加齢性黄斑変性症の鍼灸治療

2018年9月24日

①黄斑変性症に対する当院の施術

当院の黄斑変性症に対する施術は、目周辺のツボにハリやお灸を施して必要とであるならば微電流も流すことにより黄斑組織の細胞の再生を促進します。

乾燥型黄斑変性症の場合、網膜の血流量の減少が原因と考えられるため、目の周囲に積極的施術を致しますが、新生血管のできてしまう滲出型黄斑変性症の場合は新生血管が破裂してしまう可能性があるため、目周囲の施術は積極的には行いません。

その場合、東洋医学特有の全身を診て施術することで症状軽減をはかります。また、視界や視力の障害は、体にとってかなりストレスとなります。

当院では自律神経測定器を用いて自律神経の状態を確認した上で施術致します。多くの場合、交感神経の活動を抑えてリラックス神経である副交感神経の活動を高めていきます。
目の症状はもちろんのこと全体の体調もよくなっていくことが期待できます。

 

加齢性黄斑変性症の鍼灸治療

 

②黄斑変性症の東洋医学的考え

中医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能の障害が深く影響していると考えられています。

肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。
また中医学では肝腎同源といわれており、肝血と腎精は互いに補い合っています。加齢により腎精が減少して肝血にも影響を与えると考えられます。それは黄斑変性症を引き起こす原因にもなります。

よって肝と腎の異常が黄斑変性症の主な原因と東洋医学では考えられています。

 

③加齢性黄斑変性症の鍼灸治療症例

 

60代 女性

視力が徐々に悪くなり、気になっていたので眼科を受診したところ右目の加齢性黄斑変性症と診断された。両眼だけで見ると気づかなかったが右目の片目だけで物を診ると中心が黒く見える中心暗点の症状が出ていた。病院では、特に治療法が無いとのことでどうにかしてこの症状を少しでも改善した、これより症状を悪化させたくないとのことで当院にご来院された。
治療開始前、左目の視力0.6・右目の視力0.3

 

当院の治療
自律神経の状態と頸部の筋肉の緊張を緩和して目まわりの通電気療法やお灸療法を施していきました。治療開始前の計測では自律神経の状態は交感神経の活動が高く、自律神経の乱れがみられました。治療開始2か月程は週に2回ほどの治療間隔のペースでその後は、週に1回程の治療間隔で施術していきました。

 

◇1か月後◇
治療開始から1か月程は頸部の筋緊張の緩和・自律神経のバランスの改善などは見られたが、視力と中心暗点の改善は見られなかった

◇2か月後◇
2か月程経ったとき眼科を受診したところ、視力が左目0.7右目0.5に回復。視野の中心も薄くもやがかかっているような感じで以前よりは見えやすくなったとのこと。普段、左目ばかり使っており、左目の疲れが出ていたため左目もしっかりと刺激をしていきました。

◇3か月後◇
依然として目の調子は良い。視力と中心暗点は1か月前の計測と変わらない

◇6か月後◇
治療開始から6カ月ほどになった頃、視力が左目0.7右目0.6に回復。中心暗点も家事などをやる時やパソコン・スマホをみる時などには全然気にならない

◇1年後◇
症状は進行せずに良い状態をキープし続けている。

 

 

④黄斑変性症とは

 

黄斑変性症とは目の網膜の中心部にある物を見ることにとって重要な黄斑部分に障害が生じて、見ようとするものがゆがんだり、中心部がぼやけてしまい、視界が狭くなる疾患です。

両方の目でみるとあまり気にならないこともあり、片方の目で見たときに初めて症状に気がつくということもあります。症状の悪化とともにゆがみが強くなり、眼底出血などによって視力低下中心暗点がみられ、失明に至る場合もあります。

症状が徐々に進行していく場合もありますが、新生血管が出血した場合は急激な視力低下を伴う場合もあります。

黄斑変性症の症状は、50歳を過ぎたころから見られて60歳~70歳が最も多い目の疾患です。いままで何も病気がかかったことがなく、視力もよかった人が突然発症したケースが多くみられます。黄斑変性症は男性の発生率が高くて女性の3倍もあると言われています。

 

また、遺伝的背景もあると考えられています。黄斑変性症では、双子で発症しやすかったり、家族にその既往歴があると疾患にかかりやすいという報告もあります。

しかし、家族に既往歴があるからと言ってすべての人が罹ってしまうというわけではなく、遺伝的要因・老化的要因・環境的要因などが合わさって発症してしまうと考えられています。

 

最近では黄斑変性症特有の遺伝子の変異が見つかったという研究があり、黄斑変性症にかかりやすい人とかかりにくいひととの遺伝子の違いが明らかになってきました。

加齢性黄斑変性症

 

 

●加齢性黄斑変性になりやすい人の特徴
加齢性黄斑変性症の根本となる原因は今だわかっていませんが、高齢になればなるほど発症リスクが高まることから黄斑部の老化現象が一つの原因だと考えられています。日本人の場合、脈絡膜から発生する新生血管という血管が原因で加齢性黄斑黄斑変性症を発症する方が多い事が分かっています。

この新生血管は今まであった血管が詰まっていて流れが悪くなったり、血流そのものの流れが悪くなってそれを補おうとして新生血管ができると考えられています。

その新生血管が隆起して物が歪んで見えたり、新生血管は非常に繊細で破れやすいので新生血管が破れてしまうことで出血してしまい中心暗点や視力低下が起こってしまうのです。

これを踏まえると目に負担のかかる生活をしている人や全体的な血流を阻害するような生活を送ってしまっている人が加齢性黄斑変性症にかかりやすい人と言えます。

 

具体的には
・喫煙習慣がある人
・長時間のパソコンやスマホ画面を見ている人
・食生活が乱れていて肥満の人
・室外に出ている時間が長い人

 

このような人が挙げられます。喫煙は血管を収縮させて身体全体の血流を悪化させます。特に目の血管は細く影響を多く受けやすいです。

それにストレスなどの自律神経の乱れなどが加わると加齢性黄斑変性症にかかってしまうリスクは増大します。食生活が乱れ、肥満気味の人も血液がドロドロとなり血管が詰まりやすくなり、血管の細い眼にはすぐに影響が出る可能性があります。

室外に多く出て紫外線を目に受けると目の硝子体や水晶体に活性酸素が出来てしまい血流を阻害する原因にもなります。特に紫外線の強い日はサングラスや紫外線カットのメガネをかけるなどを対策をすると良いです。

加齢性黄斑変性症は日本で視覚障碍者手帳の交付原因疾患の第4位にあたります。高齢となり視力低下や視界の中心が見えない状態ですと、日常生活にも多大な影響を与えてしまいますので思い当たる方は今からでも対策をしていきましょう。

 

 

⑤黄斑変性症とiPS細胞

滲出型黄斑変性症に対するiPS細胞の移植手術が行われ、その経過が注目されています。黄斑変性症は、黄斑部に変性が起こり機能しなくなる疾患であるため、患者本人の皮膚細胞からiPS細胞を作製し、網膜の黄斑部に移植します。

もうすでに移植手術は実施されており、被験者の方は退院されています。しかし、移植手術から約1年は経過観察が必要であり、今後の術後経過の情報が待たれるところです。

この移植手術が成功し、視野や視力が回復すると多くの方の助けとなり、様々な難病にも応用されていくことになるでしょう。

患者本人の皮膚細胞から多分化能をもったiPS細胞を作製し、それをRPE細胞に分化させシート状にして網膜の黄斑部に移植します.

 


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸整骨院|眼精疲労 at 10:00 / 院長コラム コメント&トラックバック(%)

お問い合わせはこちらから
ここをタッチするとすぐにお電話が出来ます
メールでのお問い合わせはこちらから