筋肉痛の鍼灸治療

2019年12月20日

筋肉痛の東洋医学

東洋医学的に診ますと五臓六腑の肝と脾の機能低下が筋肉痛になりやすい状態へとつながると言われています。

東洋医学では、「肝は肌肉をつかさどる」といわれます。血液を蓄えて体内の血流量を調整することで全身の筋膜や腱を調整しています。

また脾は東洋医学では西洋の脾臓と胃腸のことをさします。全身の筋肉に栄養素を届ける働きがあります。

これらの肝と脾の機能が低下することで筋肉や肌肉、腱に栄養が行き渡らずにその状態で運動をすると筋肉痛になる確率が高まるのです。

 

当院での筋肉痛に対する鍼灸治療

当院で行う筋肉痛の治療目的は筋肉痛の回復程度を高めることと、筋肉痛が完治するまでの時間を早めることです。

 

鍼灸治療の効果として、炎症を早く治めること鎮痛効果血流促進などがあります。筋肉痛が起きている部分に直接アプローチして炎症や痛みを早く取り除いたり、周りの筋肉の過緊張状態を和らげることで筋肉痛の回復を早めます。

筋肉痛の鍼灸治療

また、東洋医学的に診ますと五臓六腑の肝や脾が弱っているために筋肉に栄養が行き渡りずらい状態で筋肉痛が発症している可能性もありますので肝や脾の機能を回復させるような経穴なども用いて施術していきます。

筋肉痛のうつ伏せ鍼灸治療

 

 

筋肉痛とは

筋肉痛とは運動や筋力トレーニングにより筋線維がダメージを受けて起こる痛みのことです。筋肉痛の原因は医学的にまだはっきりと解明されていません。

筋肉痛は広義には肉離れなどを含みますが、一般的に運動した数時間後から数日後に発生する遅発性筋肉痛の事で、程度は個人差がありますが、運動の種類、運動強度、年齢、運動に対する慣れなど様々な要因によって決まるとされています。

以前は、運動中の激しい筋収縮により筋肉への酸素供給が間に合わなくなり、エネルギー源であるブドウ糖が不完全燃焼を起こし、代謝産物である乳酸が筋肉中に蓄積されることにより筋肉を硬くし、神経を刺激して炎症や痛みを起こすと考えられてきましたが、最近の研究では、血液中の乳酸は運動後すぐに低下するため、筋肉痛のような症状を起こす要因にはならないという矛盾点が指摘されており、現在最も有力な説は、普段使われない筋肉を急に使ったり、同じ筋肉が使われすぎたりすると、筋繊維とその周りの結合組織の損傷し、回復過程において炎症を起こし、その際に発生したブラジキニンやプロスタグランジンなどの発痛物質が筋膜を刺激し痛みの信号として脳へ伝わり、筋肉痛として痛みを感じるという見方です。

筋肉痛の症状

筋肉痛の症状は、運動した数時間後から数日後に発生する筋肉痛と長時間運動した直後の筋肉痛があります。

・筋肉痛はなぜ時間を置いて痛むのか

運動によって傷ついた筋線維に炎症が起き、そこで出来たブラジキニンなどの発痛物質が筋膜を刺激します。そこから刺激が伝わって痛みを感じるまでに時間差があるからだと考えられています。あまり使っていない筋肉は毛細血管が十分に巡っていません。炎症反応が起こり発痛物質が出てくるまで時間がかかったり、痛みが強くなっていったりするとよく言われますが、現在では年齢による時間差はないという調査報告もみられています。

 

・筋肉痛になりやすい運動とは

運動するとき筋肉を収縮させて力を発揮しています。この筋肉の収縮運動は以下の三種類に分けられます。

伸びながら力を発揮するエキセントリック(伸張性)運動

重い荷物を降ろす、下り坂を降りる、階段を下りるなど

縮みながら力を発揮するコンセントリック(短縮性)運動

重い荷物を持ち上げる、階段を上るなど

伸縮なく力を発揮するアイソメトリック(等尺性)運動

腕相撲など

 

 

このうち特に筋肉痛になりやすいのがエキセントリック運動です。これは、筋肉を伸ばすときの方が筋線維への負荷が大きくなるため、損傷が起こりやすいためです。

 

筋肉痛の予防

・運動前後のストレッチ

運動前のストレッチは、血行を良くして筋肉を柔らかくします。筋肉の伸縮性を高める事で、筋肉痛の原因となる炎症を起こしにくくするだけでなく、ケガの防止につながります。

ストレッチは反動をつけずにゆっくり行うことがポイントです。無理をせず、痛みを感じない程度に行いこれから使う筋肉や、使った後の筋肉を中心にストレッチングしていくことで筋肉痛を

軽減できます。

 

・普段からの運動習慣

筋肉痛は普段使っていない筋肉を使ったりすると起こるものです。普段から運動習慣をつけ、筋肉を鍛えることが筋肉痛の予防につながります。

 

筋肉痛の治し方

筋肉痛は一般的にそのまま様子を見ていれば、運動後3~7日程度で治っていきます。セルフケアとして筋肉痛を早く治すために次のようなことを心がけると良いでしょう。

 

・患部を温めて血行を促す

入浴やマッサージなどで血行を促すことで、傷ついた場所を回復させるための栄養や酸素を運びやすくなり、新陳代謝が促進され回復を早める効果が期待できます。

 

・炎症がひどい時はアイシングをする

運動直後や、炎症がひどく熱を持っている場合には温めずに、まずは氷や冷湿布で患部を冷やしましょう。これはアイシングと呼ばれるものです。アイシングをすることで血管が収縮し血流が抑制され、痛みを伝える神経を麻痺させて痛みを緩和する効果があります。アイシングは、一回あたり20分程度。一日に数回に分けて行うのが良いでしょう。運動から1日~2日までがアイシングの目安となります。

 

・運動直後に良質な栄養を摂る

運動後、回復時に良い食事は、タンパク質、糖質、ビタミン、ミネラルをしっかりととる事が出来る食事です。タンパク質は傷ついた筋肉を修復するのに使われ、糖質は運動で消費したエネルギーを補うための筋肉の分解を抑えるのに役立ちます。また、ビタミン、ミネラルは汗により失われたり、エネルギー効率を良くするため、体で消費されたりしているので、補うことが大切です。

・十分な睡眠を取る

筋肉痛に限りませんが、睡眠は疲労回復に欠かせません。眠っている時には体の中では成長ホルモンが分泌されて、消耗した筋肉を修復してくれる作用があります。

・ストレッチや軽い運動を行う

ストレッチをすると筋肉が柔らかくなり、血行が良くなるので筋肉痛の回復の助けになります。しかし、勢いをつけたり、重い負荷をかけるのはよくありません。できるだけゆっくりと時間をかけて、軽く筋肉を伸ばすストレッチを心がけましょう。また、ウォーキングや水中歩行も良い方法です。無理をせず20分~30分くらいが良いでしょう。

 

医療機関での受診をおすすめする場合

 

次のような場合には病院に行きましょう。病気や怪我が隠れている場合もあります。

 

・1週間以上たっても痛みやこわばりが取れない場合(まれにリウマチ性多発筋痛などの疾患の場合があるため)

 

・全身性の痛みがある場合(他の疾患の可能性があるため)

 

・局所に急激な痛みがある場合(怪我や骨折の可能性があるため)

 

・運動をしたわけでもないのに、筋肉痛のような痛みがある場合(内臓疾患の可能性があるため)

 

筋肉痛の鍼灸治療症例

 

症例1

 

30代 男性

 

前日にフルマラソンを走り、筋肉痛や疲労回復のために来院された。

ふくらはぎが緊張が一番強く、それ以外にも大腿や腕、肩、背中の緊張が見られた。

 

当院の治療

 

ふくらはぎの緊張を取るために、下肢のツボ(承筋、承山、承間、飛陽、三陰交

足三里)と硬結部に刺鍼をし、そこに低周波の電気刺激を行った。

また、大腿後面と前面や腰部、背部、首肩の硬結部にも刺鍼をし、さらに自然治癒力を働かせるために、自律神経治療も行った。

 

施術後

全身的にリラックスできて、体が楽に動けるようになった。

しかし、まだ痛い所がある。

 

二回目(翌日)

筋肉痛は微かにあるが、気にならない。

 

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸整骨院|眼精疲労 at 17:16 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)

お問い合わせはこちらから
ここをタッチするとすぐにお電話が出来ます
メールでのお問い合わせはこちらから