内障
アトピー性皮膚炎の場合に眼瞼皮膚炎や顔に強い湿疹がある人は白内障になる可能性が高いと言われています。かゆみにより眼部をたたくことで白内障を発症する外傷説やステロイド投与による副作用だと考えられています。
ⅳ)先天性白内障
先天性白内障は遺伝であったり母親の胎内で風疹に感染したりすることで、先天的に白内障をもって生まれてきます。
ⅴ)紫外線や赤外線による白内障
活性酸素は本来、体の中の病原菌などを退治してくれる強い味方ですが、それが増え過ぎると自分の細胞までも攻撃してしまいます。外で紫外線を浴びることで活性酸素が発生して水晶体の中のたんぱく質を酸化させて白く濁らせ白内障となります。
初期の白内障は点眼薬で進行を遅らせることができる場合もありますが、濁った水晶体を戻すことはできません。進行した白内障に対しては濁った水晶体を手術で取り除き、眼内レンズを挿入する方法が一般的です。最近は手術により大多数の患者さんにとって視力を回復することができる安全な手術となりましたが、手術の合併症によって重篤な視力障害が生じる場合もあるようです。
白内障を予防するには、活性酸素を増やさないことが大事です。活性酸素は、体内に適度にあれば侵入してきた細菌などを破壊して身体を守ってくれる働きがあります。
しかし、体の中で活性酸素が増えすぎてしまうと細菌だけでなく自分の大事な細胞までも攻撃して破壊してしまうのです。また、活性酸素は身体を酸化させる(体を錆びさせる)恐れもあり、身体の老化を促進させてしまう可能性もあります。
目の観点から見ると紫外線を浴びることで眼球に活性酸素ができて、それが増えすぎてしまうと水晶体の白濁がおきてしまい白内障となってしまいます。体が健康な状態の時は、活性酸素を排除する働きで白内障になることを防ぐことができます。しかしそれらの働きが弱いと白内障となる確率が高くなります。白内障を予防するのに重要なことは食事です。
食べ物の中でも活性化酸素を防ぐ食材があり、それらの食材をバランスよくとることが重要です。
40代 女性
半年前に白内障と診断され、手術を勧められたが抵抗があるため他の治療方法はないかと探し当院を受診した。
半年前から少しずつ進行しており、不安になってきている。
症状はかすみや羞明、眼精疲労、ドライアイなどがあり、目の見えにくさから首肩コリ、頭痛が強く感じる。
仕事や人間関係のストレスから睡眠障害や不安感も見られるようになり、心療内科で神経症と診断され投薬治療を受けている。
仕事はデスクワークで1日10時間パソコンを使用し、それ以外でもスマートフォンを頻繁に見るため目はかなり酷使している様子。
当院の施術
まず、ストレスやお身体の緊張度合いから自律神経の乱れの可能性が高かったため、自律神経測定器で現在のお身体の状態を確認しました。
ストレスの度合いは非常に高く、交感神経が8、副交感神経が2という割り合いから自律神経の乱れがあることを判明しました。
まず全身の血流や自然治癒力の向上を目的に自律神経調節治療を行いました。
他に首肩の筋緊張の緩和、眼の周囲に刺鍼し低周波鍼療法で刺激していきました。
治療頻度は週に1~2回のペースで通っていただきました。
経過
1回目
初めての鍼で緊張されていたので、初回はソフトな刺激量で施術を行いました。
2回目
前回後、とてもよく眠れるようになった。
鍼も慣れてきた。
3回目
眼の状態はまだ変わりないが、肩首の緊張が緩和し、リラックスできる。
4回目
睡眠の質が向上してきた。
5回目
目の疲れやすさが以前より出にくくなってきた。
6回目
少しかすみが減少してきた。
7回目
視界が少しだけクリアになってきた。
首肩コリも緩和。
8回目
かすみが薄くなってきた。まぶしさも減少。
9回目
視界が広がり、視力が上がったように感じる。
10回目
まぶしさはほとんど気にならない。
11回目
かすみ、まぶしさともにほとんど気にならない。
現在もメンテナンスのため通院中。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
当院の扁桃炎に対する治療の目的は、第一に咽頭周辺や解熱の特効経穴に鍼やお灸をすることで抗炎症作用を促します。
症状の強い場合は刺した鍼に微電流を流すことにより鎮痛作用を促したり、少し強めのお灸で抗炎症作用を促します角膜の炎症をおさえる作用を促します。
また扁桃炎は五臓六腑の「肺」と「大腸」に深く関係しているので肺に関する経穴を用いて肺の機能を正常に戻るように促します。風熱の邪気によって引き起こされる場合はそれらを体外に出す治療が必要になります。それらのツボは背中に多くあるためうつ伏せとなっていただき、背部の治療も行っていきます。
東洋医学の診断方法に基づき全身の調整治療も行っていきます。扁桃炎は、免疫機能の低下が原因の一つと考えられているので、全身の調整治療を行い自律神経のバランスを整えることで、免疫力を高めます。
当院では、施術前に自律神経測定器で今現在の体の状態を診極めてから施術致します。そうすることでより高い治療効果が期待できます。
当院の扁桃炎に対する施術目的は、まず炎症や痛みを抑え、慢性化することを防ぐことです。また、西洋医学とは違う東洋医学の観点により少しでも症状が軽くなり、慢性化しない機会を提供することです。
患者さんの仕事の質の向上や生活の質を高められるように治療はもちろんのこと生活上のアドバイスなども積極的に行っていきます。
扁桃炎は、東洋医学で主に五臓六腑の『肺』が障害された疾患と考えられています。
肺の機能として東洋医学では・・・
「気を主る」
呼吸によって外界の清気を吸入し、体内の濁気を排出して、気の交換をします。
また体内の気の生成に関与しています。
「宣散・粛降を主り、水道を通調する」
気と津液の両面に関与する機能であり、気と津液を全身の隅々まで行き渡らせて機能を発現させます。末梢の体液バランス・肺呼吸と皮膚呼吸の調節などに関与しています。
「皮毛を主り、鼻に開きょうする」
汗孔の開閉・汗の分泌・立毛筋の調節などを行っています。さらに病邪が侵入するのを防止して、もし侵入された場合抵抗し排除する重要な役割があります。
風熱犯肺・熱邪犯肺
上記のような肺の機能が熱邪(細菌やウィルス)の侵入により障害されて、機能が低下して扁桃炎が起こると考えられます。
肺と大腸は表裏関係
肺と大腸は、表裏関係にあり肺が侵されると、大腸にも影響受けやすくなり、腹痛や下痢・便秘なども引き起こしやすくなります。
風邪が流行する時期となると扁桃腺が腫れて扁桃炎と診断されていました。ノドの違和感や微熱・軽度な頭痛などの症状が出ていました。
通常は抗生物質などを服用すると1週間以内に体調は回復していましたが、今回の扁桃炎は長く続いて体はそこまでつらくはないが長引く微熱と倦怠感・ノドの違和感を緩和したくてご来院されました。
病院で処方されたお薬を服用していますが、改善されていません。
経過
日々のストレスで免疫機能が低下してしまって扁桃炎となってしまっている可能性もありますので、初診時に自律神経測定器で自律神経を測定していきましてそれに見合った施術法や施術ツボを選別して施術を行っていきます。
1か月ほど週に1~2回ほどのペースで通院していただいておりました。
鍼灸を受けた後の期間では免疫力が向上したのか風邪や扁桃炎などの症状が出ることが少なくなったとのことです。
現在は症状も落ち着いておりますので、施術間隔も長くしていき、自律神経の状態や体のメンテナンスもかねて鍼灸治療を受けられております。
症例2
20代 女性
1週間前に風邪を引いてしまい、熱は下がったがのどの痛みがなかなか引かないため、来院された。
扁桃腺を見てみると赤く腫れあがっており強い炎症を起こしているようであった。
体調を落とす前に、仕事の忙しさやプライベートでの人間関係による精神的ストレスが強く感じていた為か、自律神経の乱れも自覚がある。
当院の治療
まず第1に、喉周りや顎周りに刺鍼を行い、さらにお灸をして炎症を抑える施術を行った。
また、自律神経の乱れによる免疫力の低下が気になったので、自律神経測定器で体の状態をチェックしたところ、交感神経が過活動しており免疫力を働かせる副交感神経があまり活動していなかった。
そのため、副交感神経を高める施術や、東洋医学観点から扁桃腺炎に関わるツボにも刺鍼をし、全身的な体質改善の施術も行った。
治療間隔は1週間に2回のペース。
◇1回目◇
あまり大きな変化はないが、よく眠れるようになった。
◇2回目◇
少しのどの痛みが軽くなった。
◇3回目◇
まだ少し痛みがあるが、順調に改善している。
◇4回目◇
前回からは、変化なし。
◇5回目◇
ほとんど痛みがない。
症例3
30代 女性
3週間前に風邪を引いてしまい病院に受診した。症状は発熱、咳、鼻水、喉の痛みがあったが、喉の痛みだけが全く改善されず残ってしまった。
食べ物や飲み物を飲み込むと激痛が走り、食事が苦痛に感じる。
ここ最近仕事が忙しく、睡眠時間も短くなっておりあまり身体が休めていない状態が続いている。
当院の施術
喉の状態を確認したところ、扁桃腺がひどく腫れてしまい発赤が見られ、発声もままならない状態でした。
日頃のデスクワークに加え、咳が酷かったため首や背中の筋肉が強く緊張していました。
自律神経測定器でお体の状態を確認したところ、交感神経が優位で副交感神経があまり働いていない状態でした。
当院では自律神経の調節に合わせ、首肩背中の筋緊張を緩める施術、扁桃腺の炎症を抑える施術を行いました。
経過
1回目
少し楽になったような気がする。
施術の夜はゆっくり眠れる。
2回目
水を飲みこむ時の痛みが軽くなった。
3回目
朝は痛みが強いが、夕方以降は落ち着いてくる。
4回目
痛みが軽くなってきた。
食事や飲み物、唾液を飲むこと以外はあまり気にならない。
5回目
少し痛むがほとんど気にならない。
6回目
ほぼ痛みはない。
扁桃炎とは、風邪や疲労などによって体の抵抗力が弱まった時に口腔内に潜んでいた常在菌(レンサ球菌・ぶどう球菌・肺炎球菌など)が口蓋扁桃を足場に増殖して炎症を引き起こす疾患です。
扁桃はアーモンドという意味で形がアーモンドに似ていることが由来です。扁桃は体内に侵入する微生物を最初に防御する免疫機能の役割を担っているといわれています。
特にあまり体の免疫機能が未発達の幼少期は、扁桃に免疫機能の大きな役割を担っているいますが、大人になってからその機能不明で扁桃を摘出しても免疫機能に弊害が起きることも少ないことから大した役割を担っていないとも考えられています。
症状としまして、悪寒を伴う発熱・咽頭の激しい痛み・倦怠感・頭痛・関節痛などがあります。また耳下腺や顎下腺などのリンパ節が腫れることもあり、痛みが側頭部や耳に広がることもあります。
扁桃炎は急性と慢性の疾患があります。
・急性扁桃炎
急激に悪寒を伴う高熱で発症し、激しい咽頭痛も起きます。急性扁桃炎は、炎症が周囲に波及して扁桃周囲炎となる場合もあります。
急性扁桃炎が治りかけたところで治療を怠り、悪化していく場合が多いようです。
・慢性扁桃炎
年に何回も扁桃炎が起きる場合を慢性扁桃炎といいます。扁桃のくぼみに細菌が蓄積されていき、風邪や過労、ストレスが誘因となってしばしば炎症を引き起こします。菌が常在されているためそれが原因で、関節リウマチや内臓の疾患に繋がることもあります。慢性扁桃炎は主に慢性単純扁桃炎・習慣性扁桃炎・扁桃病巣感染症の3つに分類されます。
慢性単純性扁桃炎は主に大人が発症するもので、能登の痛みや乾燥感、ノドの違和感を感じます。習慣性扁桃炎は子供に発症して高熱が出る急性扁桃炎を何回か繰り返します。扁桃病巣感染症は、扁桃部分の痛みは軽いものではありますが、リウマチや腎炎など関節や内臓にまでに炎症が広がることがあります。
扁桃炎は、常在菌(レンサ球菌・ぶどう球菌・肺炎球菌など)やインフルエンザウィルスなどが原因となります。それらが、風邪や過労、過度なストレスなどにより体の免疫力が低下した時に増殖して炎症を起こします。
また子供の場合は扁桃で免疫機能の大きな役割を担っている部分が多く、扁桃炎に侵されると習慣化してしまう場合も多いです。
扁桃炎は、免疫機能の低下や日常生活での不摂生が原因で起こる疾患なので、日々の生活を見直す必要があります。また一度扁桃炎にかかってしまうと慢性化しやすく、普段から予防することがとても重要です。
扁桃炎を予防する、慢性化することを防ぐためには、体の免疫力を高める・過労やストレスを避ける・喉を乾燥させないなどがあります。扁桃腺は、細菌やウィルスが体内へ侵入してきた時に最初に防いでくれる体の免疫にとってとても重要な器官です。ノドの乾燥は、菌を増殖させる危険性があるので、うがいやマスクでノドの乾燥を防いで菌を増殖させないことがポイントです。体の免疫力を高めるためには日々の食事に気を付けることや睡眠をしっかりと取ることです。また、過労やストレスは体の抵抗力や免疫力を低下させる危険性があります。扁桃炎になるということは体が弱っている証拠なのです。
・手洗い、うがいを欠かさない
・十分な睡眠をとる
・食事を三食きっちりと摂り、ビタミンCを多く摂る
・はちみつは殺菌力がある
・週に3~4日の運動習慣
・たばこを吸わない
・暴飲暴食をしない
・仕事や家庭でのストレスを溜め込まない
精子に関わるものと性交時に関わるものの両方ともにある精神的ストレスの緩和をさせます。勃起障害は自律神経の乱れが原因となる場合も多く、交感神経が過亢進状態にあります。自律神経を整えることで勃起しやすい体の状態にもっていきます。
骨盤内循環をよくするために骨盤内血流量を上げる経穴を選択するのと下半身の循環を改善します。
東洋医学では腎精の不足が考えられます。腎精の作用は身体の成長や発育、生殖機能などに関わる機能を持ちますので腎を中心に施術します。
当院では、自律神経測定器で交感神経と副交感神経のバランスを調べられます。身体が不調になったときに一番頼りにするのは、自然治癒力です。
元々持っている力で治すことが根本治療に繋がります。自然治癒力は自律神経のバランスが鍵になります。自律神経が整っていると身体の循環がスムーズになり自然治癒力の向上に期待できます。
強いストレスや悪い生活習慣を過ごすと脳にある自律神経中枢が乱れて骨盤周りの血液循環を悪くします。
自律神経測定器で計測したデータを元にその方その方に合った治療法で施術します。
自律神経は一日で変化を起こすことが難しく反応がいい方でも数回はかかります。
治療間隔としては、初めの5回を4~5日に一度のペースで来院していただくと効果がでやすいです。
その後効果が出始めてから一週間に一度、二週間に一度と間隔を広げていき症状の改善をしていきます。
※自律神経測定器
不妊の原因は男女ともに原因の可能性があります。以前は、不妊の原因は女性側だけにあると考えられていましたが、現在では約半数は男性側にも原因があると言われています。
WHO(世界保健機構)による不妊症原因調査では、男性のみ24%、女性のみ41%、男女とも24%、原因不明は11%と報告されています。このことから男性におる不妊の原因は、48%もあると考えられます。
男性不妊の原因の一つに精子の数が関係します。この精子の数は世界各国の報告で毎年減少傾向にあると言われています。日本では過去30年間で10%の精子減少があると言われているため、これからも不妊に悩む夫婦が増えてくると考えられます。
このように男性側による不妊の原因が大きいにも関わらず男性の意識は自分に原因があるとは考えないことが多いため積極的に取り組まないようです。不妊は女性の問題という間違った考えがいまだ世間ではあります。
不妊症とは生殖年齢の男女が妊娠を希望し、二年間性生活を行っているのにもかかわらず妊娠しない場合を言います。二年間妊娠しない場合は不妊治療を考えた方がいいです。
不妊で悩まれている夫婦は相互理解と協力のうえで不妊治療に取り組むことが理想です。
男性不妊の原因には、精子の異常・精子の通路障害・性交障害などにわけられます。
精子の異常
精子の異常には、乏精子症や無精子症、精子無力症があります。
・乏精子障害は射出された精液中の精子濃度が低い状態をいいます。自然妊娠を望むには、精子の数が4000万以上だと言われています。ただし2000万以上で正常だと決められています。WHO(世界保健機関)の基準では精子濃度や運動率、奇形率などを総合的にみて判断します。
乏精子障害は、原因不明なことが多いのですが、精索静脈瘤がみるかることがあります。この精索静脈瘤を治療することで正常になる人もいます。
・無精子症は、精液中に精子が見つからない状態をいいます。染色体異常を除いて、元々精子がつくられないものと精子は作られるが精子の通り道で精子が見つからなくなる二つがあります。閉塞性のものは手術をすることで通り道を再建することができます。非閉塞性のものは難しく薬物治療や外科的な治療になる場合もあります。
・精子無力症は、精子の運動状態が低下していることをいいます。ほとんどが先天的な原因だと言われています。後天的な原因としては、おたふくかぜによる精巣の炎症、前立腺炎、精索静脈瘤、膿精液症などがあります。
運動率は、正常な精子で7から8割以上が運動しますが、精子無力症では、重い場合1割以下しか運動していません。
精子の通路障害
精子の通路障害は、生まれつき尿道が細いと粘液である精液が通りにくくなります。それ以外には、結核菌や淋菌などに侵されて炎症が起こると狭くなり精液がでにくくなります。
性交障害
性交障害には、早漏、遅漏や性器の形態などいろいろありますが、多くの場合は勃起障害によるものです。勃起障害は性交できる程度に勃起できことや勃起を維持できない状態をいいます。
原因には神経の損傷や内分泌疾患、精神的ストレスなどがあります。
・勃起障害は性交時に勃起が不十分や勃起を維持できないため挿入できないことを定義としています。
勃起障害は様々な原因があります。心理的な要因や加齢、生活習慣、神経系の障害、手術や外傷、病気などです。一部の薬剤により勃起障害を引き起こすこともあります。
死の四重奏である高血圧・高脂血症・糖尿病・肥満などを持つと勃起障害になるリスクが高まります。勃起が性的刺激を受けて脳からの信号により神経を伝って陰茎に血液を送り込むため血管にかかわる要因は勃起障害になりやすいということです。
症例
30代 男性
ここ最近勃起が不十分になり性生活が困難な状態に悩まされている。
子供は現在1人で、2人目を希望しているため当院を受診した。
朝立ちは確認できるが、性交時は勃起が不十分なため性交が成立しない。
とくに睡眠不足や疲労が蓄積していると反応できない事や、途中で中折れすることも多い。
平均の睡眠時間は4~5時間程度。ストレスは感じやすい。
当院の施術
EDによる男性不妊はストレス、睡眠不足、慢性的な疲労が影響していきます。
睡眠時間の少なさ、お身体の筋緊張の強さなどから自律神経の乱れの可能性があったため、自律神経測定器でお身体の状態を確認しました。測定の結果、交感神経の割合が高く、逆に副交感神経の割合がかなり低い状態でした。
まずは自律神経調節、とくに勃起に関係する副交感神経の働きを促す施術を行いました。
また、足の冷えや臀部の筋緊張も強いため陰部の血流低下を引き起こしていると考え、冷えや筋緊張を改善し血流促進で勃起を促す施術も行いました。
1回目
よく眠れるようになったが、勃起は変わらず。
2回目
慢性的な疲労感が抜けてきた。
3回目
少し勃起力が強くなってきた。
4回目
まだ途中で中折れするが、立ちやすくなってきた。
5回目
以前より勃起が長持ちするようになり、反応も良い。
無事、2人目の妊娠に成功したというご報告を受けました。
視力低下の原因には、様々なものがあり特に急激な視力低下には隠れた病気が発見される場合もあります。主に視力低下が疑われる疾患としまして
・黄斑変性症
・近視
・乱視
・老眼
・緑内障
・白内障
・網膜色素変性症
・ぶどう膜炎
・中心性網膜症
・シェーグレン症候群
・糖尿病
などが挙げられます。特に急激な視力低下が見られた場合、すぐに処置が必要な場合もございますので、一度眼科の方で診断を受けてください。
鍼刺激によって視力が向上するという研究結果は様々な論文で報告されています。
白内障手術を行った患者30例を対象として、合谷・太陽・上せいめいというツボに鍼刺激を行った結果、裸眼視力および矯正視力に有意な視力向上が認められたという報告や屈折異常意外に特別な疾患を持たずに日頃から疲れ目を感じている被験者を対象として合谷・太陽・攅竹に鍼刺激を行った結果、鍼刺激を行ったグループに有意な裸眼視力の向上または被験者が普段用いている眼鏡を用いた際の視力の向上が見られたなどの報告があります。
また、それらの報告では、シャム経穴刺激群といってツボの正確な位置から少し外した群や実際に鍼は刺さないが鍼管といって鍼を刺入する際に用いる管だけで刺激を与える偽鍼刺激群に分けてランダム化した研究を行い、それらに実際の鍼刺激群との有意な差は見られなかったという報告もあります。
したがって鍼刺激をしないまでも自分である程度のツボの位置を刺激するだけでも一定の視力回復効果が得られるかもしれません。
その他、海外の研究でも鍼治療の視力向上効果に対する症例集積による報告もあり、網膜色素変性症や強度近視、白内障、無水晶体症、緑内障などの疾患に鍼治療を行ったところ中心視力が改善する場合があることや近視・緑内障・網膜色素変性症・視神経委縮などの患者50例を対象に鍼治療を行ったところすべての患者に自覚的な視力向上が認められたとの報告があります
鍼治療による視力向上のメカニズムはいくつかの可能性が考えられています。
一つは鍼刺激によって縮瞳が生じてピンホール効果という効果によって視力が向上するというものです。
ピンホール効果は眼内に入ってくる光を制限して網膜上にずれを少なくするというもので、小さい穴から景色を見ると見えやすくなるという原理を利用した効果です。
鍼治療では、そのピンホール効果を小さい穴出なく縮瞳によって行い視力が回復しているという可能性があります。
点眼薬によって賛同させた場合では鍼治療の視力向上効果が認められなくなったという報告からも鍼治療でピンホール効果が起こり視力向上が起こるという可能性が高いとも言われています。
なぜ縮瞳が起こるかについては、縮瞳は副交感神経優位の状態であり、鍼刺激によって副交感神経が優位になったと考えられています。
その他、鍼刺激後に眼精疲労が軽減するという研究報告があり、目の調節機能の改善の関与や緑内障患者における鍼治療によるコントラスト視力の有意な向上なども研究報告もされており、まだ未解明な要素もありますが、鍼刺激によって視中枢の反応性増大なども考えられています。
参考文献
『鍼灸臨床最新科学』
医歯薬出版株式会社
当院では、目の周りに鍼刺激・鍼通電刺激・お灸刺激を行い視力回復の施術を行っていきます。
その他にも首肩の筋緊張の緩和や全身施術によって自律神経のバランスを整えることも行い、施術効果の持続性を上げていきます。
60代女性
目の酷使により視力が著しく低下。パソコンとスマホをほぼ一日中みていた。今はそれらをやめ、遠くをみたり負担をあまりかけないように注意している。明日運転免許の試験があるため、どうしても視力をあげたいとのことで来院された。
当院の治療
原因がパソコンとスマホの使いすぎと明確になっているため、目の血液循環の改善を第一に施術を行った。首のこりもあったのでうつ伏せから首肩まわりの血流改善から行う。目のまわりだけでなく頭も固さがでていたため、目と頭に鍼通電療法を行った。
治療後
治療直後は目がスッキリして視界がクリアになり、翌日の検査で0.7まで視力が回復したと報告があった維持を目標に適度な運動とスマホを見すぎないようにするなどのアドバイスを行った。それ以降1か月に1回メンテナンスとして治療を継続しており、視力は保たれている。
40代 男性
ここ最近、歳とともに徐々に視力が低下してきている。
1か月後に運転免許の更新をするが、できれば裸眼で更新したいため当院で視力回復の施術を希望。視力は両目で0.5。
普段はデスクワークが中心で、多い時は1日12時間はパソコンを使用している。
首肩コリも強く、睡眠も浅く感じる。
当院の施術
まず、うつ伏せで首肩の筋緊張を緩める施術を行いました。首肩の筋緊張を緩めることによって眼の血流が改善します。
次に、仰向けで眼の周囲に低周波鍼療法で眼の血流を促し、さらに自然治癒力、血流のコントロールを担っている自律神経の調節も合わせて行いました。
更新が1か月後と短いスパンで結果を出さなくてはいけない状態だったため、週に2~3回と短いスパンでご来院して頂きました。
1回目
目の疲れは少し軽減。
とてもリラックスできた。
2回目
目の疲れが改善してきた。
施術後の帰宅中の視界が少しクリアになってきた。
3回目~6回目
仕事後の視界は同じだが、朝起床時の視界はクリアになってきた。
7回目~11回目
今まで見れなかった字が少し見えるようになったような気がする。
その後、無事裸眼で免許を更新できたというご報告をいただきました。
視力を回復させるためには生活習慣も重要です。特にパソコンやスマートフォン操作が増えてきている現代では近くのものを集中してみる時間が増えています。
近くのものを集中してみている時間が長くなってしまうと目のピントを合わせる毛様体筋が疲労してきてピントを合わせる機能が不十分となってきてしまいます。
・作業の間に遠くのものを見るようにして目の休憩を入れる
最低でもパソコンやスマートフォン操作、細かい目を使う作業をした後には最低でも1時間に一回は遠くのものに視点を合わせるようにして毛様体筋を休めるようにしましょう。遠くといいましても遠くの景色を眺めるというわけではなく、4~5メートル離れたものに視点を合わせるだけでも毛様体筋が休むことができると言われています。
・目の周りのマッサージ
お昼休憩や仕事の終わりなど時間が比較的長く取れる休みの際に目の周りを軽くマッサージすることで目の周りの血液循環の改善に繋がり、老廃物質を排出させることで目の疲労がとれやすく、疲労が蓄積されにくくなります。
顔面部の血管はとても細く繊細であるためあまりグリグリと押しすぎないように注意してください。
・目の周りを温める
これも目の周りをマッサージする効果と同じような効果が期待できます。
一番簡単な方法としましてタオルを熱湯で濡らして程よい暖かさにして目の上に置くという方法でも良いです。また、お風呂の際にシャワーを30秒ほど当てるだけでも効果が期待できます。
目は比較的血液循環が豊富な部分でもありますので少しの刺激だけも血液循環は改善されやすいです。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
腹部膨満感とはお腹が張って苦しい状態のことを指します。
一般的に腹部膨満感は大きく分けて2種類あります。
「お腹が張って苦しい」「お腹が重い」「お腹がゴロゴロする」などの消化器官にガスが溜まって生じるものと、「胃が重苦しい」「胃に不快感がある」などの胃の運動機能が低下して起こる腹部膨満感です。
その他、腹腔内の炎症、腫瘍、妊娠などが原因で腹部膨満感がみられる場合があります。
・便秘
便秘とは3日以上排便していない状態、もしくは毎日排泄していても残便感がある状態のことをいいます。便秘が長い期間続くと、腸内に溜まったガスが排出されずに膨満感を引き起こします。
・腸閉塞
腸閉塞は腸管の流れが途中で阻害されてしまう状態のことを言います。腹痛や膨満感、嘔吐などの症状を引き起こします。
・過敏性腸症候群(IBS)
ストレスによって自律神経が乱れ、大腸の蠕動運動が過剰に活発になった結果、膨満感や下痢が起こります。成人の5人に一人が過敏性腸症候群に悩んでいると言われており、どちらかというと女性に多い病気です。
・呑気症
呑気症とは、無意識に大量の空気を飲み込むことで、胃や食道、腸の中に空気が溜まり、腹部膨満感やげっぷ、おならが頻繁に出る症状のことを言います。
日本では20~50代の女性の患者が多い傾向にあります。呑気症の最大の原因はストレスといわれており、仕事や学業などでストレスを抱えやすい現代社会において増えてきている病気です。
<腹部膨満感のメカニズム>
人は食事をとると、必ず消化管でガスが発生します。そして定期的に溜まったガスは呼気(呼吸)や放屁(おなら)として排泄されていきます。
この時消化管内のガスの産生と排泄のバランスが崩れ、ガスが腸管内にたまった状態の時に腹部膨満感は起こります。
ガス過剰生産
・心因性
緊張したりストレスがかかると空気を異常に飲み込んでしまう呑気症や自律神経の機能異常があります。最近多くみられる過敏性腸症候群(IBS)による腹部膨満感や腹痛の原因にもなります。
・腸内ガス産生の過剰
腸内細菌叢の変化で悪玉菌が増えてくると、異常発酵による腐敗ガスが発生します。また、繊維質の多い食事や糖質を含む食べ物はガスを増やしやすく、吸収不良や腸内細菌叢の変化により過剰なガスが発生します。
・ガス排泄量低下
消化管の運動機能が低下すると、腸管にたまったガスが排泄されずに腹部膨満感が起こります。便秘や過敏性腸症候群がこの状態です。その他、腸閉塞では、腸内容物とともにガスも排泄できません。腸粘膜の炎症や循環障害では、ガスが体に吸収されて呼気として排泄できませんので腹部膨満感が起こります。
症状
消化器症状としてお腹の張り、吐き気、便秘、下痢などを伴います。
食べ過ぎない・飲みすぎない
食べ過ぎや飲みすぎなど不規則な食生活を続けると胃腸に負担がかかります。食事はバランスよく腹八分目を心掛け、規則正しい時間に食事を摂るようにしましょう。
ストレスを溜めない
ストレスは胃腸の働きを低下させます。ストレスを溜めすぎない生活を心がけ、趣味や運動などでストレスを上手に解消させることも大切です。
張りを解消する食べ物・飲み物を摂る
お腹の張りを解消してくれる食べ物や飲み物を積極的に摂取するのは有効な手段です。
①ヨーグルト・乳酸菌飲料
ヨーグルト、乳酸菌飲料には腸内環境を整えてくれる善玉菌が多く含まれています。ヨーグルトの他キムチや漬物、納豆などの発酵食品にも善玉菌が多く含まれています。
②生姜
生姜には消化不良による膨満感を和らげてくれる働きがあります。
③バナナ・アボガド
主に食塩として摂取されるナトリウムには細胞内に水分を引き込む作用があるため、摂取しすぎるとお腹の張りの原因となります。バナナやアボガドには過剰なナトリウムを排出し、体内の水分バランスを適切に保ってくれるカリウムが豊富に含まれています。
検査
問診、診察を通して原因を特定し必要に応じて血液検査、腹部超音波、胃内視鏡検査、大腸内視鏡検査、レントゲン検査を行います。
治療
病気が原因の場合その治療を行います。
また、便秘や消化機能低下が原因の場合には下剤や消化管運動亢進薬による治療を行います。腸内フローラのバランスを改善するようプロバイオティクス(乳酸菌、ビフィズス菌、酪酸菌、糖化菌、豆菌、酵母菌)も有効です。医師の判断で胃腸のガスや腹部膨満感を和らげる薬を処方することもあります。
胃は六腑の一つであり、飲食物を受け入れ(受納)、消化(腐熟)し食べたものを人体に有用な形(清)に変化させ、それを脾に渡し、その残りかす(濁)を下の小腸・大腸に降ろします(降濁)。
また、五臓の一つである脾は、清を吸収し肺に持ち上げ(昇清)気血を生成し全身に輸送(運化)します。
腹部膨満感はこの五臓六腑の脾胃の機能の失調が深く関わっていると考えられています。また五臓の肝の機能失調のよる肝気鬱滞も関わりが深いと考えられています。
当院では、内臓機能に深く関わる自律神経のバランスを機械で測定し、患者様のお体の状態を把握したうえで治療へ移ります。
自律神経系の調整施術を行うことで胃腸の機能を整える作用を促します。また、免疫機能、自然治癒力を高める作用も期待できます。東洋医学的観点から脾胃や肝の機能を整えるツボや気の巡りを整えるツボにも鍼やお灸で刺激を与えます。
また、冷えは胃腸の働きを低下させます。触診を行い冷えがみられる場合、腹部を中心にお灸の施術を行い冷えを取り除いていきます。
慢性胃炎の当院の治療はまず自律神経測定器で自律神経の状態を計測することから始めます。慢性胃炎でご来院される多くの方は、交感神経の活動が活発で逆に副交感神経の活動が弱い方がほとんどです。
まずは、自律神経の調整療法を行い、東洋医学的観点から『脾』や『胃』の機能を正常に戻すような施術をしていきます。
施術間隔の目安は、最初の1か月程度は週に1~2回程度でその後叙情に施術間隔を延ばしていきます。
慢性胃炎は東洋医学では、『脾』と『胃』が深い関わりがあると言われています。脾の『運化を主る』作用と胃の『受納と腐熟を主る』という働きは、飲食物の消化・吸収・排泄に関連しています。
よって『脾』と『胃』の働きが低下してしまうと消化・吸収の働きも鈍くなってしまうので慢性胃炎の原因となってしまいます。代表的な病証としましては、『脾陽虚』や『胃陽不足』などが挙げられます。
50代 男性
40代の頃から慢性的な胃炎に悩まされていた。発症当時は、胃潰瘍が発見されて胃潰瘍は薬など服用して治ったがその後も胃もたれ上腹部の違和感を感じるようになってしまった。その度に薬を飲んでいるが、最近仕事のストレスや家庭内のトラブルで薬の効果も薄れてきたように感じる。
外で接待など外食することも多く、接待の次の日は必ず胃の調子が悪くなり、仕事にも集中できない。
治療
まず自律神経測定器で自律神経の状態を計測してから施術していきました。問診していくと接待以外にも暴飲暴食をすることがあり、特に仕事がうまくいかなかったときはストレス解消でついつい食べすぎたりお酒に頼ることがあるとのことでその習慣は少しずつ改善していただくように指導しました。
◇1~3回目◇
体全体の体調がよくなっていることを実感。まだまだ胃の不調を感じることはあるが、薬を飲むと落ち着くようになった。
◇4~6回目◇
症状に波があるが、胃の不快感を感じることが少なくなってきた。
◇7~10回目◇
徐々に薬に頼ることも少なくなってきた。さすがに接待などでお酒を飲みすぎると胃の不快感を感じるが半日ほどで不快感を感じなくなった。
慢性胃炎はその名の通り、何らかの原因により慢性的に胃に炎症がおきている状態です。
胃は飲食物の消化の第一段階と殺菌の重要な役割があります。胃の粘膜からは大量の胃液が分泌されて胃壁の保護や外来の細菌を殺す役割などを担っています。
胃酸は非常に強い酸性で、慢性胃炎を考えるうえで特に重要となるのが胃粘膜を覆っている粘液です。粘液が不足してしまうと非常に強い酸性を持つ胃酸によって胃壁は傷つけられてそれが慢性化してしまうと慢性胃炎となってしまうのです。
慢性胃炎の場合でも症状を呈さない方もいますが、慢性胃炎の代表的症状としまして
・上腹部に違和感
慢性胃炎の中で一番多い症状です。食事をしている時または食事をしていない時でも常に胃部や上腹部に不快感を感じます。上腹部が締めつけられる感じや重たいような感覚になることもあります。
・胃もたれ
慢性的に胃もたれを感じます。脂っこい食べ物などを食べた時には誰でも胃もたれを起こした経験があるかと思いますが、慢性胃炎となるとその他にも胃にそこまで負担とならない食べ物でも胃もたれを感じてその感覚が長く続いてしまいます。
・食欲不振
慢性胃炎となってしまうと胸やけを感じる事があったり、胃液の分泌が減少しているため食べ物の消化がされにくく、そのため食欲不振となってしまう場合もあります。
・嘔吐
食べ物がなかなか消化されずに胃の内容物が逆流して嘔吐してしまうこともあります。症状が重症化してしまうと吐血などの急性胃炎のような症状も呈します。
・口臭
胃の機能が低下して分泌液が減少すると食べ物がなかなか消化されないため、胃の中で食べ物が異常発酵してしまい、卵の腐ったような口臭となることが多いです。
・なにも症状が出ていない場合も
慢性胃炎の厄介なところは胃炎となっていてもほとんど無症状で少し不快感を感じる程度などで症状を自覚する頃には疾患が進行している場合もあることです。
慢性胃炎は胃壁の状態によって分類されます。
・表層性胃炎
表層性胃炎はその名の通り比較的表層の胃壁が軽い炎症を起こしてしまっている状態です。若い年代に多く発症し、空腹時に胃の痛みや腹部膨満感などを感じます。症状は比較的軽く、胃がんなどに進行する可能性は低いですが、胃壁の炎症と修復を繰り返していくうちに胃の運動機能も低下して症状が進行してしまうこともあります。
・萎縮性胃炎
萎縮性胃炎は表層性胃炎と違い、胃がんに進行してしまうリスクが高いと言われています。萎縮性胃炎を発症していない方の3.8倍も胃がんを発症するリスクがあると言われているほどです。
・肥厚性胃炎
肥厚性胃炎は炎症と修復を繰り返していくうちに胃の粘膜が厚くなってしまう疾患です。胃の粘膜が厚くなってしまうと何が問題かといいますと、胃液や胃酸の分泌が増えてしまって胃粘膜を傷つけやすくなってしまい胃の痛みや胃もたれに繋がりやすくなってしまいます。肥厚性胃炎も胃がんにかかるリスクが高くなると言われています。
慢性胃炎の原因は多岐にわたり、ストレスや老化、ピロリ菌感染などが挙げられます。
・ストレスによる自律神経の乱れ
自律神経は自分の意識とは無関係に働いている内臓や血液循環などを主っている神経です。胃の働きもこの自律神経と深い関わりがあります。胃腸の働きは主に自律神経の中の副交感神経が管理しています。副交感神経は、体を休めるリラックス神経です。食事をすると胃腸が働きだすことで副交感神経の活動も高まり、人によっては眠気を誘うのです。
また胃酸の分泌も自律神経が調整しています。
職場や家庭などでの過度なストレスは自律神経を乱します。それらのストレスは主に副交感神経の活動を弱られてしまい胃腸の働きを低下させてしまうために慢性胃炎の原因となってしまうのです。
・暴飲暴食や喫煙習慣
脂っこい物を多く食べ過ぎたりと偏った食生活を続けていると胃粘膜が傷つけやすくなってしまい慢性胃炎の原因となります。過度な飲酒も胃液を減少させて胃粘膜の炎症繋がります。喫煙は、血管を収縮させることが知られていますが、胃粘膜に対しても同様に血流を悪くさせて胃酸の分泌促進に繋がります。
・胃の老化現象
胃をはじめとした内臓も筋肉で出来ています。体の見える部分の筋肉と同じように内臓の筋肉も高齢となると年々筋力・働きが低下していってしまうのです。胃に関しても活動が年々低下していってしまう傾向にあり、消化不良を起こして慢性胃炎の原因となります。
・ホルモンバランスの変化
ホルモンバランスの変化も慢性胃炎の原因となります。特に更年期となると女性ホルモンや男性ホルモンの分泌が異常を引き起こし、それを主っている自律神経にも影響を与えて自律神経の乱れに繋がってしまいます。
慢性胃炎は、胃壁が炎症を引き起こし、胃の機能が低下する疾患です。胃炎は食生活や生活習慣などが原因となって起こることが多く、予防には以下のようなポイントがあります。
胃炎のリスクが高まるのは、過剰なアルコールやカフェイン、辛い食べ物や脂質の多い食品を摂取することによって胃の粘膜がダメージを受けるためです。栄養バランスの良い食事を心がけ、消化の負荷が少なく、胃腸に刺激を与えない食物を摂取するようにしましょう。また、食事の間隔が長すぎるのも胃に負担をかける原因となるため、ある程度決まった時間に食事を摂ることも重要です。
喫煙は胃酸の分泌を促してしまい、胃炎を引き起こす原因の一つです。喫煙量が多ければ多いほどリスクは高くなりますので、完全に禁煙することが大切です。
ストレスがたまりすぎると胃に負荷がかかり、胃酸の分泌が亢進して胃炎を引き起こすことがあります。ストレスを軽減するためには、趣味や運動、スキルアップなど自分の好きなことに時間を使うことが良いでしょう。また、十分な睡眠をとることもストレス軽減につながります。
瞑想やヨガでのゆったりとして呼吸法も有効です。
過剰な非ステロイド性抗炎症薬の使用や、抗生物質の長期使用は胃炎の原因になります。薬剤師や医師の指導の下で正しく薬を使い、過剰な使用をしないよう注意しましょう。
胃炎の早期発見・治療は胃がんなど重い疾患を予防するためにも大切です。定期的な胃カメラ検査や腹部のエコー検査など、胃腸の健康状態を定期的にチェックしましょう。
以上により、健康的な生活習慣を心がけ、胃に負担をかけないような食生活の改善を行っていくことが、慢性胃炎の予防につながります。
令和5年5月1日(月)より
吉祥寺αはりきゅう院
が開院いたしました。4店舗目の分院となります。
吉祥寺駅から徒歩3分ほどに場所にありましてとてもアクセスが良い場所にあります。
施術内容は、他の院と特に変わりございませんのでお近くの方はお気軽にご利用ください。
吉祥寺αはりきゅう院
東京都武蔵野市南町1-11-11武蔵野ビル402
TEL:0422-29-9938
HP:https://kichijoji-shinkyu.com/
当院には、複視でお悩みの方が多くご来院されております。複視になってしまった原因も様々で神経麻痺や筋肉の異常、自己免疫疾患、また病院で精密検査を受けても特に原因が分からなかったという方もいらっしゃいます。効果には個人差もございますが、多くの方が複視の程度が軽減されて日常生活が楽になったというお声を頂いております。
発症して早期に施術を受けて頂くほどその効果は良いです。複視症状で悩まれている方は、一度試しにでも施術を受けてみることをお勧めします。
複視の鍼通電療法
複視のお灸治療
60代 女性
1か月ほど前に急に左目の痛みと圧迫感を感じるようになった。仕事や家事でストレスとなることがあり、その体の反応かなとおもい、体を休めれば良くなると思ってそのままにしておいた。すると2日後くらいから物が二重に見えるようになってしまい特に左側の物が強く二重に見えてしまう。病院を受診したところ左目の外転神経麻痺と診断された。しかし、特に何も処置を行ってもらえずに体を休めるように言われただけだった。目の症状が出てきて耳鳴りや左顔面部の痛み・頭痛も出るようになってきてしまった。
治療
触診の結果、頚部の筋緊張が強く出ていました。そのほか自律神経のバランスも悪く、症状が出てからは不安で眠りも浅いとのことでした。
まず、うつ伏せ施術で首肩の筋緊張の緩和と東洋医学の肝と腎の経穴を中心にはり灸施術を施していきました。次に仰向けとなり左目中心の施術と自律神経のバランス調整を行っていきました。
◇1回目◇
1回目の治療後、身体のだるさが強く出て家に帰ると直ぐ眠ってしまったとのこと。次の日身体は軽く、左首肩・頭痛症状は半分程度に軽減。左目の痛みや複視症状は改善は見られない
◇2回目◇
2回目治療後、左目の動きが少し良くなったと感じた。正面を凝らしてみると複視は起こらない。動いているものを見るとまだ複視状態。
◇3回目◇
耳鳴り症状が半減。寝つきが良くなったとのこと。目の症状は2回目以降変化なし
◇4回目◇
右目も何となくまぶたの重たさを感じたとのことで右目も施術。
◇5回目◇
頭痛薬を飲む回数が明らかに減少。以前は飲んでもう頭痛が治まらなかったが今は薬の効果も感じられる。
◇6回目◇
左目の動き改善。日常生活ではほぼ複視の症状で悩まされない。動きの速いものをみるとずれる時がある。病院でも左目の動きが良くなっていると言われたとのこと
◇7回目◇
早い動きの物にも目が慣れるようになってきた。しかし、注意してみるため、目の疲れは感じやすいとのこと。
◇8回目◇
右目のまぶたの重たさ軽減。視力も良くなったとのこと。
60代男性
2週間ほど前から新聞やパソコン画面がぼやけて見えるようになってきた。以前から遠くのものは見えづらく、視力の低下を感じていた。最近近くのものが見えづらくなってきたことから老眼の症状が始まったかなと感じていた。しかし、2週間ほど前から近くのものを見ることがつらくなってきて徐々に二重に物が見えるようになってしまった。
日常生活でも不自由を感じていてあまりに症状がひどくなってしまったので眼科を受診したところ、右目の動きが悪いため二重に物が見えていると言われた。確かに右側に視線をやると二重の幅が広がるとのこと。しかし、なぜそのような状態になってしまったのかという原因は眼科の検査でもわからずに経過観察と言われた。
治療
以前、交通事故に遭った時に頸部を損傷して常に首に違和感を感じているとのことでした。たまにひどい時は整形外科でけん引してもらっていた。触診してみると頸肩の筋緊張が強く、それも何かしら目に影響を与えていると考えられたのでまずうつ伏せ施術で頸肩に鍼通電療法を施した後に仰向けとなり自律神経の調整施術と右目を中心に目周囲に鍼通電療法を施していきました。
◇1~3回目◇
3回目までは目についてはあまり変化がみられなかった。頸肩の筋緊張はいくらかほぐれている。
◇4回目◇
4回目の施術終了後から真正面のものは二重に見えることがなくなった。普段複視症状がつらく、片眼で見るための眼帯をしていたが眼帯せずに過ごせるようになった。
◇5~8回目◇
徐々に右に視線をやっても複視になる範囲が狭くなってきた。8回目終了後には日常生活には支障なく過ごせるようになった。
◇9~12回目◇
たまに集中して近くのものを見て目を使った時は複視症状が出る時もあるが以前のようなつらさはない。その日しっかりと睡眠をとると複視症状は回復できる。まだ電車内などで速く動いている物を目でとらえようとすると目が追い付かない感じがあるが普段は全然複視症状は気にならなくなった。
30代 男性
当院にご来院される2週間前から複視の症状が出た。複視は像が上下にずれてしまうタイプで近くが大きくずれてしまい、遠くの物を見ても少し像がずれてしまい車の運転に支障が出てしまう。仕事で車を運転するため3週間ほど仕事を休むことになった。
仕事は、朝早くから夜遅くまで長時間労働でたまに夜勤もあり、生活はかなり不規則だった。体の疲れもとても溜まっていて複視の症状が出た可能性があった。病院で脳の検査や重症筋無力症の検査を行ったが特に検査結果に異常はみられなかった。病院では治療は特に行われず安静を指示されたが、ご本人としては何か手はないのかと探していたところ当院のホームページを見つけてご来院されました。
治療
普段からの不規則の生活のせいか、自律神経のバランスも大きく崩れていた。首の付け根付近の筋緊張も強く出ていたのでまず初めにうつ伏せ治療で首肩の筋緊張の緩和、背部兪穴の肝・心を中心に施術していきました。次に仰向けとなり目の周りの施術と自律神経のバランス調整治療を行っていきました。
◇1回目◇
治療後、複視のずれ幅が少し改善。日常生活でのつらさが少なくなった。
◇2回目◇
以前は正面を見ても像がずれることが多かったが2回目の施術以降は正面は像が合うようになった。朝方はまだ日常生活でも辛さを感じる
◇3回目◇
視線を左右に動かすとピントがついていかずに像がずれるように感じる
◇4回目◇
4回目治療以降は日常生活で複視の症状が出る事はなくなった。ここで仕事への不安感などから夜寝つきが悪くなったり、突然胸の圧迫感や手足のしびれを感じるようになったとのことで心療内科系疾患への治療へ方針をシフトしていった。
◇5~8回目◇
夜寝つきもだんだんと改善。仕事へも無事に復帰することができたが、仕事している際中にたまに胸の圧迫感やわき腹当たりのはり感などが出ることがあり現在も通院加療中です。
50代 男性
当院にご来院される6ヶ月前に転倒して頭部を強打した。すぐに救急病院に行き、処置をしてもらったが、その時から2週間ほどかけて物が二重に見える症状が強くなっていってしまった。特に脳神経の異常は画像診断などで見られなかっため、経過観察となった。お医者さんには、3カ月ほどかけて徐々に良くなっていくと言われ、ビタミンB12が処方された。しかし、6カ月ほど経過しても複視の症状は一向に改善されずに何かほかに治療の手段はないかとインターネットで調べて当院にご来院されました。
ご本人の感覚としては、左目の動きが悪く物が二重に見えているような感覚とのこと。正視の状態では少し左目が内側を向いている。視界以外には、頭部を強打した後遺症は見られない。
治療
頸部の筋緊張が強く、特に後頭部付近の板状筋の硬直が見られたので、まず最初にうつ伏せとなり、背部や頸肩部の筋緊張を緩める鍼灸施術を行っていきました。次にうつ伏せとなり、左目中心に鍼を刺してさらに刺した鍼に電気の刺激を加えることで目周囲の筋肉や神経に刺激を与えて症状改善を図っていきました。近く地方に転勤するとのことで2日おきに集中的に治療していきました。
◇1回目◇
治療後若干、左目の動きが良くなったように感じるが、複視の状態は特に変化なし
◇2~5回目◇
左目の動きが徐々に良くなっていっている。以前感じていた頸肩こりも感じにくくなった
◇6~8回目◇
以前はどの方向を見ても物が二重に見えていたが、今は左下のほうだけが二重に見えている状態となった。それ以外は正常に見えている
◇9回目◇
大体正常に見えるようになった。少し左下方向を見ると複視の状態が出るが日常生活ではほぼ支障なく生活できる。しかし、目を凝らして物を見ているせいか目の疲労感を感じやすくなった。目を良く使った日の夜に複視の状態が出る時がたまにある。
治療9回目を終了したころに地方に転勤となったため、生活でのケアの方法などをアドバイスして治療を終了した。
70代 男性
1か月ほど前から物が二重に見える複視症状を発症。年齢も年齢なだけにすぐに病院で検査を受けて脳のMRIなどを受けても特に原因が特定されなかったとのこと。
図面など細かいものやパソコンなども仕事で見る機会が多く、目の疲れからくる一時的なものだと医師から言われた。
ビタミン剤を処方されて服用していたが、一向に良くなる気配がないため他に治療法がないかと検索したところ当院のホームページを見つけてご来院されました。
治療
図面やパソコンなどの近くの物を見るときも物が二重に見える・左側の視界はさらに二重の幅が大きく感じるとのこと。また、遠くの景色もさらに二重の幅が広くなって気持ち悪くなってしまう。
高齢であることから針の刺激量を少し抑えつつ調整しながら目の周りは電気鍼治療も行っていきました。
◇1回目◇
一回目の治療後、翌日の朝から効果が感じられたとのこと。まず、近くの物が見えやすくなってパソコン作業時や図面を見るときはしっかりと一つに見えるようになった。少し離れたテレビ画面などはまだ二重に見える
◇2回目◇
治療日から日数が経過するごとに状態が少し戻って行ってしまったが、2回目治療後も1回目同様に近くの物が見えやすい。
いくらか遠くの物も二重の幅が狭くなったように感じる
◇3回目◇
3~4メートルくらい離れた物だとほとんど正常に見えるようになった。家の中ではそこまで不憫を感じない。遠くの景色や階段を降りるときはやや少し怖さを感じる。
◇4回目◇
遠くの景色もほとんど一つに見えるが、夕方以降仕事で目を使っていると目の疲れを感じて物が二つに見えるときもあり。
目の疲れを感じた時などにメンテナンスのために通院加療。
80代 男性
当院にご来院される1か月ほど前から急に朝物が二重に見えてしまうようになってしまった。すぐに病院でMRIなどの検査をしたが、原因がわからずに動眼神経麻痺と診断を受けた。
医師からは経過観察で半年ほどかけて治っていく場合もあるとのことで、特に何も処方されなかったとのこと。
特に右眼の動きが悪く、真正面から左側の視界は物がひとつに見えるが、右側の視界は物が二重に見えてしまう。またテレビ画面を見るくらいの距離だと二重に見えてしまう、眼の前ほどに物を持っていくと正常に見える。
物が二重に見えてしまうため人との距離感がわからなくなって外で歩く際は、右眼のを隠す眼帯をして何とか歩行している状態。階段も恐々と手すりを持ちながら降りている
治療経過
初診時触診をしたところ、頸部の筋緊張も強いような状態でした。まずうつ伏せで首肩や背部兪穴を用いて首肩周りの筋緊張の緩和や五臓六腑の特に肝や腎に関するツボを刺激していきます。
次に目の周りに鍼をさして電気を流す鍼通電療法を用いて目の周りの筋肉や神経に直接刺激を与えていき改善をはかります。
5回目の施術終了後、だんだんとひとつに見える範囲が広がってきて、右側の視界もひとつに見えるようになってきた。ご家族にも眼球の動きが良くなっていると指摘されたとのこと。
施術8回目までだんだんと症状改善していったが、テレビを夜遅くまで見ることが多くなってしまって少し症状がぶり返した感覚。遠くの視界が複視
施術10回目以降また症状が改善してきた。以前は、人とすれ違う時が二重に見えてしまうためこわかったが、怖くなくなりテレビ画面もひとつに見えて遠くの視界もひとつに見えるようにだんだん変化していった。
日常生活に支障がない程度に回復。右側に視線をやると少し二重に見えるかなという程度。
肝機能障害に対する鍼灸治療はWHOが定める鍼灸治療が有効とされる疾患の一つとして挙げられています。
鍼灸治療は自律神経のバランスを整えて内臓の機能を高めることであまり認知されてはいませんが、肝機能障害に対しても有効とされているのです。そこで今回は肝機能障害に対する鍼灸治療ということで書かせていただきます。
肝機能障害に対する鍼灸治療は、まず第一に東洋医学的観点より症状を判別して肝機能を高める施術を行うことです。
主に五臓六腑の肝の機能を正常に戻す施術施しますが、その他にも症状によっては「腎」や「胆」にも異常が見られる場合もありますのでそれらの箇所も東洋医学的に施術していきます。
また、内臓の臓器は自律神経の支配を受けており自律神経が乱された状態ですと機能も低下して肝臓の場合でも機能低下をきたしやすいと言えます。そこで当院では、自律神経測定器を用いて自律神経の状態を把握したうえで自律神経を正常な状態へと戻すような施術も行っていきます。
自律神経の状態を整えることは肝機能を正常に回復させる方法としてとても重要なものとなります。
その他施術以外にも積極的に生活指導も行っております。それは施術を受けても飲酒習慣が続いたりするとどうしても症状の回復は見込めないからです。本気で肝機能を正常に戻すには治療の他にも生活習慣を見直す必要があるのです。
※生活上の注意点
肝機能障害を回復させるためには日常生活での食事や運動などが重要となってきます。いくら肝機能障害の治療を受けていても暴飲暴食を続けていたのなら回復する可能性は低くなります。
・お酒の飲む量を調節する
アルコールやアセトアルデヒドなどの毒素分解の役割を肝臓が担っているため過度な飲酒は肝臓に負担をかけて肝細胞が死滅する原因となってしまいます。症状がだいぶ進行した人であるならば断酒する必要もあります。
しかし、肝臓の状態がそれほど悪くない方の場合は、飲酒量を減らす・アルコール度数の低いお酒にする・休肝日をつくるなどして制限すれば決して断酒する必要もありません。
厚生労働省の研究によると日本酒で約7合を毎日10年以上飲み続けた場合では、約20%の人が肝硬変を発症するというデータがあります。さらに15年以上飲み続けた場合では半分の方が肝硬変を発症しています。これだけ高いデータがあるのでまだ肝機能に異常がない方でも飲酒の量は考えて飲む必要があります
・食べ過ぎない
食べ過ぎで毎日栄養過多の人は、栄養代謝で肝臓への負担は大きくなり、肝機能障害を発症しやすいと言えます。また、太りすぎの方は肝臓への負担が大きくかかることもわかっています。毎日原6~7分目を心がけて決して食べ過ぎないように注意しましょう。
・肝臓によい食事
破壊された肝細胞を修復するのに良い栄養素としてタウリン・ビタミンB・セサミン・アラニンなどが知られています。それら肝臓にいいとされる食材としてブロッコリー・ニンニク・玉ねぎ・リンゴ・グレープフルーツなどがあります。バランスよくそれらの食材を毎日の食事に取り入れていきましょう。
・運動習慣
運動習慣特にウォーキングや体操などの有酸素運動の習慣があると自律神経も整いやすいですし、体脂肪を落とすにはやはり運動は必要となってきます。運動すことで自律神経が整えられて太りすぎ状態を防ぐことで肝機能障害になりにくくなります。
東洋医学での「肝」の働きは西洋医学での肝臓の働きと似ている部分もありますが、全然似ていない部分もかなりあります。
東洋医学での肝は、肝臓の部分機能や血液循環の調節機能の他に自律神経系・情動活動に関連する中枢神経系・運動神経系・視覚系の一部もつかさどっているという考えがあります。
・肝は疏泄をつかさどる
肝は気を体の隅々にまで行き渡らせる機能があります。これは、情緒を安定させて精神状態を安定的に保つこと、視床下部や自律神経系の機能によって全身の各機能を円滑に行われ
るように保つことにあたります。
・肝は血を蔵する
肝は血を貯蔵して必要に応じて供給・消費する機能があります。自律神経系を介して血管を収縮・弛緩させて体内の血液量を調節することにあたります。
・肝は筋をつかさどる
肝は運動神経系の調節をつかさどっています。筋膜や腱の緊張・運動を弛緩・制御することことで肝は筋をつかさどっています。
・肝は目に開竅する
肝は自律神経系の調節などの作用によって視覚の一部をつかさどっています。よって肝の機能異常は視覚・目にも影響が出やすいと考えられています。
30代女性
ここ半年で体重が10㎏増加し、病院で肝機能に障害があると診断された。
肝臓の数値をよくするために漢方薬を処方されて1か月飲んだところ数値が少し改善。
漢方と併用して鍼治療を行えばさらに回復が見込めるのではとのことで来院された。
もともとアトピー体質で、肝機能が低下するとアトピーもひどくでる。
症状が強いときはかゆみで夜眠れない日もある。
肝臓の数値と、アトピー肌の改善を鍼治療で行い体質改善をしたい。
当院の治療
これまでの生活習慣をきいたところ、昼夜逆転の生活や目の酷使、ストレスをためやすい、生理痛が重いなど「肝」に負担がかかる状態にあった。日常の積み重ねで今回の症状が現れたと推測できる。鍼灸治療では「肝」の経絡を中心に刺激をいれ、自律神経の調節も行った。また、1時~3時は東洋医学では肝の時間なので、その時間に睡眠をとり肝を休めるようアドバイスをした。
アトピー症状も強くでていたので、皮膚の熱をさげターンオーバーを促進するツボを用いて鍼とお灸施した。
◇1回目◇
施術当日は夜かゆみもなくぐっすり眠れた。
初めての鍼で緊張もしていたが痛みはほとんどなくリラックスできた。
◇2回目◇
初回から1週間だが効果は持続しているように感じる。
かゆみもゼロではないが落ち着いている。
夜12時には布団にはいるようにしてから調子がよくなっている実感がある。
◇3回目◇
生理があり体調が崩れた。かゆみも少し強め。
婦人科系のツボも使って前回同様に全身の調節を行った。
◇4回目◇
一時的に症状悪化したがそのあとすぐに改善。
アトピーの薬はのまなくても過ごせるようになった。
体重はまだ減ってないが、以前より疲れを感じにくくなったいし変化はしている気がする。
次の検査までは週一のペースで通って経過をみていきたい。
肝機能障害について知るうえでまずは肝臓の役割を抑えておく必要があります。
肝臓は臓器の中で一番大きい臓器で重さも1.2~3kgもあるもい臓器です。場所は、みぞおちの右側に位置しており、外側に肋骨がある事で外部からの衝撃から守られるような場所にあります。肝臓には右葉と左葉があり右葉が全体の65%、左葉が全体の35%をしめて全体的にみると三角形の形をしています。
肝臓は他の臓器に比べて血液量が多い臓器の一つです。肝臓には主に門脈と肝動脈という二つの血管が出入りしています。門脈は腸や脾臓から栄養素の多く含んだ血液を運んでおり、肝動脈は大動脈から流れる酸素を多く含んだ血液を直接肝臓に運んでいます。それらの栄養素や酸素を多く含んだ血液により、肝臓は様々な働きができるのです。
肝臓は、細かく分ければ500以上もの身体の働きを担っていますが、その働きがなかなか感知されにくいため、「沈黙の臓器」とも呼ばれています。
肝臓の役割としてまだまだ解明されていない部分もありますが、分かっている範囲で大まかに分けて3つあります。
解毒・分解作用
アルコールが解毒される場所は、肝臓であるということはよく知られているかと思います。アルコールばかりでなく、その他の毒素、アンモニア・有害なウィルスや細菌なども無害なものに解毒・分解する作用が肝臓にはあります。 しかしこの肝臓の解毒・分解作用にも限界があります。アルコールの多量摂取や薬物の過剰な摂取は肝臓を傷めつけて気付いたときには肝臓機能が再起不能状態となってしまい解毒作用が出来ない状態ですでに手遅れという状態となる危険性があるので注意しなければいけません。
栄養素の代謝・貯蔵
肝臓は、取り込んだ栄養素をエネルギーに変える重要な役割があります。タンパク質や脂質、タンパク質などの栄養素は体に取り込んだだけでは何の役にも立ちません。そのような栄養素は肝臓でほかの物質に変えられて初めて体内に吸収することができてエネルギーとなるのです。この栄養素を化学反応によって体内に吸収させる物質に変化させることから肝臓は「体内の化学工場」とも言われます。
栄養素としてよく知られているタンパク質・糖・脂質・ビタミds8ン・ミネラルなどの代謝は肝臓で行われているのです。 そしてそれら体内に吸収されるようになった物質は、肝臓内に貯蔵して必要に応じて体に送り出す機能も担っているのです。その肝臓の機能が低下した状態となってしまうと体はエネルギー不足となってしまいすぐに疲労してしまいます。
胆汁の生成
胆汁は、脂肪の消化吸収を手助けしている液体ですが、胆汁も肝臓で生成されていて間接的に脂肪の消化吸収の役割も担っているのです。肝臓では一日に700~1000ccほどの胆汁が生成されており、胆汁の生成が十分な状態に陥ってしまうと、消化吸収の機能が低下してエネルギーが十分に確保できなくなってしまったり、消化不良を起こしやすく便秘にもなりやすくなってしまうのです。
肝機能障害といいましても一つというわけではありません。肝機能は様々な役割があるため症状の出方もそれによって異なってきます。下記の症状が続くようでしたら、肝臓の異変も考えられますので一度病院で検査を受ける必要があります。
☑何をしてもすぐに疲れる
☑常に身体が重だるい
☑食欲がわかない
☑身体のむくみが取れない
☑尿の色が濃い状態が続いている
☑お腹がパンパンに張る
☑眼球の白めの部分や皮膚が黄色味がかる
☑全身がかゆい
肝臓の異常は、なかなか体に現れにくいため上記の症状が出たら症状が進行している危険性もあるので早急な対応が必要となります。肝臓にはもともと再生能力が備わっています。
それは臓器の中で肝臓だけに備わっている能力でたとえ肝細胞の一部が壊されたとしてもすぐに再生したり、再生の間でも別の肝細胞が活動を補うことが可能なためなかなか症状として体に現れにくく、現れた時には症状がかなり進行しているということが往々にしてあります。
肝機能障害の代表的なものとして
脂肪肝
脂肪肝は一度は耳にしたことがあるかと思いますが、その名の通り肝臓に脂肪がたまりすぎている状態です。正常時の10倍以上も脂肪が肝臓に溜まっている状態ですが。脂肪肝の症状はほとんどありません。脂肪肝が進行すると肝炎や肝硬変となってしまう危険性があります。
上記にもある通り肝臓には取り込んだ脂肪を代謝して貯蔵して必要に応じて各器官に送る機能がありますが、脂肪摂取の多い暴飲暴食やアルコール摂取が多いと肝臓内に貯蔵される脂肪が増えて脂肪肝となってしまいます。
脂肪肝には、アルコール性脂肪肝と非アルコール性脂肪肝とがあります。アルコール性脂肪肝は、アルコール摂取が多くアルコールの解毒の過程で肝臓の働きが低下することで肝臓内の中性脂肪がたまっていきます。非アルコール性脂肪肝は、肥満や糖尿病の人でインスリンの働きが鈍くなり糖の代謝が鈍ることで肝臓に脂肪がたまりやすい状況となります。
肝炎
肝炎にはウィルス性のものとアルコール性のものとがあります。 ウィルス性肝炎にはA型・B型・D型・E型があり、日本ではB型肝炎とC型肝炎が大半を占めます。B型とC型は血液を介して感染します。A型とE型は水や食べ物を介して感染しますが、現代では衛生環境が整っているため減少傾向にあります。
アルコール性肝炎は脂肪肝の状態でもアルコール摂取量を減らさない状態を続けていると約2割の人はアルコール性肝炎を発症すると言われています。アルコール性肝炎は脂肪肝とは異なり、発熱やわき腹痛、食欲不振、むくみなどの症状が出ます。この状態でも禁酒をすれば肝臓の機能は改善する見込みがあります。しかしこの状態でもアルコール摂取を控えないと肝硬変となってしまい、肝機能は禁酒をしても効果がえられなくなってしまいます。
肝硬変
肝硬変は、その名の通り肝臓が固くなってしまった状態です。肝炎が進行して肝細胞が傷ついて修復する過程でだんだんと細胞が線維化して硬くなってしまいます。
肝硬変が重症化してしまうと肝臓がんとなり、最悪の場合生命の危険にさらされます。肝硬変となると肝臓の栄養の消化吸収作用や解毒作用がうまく機能せずに倦怠感や体重の減少、便秘、筋肉の痙攣などが症状として出ます。また肝機能が衰えることで血液を固める血小板が十分に作られなくなるためちょっとした刺激で内出血が起こりやすくなったり、鼻血が出やすくなってしまいます。
定期検診や人間ドッグなどで肝臓の検査が良く行われますが、簡単な基準値を頭に入れておくと良いでしょう。
・GOTとGPT
GOTとGPTは主に肝臓内にある肝細胞で働いている酵素で体の中の重要な構成要素であるアミノ酸の生成する役割があります。肝臓が正常に働いている状態ではGOTとGPTも正常に働きますが臓器が損傷することで分量が増加するため血液中のGOTとGPTの数値は高くなってしまいます。GOTは肝臓の他にも心筋や骨格筋にも多く存在しているため数値が高くなると、肝臓の病変以外にも心筋梗塞や筋ジストロフィーなども疑われます。
基準値は30IU/L以下と定められています。基準値を下回っていればほぼ問題ないと言えます。数値が50IU/Lが越えてしまった場合は注意が必要で肝臓に何らかの異常がある可能性があります。さらに100IU/Lを超えた場合は、ウィルス性肝炎や肝硬変の疑いがあります。
・γ-GTP
γ-GTPは肝臓や腎臓などで生成されて肝臓の解毒作用に関与している酵素です。また、エネルギー代謝を助けてたんぱく質を分解・合成する酵素でもあります。肝臓や胆管の細胞が破壊されると血液中にあふれ出すことから数値が基準値を超えると注意が必要です。
数値が上がっても身体に何か症状が出るわけではありませんが、数値が高いと脂肪肝や胆石などの疑いがあるので注意が必要です。 γ-GTPはアルコール性の脂肪肝や肝炎に反応してアルコールを飲みすぎると短期的に数値が上昇します。基準値は50IU/L以下で、それを超える100IU/L以上となってしまった場合は脂肪肝が進行している可能性があります。200IU/L以上となった場合、アルコール性肝炎や肝硬変、胆石や胆道がんなどの疑いも出てきますのでさらに詳しい検査が必要となってきます。
が整えられて太りすぎ状態を防ぐことで肝機能障害になりにくくなります。
眼精疲労の主な症状は、目の疲れに伴う痛みやピントが合わせづらい、視力の低下などの目の症状に加えて首肩こりや頭痛、全身の倦怠感などの全身症状も呈します。目は、人間の外部から得られる情報の中の約8割をも占めるといわれるとても重要な臓器の一つです。その視覚情報に不具合や不快感が生じてしまいますと全身にも影響を及ぼしてしまうのです。
現代社会では、パソコン作業やスマートフォン操作の増大によって近くの物を注視する機会が増えたことによって目に負担がかかり、目に関するトラブルが急増しています。人間の目は本来遠くのもが見えやすいように構造されています。それは、昔は目によって獲物を捕らえて狩りをしていたり、天候の変化を見極めて身を守っていたことに由来します。それが現代では、そういった機会少なく逆に近くの物を見る機会が増えており、それが目の構造とは真逆となって目に負担をかけているのです。
近くの物にピントを合わせようとすると目のピント合わせる毛様体筋に負担がかかり、その周りの眼輪筋などにも波及してしまいます。また、視線を動かすことが少なくなり、目を動かす6つの筋肉(外直筋・内直筋・上斜筋・下斜筋・上直筋・下直筋)が衰えてしまうことで物が二重に見えてしまう複視症状にもつながりかねません。
当院の眼精疲労に対する鍼治療では、目の周りに鍼を刺して疲労している筋肉に直接アプローチすることで目の循環を改善して疲労物質を排出してあげて栄養ある血液を行き届かせるように施術していきます。また、目の周りに温かいお灸を施すことで凝り固まった筋肉を緩ませる施術も行っていきます。
その他、眼精疲労を東洋医学で考えますと、五臓六腑の『肝』が深く関係しています。目にとって肝はとても重要な五臓の一つで肝の機能が低下してしまうと目に気血が十分に行き届かなかったり、逆に肝火が上炎してしまって充血や目の痛みに繋がってしまうと考えられています。当院では、肝のツボも用いて肝の状態を正常に戻すような施術も行っていきます。
また、全身施術として自律神経調整治療も行っていきます。目と自律神経も深い関係にあります。目のピントを調整する機能であったりまぶたの開閉、血液循環は自律神経が関係しています。目の不調は自律神経の乱れにつながりかねません。自律神経の乱れを整えることで目にもいい作用が働くと考えて施術していきます。
初診時に必要であれば自律神経測定器を用いて自律神経測定も行ってその方に合わせた自律神経調整治療を行っていきます。
・眼精疲労の鍼灸治療について詳しくはコチラ←
・視力低下の鍼灸治療について詳しくはコチラ←
・複視の鍼灸治療について詳しくはコチラ←
・首コリの鍼灸治療について詳しくはコチラ←
症例①
30代女性
社会人となって事務職に就いてからパソコン作業の時間が増えてそれに伴い5年ほど前から目の疲れや目の奥の痛みを定期的に感じるようになった。夜遅くまで仕事などもある時があり、なかなか寝付けない・全身の倦怠感・頭痛などの全身症状も最近出てきた。
眼科を受診したところ、少しドライアイ気味だが特に大きな病気は見つからず、目薬が処方されて点眼をしているがあまり良くならなかったため鍼治療を受けてみようと思ったとのこと。
鍼治療
特に目の奥の痛みが左側に現れることが多く、それに伴って左首肩にも痛みが波及していくとのことで、左目と左首肩に比重を置いて施術していきました。また、問診時に自律神経の乱れもあると考えられたため、自律神経測定を行い自律神経のバランスも調整する自律神経調整治療も合わせて行っていきました。
まず、うつ伏せとなり首肩の筋緊張の強い部分に鍼をしてその他背中にあるツボも施術していき、次に仰向けで目の周り特に左目の鍼の本数を増やして治療しました。左目にはさらに鎮痛効果が期待できる鍼通電を行い、症状の緩和をはかりました。
自律神経調整治療ではお腹手足のツボを用いて鍼やお灸療法も行っていきました。
・1~2回目
一回目の治療後、一番つらい状態が10(VAS)だとすると3~4程度に症状は落ち着いた。下肢の冷え症状も強く出ていたため、下肢にお灸を多く行って全身の巡りを良くしていきました。
・3回目
日常的に左目の痛みを感じることはなくなった。違和感程度。左目のVASは1~2ほどで、左首肩はまだVAS3~4ほど。
・4~5回目
仕事が忙しい時でも以前よりは寝つきが良くなってきた。左目と左首肩のVASは1~2ほど。でも、どうしても無理して体を酷使すると痛みが少し出る時もあるため、症状が出そうになった時だけ不定期に来院。
症例②
20代男性
美容師の仕事をしており、細かい作業が多く目をよく使う。また、髪を切る姿勢は頸肩に負担が多くかかるため常に首肩こりに悩まされていた。忙しい時は、ほぼ休みなく一日中カットをしている時もあり、そのような日は夕方くらいから目の周りに痛みが出てひどい場合には頭痛やめまいを起こすようになってしまった。
病院を受診して薬を処方してもらっていくらか症状は抑えられているが完璧な状態までいかずに何とかもう少し体が楽に仕事ができるようになりたいということで当院にご来院された。
鍼治療
まず頸肩の筋緊張の緩和と立って仕事をする機会が多く腰部の筋肉も過緊張状態であったためうつ伏せでそれらの筋肉をほぐしていきました。つぎに仰向けとなり、目の周りの筋緊張の緩和と自律神経の調整施術を行っていきました。また、眠りも浅く寝ても疲れが取れないという状態だったことから睡眠に関するツボも用いて鍼とお灸の施術を行っていきました。
・1回目
治療後、頸肩は楽になり、いつもよりも睡眠が深く取れたように感じたとのこと。目の状態はまだ夕方ごろになると疲れを感じてくる
・2回目
以前よりも目の状態は良くなったように感じるが、まだ夕方以降に調子が崩れてしまう
・3回目
夕方以降の目の状態は、VAS4程度と徐々に改善が見られるようになってきた
・8回目
7回目まではいい状態と悪い状態を繰り返す調子の波があったが、8回目以降は体も安定。夕方以降となっても目の疲れを感じにくくなった。
症例③
30代男性
半年前から目の奥の痛みや乾きが気になるようになった。
目薬をさしてもその場はよくなるがすぐもとに戻ってしまう。
1日10時間以上パソコンを使用している。
細かい作業が多く、長時間続けると頭痛がでることもある
目を温めると調子はいい。
当院の治療
目の周りの筋緊張の緩和を目的として、目のまわりに鍼を行い低周波治療器で電気を流した。
温めると症状が緩和されるとのことだったので、電子温灸器で目の周りを温め、血液循環がよくなるように治療した。
デスクワークによる首や肩のこりもあったためうつ伏せで背部の治療も行った。
経過
1回目
施術後視界がクリアになり、目の奥の痛みがなくなった。
2回目
目の痛みが軽減し、目薬も効くようになった。
頭痛も以前より回数が減っている。
5回目
仕事をしていると疲れるが、目のまわりを押したり温めると目の奥の痛みはとれるようになった。
頭痛も2週間出ていない。
今後も定期的な治療を続ける。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院