誠に勝手ながら、当院の年末年始の診療は、下記のとおりとさせて頂きます。
令和5年12月30日~令和6年1月3日まで休診
年内診療 12月29日金曜日まで
年始診療 1月4日木曜日から
本年はご愛顧頂き誠にありがとうございました。
来年もよろしくお願い申し上げます。
足底筋膜炎に対する当院の治療はまず第一に局所の抗炎症作用を促進させて、鎮痛効果を目的に施術していきます。
かかと付近のツボや痛みの強い部位に鍼をさして微電流を流すことにより痛みを感じる閾値を上げて痛みを感じにくくする作用を促します。
また、足底筋膜炎は、五臓六腑の「腎」と「肝」の不調に深く関係しているので、「腎」と「肝」に関するツボを用いてそれらの機能を正常に戻し、足底部の気血の流れを良くします。「風寒」や「湿」の邪気によって引き起こされる場合はそれらを体外に出す治療が必要になります。
足底筋膜炎は、オーバーユースによる負担のかけ過ぎやスポーツを行う前のストレッチ不足が原因の場合もあります。
当院では、日常生活動作での改善点をお伝えることも重要だと考えております。施術後、注意点の説明を行い、早期回復を目指します。
当院の足底筋膜炎の施術目的は、足底筋膜炎の回復程度を高めて、回復を速めることです。また西洋医学とは違う東洋医学の観点により少しでも足底筋膜炎が回復できる機会を提供します。
30代 男性
ランニングが趣味で週末は10㎞以上ランニングをしていた。平日も仕事が早く終わった時はランニングするなどして体を動かしていた。マラソン大会に出場を予定しており、当院にご来院される数日前からランニングの量を増やしていた。すると、足裏の痛みを感じるようになり整形外科を受診。足亭筋膜炎と診断され、湿布薬が処方されて足底を普段から伸ばすように指導されて実践していたが、痛みがあまりひかなかったため当院にご来院されました。
最初は、ランニング中だけ足底の痛みを感じていたが、日常生活で歩行する際にも少しずつ痛みを感じるようになってきたとのこと。仕事は主にデスクワークで座ったままあまり動かない。
当院の治療
足底筋膜の鎮痛目的で内踝の下から足底筋に向かい鍼をして通電療法を用いました。また炎症を早くひかせる目的で足底に直接灸を行いました。
腰部の筋の左右のバランスの乱れ・骨盤の傾きも見られたのでそれらも調整していきました。ご本人がどうしてもマラソン大会に出場したいとのことで短期的な集中治療を行いました。大会は2週間後で治療は2日に一度のペースで行っていきました。
◇1回目◇
治療後、日常生活の歩行ではあまり痛みを感じなくなった。朝や貯時間座った後の動き始めは少し違和感を感じる。
◇2回目◇
治療後、歩く分には痛みをまったく感じなかったので試しにランニングをしてみたら10分後に痛みを感じた。
◇3~5回目◇
炎症が取れ切れていない段階でランニングをするとまた炎症が悪化する可能性があるのでランニングは大会の直前まで避けていただき、治療に専念してもらった。
◇6回目◇
大会2日前に軽く走って見たが痛みが全く出なくなっていた。距離を伸ばしていくとまだまだ不安があるが、大会に出ることになった。
◇7回目◇
大会後、ご来院された。大会中はうそのように痛みが感じなかったが、無理をしたせいか終わった後に痛みを感じて歩いても痛みを感じる。しかし、アイシングをしたらだいぶ治まった。今は違和感程度とのこと。
◇8回目◇
その後少し間隔を空けてのご来院。ランニングも再開して少しずつ距離を伸ばしていっている。痛みは感じないが、ランニングが終わると違和感を感じることがある。
症例2
40代 女性
普段はデパートでの立ち仕事でヒールを履くことが多い。休みの日は、山でのハイキングが趣味で体を動かすことが好きだった。ある日、ハイキングへ出かけた帰りに足の裏が痛むような感覚があり、次の日になるとさらに痛みが増していた。
その日の仕事中も常に足裏に痛みを感じていて仕事にも影響が出ていた。次の日からも動き始める時や夕方疲れがたまった時などに足裏に痛みを感じるようになってしまった。整形外科を受診したところ足底筋膜炎と診断されてしまった。
治療
足の前面から筋緊張をとるような鍼灸施術を行い、次にうつ伏せとなり足裏とふくらはぎ辺りに通電療法を行いました。また、腰にも筋肉の張り感があったのでそれらも取るような施術をしていきました。
経過
◇1回目◇
治療後、すぐは痛みが引いたように感じたが、次の日痛みが戻ってしまった
◇2回目◇
今回も治療後痛みが軽減。次の日も少し痛みが引いたように感じた
◇3回目◇
仕事に集中しているとあまり痛みを感じない程度になってきた
◇4回目◇
足裏の痛み少なくなってきたとのことでハイキングに参加。ハイキング後、足裏に違和感を感じたが痛みまでにはならなかった
◇5回目◇
ほぼ痛みは消失。多少違和感が出る時あり
症例3
25歳 男性
1か月前フルマラソン完走後、左足裏に違和感が出て少しずつ踵付近の所に鈍痛が起こり始めた。今は歩くたびに痛みが走りランニングを中止している。
今までも足の裏が痛くなることはあったが、今回はなかなか改善しないため通院を決意した。
2年前にマラソンを始め、今では1日に15km、休日は30km走っている。練習すればするほど良い成績が得られるため、走るのが楽しくついついオーバーワーク気味になってしまう。左腓腹筋肉離れの既往歴あり。
当院の治療
まず、脚全体の筋肉の状態を確認していきました。
腓腹筋と足底の筋緊張の左右差が見られたため、できるだけ均等な重心に近づけるよう左右の筋肉のバランスを整えていきました。
また、患部の炎症を抑えるために痛みが強く出ているところに施灸、鎮痛を目的に鍼通電療法を行いました。
自然治癒力を高めるために自律神経調節治療も合わせて行い、少しでも早く競技復帰に向けて施術を継続していきました。
経過
◇1回目◇
施術後は少し痛みが軽減したが、その日のうちにまた痛み出す
◇2回目◇
前回から痛みが軽減してきた
長く歩くとまた痛みが強くなる
◇3回目◇
ランニングはまだ難しいが、歩行時での痛みが気にならなくなってきた
◇4回目◇
歩行時ではほとんど痛みがない
まだ完全な状態ではないので、大事をとってランニングでなはくエアロバイクで身体を動かしている
◇5回目◇
軽く走ってみたら痛みが軽くなっていた
◇6回目◇
症状が緩和しているため少し長めに走ってみたら、徐々に痛みが増してきたのでランニングを中止した
◇7回目◇
痛みが増してからすぐに施術を受けたため、悪化を防ぐ事ができた
◇8回目◇
ランニング、歩行と共に徐々に痛みが軽減
◇9回目◇
長時間走ってもほとんど気にならない
東洋医学で足底筋膜炎は、足底部の気血の運行がスムーズにいかずに気血が滞り、それが痛みやしびれの原因となると考えられています。
寒く風のあたる場所にいた際に「風寒の邪気」を受けた時や湿度の高い場所にいて「湿邪」を受けた時、慢性的な疲労が足底部の筋に蓄積した時に足底部の気血が滞ってしまうのです。
また、足底部は東洋医学の「腎経」という経絡が通っているため、「腎」の障害も起こりやすくなります。東洋医学の腎の障害の代表的なものとして全身の疲労感や膝・腰に力が入らない、耳鳴り、めまいなどがあります。
足底筋膜炎の場合それらの症状も出やすくなるので注意が必要です。
それに加えて東洋医学でいう「肝」の機能が弱ると全身的に血や体液が不足し、筋肉などの様々な器官に栄養を送ることができないため、「肝虚」の状態ですと、足底筋膜炎にかかりやすくなってしまいます。
「腎」と「肝」の関係は深いので「肝腎同源」とも言われており、「肝」と「腎」の症候が同時にあらわれることが多いです。
●肝血虚
肝血虚とは中医学でいう「肝」が血を貯蔵して必要に応じて供給・消費する機能と自律神経系の作用を通じて血管を収縮あるいは弛緩させ、体内各部の血流量を調整する機能が異常をおこして発症します。
足底筋膜炎とは、足の裏や踵から指の付け根にかけて伸びている足底筋という組織がスポーツや偏平足などにより過度に負担がかかり、炎症を起こして痛みを発症させてしまう疾患です。
主に足に負担が多くかかるランニングなどをする方に多く、スポーツ選手などにも多い症状の一つです。また、40代以上の方でスポーツをされる方にも多い症状で、年を重ねると足底筋膜が硬くなり、柔軟性がなくなることで亀裂が生じやすくなります。すると炎症が起こり、足の裏やかかとの部分に痛みが生じるのです。
足底筋膜は足の付け根からかかとまで伸びている膜で、足の裏に張っている腱組織です。足の甲の骨は、アーチ状になっていますが、足底筋膜はそのアーチの端を繋いで弦のように張っています。そうすることで、足の裏にかかる負担を軽減させているのです。
しかし、多くの負荷がかかっているためランニングやジャンプなどを繰り返すことによって負担が大きくなり、炎症が起きやすくなるのです。また、組織の弾力性がなくなることによっても炎症が起こりやすくなります。
足底筋膜炎は足の裏やかかとの痛みが主ですが、痛みの出方にも特徴があります。
・朝の動き初めに痛む
朝起きて動き始める時に足の裏・かかとに痛みが出ることが多いです。夜の間、動かさなかったり、座っている時間が多かったりすると足底筋膜は硬くなり、弾力性が失われます。その状態で一歩目を歩くと痛みが出やすくなります。
・歩行時・ランニング時に痛くなる
日常生活ではそれほど痛みが出ていなくても、運動時だけに痛みが出る場合があります。強い負荷がかかる時だけに痛みが誘発される場合もあります。
・横になっている状態でも足裏に痛み・痺れが出る
炎症が強い場合ですと、何もしなくて横になっている状態でも足裏に痛み・痺れが出ます。炎症が強いため、鼓動を打つように痛みが出たり、患部に熱感を持っていたりします。
・足の裏に違和感を感じる
痛みまでも行かないまでも足の裏・かかとに違和感を感じる方もいます。症状が進行すると痛みに変わる可能性があります。
・足底筋膜炎の原因
足底筋膜に炎症が起こり、痛み症状として現れる原因はいくつか考えられています。
・オーバーユースや疲労の蓄積による炎症
使い過ぎによる炎症です。ランニングやジャンプの動作をよくするスポーツをする方に多く、足裏への過度な負担に耐え切られず、足底筋膜に炎症を起こしてしまいます。
また足底筋の疲労が蓄積して筋膜の柔軟性が損なわれて炎症が起きる場合もあります。筋肉は疲労が蓄積すると硬くなり、柔軟性が低下します。柔軟性が低下した筋肉は、少しの力で傷つきやすくなってしまうのです。
・足底筋をあまり動かしていない
普段から運動習慣がなかったり、長時間立ち仕事をしている方が足底筋膜炎にかかってしまう原因で多いのが、足底筋をあまり動かしていないということです。
筋肉は伸ばしたり動かしたりしていないと段々と硬くなります。足底筋に関しても普段から使う機会少ないと硬くなってしまい、急に運動をした際に傷ついてしまうのです。
・偏平足
足裏のアーチがあまりないと、地面からの衝撃を吸収できずに足裏に多くの負荷がかかりやすいです。すると足裏の筋肉も疲労しやすいため足底筋膜炎にかかりやすくなってしまうのです。
・靴
ヒールの靴や靴が足に合っていない場合でも足裏に多くの負担がかかるため足底筋膜炎にかかってしまいやすくなります。
足底筋膜炎に対する治療は、急性期の場合まず患部を冷やして安静に保つことが重要です。局所の炎症が治まったら足湯などで温めて血流を良くしたり、軽くストレッチなどを行うなどして足底筋の柔軟性を戻していきます。筋肉の柔軟性を戻すことで足底筋膜への負担を軽減させる効果があります。
また、急性期の場合消炎鎮痛剤を内服したり、痛みどめの注射を痛みのある部分に打つ場合もあります。かかとの骨に骨棘というトゲができていて痛みの出ている場合は、そのトゲを除去する手術をする場合もあります。
帯状疱疹は、加齢や疲労、ウイルスなどによって免疫力が低下すると、背骨に近い神経に症状を出さない状態で潜んでいたウイルスが再び目覚めることにより発症します。
帯状疱疹の痛みは主に皮膚や神経が炎症を起こして生じる痛みですが、帯状疱疹後神経痛(PHN)は皮疹が治った後に起こり、神経自体への障害によって生じる痛みと考えられています。帯状疱疹自体が治ってから、半年たっても10%の前後の方は痛みが続くといわれています。
PHNの特徴的な皮膚感覚の異常とされるアロディニアは、本来は痛みの刺激とはならないような軽い接触によって痛みが生じるもので、皮膚に存在する痛みを感じる部分への刺激性が増しているなどの変化が起きていると考えられています。
50歳以上の帯状疱疹罹患者は、帯状疱疹後神経痛(PHN)に移行しやすく、加齢とともに移行率は高まることから、高齢者ほどPHNになりやすいと考えられています。
また、帯状疱疹を発症した時に皮膚の症状が重かったり、痛みがひどかったり、皮膚症状が現れる前から痛みが見られたりする場合や免疫機能が低下する疾患を持つ人はPHNになりやすいとされています。このような場合、感覚異常の程度は強く、広範囲に及び、アロディニアによる痛みも激しくなる傾向が見られます。
帯状疱疹の合併症の中で最も頻度の高い帯状疱疹後神経痛(PHN)の他にも、帯状疱疹の発症部位によって特徴的な合併症が生じることがあります。
帯状疱疹発症初期に鼻の周囲に皮膚症状が見られた場合には、高頻度で目の症状を伴いう合併症が生じます。角膜炎や結膜炎、ぶどう膜炎などがみられることがあり、視力低下や失明に至ることもあります。
顔面神経麻痺と耳の帯状疱疹を特徴とする「ラムゼイ・ハント症候群」と呼ばれる合併症が引き起こされると、めまいや耳鳴り、難聴などを生じることがあります。
帯状疱疹後神経痛(PHN)の症状や程度は人によって異なりますが「焼けるような」「ズキンズキンする」「刺すような」「鋭く引き裂くような」痛みが多いとされています。
他にもヒリヒリ、締め付けられる、電気が走ると表現されるような痛みを覚えることがあります。また、この症状が原因でうつ症状や不眠になることもあります。
皮膚感覚の異常が見られることもあり、ほとんどの場合、痛みのある皮膚の感覚は鈍くなります。睡眠や日常生活に支障をきたす場合もあります。また、軽く触れただけで痛みを感じるアロディニアが起こることもあり、「シャツが擦れて痛い」「痛くて顔が洗えない」などの日常生活への影響が出ることがあります。
帯状疱疹後神経痛は、帯状疱疹を発症した当初は正常だった神経線維がウイルスによって傷つけられた結果、神経の過剰な興奮や自発痛、痛みを抑制する経路の障害などが起こり、これが原因となって痛みやアロディニア(触れただけの刺激で痛みを感じる)などが生じると考えられています。
帯状疱疹後神経痛を診断するためには、帯状疱疹に関連した症状(神経領域に一致した神経症状や皮疹)を確認することが重要です。帯状疱疹ウイルスの再活性化と病気の発症が関連しているため、帯状疱疹早期の段階で血液検査を行い、IgМ抗体を測定することもあります。
帯状疱疹後神経痛の治療法は、神経障害性疼痛治療薬などによる薬物療法を中心に、神経ブロック療法、理学療法(運動やマッサージ)心理療法などを組み合わせて治療していきます。
東洋医学では、痛みの原因を不通則痛(通じざればすなわち痛む)」と不栄則痛(栄ざればすなわち痛む)と考えます。
つまり本来順調に流れているはずの「気」「血」「水」がストレスによる気滞(きたい)や気候風土の急変「外邪(がいじゃ)」によって、瘀血(おけつ)や痰濁(たんだく)が停滞すると「不通則痛」急性の痛みを生じ、老化や内臓の機能低下により気血自体が不足し、筋肉や関節組織などに栄養が行き渡らないと「不栄則痛」慢性的な痛みが生じます。
東洋医学で帯状疱疹後神経痛は病邪が皮膚深くに入り込んで経絡の流れを邪魔しているために起こった痛みと考えます。また、内因として肝胆の湿熱などがそのため、気血を巡らせること、筋肉の緊張をほぐしてその流れを良くすることが重要と考えられています。
神経痛は、上記の通りウイルスによって神経が傷ついた結果、神経の過剰な興奮や自発痛、痛みを抑制する経路の障害などが起こり、それが原因となって痛覚過敏が起こるとされています。
鍼灸治療はこの痛みを伝える神経に抑制的に働き、痛みの閾値(痛みを感じ取るライン)を上げ痛みを感じにくくする作用や、神経の過剰な興奮を抑え痛みを抑制する作用があります。
患部やその周囲に鍼やお灸で刺激を与え痛みを抑える作用を促します。また、筋緊張を除き、血流を良くすることで損傷した神経の回復を促します。
さらに、帯状疱疹を発症するということ自体、非常にストレスを感じていたり、疲れて免疫力が低下した状態であることの証でもあるので、局所治療だけでなく全身の治療を行い、自然治癒力を高めることも重要です。
そのため、当院では治療を始める前に自律神経測定器にて計測を行い、お身体の状態を把握したうえで、腹部や背部、腕や下肢などにある自律神経を整えるツボに施術を行い、免疫機能や内臓機能を整え、自然治癒力を高めることで症状が治癒しやすいお身体の状態へ整えていきます。
また、東洋医学的観点から気、血、水を巡らせるツボや瘀血を除くツボ、五臓六腑の肝胆、脾胃の機能を整えるツボなどを用いて施術を行います。
50代 男性
1年半ほど前に帯状疱疹を発症。右前頭部から後頭部にかけての痛みと、右眼の上あたりに発疹や強い痛みが出ていた。3か月ほどかけて帯状疱疹は治まってきて発疹も跡が少し残っているが帯状疱疹自体は治ったと診断を受けた。
しかし、それ以降も右の前頭部やおでこ、右眼内側や眉毛辺りにチクチクとした痛みや触れても感覚が鈍い感じが残ってしまった。
視界もたまに物が二重に見えてしまったり、まぶしさを感じやすい。
特にお酒を飲んだ翌日や仕事でストレスが多くかかったしまったときは症状が強く出てしまう。そういった時は薬もあまり見られないため、他の症状緩和法はないかと検索したところ当院にたどり着いた。
当院の鍼灸治療
まずは、うつ伏せ施術で首肩周りや背部兪穴を用いて五臓六腑の肝や腎の施術や自律神経の乱れなどを調整していきます。
また、後頭部の感覚鈍麻の箇所もあったのでその周囲に鍼をさして血行促進していき改善をはかります。
次に仰向けとなり、右眼周りからおでこ・右前頭部中心に鍼をさして電極をつないで鍼通電治療を用いていきました。そのほかにもお腹・手足のツボも用いて自律神経のバランスであったり、遠隔ツボを用いまして鎮痛効果のある施術も行っていきました。
◇1~3回目◇
鍼灸施術後もあまり症状の痛みは変わらず、おでこ周囲の違和感は少し治ってきたかもとのこと
◇4回目◇
4回目以降少しずつ痛みが改善してきたように感じる。最大の痛みが10だとしたときの評価スケール(VAS)で4回目施術後は8に下がり、少し改善がみられた
◇5回目◇
今まで物が二重に見えてしまう複視の症状が出ていたが、複視症状はほぼ完治してきた。
痛みも少しずつ改善傾向。視界のまぶしさを感じやすい状態は相変わらずある
◇6~8回目◇
8回目を終えるころには、痛みの評価スケール(VAS)は2~3程度に改善。チリチリと痛みというか違和感程度にまで改善。感覚鈍麻部分も正常に戻ってきた。
帯状疱疹後神経痛
半年ほど前に帯状疱疹を発症。右目上に発疹ができて痛みが強く出てしまった。痛みのため仕事もままならず睡眠が取れない日が続いていた。
ペインクリニックで、目薬と痛み止めの飲み薬を服用して徐々に回復。1か月ほどしてから痛みの程度は和らいでいったが、痛みが消失することはなかった。痛みの範囲は右目上から外側にかけて、首や後頭部にもズキンといった鋭い痛みが走ることもある。
3ヶ月ほど経過したころ仕事のストレスなどによって帯状疱疹後の神経痛がまた強く感じるようになってしまった。ペインクリニックを受診したところ漢方薬の処方のみだったため鍼灸治療も家族から効果があるのではないかと言われて施術を受けてみようとご来院された。
施術と経過
当院にご来院されたころ痛みの程度は、一番強い痛みの時を10(VAS)だとすると5〜6くらいの程度でした。右目周りと右のおでこや右前頭部は、近く感覚も鈍い状態で触れても左側と違う感覚とのことでした。
睡眠の状態も痛みなどから不安定で痛みで交感神経の状態が高ぶっている状態が自律神経測定の結果から割り出されました。
頸部や後頭部、右目上外側、右前頭部を中心に痛みや感覚鈍麻に効果的な鍼通電治療を用いて施術を行っていきまして、背中の背部兪穴や腹部のツボを用いて自律神経調整施術、手足の合谷や肝経など目の周囲に効果的とされるツボも用いまして施術を行っていきます。
鍼灸施術の頻度は、週に2回ほどのペースを3ヶ月ほど続けていただきました。
治療を開始後、徐々に痛みの程度は改善。VASは3〜4くらい。そこまでの回復は5回ほどの施術後に見られましたが、その後の症状改善の程度は遅くなっていき、治療後2ヶ月ほどでようやくズキンといった痛みが走る頻度やVAS2ほどになっていきました。感覚鈍麻もそのあたりから顕著に改善傾向が見られていき、あとは右目外側のちょうと発疹がでたところとおでこの一部分に感覚鈍麻が見られて狭くなっていきました。
施術開始3ヶ月後には、後頭部のズキンといった痛みや右目周囲の痛みは改善されて、感覚鈍麻も多少見られるが日常生活ではほぼ気にならない程度にまで回復しました。
手湿疹とは、外的な刺激やアレルゲンに触れることで手に生じる湿疹のことです。接触性皮膚炎の一種で、皮むけやひび割れ、紅斑や丘疹、水疱などさまざまな皮疹がみられるのが特徴です。
手湿疹は、慢性的な刺激が加わったり、長期間アレルゲンに触れることで慢性の接触性皮膚炎になり、痒みや炎症が続くことで、手の皮膚が肥厚して硬くなり苔癬化を生じます。
苔癬化する原因は主に、痒みからくる掻き壊しです。掻いた刺激により更にかゆみを増幅させてしまうため、また掻いてしまうという悪循環が起こり、慢性的に掻き壊しが続いた結果、象の皮膚のように固くごわごわした皮膚になってしまいます。
そして皮膚の一部は、炎症を伴う紅斑や丘疹などの急性の症状も現れるため、さまざまな皮疹の症状が混在した状態となります。
また、手湿疹は職業病としても頻度が高い症状です。
特に理容師、美容師、調理師、看護師、医療関係の方に多くみられます。これらの職種は、薬液や消毒液などに晒される機会も多く、手指消毒や手洗いなどの回数も多いため、このような外的刺激が発症の誘因であると考えられています。
手湿疹は女性に多いとされていますが、これは女性のほうがこれらの仕事の場以外にも家事などさまざまな刺激を受けやすいためです。このように、手湿疹は水仕事などの多い家事を行う主婦にも多くみられることから、主婦湿疹と呼ばれることもあります。
手湿疹の主な原因は、物理的・科学的な刺激、ストレスなど内的要因、アレルギー反応、アトピー性皮膚炎に分けられます。
【物理的・科学的な刺激】
手湿疹の約70%はこの物理的・科学的な刺激によるものが原因であると考えられています。
薬液や洗剤などの刺激が皮膚に直接ダメージを与え、手湿疹を引き起こします。主に、利き手の指先や爪まわりなどから皮疹が現れ、手全体に広がっていきます。
皮膚症状は、軽度な紅斑や乾燥からはじまり、長期的な刺激や短期間でも強い刺激が加わった場合には水疱を生じ、強い痒みを引き起こします。炎症が慢性化すると皮膚が乾燥した状態で肥厚し、指先などを中心に皮膚に亀裂がはいるようになります。
【ストレスなど内的要因によるもの】
過労やストレスなどにより手湿疹を引き起こします。
最初の症状が軽いものであっても、強いかゆみを伴うものであったり、精神的に強いストレスを感じてしまうことで、無意識のうちに手を掻きむしってしまう事があります。
その結果、手荒れを悪化させる原因となり手湿疹を悪化させてしまいます。
【アレルギーによるもの】
アレルゲンは、花粉やハウスダストよりも金属やゴム製品、洗剤、などの化学物質である事が多く、指先、指の間や側面など、アレルゲンが残りやすいところに症状が現れるのが特徴です。
また、ハウスダストやダニ、ペットなどによるタンパク質をメインとしたアレルゲンに触れた場合は、物理的・化学的刺激で生じる湿疹よりも重度なことが多く、即時型アレルギーによって蕁麻疹が現れます。通常、蕁麻疹はアレルゲンが除去されると数時間で自然に寛解するものですが、繰り返しアレルゲンに触れ蕁麻疹の発症を繰り返すことで、掻いた部分を中心に湿疹が生じます。
【アトピー性皮膚炎】
アトピー性皮膚炎では、皮膚のバリア機能が低下するため、水仕事などで荒れた手に炎症を起こしやすくなります。主に手の甲に広範囲、かつ重度な苔癬化を伴う紅斑や水疱、丘疹などが見られます。また、外的な刺激に弱く悪化しやすいのが特徴です。
★皮膚の表面にある角質の層は、皮脂膜に覆われています。 この皮脂膜は外から刺激物が侵入するのを防ぎ、水分を保つ“皮膚のバリア機能”を担っていますが、度重なる水仕事やアルコール消毒、摩擦や刺激によってバリア機能が低下し、角層のなかの水分が蒸発してしまいます。その為、乾燥しやすい季節には手指の保湿ケアが大切になってきます。
手湿疹に対する治療には主に外用薬と内服薬が用いられます。
外用薬は皮膚の炎症を抑えるためのステロイド軟膏や、皮膚を保湿するための保湿剤などが使用されます。
ステロイドの外用薬は皮膚の炎症を抑える効果がありますが根本から治す効果はなく、また漫然と使用を続けると皮膚が薄くなったり、細菌・真菌感染を起こしやすくなったりするので使用には医師の診断と注意が必要です。
また、アレルゲンが原因の手湿疹では、抗ヒスタミン剤や抗アレルギー剤などの内服治療が行われます。これらの内服薬は湿疹による痒みを改善する効果があり、皮膚を掻きむしることで起こる湿疹の悪化を防ぐこともできます。
また、手湿疹を治すには、原因となる外的な刺激やストレス、アレルゲンを避け、刺激を与えないようにすることが重要です。
東洋医学ではアレルギー症状の原因は、水分の代謝障害『水滞』または『水毒』と考えられています。
普段から冷たい飲食物を摂りすぎていたり、過労やストレス、または虚弱体質のなどが原因となり胃腸の働きが弱まり、消化吸収が低下すると飲食物がしっかりと吸収されずに体内にとどまってしまいます。
この余分な水分が浮腫みとなり、体の生理機能の低下を起こし、アレルギーを引き起こすのです。
また、アレルギー反応は免疫機能の異常とも考えられるため、免疫機能をつかさどる自律神経の乱れが原因で起きると考えられます。
自律神経はストレスや過労、温度差や不規則な生活などが主な原因となり乱れてしまいます。
当院には自律神経測定器があり、この測定器では交感神経と副交感神経のバランスや肉体的・精神的ストレスなども測る事ができます。測定結果を元に、お一人お一人に合ったオーダーメイドの治療をします。そして、東洋医学の治療法と自律神経療法を組み合わせることでより治療効果を高めることができます。
鍼灸治療は自律神経を整えるのにとても優れた治療法です。自律神経を整える経穴やストレス解消、アレルギーに対しての特効穴を用いて症状改善を目指します。また、痒みやひび割れによる痛みがある局所にも鍼とお灸を用いて症状の緩和を促します。
鍼灸治療で自然治癒力を高め、自律神経のバランスを整える事で心身の過緊張を緩和し、血行を促進して症状を改善し、症状の再発や悪化を防ぎます。
手湿疹の症状でお悩みの方は、東京α鍼灸院へお越しください。
当院の動眼神経麻痺に対する施術は、目の周辺のツボにハリをさして微電流を流すことにより目の血行状態を良くし、さらに筋に刺激を与えて麻痺の解消を促します。
また動眼神経麻痺は五臓六腑の肝に深く関係しているので肝に関する経穴を用いて肝血を補うことや肝気の巡りをよくします。
動眼神経は、運動神経と自律神経の二つがあり、動眼神経麻痺は自律神経の状態を知ることがとても重要となってきます。そこで当院では、自律神経測定器を用いて自律神経の状態を把握した上で施術致します。
当院では糖尿病を併発している場合、目周囲の施術の刺激量を抑えて施術致します。糖尿病の方の場合血管がもろくなっており、目周囲への過度な施術は、目の血管の細い部分を出血させてしまう危険性を伴うからです。施術の際は必ずお申し付けください。
・動眼神経麻痺による複視の治療
動眼神経麻痺の症状でよく当院にご来院される方の多くが複視の症状を患ってご来院されます。動眼神経は、上直筋、下直筋、内側直筋、下斜筋、眼瞼挙筋と多くの眼球を動かす筋肉をつかさどっているため動眼神経に異常が起きてしまうと筋肉が正常に働かなくなってしまうため焦点が左右の目で合いづらくなってしまう複視の症状が起こってしまうのです。
そこで当院の鍼灸施術では動眼神経麻痺で複視の症状が出ている方に対して鍼通電療法を行っております。目の周りの筋肉に鍼を刺して刺した鍼に電極を繋いで電気の刺激を加えていくことで強制的に筋肉を動かして筋肉が正常に機能するように働きかけていきます。また神経は電気信号によって感覚や動作の指令などが伝わっていくため電気刺激を行うことにより神経にも刺激を与えて神経が正常に機能するようにアプローチしていきます。
その他目の周りに跡のつかない程度のお灸で熱の刺激を加えていきます。お灸の刺激は、皮膚が火傷をしたと体に勘違いをさせることでその周囲に火傷を修復させようと白血球などの修復させる役割のある細胞が集まってきます。そうすることで周囲の損傷している筋肉や神経細胞を修復してくれるのです。
中医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能の障害が深く影響していると考えられています。肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。
そのほか肝は運動神経系の調節に関係があると考えられています。動眼神経麻痺は、動眼神経の運動神経支配である外眼筋麻痺を引き起こすのでそのことからも肝と関係が深いと考えられます。
また、肝は精神情緒の安定、自律神経系を介した機能調節もおこなっており、それらの機能低下は動眼神経の副交感神経にも影響を及ぼすと考えられます。
動眼神経麻痺とは何らかの原因で、外眼筋(上直筋、下直筋、内側直筋、下斜筋、眼瞼挙筋)と毛様体筋と瞳孔括約筋を支配している動眼神経が麻痺を生じることです。
動眼神経は、眼球運動に強く関わるほか上眼瞼をあげて眼を開く上眼瞼挙筋の運動、毛様体によりレンズの厚みを調節してピントを合わせる毛様体筋の運動、瞳孔括約筋により瞳孔を収縮させてレンズに入る光の量を調節する運動をつかさどります。
動眼神経には運動神経と副交感神経があります。運動神経は中脳から起こり、上眼窩裂を通って眼窩に入ります。そして上直筋、下直筋、内側直筋、下斜筋の眼球を動かす4つの筋と上眼瞼を引き上げる上眼瞼挙筋を支配します。
副交感神経は運動神経と共に眼窩に入り、眼球に進入して瞳孔括約筋、毛様体筋など平滑筋に分布します。よって動眼神経麻痺がおこると、外眼筋の麻痺がおこり上、内、下、外上方向の眼球運動ができません。正常な眼でまっすぐ前方を見ているときに、侵された側の眼は外側を向いてしまって物が二つに見える複視が起こります。
侵された側の眼で内側を見ているときは、中央にしか動かせず、上下方向には動かせません。まぶたは垂れて瞳孔が散大したり、時には瞳孔が固定して大きさが変化しなくなったりします。
動眼神経麻痺の症状でよく見られるのが、眼瞼下垂です。眼瞼下垂とは、まぶたが垂れ下がり、動眼神経麻痺で眼瞼下垂が起きる場合、まぶたが目の半分以上も覆い、視界が狭くなることがあります。まぶたを上げる筋肉には上眼瞼挙筋とミュラー筋という筋肉があります。この上眼瞼挙筋が動眼神経の支配を受けているため、動眼神経が麻痺してしまうとまぶたが上がらなくなってしまうのです。まぶたを上げる筋肉で主に働いているのが上眼瞼挙筋である一方、補助的な役割を担っているのがミュラー筋という筋肉でこちらは自律神経の支配を受けています。動眼神経麻痺でまぶたが垂れ下がってしまっていると補助的な役割を持つミュラー筋に過度な負担がかかってしまうために自律神経の状態も乱れやすくなってしまいます。
すると、睡眠障害やうつ状態なども併発しやすくなってしまうのです。また、視界の上部がまぶたでおおわれて視界が悪くなってしまうためそれを首の上下運動で補おうとするため頚椎症や肩こりなどの症状も呈しやすくなってしまうのです。
まぶたの開閉運動もままならくなってしまうためドライアイの症状も出やすくなります。このように動眼神経麻痺は目の症状ばかりでなく体全体に影響を及ぼす危険性があります。
動眼神経麻痺は通常、後天性の発症ですが、稀に先天性動眼神経麻痺にも認められます。片眼性動眼神経麻痺も多いが、両眼性動眼神経麻痺もあります。
動眼神経麻痺は動脈瘤に合併して発症することが多いです。また糖尿病の合併症である末梢神経障害のひとつとして動眼神経麻痺が起こることもよく見られます。
動脈瘤に伴う場合は、初期には散瞳や対光反射の消失など自律神経障害のみが起き、眼瞼下垂などの外眼筋麻痺は遅れて起きます。糖尿病に伴う場合は外眼筋麻痺による複視や眼瞼下垂が起こりやすく、瞳孔症状を欠くことがあります。これらはすべて末梢性の動眼神経麻痺です。
また動眼神経麻痺以外にも重症筋無力症などの神経筋接合部の障害や眼筋ミオパチーなど眼筋そのものの異常で外眼筋麻痺は起こる場合があります。中枢性の動眼神経麻痺は対光反射の消失などが起こります。
動眼神経麻痺は様々な原因で、また様々な病変の場所で起きる疾患を含むので、治療法もそれに合わせて様々です。糖尿病が原因の場合はもちろん内服薬などで糖尿病の治療をする必要がありますし、動脈瘤が原因の場合は手術療法が行われる場合もあります。
また複視がある場合はプリズム眼鏡などを使って対症療法が施されます。
70代 男性
1週間前から左目が急に外斜視になり、時間とともに左瞼が開かなくなってしまった。
病院でMRI検査をした所、脳に異常がなく外傷などもないことから原因不明の動眼神経麻痺と診断された。
仕事ではパソコンをよく使用するが、眼の疲れはあまり気にならない。
そのかわり、首肩のこりが強く感じる。
瞼に力を入れても全く動かず、完全に閉じてしまっている。
他動的に瞼を引き上げてみると、強度な外斜視になっている。
当院の施術
まず、うつ伏せで筋緊張を緩和するために首や肩に刺鍼を行いました。
今回鍼が初めてという事でしたので、初回は慣れるために刺激量を抑えていきました。
次に仰向けになり、自律神経調節治療と並行して眼の周辺にある経穴に低周波電気鍼療法を行いました。
治療経過
◇1回目◇
あまり変化はない。
◇2回目◇
今回も変化は見られない。
◇3回目◇
今回から刺激量を上げるため、電気の数を増加。
◇4回目◇
まだ大きな変化はない。
◇5回目◇
少し開くようになってきたが、まだ10分の1程度。
◇6回目◇
少しずつ開いてきた。
外斜視はまだ強く出ている。
◇7回目◇
半分まで開くようになってきた。
外斜視も先週より改善。
◇8回目◇
ほぼ開いてきている。
外斜視も完全ではないが正常化してきた。
40代男性
当院にご来院される2週間ほどまえに急に頭痛がおきてめまいと複視症状がおそった。すぐに病院に駆け込んで診てもらったところ脳に異常はみられなく、原因不明と診断を受けて薬を処方されて帰宅。
2日後から左目の瞼が開かなくなってしまって眼球の動きも悪くなり、また病院を受診したところ動眼神経麻痺と診断。ただし脳には異常が見られずに経過観察と言われた。発症当初、ほとんど瞼が開かず眼球の動きが悪いため治るまで相当時間がかかるかもしかしたら治らないかもと言われて、他に治療法はないかと模索していたところ当院のホームページに辿り着いた。
糖尿病性の網膜症も患っており中心視力は0.01とかなり悪い状態。
鍼灸施術
睡眠の質も悪く、3時間から5・6時間程度しか睡眠をとれないことが続いていたとのことで全身的な自律神経の状態も整えつつ、左目周りを中心に施術を行っていきます。
お身体の状態も頸部の筋緊張や腰部の筋緊張状態が強く常に力が入ってしまっている状態でした。
まずうつ伏せの状態で首肩周りや背部兪穴の重要な経穴に鍼やお灸さらに頸部と腰部に鍼通電治療を用います。
次に仰向けの状態となり、左目周り中心に鍼通電治療、手足のお腹の経穴で睡眠や自律神経に対してアプローチをしていきます。
経過
施術後3回ほどでまず身体の状態に変化がみられてきました。具体的には睡眠の状態が改善してきて中途覚醒の消失と食欲も出てきました。
施術開始5回目で何となく左目を開く力が出てきたとのことで実際にも2割くらい瞼が開くようになっていました。睡眠の質もますます改善されてきて睡眠時間も伸びてきました。
週に2回ほどのペースで鍼灸施術を受けていただいて施術開始後2か月で目の開きが7割程度開くようになりました。眼球の動きも出てきて今までは全く複視の状態で左目をつぶって生活せざるを得ない状態だったのが、正面や左側の視界はものが一つになって見えるようになってきました。
施術開始後3か月で目の状態・視界の状態はほぼ完治しましたが、まだ目が疲れやすく仕事にも多少なりとも支障がでており、その解消のために定期的に受診なさっています。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
自律神経のみだれが原因と考えられていますので、当院では、自律神経のバランスを特殊な検査機器で調べたのち自律神経を整える治療法を行います。女性のようにデリケートな体質には自律神経からのアプローチが必要になります。
自律神経の働きを最大限に上げることで症状の改善を図ります。
体質改善を治療方針としますので、初めの2回から3回は3日置きに来院されると鍼灸治療の効果が出やすいです。効果が出始めてからは、一週間から二週間に一度の来院ペースに変えていきます。
症状には個人差がありますので、上記のように変わっていかれない方もいます。
自律神経以外にもホルモンバランスの崩れや精神状態の改善を目的に施術を行います。
初産婦のため精神状態も不安定になりやすい状況で症状を悪化させやすいことから治療の必要性があります。
身体という器を和らげてあげることで精神状況も落ち着いてきて症状が改善されていきます。
鍼灸治療には副交感神経を上げることに有効な治療方法です。小一時間受けていただくことで精神状況もかなり落ち着いてくるかと思います。
鍼灸治療は経穴(ツボ)を鍼やお灸で刺激することで、生体反応を利用した施術方法です。
使用する鍼も髪の毛より細く、病院で使われる注射とは太さにかなり差があります。針という印象が痛そうと思われますが、ほとんど痛みがなく施術を受けられる方が多いです。お灸は小さい個所を温めるものから足や手などの部位全体を温めるものがあります。
当院では、火傷が起きないよう温かいぐらいの感覚で終わるお灸をしようしています。
皮膚などが弱い方には稀に小さい火傷や水泡ができてしまうこともあります。
鍼灸治療はWHO(世界保健機構)に認めらて様々な症状に効果があると認められた治療方法です。
つわりに使用する経穴
内関・裏内庭・だん中・三陰交・足三里などといった経穴がつわりに効くと言われています。
この経穴に鍼とお灸を施術することで症状の改善を行います。
当院で使用する鍼もお灸も刺激が弱いものです。
刺激が強くなることで、お腹に影響がでないよう細心の注意を払って施術にあたりますのでご安心下さい。
自己ケア
・少量だけでもこまめに食事をとる
・枕元などに簡単に摂れるお菓子などを置いておく
・好きなものを食べるようにする。
・水分と食事の摂取を心掛ける。
30代女性
妊娠7週目の妊婦。1週間ほど前から悪阻が出始め空腹時の胃のむかつき、吐き気、だるさが続いている。食べると吐き気は治まるので以前より食べる量は増加している。今のところ体重の増加は無いが今後体重が増えすぎないか心配との事。夜中、朝方も吐き気がある為ベッドの横にも常に食べ物を用意している。
治療方針
まず、ホルモン分泌と関わりの深い自律神経に焦点をあて、測定器で自律神経のバランスを測定していきました。交感神経が過亢進状態で、触診したところ胃の冷感があったため、温灸器や灸で腹部を温めながら自律神経の調整施術を行いました。また、ホルモンバランスを整える経穴に鍼と灸を用いて刺激していきました。その後うつ伏せになって頂き、胃部の筋緊張を緩める為背部に鍼をし、さらに胃を補う経穴を用い施術していきました。
治療経過
一回目
施術の後胃の不快感が少し軽減した感じがあった。しかしまだ吐き気はあり、辛さのピークに向かっている感じがある。
二回目
前回施術後、二日位少し楽な感じがした。においに敏感になり、食べられるものが限られてきた。
三回目
やはり鍼の後は楽になる感覚がある。まだ悪阻自体はあるが、以前よりは楽に感じる。
四回目
明け方だけ胃がからっぽで少し辛いが、吐き気を感じる事が以前より少なくなった。食事量も安定している。
東洋医学では、妊娠や月経をつかさどる器官を女子胞と呼びます。
女子胞は、心・肝・脾・腎などによって調節されています。女子胞は腎の精気と肝血によって栄養されています。
また脾はの「運化をつかさどる」という機能は、飲食物の消化や吸収と密接な関係にあり、「気血」をつくりだす源であり、心は血を巡らす重要な役割があります。
「心・肝・脾・腎」それらの機能に異常が起きると妊娠や月経に異常をきたしてしまいます。特に妊娠時には、女子胞に十分な血液の供給が必要となるため全体の気血が不足がちとなります。
そこにさらに「心・肝・脾・腎」の不調がかさなるとつわりのような症状を呈しやすくなります。
東洋医学でつわりの状態は、「妊娠嘔吐」や「悪阻病」とよばれています。妊娠悪阻は、胃の病変とも考えられており、胃気上逆という胃の異常によって引き起こされると考えられています。代表的なものとして、
・胃気虚
・胃陽虚
・肝胃不和
が挙げられます。
胃気虚
もともと胃の気が弱い方に多く現れる症候です。もともと弱い胃の気の働きが妊娠によってさらに障害されて胃気上逆症状が起こり、悪心・嘔吐や食べ物の匂いをかいだだけでも気持ちやるくなったり、食べてもすぐ吐いてしまうなどの症状があらわれます。
その他にも全身の倦怠感や日中でも眠気に襲われたりと全身症状が出ます。
胃陽虚
もともと胃が弱い方に起こる胃気虚とは違い、食事の不摂生(冷たい飲食物を摂りすぎるなど)により胃の機能が低下したところで、妊娠期によるさらなる医機能の低下によりおこるつわり症状です。
特徴的な症状としましては、手足の冷えや冷えによって気分が悪くなったり、嘔吐症状が出たりします。
肝胃不和
日常的なストレスによって肝の機能が弱くなってしまい、肝気鬱結の状態となってそれが妊娠期と重なると、肝血が不足状態となってしまいます。すると肝の気を全身に巡らす機能は低下して、胃の気は上逆反応を引き起こしてしまい、悪心・嘔吐などのつわり症状を呈します。この肝胃不和によるつわり症状が近年では増加傾向にあります。
つわりの原因としてホルモンバランスの変化から考えると、東洋医学で腎がホルモンバランスの調節の役割を担っているため腎の病変とも考えられます。
・腎は精を蔵し、生長・発育・生殖をつかさどる
腎は人体の生長や発育、生殖などを維持して促進させる精を貯蔵しています。
これはホルモンを分泌させる内分泌系全般の機能を指すものと考えられており、腎の不調や腎精の不足は人体の発育・生殖に多大な影響を与えると考えられます。
つわりとは、妊娠5週前後から妊娠14~16週を過ぎるあたりまでに消失する、悪心、嘔吐、嗜好の変化などといった症状をいいます。つわり症状のピークは妊娠して3か月と言われています。臭いに敏感になり、食べた後に必ず吐くことやお腹はすいているのに胃液も吐いて水も飲めないようにもなる場合があります。
妊婦の5割から8割くらいの方にみられる生理的な現象で自然に消失していきます。
つわり症状は人によって様々です。ここでは代表的な症状を挙げてみます。
・吐き気、嘔吐
つわり症状の中でも一番よくみられる症状です。吐き気や嘔吐の症状などにより妊娠に気づく場合も多いようです。つわり症状がひどい時期は、においに敏感になりご飯のにおいなど今までは特に気にならなかった臭いが気になるようになり、吐き気や嘔吐をもよおすようになります。また、妊娠による子宮の形の変化から胃が持ち上げられるような不快感を感じることもあります。
・倦怠感
妊娠によるホルモンバランスの変化や自律神経の乱れなどから気怠い感じや身体が重い感覚が出ることがあります。だるさや身体が重いという症状は、つわり症状の一種だととらえることが重要です。無理せずに体を休めることが重要です。
・頭痛、頭重感
頭痛や頭が重いという症状もつわり症状の一種です。出産への不安や仕事の悩みなどを多く抱える方に見られる症状です。
・眠気が強く出る
しっかり睡眠をとっているのにもかかわらず、眠気に襲われることがあります。仕事をしている方の場合、それがとてもストレスとなりさらに体に負担をかけてしまいます。
・偏食になる
妊娠すると嗜好の変化が生じる場合があり、とくに酸っぱい食べ物を食べたくなる傾向にあります。栄養やカロリーが偏らないように食事に気を遣う必要があります。
これらの症状が強くなり、頑固に繰り返すようになると、脱水症状や栄養障害を起こすようになり、時には妊婦の命を脅かすほどになり入院の必要があるものを妊娠悪阻といいます。つわりと比べてかなり少ないですが、症状が重いと入院の必要があります。
つわりの原因は様々な説がありますが、精神的要因も考えられるため、妊娠に対する不安などからくる精神的ストレスの多くかかる初産婦の方がつわり症状が出やすいと言われています。また単胎より多胎に多いと言われています。
原因は明らかではありませんが、ホルモン説や自律神経説、アレルギー説、精神的要因など幅広く考えられています。妊娠初期に起こることから、内分泌や代謝の急激な変化によるものと、精神的や体質的な因子により母体の適応症候群だとも言われています。
・ホルモンバランスの変化説
黄体ホルモンや絨毛性ゴナドトロピンが大量に分泌されるためにその変化に体が適応できずにつわり症状が出てしまうという説。
・自律神経の乱れ説
急激な体の変化や出産・妊娠に対する不安などからストレスを感じて自律神経のバランスを乱します。一種の自律神経失調症のような状態となってしまいます。
・アレルギー反応説
妊娠したばかりは、体がまだ胎児を異物だととらえて一種のアレルギー反応としてつわり症状が出てしまうという説
軽度の悪心、嘔吐、嗜好の変化やつわりの増悪で頑固な悪心、嘔吐を繰り返すと栄養障害や代謝障害が出現し、尿中にケトン体やアセトン体がでて全身状態が衰弱して重症妊娠悪阻となります。
頭痛や下痢などの症状を伴うこともあります。
臭いに敏感になったり、嗜好の変化により好き嫌いが強くでたりします。つわりによる、食欲がなくなったり、吐き気などは消化器症状です。食べ物を少量にすると栄養障害の恐れがありますが、逆に少しずつ食べ続けると太ってしまうこともあります。
病院での治療法には薬物療法、食事療法、輸液療法があります。
・薬物療法
薬物療法は、この時期に胎児の器官形成期にあたるため安易な薬物の使用は行われません。嘔吐を抑える薬や鎮静薬、漢方薬などが処方されます。
・食事療法
食事療法は、空腹時に嘔吐が多く出現するため、栄養価の高い食事を摂らせることで空腹を避けるようにします。そのうえで回数も多くします。食事の内容は、糖質の高いものと低脂肪を中心にします。臭いにも敏感になるので強い臭いもの食事は避けます。
・輸液療法
嘔吐が強くなると食事を摂りづらくなりますので、その場合は輸液療法が必要となります。輸液療法は、電解質やブドウ糖、ビタミン剤の輸液を行います。脱水状態や電解質異常、飢餓状態を積極的に改善していきます。
症状が改善してくれば、流動食の経口摂取に切り替えていきます。
胎児にとってもこの時期はたくさんの栄養はいりませんので心配をし過ぎないことも大切です。
胸鎖乳突筋とは、耳の後ろの乳様突起と呼ばれる部分から首の側面を通り鎖骨、胸骨にかけて繋がる筋肉で、顔を横に向けた時に浮き出る筋肉です。
首を上下左右に動かす、回す、傾ける動作などに使われます。胸鎖乳突筋の後ろには頸椎から分かれた細い神経が通っており、これらの神経は頚神経や腕神経と呼ばれ後頭部、耳、首、肩や腕、指先の感覚や運動を支配しています。
胸鎖乳突筋は物理的な疲労(頭を支えるなど)以外にも、自律神経の不調や精神的ストレスでも筋肉を緊張させ様々な不調の原因となる筋肉です。
胸鎖乳突筋が緊張すると
・首肩こり
・頭痛
・首や顔のむくみ
・めまい
・耳鳴り
・耳閉感
・不眠症
・動悸
・手の痺れ
・うつ病
・パニック障害
・自律神経失調
・更年期障害
などの様々な症状が現れることがあります。これまでも多くの疾患の元になるのが胸鎖乳突筋です。
胸鎖乳突筋のすぐ下には脳や耳などにつながる血管や腕の方へと伸びる神経・血管が通っているため胸鎖乳突筋が過緊張状態で固まってしまっているとその下を通過する神経や血管を圧迫することで循環が悪い状態となってしまいます。
循環の悪い状態が長く続いてしまいますと脳や耳、上肢などの器官に栄養ある血液を送り届けることができずに機能低下を起こしてしまうのです。
また、循環が悪くなることでブドウ糖が乳酸などの疲労物質や発痛物質に変化してしまい痛みやコリの原因にもなります。
胸鎖乳突筋の過緊張状態で起きる頭痛はこめかみなどの側頭部に締め付けられるような痛みが生じてしまうことが特徴です。一般に筋緊張性の頭痛と呼ばれますが、筋肉の緊張している部位によっても頭部の痛みが出る部分が変化してきます。
・筋緊張性頭痛の鍼灸治療について詳しくはこちら←
胸鎖乳突筋の過緊張状態は、耳への循環低下を起こしてしまうことで聴覚への影響や耳の内耳にある三半規管にも影響を与えてしまうためめまいや耳鳴りの原因にもなります。
・めまいに対する鍼灸治療について詳しくはこちら←
・耳鳴りに対する鍼灸治療について詳しくはこちら←
胸鎖乳突筋の過緊張によって腕の方へと伸びる血管や神経が圧迫されてしまうことで痛みや痺れの原因となります。特にデスクワークでパソコン作業が主な人に多く発症する症状です。
うつ病や自律神経失調症など自律神経の乱れが原因で症状が現れやすい方は、胸鎖乳突筋の過緊張がほとんどの方に診られます。
胸鎖乳突筋の過緊張による脳への栄養供給の滞りが原因で精神症状が現れるとも考えられています。
単なる首コリや肩こりだと放置したままですとこれら心療内科系疾患にかかってしまう危険性があるため注意が必要なのです。
・うつ病に対する鍼灸治療について詳しくはこちら←
・自律神経失調症に対する鍼灸治療について詳しくはこちら←
うつむき姿勢
胸鎖乳突筋の過緊張状態の原因で一番多いのが長時間のうつむき姿勢(PC作業、スマートフォンの操作、家事など)です。
うつむき姿勢の状態は、重い頭部が前に傾きそれを支えるために頸部の筋肉には通常時の何倍もの負担となってしまいます。
姿勢を保持する姿勢筋は、その耐久性に優れた筋肉であるため少しの疲労では、感じにくくなっています。パソコン作業で頸肩がこってしまうということは、相当にその筋肉に負担がかかっている証拠です。
自律神経の乱れ
自律神経の乱れでも胸鎖乳突筋の過緊張状態が引き起こされます。主に交感神経の活動が活発になりすぎると胸鎖乳突筋が緊張しやすい状態となります。
交感神経とは活動的な神経で日中など仕事や勉強などしている時に主に働く神経で血管や筋肉などを緊張させて覚醒させる神経です。通常は夜なると活動を抑えて逆にリラックス神経である副交感神経の活動が活発となります。
しかし、夜遅くまで仕事やスマートフォン操作などをして交感神経の活動が活発のままですと自律神経が乱されやすいです。
夜になっても交感神経の活動が活発なので筋肉は休むことができずにコリや痛みの原因となってしまうのです。
喰いしばり
喰いしばりによる胸鎖乳突筋の緊張も多い原因です。意外と意識していなくても何か集中して作業している時に歯を食いしばっている方が多いです。
一度力強く食いしばってみると理解できるかと思いますが食いしばると頸の筋肉も引っ張られるように緊張していることがわかります。
喰いしばりの状態が長く続いてしまいますと胸鎖乳突筋のコリの原因となってしまうのです。
胸鎖乳突筋の鍼治療では、鍼をピンポイントに痛みやコリの原因となっている部分にアプローチをすることが可能です。
また、刺した鍼に電気刺激を加えて強制的に筋肉に収縮・弛緩のポンプ運動を起こさせることで血液循環の改善をして疲労物質や発痛物質を流してあげることで痛みやコリを取り除きます。
また、自律神経が乱れが胸鎖乳突筋のコリや痛みとなることもあるため全身的な調整鍼灸施術も行っていきます。
当院には自律神経測定器が常備されていますので自律神経の測定をしてその方に合わせたツボを用いたオーダーメイド鍼灸治療を行っております。
症例
20代 女性
10代から食いしばりが強いため顎の張り感に悩まされてきた。
酷い時は顎の痛みが数日続く事があり、マウスピース治療を受けている。
ここ最近になって顎の張りだけではなく、首の前側から耳の下あたりまで左右とも突っ張る症状が気になるようになってきた。今は顎の張りよりも首の張りや痛みの方が気になるようになり、当院に受診した。
ストレスはあまり感じる方ではないが、無意識に噛みしめたり、体の力が入ってしまう自覚は昔からあり、改善しようと意識はしているが難しい。
普段はデスクワークがメインだが重いものを持つこともあり、首に過剰な力が入っている感覚がある。ひどくなると、側頭部の重だるさや鈍痛が起こる。
首の側屈の可動域に制限がかかっている。
当院の施術
この方のような食いしばりによる胸鎖乳突筋の筋緊張は精神的ストレスが大きな原因になります。ストレスを感じなくても無意識に蓄積している場合があり、気がついたら慢性的な筋肉のコリが強くなっていることがあります。そのため、筋肉の緊張に対する施術だけではなく、自律神経の調節が根本的な治療になります。
まずうつ伏せで、背中、肩、肩甲骨、首の後面に刺鍼し筋緊張を緩和していきました。
次に、仰向けで自律神経調節治療、患部である胸鎖乳突筋、関連する咬筋、側頭筋に低周波電気鍼療法を行ってきました。
鍼灸治療は未経験という事で少し緊張もされていたため、慣れるという意味でも初回は刺激量を落とし負担を最小限に抑えた施術を行いました。
経過
◇1回目◇
体全体の緊張がとれ、とてもリラックスできた。
首の緊張も少し柔らかくなった気がして楽になった。
◇2回目◇
首の張りが以前より気にならなくなってきた。
夜の睡眠の質も良くなったような気がする。
◇3回目◇
忙しい日は眠りが浅くなるためか、首の張りが気になる。
◇4回目◇
前回よりも張り感がとれ、気にならなくなってきた。
夜も熟睡している。
◇5回目◇
今はほとんど気にならない。
たまに辛くなることもあるが、鍼治療を受けるとすぐに緩和する。
・問診
生活習慣や東洋医学による体のどの部分が虚しているかを診断するため詳しく問診をして行きます。
・自律神経測定
慢性疲労症候群は自律神経とも深いかかわりがあると考えています。自律神経の日内変動のリズムが狂っていたり、副交感神経が優位すぎたりすると身体の倦怠感も感じやすくなります。
また体の免疫系と自律神経も深いかかわりがあることが知れており、自律神経を整えて免疫システムを正常に戻すことは慢性疲労症候群の治療においてとても重要となってきます。
・仰向け治療
お腹や手足の経穴を用いて自律神経の調整・全身の調整治療を行います。
・うつ伏せ治療
背部兪穴といって背部にも五臓六腑に重要な経穴が存在しています。
そういった経穴を刺激することで虚している五臓六腑を補います。
慢性疲労症候群は、単なる疲れと感じていたり、周りにはサボり症だと勘違いされやすく多くの方が悩まれています。
当院ではそういった方々のサポートを全力で行い、少しでもQOL(生活の質)が上がるように手助けをいたします。
慢性疲労症候群は、東洋医学では『虚証』に当てはまります。東洋医学では、『実証』『虚証』があり、正気の強さと病邪の勢いを表します。
基本的に体が虚している状態は、機能が低下している状態を指して、体が実している状態は機能が停滞あるいは、過亢進している状態を指します。
虚証にも様々な種類があります。虚証の種類としまして
・気虚
・血虚
・陰虚
・陽虚
などが挙げられます。慢性疲労症候群は、東洋医学のでいう『気』『血』『津液』などが不足している状態だといえます。
虚証が発症してしまう要因として
・先天的な体の問題
・慢性的な疾患による体の疲労
・過度のストレス
・食欲不振
・出血や激しい発汗
・病邪が体内に侵入することによる消耗
が挙げられます。
また五臓六腑のどの部分が虚している状態であるか見極めるのかも重要となってきます。
当院では、脈診や舌診など東洋医学的診断法に基づいてどこが虚しているのか見極めてから治療に移ります。
慢性疲労症候群の鍼灸治療症例
30代男性
いつも比較的仕事が忙しく、残業することもあったが、ここ1か月程は毎日残業の日々で、終電を逃してタクシーで帰宅することもあった。睡眠時間も3,4時間ほどで身体の疲れが取れにくい状態でした。仕事が通常に戻っても身体の疲れが取れずに寝ても寝ても日中眠たくなることが多くなり、気分も塞ぎがちで仕事に身が入らなくなってきた。
当院にご来院される3日ほど前、朝起きたら身体の節々が痛く微熱も出ていたため風邪かと思い内科でお薬を処方してもらい、服用したがなかなか改善されず当院を受診された。通勤することもままならず、少しの間会社も休むことにされた。
治療経過
一回目の治療後、久しぶりに深く眠ることができたとおっしゃっていました。5回目までの治療で微熱がひいたり出たりを繰り返していたが、その後は身体の状態も落ち着いてきました。
8回目の治療で全身の疲労感もだいぶ軽減されて、リハビリがてらジムで運動できるようになった。10回目の治療で終了し、会社に復帰されました。「このままの状態で会社に行かれなくなったらどうしようという不安から解放されてよかった」ととても喜ばれていました。
症例2
40代 男性
以前から仕事が忙しかったためか、体が重だるさが続いており、やる気も低下している。
治療に専念するため現在は休職しているが、なかなか改善されないため鍼灸治療を受けてみようと思い来院した。
主な症状は、倦怠感、やる気の低下といったうつ状態、体の冷え、肩こり、背中の張り感、睡眠の質の低下、入眠困難、頭が重い。
休職中にもかかわらず疲労感が強く感じる。病院で診てもらったが検査には異常がなく慢性疲労症候群と診断された。
もともと神経質でまじめな性格で責任感が強いため、嫌な頼み事でも引き受けてしまい疲弊することが多かった。気を抜く事が苦手でうまくストレスを発散できていない。
物事に過敏になり、少しの事でも気になってしまう。そのため、少しの物音のため眠れなくなる事がある。
当院の施術
まず、自律神経測定器で現在のストレス度、疲労度、自律神経の状態を確認しました。
ストレスと疲労度はやや高めの状態で、自律神経の交感神経が過剰に働いており、その代わり副交感神経の働きが少ない状態がという測定結果になりました。
自律神経の交感神経は心身を活動させ、副交感神経はリラックスさせる作用があります。
この2つの神経は必要に応じてバランスを保っておりますが、この方の場合は常に交感神経が過剰に働きすぎてしまっているため心身ともに休めない状態が要因の1つと考えました。
また、触診で首や肩、背中の筋緊張が強さ、呼吸の浅さ、手足や腹部の冷えを確認しました。
①自律神経の調節
②首肩や背中などの筋緊張緩和
③東洋医学的観点での経絡治療
この3つに注力して施術を行い、治療間隔は週に1回~2回のペースで通院していただきました。
経過
◇1回目◇
まだあまり変化はないが、施術中は気持ちよくリラックスできる。
◇2回目◇
体の冷えが気にならなくなってきた。
胃腸が正常に動いているような感覚がある。
まだ夜は眠れないことがある。
◇3回目◇
冷えはほとんど感じない。
夜も眠れる日が増えてきた。
◇4回目◇
最近はゆっくり眠れるようになってきたが、まだ首肩のコリは強く感じる。
◇5回目◇
筋緊張が強いため今回から低周波電気鍼を使用した。
施術終了後から効果を実感。
◇6回目◇
前回より筋緊張の緩和がみられ、コリの自覚も軽減した。
気分も落ち着き、夜もゆっくり眠れるようになっている。
疲労感も感じなくなってきた。
顔色も良くなってきた。
◇7回目◇
活動する意欲が湧いてきた。
◇8回目◇
体力をつけるため定期的にジムに通っている。
気分も良い。
現在もメンテナンスのため月に1回のペースで通院中。
このような症状でお悩みでありませんか?
☑半年以上身体が疲れた状態である
☑ちょっとした動作でも体が疲れてしまう
☑睡眠をとってもすっきりしない
☑運動をしたというわけでもないのに筋肉痛になる
☑微熱が続いている
☑ノドが痛い状態が続いている
☑首のリンパ節の腫れた状態が続いている
☑気分が落ち込んでいる状態が続いている
☑寝つきが悪い状態が続いている
☑仕事や勉強の集中力・記憶力の低下
これらの状態があり、原因が特定されない場合は、『慢性疲労症候群』という病気かもしれません。
慢性疲労症候群とはあまり聞きなれない言葉ですが、日常生活に支障が出るほどに身体が6カ月以上にわたり疲弊した状態で、精密検査などをしても特に原因がわからない病気です。
アメリカでは、10万人に38人の割合で慢性疲労症候群が発症しており、1980年代後半にある地域で多発したことから注目されるようになった病気です。日本では慢性疲労症候群という病気があまり認識されていないことから罹患率はそれほど高くないと言われている病気ですが、現在も増え続けている病気です。実際には、日本人でももっと多くの人が慢性疲労症候群にかかっている可能性が大きいです。
慢性疲労症候群は20代から50代に多く発症すると言われており、男性よりも女性の方が1.5倍罹っている人が多いと言われています。
慢性疲労症候群はその名の通り長期間慢性的に体の疲労を感じる病気ですが、それだけではありません。身体の様々な部分に症状が出るのです。
・微熱
慢性疲労症候群の代表的な症状として微熱が挙げられます。微熱が出て、喉に痛みや頭痛も感じるため最初は風邪の症状と間違われがちです。微熱が6カ月以上続き、解熱剤などの薬を服用しても効果が出ないのが特徴です。
・筋肉痛
まったく運動した覚えがないのにもかかわらず、全身または局所的に筋肉痛の症状が現れて動くことさえも億劫になることがあります。
・リンパ節の腫れ
首や腋窩のリンパ節が腫れることがあり、押すと痛みが出る場合があります。
・睡眠障害
なかなか寝付けなかったり、寝つけてもすぐに目覚めてしまう中途覚醒や逆に寝すぎてしまったり、寝ても寝ても極度の睡魔に襲われる過眠症などの症状が現れる場合があります
・気分障害
うつ病のような症状が出る場合があります。慢性的な疲労のため気分が落ち込み、仕事や学校に支障が出るほどになる場合があり、怠けとも勘違いされやすいです。慢性疲労症候群の場合、身体が疲れてくるとそのような症状が顕著になるため午後の方が抑うつ症状が出やすくなってしまいます。
・記憶障害
物忘れがひどくなる認知症のような症状が出る場合があります。また、短期記憶の低下や思考力の低下、集中力の低下から仕事や学業に大きな支障が出る場合があります。
慢性疲労症候群は1980年代後半にアメリカで注目された疾患でまだ知られて久しい病気です。そのため、まだまだ研究が進んでおらず、いまだに原因は不明の疾患です。
様々な研究結果から慢性疲労症候群の起こる原因の仮説がたてられています。
・免疫システムの異常
肉体的・精神的な過剰なストレスは、免疫系の働きを弱めると言われています。免疫系の働きが弱まると潜伏していたウィルスが動き出して身体に様々な悪影響をもたらします。体は、それを防ごうとして免疫物質がつくられるのですが、慢性疲労症候群の方の場合この免疫物質が過剰に作られているのではないかといわれています。 過剰に作られて免疫物質は、脳の働きに影響を及ぼして、疲労感などの慢性疲労症候群による諸症状を引き起こすのです。
・脳内の炎症
脳内に何らかの原因で炎症が起きて慢性疲労症候群が発症するという説もあります。脳の炎症が強くなると脳の神経系にダメージを与えて、痛みや記憶障害などの原因にもなります。
また、脳の血流不足や脳の神経伝達物質が少なくなり、筋肉や関節の痛み、気分障害などを引き起こしていると考えられています。
僧帽筋は首の後ろから背中の上部、肩にかけて広がる、主に肩の動きを司る肩の筋肉の中で最も大きく、背部の一番表層にある筋肉です。後ろから見ると首、左右の肩、下の第12胸椎を結ぶ四角形に見えて、ちょうどカトリックの僧侶の付ける頭巾(フード)の形に似ていることから僧帽筋と呼ばれています。
僧帽筋は上部、中部、下部に分けることができ、それぞれ違った役割を担っています。
・僧帽筋上部
上部は後頭部の付け根(後頭骨)から鎖骨につながっており、鎖骨の引き上げに特に関与します。
・僧帽筋中部
中部は頸椎の下部(第7頸椎)と胸椎の上位(第1~第3胸椎)から肩の端(肩峰)や肩甲骨の上に出っ張り(肩甲棘)につながっており、肩甲骨を挙げたり内側に寄せたり、腕を外から回しながら上げたりする際に使います。
・僧帽筋下部
下部は胸椎の中程(第4胸椎)から、下(第12胸椎)にかけて始まり肩甲骨につながっており、肩甲骨を下げたり、内側に寄せたり、腕を外から回しながら上げたりする役割を果たします。
また、僧帽筋が一緒に動くと手を頭の上まで上げることが出来ます。僧帽筋の重要な働きは腕の上部外側にある三角筋の働きを助けるために肩甲骨を安定させる役割であるともいえます。この働きにより肩に物を担いで運ぶことが出来るのです。
僧帽筋の働きは主に肩甲骨の動きに深く関わっています。動作でいうと重い頭の角度を保ったり、腕の重さを支える、肩をすくめたり、肩を横に張る、重い荷物を持つときに腕が下に引っ張られないように支えたり、肩に物を担いで運ぶ時などに働いてくれます。
肩こりの原因になる筋肉は色々ありますが、その中でもこの僧帽筋は日常生活でも酷使傾向にあり、肩こりに最も関係が深い筋肉といわれています。
肩こりは主に僧帽筋に筋疲労が蓄積して凝り固まることで起こります。
僧帽筋が硬くなる原因は色々ありますが、肩甲骨を動かす僧帽筋は背骨や上肢と繋がっているためそのつながりのどこかに無理が生じることで間接的に影響を受けることもあります。
・同一姿勢、不良姿勢(なで肩、猫背、巻き肩)
重さが約5~6kgの頭部を支えるのは頸椎の後面にある僧帽筋を始めとする筋群です。そのため、まっすぐ前を向いているときは良いのですが、下を向くなどして頭が前に出て猫背になると首や肩の筋肉に2~3倍の負担がかかります。
また、「なで肩」の人は僧帽筋の筋肉量が少ないので肩に疲労がたまりやすくなります。特に筋力が弱い女性はなで肩で疲労がたまりやすく、肩こりが発生しやすくなります。
さらに「巻き肩」といって肩甲骨が正常な位置よりも外側に開き、通常よりも肩が前に出た状態は首から肩、背中にかけて大きく広がる僧帽筋が引き伸ばされ、筋肉が緊張した状態が続くので肩こりが起こりやすくなります。
最近では多くの方が一日中パソコンに向かったり、下を向いてスマートフォンを触っていることが多いといわれています。そういった方は全体的に僧帽筋が引き伸ばされて肩こりを起こしやすいのです。
僧帽筋は副神経という脳神経に支配されており、精神的ストレスや脳の疲労の影響を受けて緊張する特徴があります。
僧帽筋の過緊張は筋緊張性頭痛や、自律神経症状(吐き気、めまいなど)を引き起こす原因にもなります。
僧帽筋は首の付け根にも存在しているため、肩こりと同時に首が痛くなることもあります。
また、寝違えによる首の痛みにも僧帽筋の過緊張や炎症が関与している場合があります。
脊柱は頸椎、胸椎、腰椎というように続いており、頸椎と腰椎に挟まれた胸椎部の背面を一般的に「背中」といいます。
僧帽筋は頸椎、胸椎から肩甲骨というように広く背中に走行しており、長時間の同一姿勢や重い物を運ぶ、持ち上げるなどの重労働などが原因で筋疲労を起こし痛みを生じることがあります。
緊張型頭痛は側頭筋や後頸筋群、僧帽筋などの頭から首、背中にかけての筋肉のコリによって痛みを感じる神経が刺激されて起こると考えられています。
また、頸部には自律神経が通っているため僧帽筋の筋緊張が自律神経を刺激し自律神経のバランスを乱し、偏頭痛を起こす原因になることがあります。
・長時間の同一姿勢(デスクワーク、スマホ操作、読書など)
・ストレスによる緊張(自律神経の乱れ)
・慢性的な運動不足
・エアコンなどによる冷え
・重いバッグを肩にかける
・不適切な枕
・歯ぎしりや食いしばり
などが挙げられます。
当院では治療の前に自律神経測定器にて、自律神経のバランスや血管の状態、ストレス度、疲労度などを測定しお体の状態を把握したうえで治療へ移ります。
全身の循環や内臓機能などを司る自律神経のバランスを整える治療を行い、体の自然治癒力を高めます。
肩こりは僧帽筋だけが悪くなるわけでなく、その周辺の筋肉も緊張されていることが多いです。僧帽筋への施術と並行にその周りの筋肉を緩めるアプローチをかけていきます。
症例
30代 女性
2週間前から肩から背中にかけてコリ感が強くなり、最近は鈍痛が走るようになってきた。
以前から慢性的な肩こりはあったが、痛みが走るのは初めて。首を前傾させると肩甲骨の内側の張りが強くなる。
以前はあまり感じなかった頭の重さや痛みも気になるようになってきた。
仕事はデスクワークで平均8時間、多い日には10時間以上パソコンに向かうこともある。運動をすると楽になるため、余裕がある時は軽いジョキングやウォーキング、ストレッチをするようにしている。
当院の治療
まずは、首の可動域の左右差や、筋肉の柔軟性を確認しました。また、神経、筋肉それぞれの鑑別のため徒手検査も行いました。
施術では首や肩、背中の僧帽筋に沿った筋緊張の強い硬結に低周波の電気鍼治療で刺激、さらに自然治癒力、全身の血流促進を目的として自律神経調節治療も行いました。
経過
◇1回目◇
身体がとても軽くなった。
首や肩、肩甲骨の痛みも軽減。
◇2回目◇
以前は仕事中に肩こりが辛くなることが多かったが、最近は気になることが少なくなってきた。痛みもほとんど気にならない。
◇3回目◇
忙しいと痛みが出ることがあるが、鍼をすると楽になる。
◇4回目◇
痛みはほとんど感じなくなった。
筋肉のコリも柔軟性が出てきている。
◇5回目◇
コリ感もあまり気にならない。
非常に安定している様子。
初回に比べて顔色も良くなって表情が明るい。
現在もメンテナンスで定期的に通院しています。
冷え性を根本的に改善させるには自律神経のバランスとホルモンのバランスを整える治療と
東洋医学による精気を補う治療をしていくことが必要です。
東洋医学と西洋医学のそれぞれの問題を解決していくことが
冷え性の改善となります。
当院では、特別な温灸器を使い身体の芯から温めて
下腹部から下肢までの血行を良くしていきます。
下半身を温めて女性ホルモンの調整を行い
全身の経絡治療をすることで自律神経のバランスを整えていきます。
全身の経絡経穴を用いて、身体の循環や気血を巡らせるよう
鍼と灸を用いて治療します。
治療が終わって帰られるころには、身体が温まったと実感していただけると思います。
冷え性改善には日々の生活習慣やお仕事の姿勢など
から引き起こされるものも多いので、これを機に生活を変えていかれるのも健康のために良いと思います。
陽気が弱い状態や水が多い状態でなるものと考えます。
主に
血の不足や停滞による血の問題
水分の停滞や水毒という水の問題
が考えられて、
・おけつ
・水毒
と東洋医学では表現します。
東洋医学での鍼灸治療としては、根本に精気が弱っているため起きるものですので、
この精気を補ってあげる治療をしていきます。
身体の体質改善ができていければ自然治癒の力で症状は改善されていきます。
40代 女性
冬は外気の気温低下、夏は室内のエアコンにより一年中冷え性に悩まされていた。運動やマッサージなど冷え性の冷え性に良いとされることは一通り行ったが、冷え性の解消までには繋がらなかった。
ほかに膝から下がむくみやすく、一日座って仕事をした後は足がとても重たく感じる。また、数日前より腰の重だるい痛みもひどくなってきてどうしようもなくなり当院にご来院された。
当院の治療
しっかりと問診をしたうえで自律神経の状態を計測しました。問診で一日中パソコンの前で座って作業していることが多く、夢中になると4・5時間はずっと座ったままの状態とのことでしたので、しっかりと1時間に1回は休憩をとって歩行してもらい、入浴後は軽くふくらはぎを下から上へ自分でマッサージしていただくようにしました。
また自律神経測定器の結果、交感神経が高い状態で自律神経も乱れている状態と判断されたため、当院の治療としましてはまず自律神経を整える治療をしたうえでお灸を中心にして腰から下を温める治療を施しました。
当院では、様々なお灸を用います。はりの上にもぐさを乗っけて火をつける灸頭鍼療法や直接もぐさを皮膚の上に乗せて火をつけ、焼き切れる前に火を消す透熱灸療法などその患者様に合わせたお灸療法用いて治療していきます。
◇1回目◇
治療後全身が温まるような感じがして腰の重だるい痛みがなくなった。
◇2回目◇
前回の治療から3週間空いても手足は以前ほどの冷たさは感じられなくなったとのこと。しかし、まだたまに手足が冷えて夜寝つくのに時間がかかる時がある。
◇3~5回目◇
3・4回目は冷えは膠着状態だったが、5回目が終わった後は日常的に手足の冷えを感じることが少なくなり夜もしっかり眠れるようになった。外気温などで冷えてもすぐ温まるようになった。
30代女性
数年前から冷え性に悩まされていた。友人がヨガをやって冷え性が改善されたということでヨガをやってみたがあまり改善されなかった。気温の下がる冬になると特に冷え性がきつくなり足先や手先がとても冷えて靴下を2重3重に履いたり、カイロなどで暖めてももまったく暖まらない。
夜も入浴を1時間入るとさすがに暖まるが、寝る頃になると体が冷えて眠れないこともある。
当院の治療
問診・自律神経測定器で測定後、お灸療法を中心に治療していきました。お灸は、直接灸・灸頭鍼・MT温灸・電子温灸器などさまざまな種類のお灸を用いました。
◇1回目◇
治療中、体が暖まっていく感覚が実感できた。
◇2回目◇
外に出ると体は冷えることは冷えるが、室内に入り体を暖めると体が早く暖まり、それが以前よりも持続するように感じた。
◇3回目◇
冷えがひどいと頭痛の症状が出ていたが、それがなくなってきた。
◇4回目◇
夜中、体の冷えで目覚めることがなくなり睡眠が快調に取れるようになってきた。
◇5回目◇
手先・足先の冷えの感覚が以前の半分ほどとなり、だいぶ軽快してきていると自覚されている。
20代女性
不妊治療を目的にご来院されました。
膝からしたが特に冷たく下腹部や手先も常に冷えているような状態でした。
仕事でのストレスも多く、睡眠も浅めでよく悪い夢をみて寝起きも悪い状態。中途覚醒もあり。
数年前から不妊症で悩んでいて生理不順でホルモンバランスの乱れも婦人科では指摘されていました。子供ができない状態が5年ほど続いており、何とか手段はないかとご主人と探していて当院にご来院されました。
自律神経測定器の結果、夜の時間帯にもかかわらず交感神経の活動が亢進状態にあって常に交感神経の状態が過亢進状態か日中夜の自律神経のバランスが逆転してしまっている状態が推察されます。
治療
下腹部や特にひざ下の冷えは東洋医学でも不妊症治療に対してとても重要でその部分を電子温灸器や灸頭鍼、点灸等を用いてしっかりと温めていきます。
全身施術では、手足の自律神経の状態を整えるツボであったり、四神窓といって睡眠や精神的な状態を改善させることに効果的なツボに鍼を刺して電気を流す鍼通電伝治療を用いていきます。
その他、背中の背部兪穴といいまして五臓六腑の関連した重要なツボがございますのでその部分にも鍼やお灸を施すことで特に重要な腎や生殖に関わる臓腑のツボを刺激していきます。
経過
施術後、徐々に睡眠の質が向上。仕事の忙しさなど日々のストレスに左右されることもあるがトータル的にみると深く眠れる日が増えていった。
下肢の冷えや下腹部は、最初は本人もそこまで自覚できなかったが他が温まるようになってきて本人も冷えを自覚してきて冷えないような対策をしていただきました。
3か月間くらいかけて徐々に冷えや睡眠が改善していき、体調も波はありますが改善傾向にありました。そんな中施術開始後、タイミング療法と並行して妊娠が確認できました。
流産の経験もあるためその後体調を整える目的で週一回はメンテナンスで鍼灸施術も受けています。
下肢や下腹部の冷えは、ほとんどなくなってきました。
体内のホルモン変動や自律神経のバランスが乱れるために引き起こる症状だと考えられています。
血流が豊富で身体を温める作用がある筋肉が男性に比べて女性の方が少ないです。
それに伴い女性は出産や月経など血が少なることもあり、男性よりも冷えを強く感じる方が多いと思われます。
女性の方が多いのですが、男性の方にも冷え症の症状を持った人もいます。
デスクワークや運動不足で下肢の筋肉が落ちてくることや、
不規則な生活習慣のため自律神経が乱れることによって起きやすいことから、
現代病といっても過言ではありません。
冷え性は病気としては見ませんので、お医者さんは専門的に診ているところは少ないと思います。
身体の中から変えていかなければなりませんので、
体質改善が必要です。
冷え性になると、
・肩こり
・腰痛
・下肢のむくみ
・下肢の感覚が鈍くなる
・下腹部の痛み
・頻尿
といった症状を伴いやすいです。
それ以外にも
・生理不順
・易疲労性
・肌荒れ
・不眠
などの症状も付随してでてきやすいもので。
お仕事や生活でも悩まされやすいものです。