眼精疲労の鍼治療症例

眼精疲労の鍼治療と東洋医学

 

 

眼精疲労の主な症状は、目の疲れに伴う痛みピントが合わせづらい視力の低下などの目の症状に加えて首肩こり頭痛全身の倦怠感などの全身症状も呈します。目は、人間の外部から得られる情報の中の約8割をも占めるといわれるとても重要な臓器の一つです。その視覚情報に不具合や不快感が生じてしまいますと全身にも影響を及ぼしてしまうのです。

現代社会では、パソコン作業やスマートフォン操作の増大によって近くの物を注視する機会が増えたことによって目に負担がかかり、目に関するトラブルが急増しています。人間の目は本来遠くのもが見えやすいように構造されています。それは、昔は目によって獲物を捕らえて狩りをしていたり、天候の変化を見極めて身を守っていたことに由来します。それが現代では、そういった機会少なく逆に近くの物を見る機会が増えており、それが目の構造とは真逆となって目に負担をかけているのです。

 

 

近くの物にピントを合わせようとすると目のピント合わせる毛様体筋に負担がかかり、その周りの眼輪筋などにも波及してしまいます。また、視線を動かすことが少なくなり、目を動かす6つの筋肉(外直筋・内直筋・上斜筋・下斜筋・上直筋・下直筋)が衰えてしまうことで物が二重に見えてしまう複視症状にもつながりかねません。

複視

当院の眼精疲労に対する鍼治療では、目の周りに鍼を刺して疲労している筋肉に直接アプローチすることで目の循環を改善して疲労物質を排出してあげて栄養ある血液を行き届かせるように施術していきます。また、目の周りに温かいお灸を施すことで凝り固まった筋肉を緩ませる施術も行っていきます。

 

眼精疲労のはり灸治療

 

その他、眼精疲労を東洋医学で考えますと、五臓六腑の『』が深く関係しています。目にとって肝はとても重要な五臓の一つで肝の機能が低下してしまうと目に気血が十分に行き届かなかったり、逆に肝火が上炎してしまって充血や目の痛みに繋がってしまうと考えられています。当院では、肝のツボも用いて肝の状態を正常に戻すような施術も行っていきます。

眼精疲労のうつ伏せはり治療

 

 

また、全身施術として自律神経調整治療も行っていきます。目と自律神経も深い関係にあります。目のピントを調整する機能であったりまぶたの開閉、血液循環は自律神経が関係しています。目の不調は自律神経の乱れにつながりかねません。自律神経の乱れを整えることで目にもいい作用が働くと考えて施術していきます。

初診時に必要であれば自律神経測定器を用いて自律神経測定も行ってその方に合わせた自律神経調整治療を行っていきます。

眼精疲労の自律神経調整のはり治療

 

 

眼精疲労の鍼灸治療について詳しくはコチラ←

視力低下の鍼灸治療について詳しくはコチラ←

複視の鍼灸治療について詳しくはコチラ←

首コリの鍼灸治療について詳しくはコチラ←

 

 

 

眼精疲労の鍼治療症例

 

症例①

30代女性

社会人となって事務職に就いてからパソコン作業の時間が増えてそれに伴い5年ほど前から目の疲れや目の奥の痛みを定期的に感じるようになった。夜遅くまで仕事などもある時があり、なかなか寝付けない・全身の倦怠感・頭痛などの全身症状も最近出てきた。

眼科を受診したところ、少しドライアイ気味だが特に大きな病気は見つからず、目薬が処方されて点眼をしているがあまり良くならなかったため鍼治療を受けてみようと思ったとのこと。

 

鍼治療

特に目の奥の痛みが左側に現れることが多く、それに伴って左首肩にも痛みが波及していくとのことで、左目と左首肩に比重を置いて施術していきました。また、問診時に自律神経の乱れもあると考えられたため、自律神経測定を行い自律神経のバランスも調整する自律神経調整治療も合わせて行っていきました。

まず、うつ伏せとなり首肩の筋緊張の強い部分に鍼をしてその他背中にあるツボも施術していき、次に仰向けで目の周り特に左目の鍼の本数を増やして治療しました。左目にはさらに鎮痛効果が期待できる鍼通電を行い、症状の緩和をはかりました。

自律神経調整治療ではお腹手足のツボを用いて鍼やお灸療法も行っていきました。

・1~2回目
一回目の治療後、一番つらい状態が10(VAS)だとすると3~4程度に症状は落ち着いた。下肢の冷え症状も強く出ていたため、下肢にお灸を多く行って全身の巡りを良くしていきました。

 

・3回目
日常的に左目の痛みを感じることはなくなった。違和感程度。左目のVASは1~2ほどで、左首肩はまだVAS3~4ほど。

・4~5回目
仕事が忙しい時でも以前よりは寝つきが良くなってきた。左目と左首肩のVASは1~2ほど。でも、どうしても無理して体を酷使すると痛みが少し出る時もあるため、症状が出そうになった時だけ不定期に来院。

 

症例②

 

20代男性

美容師の仕事をしており、細かい作業が多く目をよく使う。また、髪を切る姿勢は頸肩に負担が多くかかるため常に首肩こりに悩まされていた。忙しい時は、ほぼ休みなく一日中カットをしている時もあり、そのような日は夕方くらいから目の周りに痛みが出てひどい場合には頭痛やめまいを起こすようになってしまった。

病院を受診して薬を処方してもらっていくらか症状は抑えられているが完璧な状態までいかずに何とかもう少し体が楽に仕事ができるようになりたいということで当院にご来院された。

 

鍼治療

まず頸肩の筋緊張の緩和と立って仕事をする機会が多く腰部の筋肉も過緊張状態であったためうつ伏せでそれらの筋肉をほぐしていきました。つぎに仰向けとなり、目の周りの筋緊張の緩和と自律神経の調整施術を行っていきました。また、眠りも浅く寝ても疲れが取れないという状態だったことから睡眠に関するツボも用いて鍼とお灸の施術を行っていきました。

・1回目
治療後、頸肩は楽になり、いつもよりも睡眠が深く取れたように感じたとのこと。目の状態はまだ夕方ごろになると疲れを感じてくる

・2回目
以前よりも目の状態は良くなったように感じるが、まだ夕方以降に調子が崩れてしまう

・3回目
夕方以降の目の状態は、VAS4程度と徐々に改善が見られるようになってきた

・8回目
7回目まではいい状態と悪い状態を繰り返す調子の波があったが、8回目以降は体も安定。夕方以降となっても目の疲れを感じにくくなった。

 

 

症例③

 

30代男性

半年前から目の奥の痛みや乾きが気になるようになった。

目薬をさしてもその場はよくなるがすぐもとに戻ってしまう。

1日10時間以上パソコンを使用している。

細かい作業が多く、長時間続けると頭痛がでることもある

目を温めると調子はいい。

 

当院の治療

目の周りの筋緊張の緩和を目的として、目のまわりに鍼を行い低周波治療器で電気を流した。

温めると症状が緩和されるとのことだったので、電子温灸器で目の周りを温め、血液循環がよくなるように治療した。

デスクワークによる首や肩のこりもあったためうつ伏せで背部の治療も行った。

 

経過

1回目

施術後視界がクリアになり、目の奥の痛みがなくなった。

 

2回目

目の痛みが軽減し、目薬も効くようになった。

頭痛も以前より回数が減っている。

 

5回目

仕事をしていると疲れるが、目のまわりを押したり温めると目の奥の痛みはとれるようになった。

頭痛も2週間出ていない。

今後も定期的な治療を続ける。

 

監修

 

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸院|眼精疲労 at 06:26 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)

お問い合わせはこちらから
ここをタッチするとすぐにお電話が出来ます
メールでのお問い合わせはこちらから