頭痛で悩んでいる人は日本人の3人に1人と言われるほどです。
しかし頭痛について知っている方は案外少ないものです。
緊張型頭痛、「頭痛」とはなにか見ていきましょう。
頭痛にはさまざまな種類があります。一般的な種類として、片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛などが挙げられます。
片頭痛は一側の頭痛で、頭痛とともに吐き気や光過敏、音過敏が起こることがあります。
緊張型頭痛は両側の頭痛で、長時間続く鈍い痛みが特徴です。
群発頭痛は非常に激しい一側の頭痛で、発作が集中して起こり、周期的に再発する特徴があります。
片頭痛の原因は脳の血管の異常や神経の知覚異常にあるとされています。特定の刺激(例えば気圧、ストレス、食物、睡眠不足など)によって脳血管が拡張し、神経の過敏化が起こります。これによって血管拡張に伴う炎症物質が放出され、痛みを引き起こすと考えられています。前駆症状として閃輝性暗点(突然視野の中に稲妻のようなギザギザの光の波が現れ、徐々に四方に広がり、その場所が暗くはっきり見えなくなる現象)
がみられます。
緊張型頭痛の原因はストレスや筋肉の緊張が関与しており、筋肉の緊張が血流を制限し、酸素不足が起こることで痛みが発生します。主な原因となる筋肉は僧帽筋や後頸筋群、菱形筋の過緊張があり発生します。
長時間のPC業務やスマホ動画視聴により、眼精疲労をともないます。首・肩が凝る、背中が張っているなどの自覚症状がある場合が多いです。
群発頭痛の原因はまだ明確ではありませんが、神経の異常機能やホルモンの関与が考えられています。結膜充血や鼻汁前頭部発汗など自律神経症状が伴います。
病院で行われる頭痛の治療は、まず正確な診断が重要です。診断には患者の症状や生活状況の詳細なヒアリング、神経学的な検査、画像検査などが行われます。治療の方法は頭痛の種類により異なりますが、一般的な治療法としては、薬物療法が挙げられます。片頭痛の場合、痛みを和らげるための鎮痛剤や三叉神経阻止剤が処方されることがあります。また、予防的な薬物療法も行われることがあります。
まず東洋医学は局所的に診るのではなく、全体的に診ることが特徴のひとつです。全身治療を行うことにより免疫力・自然治癒力を高めます。
頭痛において東洋医学では、気や津液(血液)の滞りやバランスの乱れが原因とされています。体のエネルギーである気が滞ることで緊張型頭痛が起こると考えられています。また、気と津液(血液)の流れが円滑でないことが片頭痛の原因とされています。東洋医学では外因と内因の2つに二分でき、頭痛の多くは内因によって発生しています。特に頭と関係の深い肝・腎・脾の3つに異常をきたすと頭痛が起きます。
肝は血液の流れやストレスに対応する能力と深い関係にあります。頭部への血流を調節する働きやストレスで身体が病まないようにする働きがあります。
腎は精神的・身体的な活動において根源的な活力「気」を司ります。過労になると腎が機能不全になり倦怠感や脱力感といった症状が現れます。気は血液を正常に全身に送る働きを持ちます。そのため気が不足すると頭部への血流が減り、頭痛が出ます。
脾は消化吸収と水分の運搬の働きがあります。脾の機能が弱まると、頭がむくみ、頭重感や頭痛が出ます。また脳は身体の中で1番エネルギーを消費する場所です。消化吸収不良による栄養素の不足は、脳疲労・頭痛に繋がります。
・気血両虚による頭痛:胃腸不良による栄養の欠乏している場合、首肩周りの筋肉が硬くなり血行が不充分な場合、過度な疲労で気を消耗している場合など現代でとても多い頭痛です。
・痰濁による頭痛:頭部の浮腫による頭痛です。低気圧や暴飲暴食(脂っこい食べ物、甘い食べ物の過剰摂取)により起こります。
緊張型頭痛では、後頸部にある僧帽筋や頭半棘筋上の天柱・風池、胸鎖乳突筋や頭板状筋停止部上の完骨、肩甲上部にある僧帽筋上部繊維上の肩井、肩甲間部上にある肺兪・厥陰兪・心兪、肩甲骨上角付近の肩中兪・肩外兪・天髎を治療部位として用いる。そうすることで肩甲骨と頸部周囲の筋肉の緊張が緩み、頭痛が緩和します。
気血両虚による頭痛の治療では、脾胃の気虚を補うことと養血を促すことが必要になります。主に用いる経穴は、足部で三陰交・陰陵泉・足三里・血海、腹部で中脘、背部では脾兪です。また頭部の百会・上星に刺鍼することで気血の巡りを促します。
痰濁による頭痛では、身体に滞っている湿痰(余分な水分)を巡らせて身体の外に排泄できるようにすることが必要です。そのため水の運搬を司る脾胃の能力を高めます。主に用いる経穴は、陰陵泉・豊隆・脾兪・胃兪です。
家庭で頭痛の予防に取り組むことも重要です。まずは十分な睡眠をとることや、ストレスを軽減するためのリラックス法(例: ヨガ、瞑想)を取り入れることが効果的です。また、適度な運動やバランスの良い食事を心掛けることも大切です。加えて飲酒やタバコの過度な摂取を控えることも頭痛の予防につながります。定期的な休息やストレッチは緊張型頭痛の予防に役立つので、日常生活に取り入れることをおすすめします。
症例
40代 男性
先月自分の会社を売り、諸々の手続きが多く数ヶ月間まともに休むことなく働いていた。元々の性格でイライラしやすいと自覚はあったが、忙しい日々を送る中で次第に余裕がなくなっていき常に頭痛がおきるようになった。
仕事柄パソコンを朝から晩まで見ていたが、オンラインでのやり取りが増えたことと、自宅での作業が増えたことで、更にリラックスする時間と場所が無くなったように感じている。
一番気になるのは頭痛だが、眼の疲れも慢性的にあるので、一緒に治療して欲しい。
当院の治療
自律神経測定器で検査したところ、交感神経がかなり優位になっていた。また、ストレスの数値と疲労度の高い数値ででていたため、肉体的な疲労回復と、自律神経の調整治療、そして特に筋肉が硬く緊張している側頭筋を重点的に頭、首、肩、肩甲骨周りに鍼とお灸で刺激を与えて血行促進を目的とした治療を行った。
治療間隔は週に2回
治療経過
◇1回目◇
治療中に深い睡眠が取れた。肩の力が抜けた気がする。
◇2回目◇
よく寝たら逆に頭痛が悪化した。首を中心的に治療し、頭の血流を改善した。
◇3~6回目◇
治療後に好転反応で痛みが強くなることを繰り返しながら、少しずつ痛みが軽くなってきた。
◇7回目◇
深い眠りについても頭痛が起こらなくなり、日中も気にならなくなってきた。
治療頻度を週に1回に変更
◇8回目◇
頭痛をほぼ感じなくなってきた。
◇9回目◇
これからは眼精疲労が気になった時にメンテナンスとして来院することになった。
当院の外転神経麻痺に対する施術は、目の周辺の重要なツボにハリを刺して微電流を流すことで麻痺した神経にアプローチします。
また外転神経麻痺は五臓六腑の肝に深く関係しているので肝に関する経穴を用いて肝血を補うことや肝気の巡りをよくします。
東洋医学の診断方法に基づき全身の調整施術も行っていきます。東洋医学では、症状が出ている場所ばかりに注目するのではなく、その裏に隠された内臓であったり、下肢などの気血になにか問題がある部分に注目して治療していきます。
例えば人間の体は、出血しても時間がたてば塞がれますし、骨が折れても固定しておけばくっつきます。人間は本来、すごい力の自然治癒力を持っています。はり灸はその自然治癒力を呼び覚ますとても有効な施術法です。
当院にご来院される方は、特に外転神経麻痺にかかってしまった前後に仕事などで多くのストレスを感じていたり、多忙な生活を送って体調を崩してしまって発症される方がほとんどです。全体の体調を整えていくこと、自律神経の状態を整えていくことも治癒への大事な一歩となります。問診や自律神経測定器で現在のお身体の調子を把握して、生活習慣なども見直していく必要があります。
当院のはり灸施術の目的は、外転神経麻痺の回復程度を高めて、回復を速めることです。また西洋医学とは違う東洋医学の観点により少しでも外転神経麻痺が回復できる機会を提供することです。それにより、少しでも患者さんのお役にたちたいという思いで施術しております。
中医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能の障害が深く影響していると考えられています。肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。そのほか肝は運動神経系の調節に関係があると考えられています。
外転神経麻痺は、外側直筋を麻痺させるので、そのことからも外転神経麻痺は肝に深く関係していることがわかります。
30代 男性
朝起きると急に物が二重に見えていることに気づいた。少し時間を置けば良くなるだろうと思い、そのままにしておいたが、逆に二重の幅が広くなっていることに気づき会社を早退して眼科を受診した。右目が内側によっている斜視と診断されてその日のうちに脳神経外科を紹介されてCT・MRIの検査を受けた。特に原因特定されずに外転神経麻痺と診断された。仕事はそれから休んでいる。
当院には発症して一か月後に来院。少しずつ複視の幅が狭くなってきたがここ1週間ほどは停滞している。
当院の治療
複視の症状が出る前までは仕事が忙しく、夜遅くまで残業していることが多かった。仕事は主にパソコン仕事で目を酷使する生活が続いていた。複視になる前日に身体の疲れや右目の腫れぼったさや違和感を感じていたとのこと。当院の治療方針として
1.自律神経の調整治療
2.首肩の筋緊張の緩和
3.右目周囲を中心に鍼を刺して電気を流して神経及び筋肉に刺激を与える
治療経過
◇1回目◇
治療後、複視の幅は変わらなかったが体は楽になっている。
◇2~4回目◇
4回目の治療後、通勤時に電車の中の風景にダブりが少なくなっていることに気づいた。
◇5~8回目◇
調子の良い時はダブりが少なくなってきたが、週に半分くらいはまだ調子が悪い。
◇9回目◇
だんだん週の半分以上は目の調子が良くなってきた。
◇10回目◇
複視の症状が消えて身体の調子も良くなった。仕事などたまに忙しくなると少し物が二重に見えることがあるため月に1~2回ほどのペースで治療を受けている。
症例2
40代女性
当院にご来院される2カ月半ほど前に物が二重に見える複視の症状が出た。最初は目の疲れで視力が落ちて物がダブって見えているだけと思い、何もしなかったが徐々に複視の幅が広くなって日常生活を送るのも不自由となってしまった。眼科を受診したところ特に異常は見られずに脳神経外科を紹介されてそこで外転神経麻痺と診断された。しかし、特に脳の異常もみられなかったので経過観察で特に治療はされなかったとのこと。
日常生活では常に眼帯をしていないと物が二重に見えて生活できないため、常にどちらかの目に眼帯をして生活していた。医師によるとどちらの目も外転神経麻痺を起こしているとの診断でした。
当院の治療
仕事は主にデスクワークで頸肩のコリは強く出ていたため、初めに首肩を施術して筋緊張をとった後に目の周りの施術と自律神経調整治療も行っていきました。施術前に自律神経測定器で自律神経のバランスを計測したところ自律神経が乱れている状態でした。
首肩と目の周りは共に鍼を刺した後通電して筋や神経に刺激を与えていきました。
◇1回目◇
特に複視の変化は見られなかった。
◇2回目◇
治療後、若干複視の幅が狭くなったように感じたが、眼帯なしでの生活は送れない
◇3回目◇
朝に手を伸ばした先位の距離はぼやくなくなった。遠くを見るとまだ依然として二重に見える。特に目が疲れてくる夕方以降は調子が悪い
◇4回目◇
日中、家の中だと眼帯を外して生活できるようになった。近くはダブりが少ない
◇5回目◇
近くはいいが、遠くに視点を持っていくと複視になる。特に人混みの中だとつらい
◇6回目◇
段々と遠くに視点を合わせてもダブらなくなってきた。ぼやける程度
◇7回目◇
6回目の施術以降、ほとんど眼帯をせずに生活できるようになってきた。仕事で目を酷使した夜などは眼帯をつけることもある
◇8回目◇
真っ直ぐをみているとほぼ問題なく見える。左右に視点を移すとぼやけることがあるため自然と目線だけでなく、顔も横を向けるようになっているとのこと
◇9回目◇
横のダブりもだいぶ少なくなった。夕方以降でも複視の状態にならない。日常生活ではほぼ支障なく生活できる
症例3
60代 男性
経過
夕方仕事の時に物がぼやけて見えるようになった。最初は目の疲れだと思い、気にせず作業をしていたが次の日の朝にテレビを見ていたら物が二つに見えることに気が付いた。
だんだんと二つに見える幅が離れていったため、こわくなって病院をすぐ受診。脳の検査など行っていったが原因は特にわからずに外転神経麻痺と診断された。
6ヶ月くらいかけて治っていく場合があるから様子見でどうしてもつらかったらプリズム眼鏡を処方するが、6か月間は症状の変動が見られることが多いため基本そのままで対処すると言われた。
以前から漢方治療など東洋医学にも興味があったため外転神経麻痺を治せるところがないかとインターネットで検索して当院にたどり着いたとのこと。
治療
主に目の周り特に眼球の外側に強めの鍼通電治療を行って筋肉や神経に刺激を与えていくことで改善をはかっていきました。
複視症状のほか物が二重に見えるため階段の上り下り時などにめまいやパソコン作業時の目の疲労感も強く感じるとのことでそれらの症状にもアプローチしていきました。
首肩周りの筋緊張の緩和、背中やお腹の経穴を用いた自律神経のバランスも整えて治癒しやすいお身体の状態にしていきます。
経過
来院当初は、複視で歩行が困難なため片目に眼帯をして複視症状をおさえてご来院されていたが、4回目の施術後に眼帯を外しても怖さを感じにくくなったためほぼ眼帯を外して生活。だんだんと複視の幅が狭くなっていった。
治療開始1か月後8回目の治療後には、階段上り下りもそつなく行えるようになってきて日常生活もだいぶ楽に。近くのものパソコン作業時などはほぼ一つに見えるとのこと。まだ遠くの景色は二重に見える。
2か月目以降は治療間隔を週に2回から1回に延ばしていきました。
2か月終了時には、複視症状がほぼ消失したため治療も終了。
症例 4
30代 男性
一週間前、起床時から右目が外側に動かなくなった。眼科を受診したところ、原因不明の外転神経麻痺と診断された。脳神経には異常がなく、自律神経かスマホの使いすぎかと言われた。複視がでているため、モノがダブって見える。
発症前は、仕事が忙しく就寝前までスマホで仕事をしていた。
当院の施術
触診では、強い首肩のコリはなく、手足の末端が異常に冷たい状態だった。仕事の忙しさなどから、自律神経のバランスを乱していることや、目の使いすぎによる目の周りの筋緊張で血液循環が悪くなり、神経の働きが麻痺したものと考えられる。
全身への鍼灸施術による自律神経の調整と、血流を促進させるために目の周りへの鍼通電を行った。
一回目
施術後は体が暖かく感じた。
二回目
前回の施術後から、体が温かくなった。目の麻痺は少しマシになり動きがでてきた。
三回目
体は温かい。目が外を向くようになり、外側の視野が広がっている。治療の次の日は目の動きがよくなる。
四回目
だいぶ目が外側に動くようになった。近くのピントも合うようになり、文字が読めるようになった。遠くのものを見る時は、まだピントが合わない。
五回目
目の動きは正常に戻り、遠くのものを見る時もダブることがほとんどなくなった。
外転神経麻痺は脳底の動脈瘤・腫瘍・髄膜血管梅毒・糖尿病・外傷などで起こり、眼筋麻痺のなかでもっとも頻度が高い疾患です。外転神経は橋の後縁から出て上眼窩裂を通って眼窩に入り、外側直筋を支配します。
そして、外側直筋を収縮させて眼球を外側に向かって水平に動かします。よって外転神経が麻痺すると眼球は外転できなくなり、正常よりも内側を向くようになります。すると両眼の視線が見たい場所で交わらなくなり、ものが二つに見えたりします(複視)。眼球運動にかかわる神経は外転神経以外に動眼神経と滑車神経があります。
外側直筋
眼球の奥の総腱輪から出て眼球の外側に停止する筋肉です。外側直筋の主な役割は、眼球を外側に向ける役割があります。外転神経が支配しています。
外側直筋は眼科の中にあるため、触ることができない筋肉です。この筋肉が何らかの原因で機能しないと、目を外側に向けることができなくなり、正視していても内側に向いてしまうより目の状態となってしまいます。
外側直筋が機能しないと目のピントを合わせる能力が低下して焦点が合わなくなり、二重に物が見える状態・複視の状態となってしまいます。
外転神経麻痺を突き止めるのは容易ですが、原因を突き止めるのは容易ではありません。CT検査やMRI検査で腫瘍があるか判断したり、脊髄搾刺では頭外内圧が上昇していないか診断されます。
原因が判明しない場合は、神経に血液を運ぶ動脈の閉塞や一過性脳虚血発作による神経の障害が考えられます。
これらの異常は、高血圧・糖尿病・アテローム動脈硬化がある患者に多く見られます。
当院にご来院される多くの方は、外転神経麻痺と眼科などで診断されたもののその原因が精密な検査を重ねてもわからないという方がほとんどです。原因がわからないと西洋医学では対処が難しく具体的な治療は施されません。当院ではそのような方々でも東洋医学の観点から施術することで複視の状態が改善していったという方が多くいらっしゃいます。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
EDは東洋医学では『陽萎』と言います。
先天の気である腎の(陽気)の弱り(萎える)と考えられています。
EDは古くから存在し、鍼灸や漢方などでも治療されていたと記されています。
東洋医学の腎(腎精≒生殖力)は年齢とともに弱くなってきます。
腎精の力が低下する要因としては過度なセックス(房事過多)や暴飲暴食(飲食不摂)や過労(労倦)といったところが腎の気を消耗することに繋がります。
つまり、生活習慣や食生活、性習慣も含めた部分も見直す必要があると言えます。
当院では全身調整治療で自律神経のバランスを整えていきます。自律神経は自分の意思とは無関係に働く神経で、勃起するメカニズムにおいても自律神経の働きが大きく関係しています。
勃起することは交感神経が優位になると思われがちですが、これは逆で副交感神経が優位になることで勃起・射精ということがおこるのです。
つまり副交感神経の機能が低下していておこる場合や交感神経の機能亢進でEDが起こることがあるということです。ですから最初に自律神経のバランスを整えていくわけです。自律神経調整治療に加えて腎の陽気を補う(補腎)の治療も行います。
人によっては肝・心経にも反応があるため、反応点には施術していきます。それに加えて骨盤内動脈の血流量を増やすために下腹部と仙骨穴に置鍼+電気刺激を加えていきます。
EDの患者の治療効果は高く、鍼灸治療をうけた翌日の朝は勃起する感覚があるなどの声も耳にします。
30代男性
当院にご来院される半年前に仕事環境の変化や仕事が多忙となり、睡眠時間も低下してしまった。夜寝る時間も遅く、奥さんとも寝る時間が合わなくなってきて自然と性交渉をおこわなくなってしまった。段々と仕事が落ち着いて時間ができるようになり、いざ性交渉をしようとしたところ全く勃起しなくなってしまった。
日を変えても同じ結果で、様々なサプリを試したがまったくよくならなかったため当院にご来院されました。
治療
まずは、しっかりと問診を行った上で自律神経測定器で自律神経の状態を把握していきました。睡眠時間も未だ短く、以前は出来ていた運動も時間がなくあまりやらなくなってしまったとのこと。自律神経の測定結果も交感神経の活動が高い状態で副交感神経の活動があまり見られない状態でした。
まず自律神経を整える治療を行ったうえで腰部・臀部の経穴(次リョウ・上リョウなど)に鍼通電を行っていきました。
治療経過
◇1回目◇
治療後、体はリラックスできたように感じたが、相変わらず勃起は起きなかった。
◇2回目◇
2回目の治療後も特に変化なし。
◇3回目◇
夜の反応は変わらないが、朝立ちはする日が出てきた
◇4回目◇
少しずつ性交渉の時にも勃起するようになってきて2~3割程度の確率で勃起するようになった。
◇5回目◇
性交渉時、半分くらいの確率で勃起して射精できるようになった。
◇6回目◇
ほぼ100%性交渉時に射精できるようになった。
◇7回目以降◇
また元の状態に戻る可能性もあるので身体のメンテナンスのためにも10回施術を行って終了した。
40代 男性
半年前から単身赴任となり、職場の環境の変化や日常生活で何でも自分でこなさないといけないというストレスもあり、睡眠の質の低下や倦怠感などを感じていた。少し時間に余裕が出来て久しぶりに家に帰って奥さんと性行為を行ったところ勃起することなく射精もできなかった。それからその出来事が頭に残り、性行為の際にまた同じようなことが起きてしまったらどうしようというプレッシャーを感じるようになり、さらに勃起することが難しくなってしまった。
病院を受診して薬を処方してもらったが、改善がみられなかったため、別の治療法がないか探していた際に当院のホームページを見てご来院された。
治療
普段の生活でもストレスを感じることが多く、自律神経の状態が乱れていることが考えられることからまず最初に自律神経測定器で自律神経の状態を計測していきました。自律神経測定器の結果は交感神経の活動が非常に高く、逆に副交感神経の活動が低すぎるというものでした。
まず自律神経の状態を整えたうえで東洋医学的観点より施術していきました。
治療経過
施術を受けると体は楽になると感じていたが、EDに関しては5回目までは特に変化は見られなかった。
5回目治療後、性行為時に射精まではいかないまでも勃起するようになってきた。施術8回目後には治療開始して初めて勃起して射精することができるようになってきた。でも、まだ2回に1回ほどの割合。
12回目施術をしたところほぼ性行為時に勃起をして射精できるようになった。
症例3
40代 男性
40代になってから、以前の様な勃起ができなくなってきた。
前から飲酒や精神的緊張で十分な勃起ができないこともあったが、ここ最近立ちが悪いのが気になる。とくに睡眠不足や仕事が忙しい状態が続くと不全になる。
1日の平均睡眠時間は6時間程度だが、短い時は3時間程の事もあり、なかなか疲労感が取れない事もある。
当院の施術
年齢的にもまだまだ十分勃起力は保たれても問題はないなく、疲労や睡眠など状況によって波があるというお話から、自律神経の乱れによるものが大きな要因と考えらます。
そのため、まず自律神経測定器で自律神経の状態を確認していきました。
夕方に測定したにも関わらず、交感神経が過剰に働いており、逆に副交感神経の働きが弱い状態でした。勃起をコントロールしているのはこの副交感神経で、この神経の働きが弱いと勃起不全になってしまいます。
当院では、
①自律神経、特に副交感神経の働きを高める
②骨盤血流の促進
③低周波鍼通電で骨盤神経を刺激
を中心に行っていきました。
経過
1回目
まだあまり変化はないが、前回後よく眠ることができた。
2回目
立ち、硬さ共に少し改善してきた。
3回目
疲れていると、立ちが悪い。焦ってしまうとだめ。
4回目
立ちが長続きしてきた。自信もついてきた。
5回目
あまり気にならなくなってきた。
現在も定期的に通院中。
EDとはErectile Dysfunction;の略式で日本語では勃起不全と訳されています。またインポテンツという言い方をすることもあります。
性交渉時に十分な勃起が得られないため、または十分な勃起が維持できないため、満足な性交渉が行えないことを言います。
妊娠を望む夫婦にとっては、EDは軽視できるものではないといえます。
成人男性のおおよそ4人に1人が中等度以上のEDの症状であると言われていますから、軽度の人も含めると症状で悩んでいる方は数多くいるということになりますね。
まずEDの原因を考える前に、勃起がどのようにして起きるかを理解するとEDの原因もよりわかりやすくなりなります。
勃起は性的刺激が加わってペニスの海綿体に血液ながれでることでおこります。EDの原因は、要するに何らかの原因によって海綿体に血液が流れにくい状態ということになります。
海綿体に血液が流れにくくなる原因としまして
・加齢によるもの
年齢があがるとEDになる確率もあがります。
40代以降では生活習慣病のリスクも高まりますから、年齢を重ねることでもEDになりやすいといえるでしょう。
・心理的な要因
ストレス・うつ・不安など日常で誰しもが起こりうるものが心因性によるものです。
仕事や日常生活で精神的なストレスが蓄積しておこることが多いようです。また幼児期の体験や性的トラウマなどが要因になっていることもあります。仕事や家庭などで精神的ストレスを抱えることの多い30代・40代に多いと原因と言われています。
・生活習慣により起こるもの
高血圧・高脂血症・糖尿病の半分以上の患者はEDと言われています。そのくらい密接に生活習慣病と関係しています。この三つの疾患では、何らかの形で末梢の神経や血管に障害がおこることにもより勃起不全の症状がおこるのです。
・病気や怪我によるもの
脳出血や脳梗塞や脳腫瘍、アルツハイマー病でもEDになりえます。
また交通事故や脊髄損傷でも起こることがあります。
・複合型
多くの場合、EDとなってしまう原因が特定できません。前述のように加齢や生活習慣または心理的要因などが複雑に関わりあってEDとなってしまう場合が多いようです。
今は20代の方でもEDで悩まされている方が増えていると言われています。その一因としてストレス社会と食事の関係が注目されています。上述したように心理的な要因でEDとなってしまうことがあり、それを心因性EDといいます。20代から30代は生活環境の変化が激しく特に男性は仕事でのストレスを多く受けやすい時期と言えます。体がストレスを受けると脳が男性ホルモンの分泌を減らすように指令を出して精巣からのホルモン分泌量が減ってしまうと言われています。その他、ストレスから自律神経のバランスが乱されてEDとなってしまう危険性もあります。ストレスを受けると主に交感神経が優位となりがちで交感神経の過亢進状態が続くことで勃起不全の状態となってしまうのです。
ストレスの原因として現実心因と言われる日常生活での仕事や家庭環境・パートナーとの関係からくるストレスと深層心因といわれる幼少期や思春期のトラウマからくるストレスとがあります。
そういったストレスを取り除くことは、言葉では簡単でもなかなか簡単にできるものではありませんが、適度な有酸素運動・十分な睡眠・趣味の時間を作るなどはストレス解消の問題を解決するうえでやはり重要です。
諦めずに習慣化することにより、少しずつ体への変化が現れて症状の回復へとつながることが期待できます。
西洋医学では、ED治療薬の内服が一般的です。一般的に多く使われているのは、
バイアグラ・シアリス・レビトラなどが多いです。血管を広げる作用があったり、勃起を促す酵素の働きを手助けしたりする作用があります。EDの治療薬は多かれ少なかれ副作用がありますから、専門医に相談していただくとよいです。他にも手術療法やホルモン療法、心理療法などもあります。
EDとなってしまったのには必ず何かしらの原因があります。脳梗塞やアルツハイマー型のEDを除いては、詳しく問診を取っていくと生活習慣の乱れがある方がほとんどです。食生活の乱れや睡眠不足、ストレス過多状態は特にEDの改善の妨げとなってしまいます。
せっかく治療を受けても生活習慣を改善していかなければ、治療でよくなったとしてもまた症状が戻ってしまう可能性もあります。EDを根本的に改善させるには治療と並行して生活習慣の改善をしていく必要があるのです。
当院では、治療と並行して下記のような生活習慣の改善をお願いする場合がございます。
食生活の改善
高脂血症や中性脂肪が高い状態だと血液がドロドロとなり、血行不良になりやすくなります。すると陰茎部分にも血流が行き届きづらい状態となってしまうため、食生活を改めて血液はサラサラ状態にしていく必要があります。
具体的に摂った方が良い食材として、魚類・海藻・納豆・酢・きのこ類・野菜類などがあり、洋食中心の食生活の方は和食中心に切り替えることが好ましいです。
運動習慣
運動不足となると全身の血流も悪くなり、自律神経の状態を悪くなってしまいます。特に交感神経が過亢進状態の方が多く、交感神経は血管を収縮させる作用が働くため、交感神経亢進状態が続いてしまうと血流が悪くなってしまいます。
特にウォーキングや軽いランニングなどの有酸素運動はリラックス神経である副交感神経を働かやすくなります。
またED症状の場合、下半身の筋力をつけることも重要でスクワット運動はED改善には効果的ということが分かっています。
タンパク質やビタミンを摂る
食生活の改善にも当てはまりますが、タンパク質とビタミンを摂取するというのは体内で精液をつくるのにとても重要となってきます。体内で精液を生成するにはタンパク質・ビタミン・ミネラルが必要な栄養素となります。
具体的には、レバー・オクラ・納豆・ヤマイモ・大豆食品・野菜類を意識的に多めに摂るようにしましょう。
東洋医学で効果のあるとされる食材
・くるみ
くるみは、縄文時代の遺跡からクルミの殻が発見されており、かなり昔から食べられていたと考えられています。くるみには、『補腎固精』という体を補強してインポテンツや早漏に効果があると言われています。生クルミを毎日60グラムほど2か月間食べ続けると効果が出てきやすいです。しかし、くるみは油分が多く含まれているため下痢傾向のある人はさらに下しやすくなってしまうので控えめに摂るようにしましょう。
・なまこ
なまこには、『補腎益精』と言われる作用があり、五臓六腑の腎を補うことで勢力を高める効能があると言われています。なまこは、90%が水分で残りはコラーゲンからできているため、お腹を下しやすかったり、痰を発生しやすいので注意しましょう。その他なまこには、便通の改善や頻尿の改善にも効果があるとされています。
・ドジョウ
ドジョウの効能は、漢方の世界では『補中益気』といわれ、胃腸を丈夫にして消化吸収力を高めて体力をつけると言われています。日本ではそこまで食する機会の少ない食材ですが、中国では古くから体力がつくと知られています。子供の栄養不良や黄疸性肝炎、インポテンツなどの治療に用いられています、また、ドジョウには多くのカルシウムが含まれており骨や歯の状態を良くしたい方にもおすすめです。
エビにもインポテンツの改善に薬効があるといわれ、ドジョウとエビを一緒に煮て摂取するとより効果が期待できます。
EDの治療においては生活習慣も含めた上で改善していく必要性があると言えます。
特に睡眠不足や栄養不足は大敵といえます。寝る時間や充分な栄養がないと、精子の量や勃起時の膨張率にも関係してきますし、セックスやマスターベーションのしすぎもセーブすることが大切といえます。
また適度な運動習慣をするようにすることや飲酒・喫煙習慣を見直すことも重要です。
身体をリラックスさせストレスを溜めないように心がけるだけでも軽度の場合であれば改善されます。
まずは生活習慣の改善を見直すことが重要です。
それでもなかなかうまくいかない・・・
薬は副作用が心配だからあまり頼りたくない・・・
そうであれば当院の鍼灸治療を一度受けてみてください。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
東洋医学的に診ますと五臓六腑の肝と脾の機能低下が筋肉痛になりやすい状態へとつながると言われています。
東洋医学では、「肝は肌肉をつかさどる」といわれます。血液を蓄えて体内の血流量を調整することで全身の筋膜や腱を調整しています。
また脾は東洋医学では西洋の脾臓と胃腸のことをさします。全身の筋肉に栄養素を届ける働きがあります。
これらの肝と脾の機能が低下することで筋肉や肌肉、腱に栄養が行き渡らずにその状態で運動をすると筋肉痛になる確率が高まるのです。
当院で行う筋肉痛の治療目的は筋肉痛の回復程度を高めることと、筋肉痛が完治するまでの時間を早めることです。
鍼灸治療の効果として、炎症を早く治めることや鎮痛効果、血流促進などがあります。筋肉痛が起きている部分に直接アプローチして炎症や痛みを早く取り除いたり、周りの筋肉の過緊張状態を和らげることで筋肉痛の回復を早めます。
また、東洋医学的に診ますと五臓六腑の肝や脾が弱っているために筋肉に栄養が行き渡りずらい状態で筋肉痛が発症している可能性もありますので肝や脾の機能を回復させるような経穴なども用いて施術していきます。
筋肉痛とは運動や筋力トレーニングにより筋線維がダメージを受けて起こる痛みのことです。筋肉痛の原因は医学的にまだはっきりと解明されていません。
筋肉痛は広義には肉離れなどを含みますが、一般的に運動した数時間後から数日後に発生する遅発性筋肉痛の事で、程度は個人差がありますが、運動の種類、運動強度、年齢、運動に対する慣れなど様々な要因によって決まるとされています。
以前は、運動中の激しい筋収縮により筋肉への酸素供給が間に合わなくなり、エネルギー源であるブドウ糖が不完全燃焼を起こし、代謝産物である乳酸が筋肉中に蓄積されることにより筋肉を硬くし、神経を刺激して炎症や痛みを起こすと考えられてきましたが、最近の研究では、血液中の乳酸は運動後すぐに低下するため、筋肉痛のような症状を起こす要因にはならないという矛盾点が指摘されており、現在最も有力な説は、普段使われない筋肉を急に使ったり、同じ筋肉が使われすぎたりすると、筋繊維とその周りの結合組織の損傷し、回復過程において炎症を起こし、その際に発生したブラジキニンやプロスタグランジンなどの発痛物質が筋膜を刺激し痛みの信号として脳へ伝わり、筋肉痛として痛みを感じるという見方です。
筋肉痛の症状は、運動した数時間後から数日後に発生する筋肉痛と長時間運動した直後の筋肉痛があります。
・筋肉痛はなぜ時間を置いて痛むのか
運動によって傷ついた筋線維に炎症が起き、そこで出来たブラジキニンなどの発痛物質が筋膜を刺激します。そこから刺激が伝わって痛みを感じるまでに時間差があるからだと考えられています。あまり使っていない筋肉は毛細血管が十分に巡っていません。炎症反応が起こり発痛物質が出てくるまで時間がかかったり、痛みが強くなっていったりするとよく言われますが、現在では年齢による時間差はないという調査報告もみられています。
・筋肉痛になりやすい運動とは
運動するとき筋肉を収縮させて力を発揮しています。この筋肉の収縮運動は以下の三種類に分けられます。
伸びながら力を発揮するエキセントリック(伸張性)運動
重い荷物を降ろす、下り坂を降りる、階段を下りるなど
縮みながら力を発揮するコンセントリック(短縮性)運動
重い荷物を持ち上げる、階段を上るなど
伸縮なく力を発揮するアイソメトリック(等尺性)運動
腕相撲など
このうち特に筋肉痛になりやすいのがエキセントリック運動です。これは、筋肉を伸ばすときの方が筋線維への負荷が大きくなるため、損傷が起こりやすいためです。
・運動前後のストレッチ
運動前のストレッチは、血行を良くして筋肉を柔らかくします。筋肉の伸縮性を高める事で、筋肉痛の原因となる炎症を起こしにくくするだけでなく、ケガの防止につながります。
ストレッチは反動をつけずにゆっくり行うことがポイントです。無理をせず、痛みを感じない程度に行いこれから使う筋肉や、使った後の筋肉を中心にストレッチングしていくことで筋肉痛を
軽減できます。
・普段からの運動習慣
筋肉痛は普段使っていない筋肉を使ったりすると起こるものです。普段から運動習慣をつけ、筋肉を鍛えることが筋肉痛の予防につながります。
筋肉痛は一般的にそのまま様子を見ていれば、運動後3~7日程度で治っていきます。セルフケアとして筋肉痛を早く治すために次のようなことを心がけると良いでしょう。
・患部を温めて血行を促す
入浴やマッサージなどで血行を促すことで、傷ついた場所を回復させるための栄養や酸素を運びやすくなり、新陳代謝が促進され回復を早める効果が期待できます。
・炎症がひどい時はアイシングをする
運動直後や、炎症がひどく熱を持っている場合には温めずに、まずは氷や冷湿布で患部を冷やしましょう。これはアイシングと呼ばれるものです。アイシングをすることで血管が収縮し血流が抑制され、痛みを伝える神経を麻痺させて痛みを緩和する効果があります。アイシングは、一回あたり20分程度。一日に数回に分けて行うのが良いでしょう。運動から1日~2日までがアイシングの目安となります。
・運動直後に良質な栄養を摂る
運動後、回復時に良い食事は、タンパク質、糖質、ビタミン、ミネラルをしっかりととる事が出来る食事です。タンパク質は傷ついた筋肉を修復するのに使われ、糖質は運動で消費したエネルギーを補うための筋肉の分解を抑えるのに役立ちます。また、ビタミン、ミネラルは汗により失われたり、エネルギー効率を良くするため、体で消費されたりしているので、補うことが大切です。
・十分な睡眠を取る
筋肉痛に限りませんが、睡眠は疲労回復に欠かせません。眠っている時には体の中では成長ホルモンが分泌されて、消耗した筋肉を修復してくれる作用があります。
・ストレッチや軽い運動を行う
ストレッチをすると筋肉が柔らかくなり、血行が良くなるので筋肉痛の回復の助けになります。しかし、勢いをつけたり、重い負荷をかけるのはよくありません。できるだけゆっくりと時間をかけて、軽く筋肉を伸ばすストレッチを心がけましょう。また、ウォーキングや水中歩行も良い方法です。無理をせず20分~30分くらいが良いでしょう。
次のような場合には病院に行きましょう。病気や怪我が隠れている場合もあります。
・1週間以上たっても痛みやこわばりが取れない場合(まれにリウマチ性多発筋痛などの疾患の場合があるため)
・全身性の痛みがある場合(他の疾患の可能性があるため)
・局所に急激な痛みがある場合(怪我や骨折の可能性があるため)
・運動をしたわけでもないのに、筋肉痛のような痛みがある場合(内臓疾患の可能性があるため)
筋肉痛の鍼灸治療症例
症例1
30代 男性
前日にフルマラソンを走り、筋肉痛や疲労回復のために来院された。
ふくらはぎが緊張が一番強く、それ以外にも大腿や腕、肩、背中の緊張が見られた。
当院の治療
ふくらはぎの緊張を取るために、下肢のツボ(承筋、承山、承間、飛陽、三陰交
足三里)と硬結部に刺鍼をし、そこに低周波の電気刺激を行った。
また、大腿後面と前面や腰部、背部、首肩の硬結部にも刺鍼をし、さらに自然治癒力を働かせるために、自律神経治療も行った。
施術後
全身的にリラックスできて、体が楽に動けるようになった。
しかし、まだ痛い所がある。
二回目(翌日)
筋肉痛は微かにあるが、気にならない。
症例 2
30代 男性
1週間後にフルマラソンの大会に出場予定で、筋疲労の回復のため来院した。
ここ数か月走り込みをつづけており、週末は30キロ~40キロ近く走ることもある。
過去ににふくらはぎの肉離れを起こしたことがあるため、再発防止としてマッサージでこまめにケアをしているが、以前よりなかなか筋肉痛が取れなくなってきている。
当院の施術
まず、触診にてお身体の状態を確認していきました。
全身の筋肉の硬さはみられるが、とくに太ももの前面とふくらはぎの筋緊張が非常に強く、軽く押しただけでも筋肉痛が起きる。触ると多少の熱感も感じられました。
1週間後にフルマラソンのレースに出場ということで、少しでも万全の状態に近づけるためしっかり筋肉にアプローチを行い、鍼に電気を流す低周波鍼通電法を行いました。
以前より筋肉痛が取れにくくなっているといううことなので、自然治癒力を担う自律神経の状態を測定器で測定したうえで、自律神経調節治療も同時に行いました。
治療間隔はレースまであまり日がないため、3日連続で来院していただき、集中して施術を重ねていきました。
1回目
かなり楽になった。足が軽い。
しかしまだ完全に、取り切れていない。
2回目
痛みはほとんど取れている。
圧痛もほぼ気にならない。
3回目
もうほぼ痛みや張り感は消滅した。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院
東洋医学に診ると「肺」と熱や水分代謝を主に治療することが蓄膿症には効きます。また免疫力を上げることも重要です。免疫力を上げるこには全身の血流量をあげること・自律神経の状態を正常に戻すことが重要です。
自律神経の乱れは・・・・
などを引き起こします。
これらは自律神経の活動により、改善していきやすいものです。
自律神経のバランスが乱れていると、全身の血行循環が悪くなり、血液がドロドロとなります。血液が末梢まで流れないことで、微小循環も悪くなり、代謝が落ちていきます。自律神経の活動を高めて免疫力をあげることが、蓄膿症・副鼻腔炎の改善に欠かせないということです。
身体本来が持っている自然治癒力を高めてあげることで、血液をサラサラに、全身循環を良くしていきます。体質改善を行うことで症状を治していきます。
治療の流れ
①問診
しっかりと問診をしていき、原因を特定していきます。
②自律神経測定
蓄膿症・副鼻腔炎の治療は自律神経の状態を知ることが重要となってきます。
③仰向け治療
自律神経調整療法・鼻周囲の重要な経穴などを用いて症状改善を目指します。
④うつ伏せ治療
肺や大腸などの重要な経穴は背部にもあり、その経穴を刺激していきます。
鼻汁や鼻づまりなど鼻の症例は、東洋医学では「肺」と「大腸」が関係します。
肺には「宣散・粛降を主る」「気を主る」機能があります。
肺の病変では、主に呼吸器系や水分代謝の面の障害が現れます。
大腸には、「伝化を主る」で、主に大便の排泄を行っていて、肺とは気機の下降の面で関連を持っています。
「肺」と「大腸」の関係
肺の粛降の作用と大腸の伝化の作用とは深い関係にあり、肺の粛降作用により大腸は排便を促すことができます。
「肺」や「大腸」不調
乾燥による燥邪などが肺の津液を損傷すると肺の機能が下がり皮膚や粘膜の脱水と炎症を引き起こします。
肺の機能が上手く働かなくなると身体の水が停滞してしまいます。これが、軌道に貯留すると鼻や喉などに症状がでます。これが大腸にも影響を与えて便秘や腸閉塞にも繋がってしまいます。
50代男性
2か月ほど前に風邪に感染し、一週間内に熱は下がったものの、それから鼻が常に詰まっている状態が続いている。病院にて薬物療法を行っているがなかなか治らない。後鼻漏があり、特に夜間に咳が出る。顔面痛、頭重感。最近では嗅覚障害も出現している。
当院での治療
自律神経測定器にて計測を行ったところ、交感神経が過亢進状態でバランスに乱れが見られました。顔面部の血行促進の為、うつ伏せで首肩の筋緊張の緩和と、東洋医学的観点から肺と大腸経のツボにも鍼とお灸を施しました。
次に仰向けで顔面部に鍼とお灸で刺激を与え、鼻周囲の血流循環を促進し、抗炎症作用、鼻汁や膿の排出を促すと同時に、免疫、内臓機能の調整と全身の血行促進のため自律神経系の調整のツボに刺激を与えました。
一回目
施術が終わった後は頭が2、3日軽くなった感覚があった。鼻詰まりも当日は少し改善された感覚があったが、徐々に戻ってしまった。他の症状はまだ変化感じられない。
二回目
顔面痛が少し改善され、後鼻漏がやや少なくなったと感じる。鼻詰まりは日によって通りが良いと感じる日が出てきた。頭重感鼻の通りが悪い日は感じる。
三回目
顔面痛前回よりも改善した。後鼻漏も比較的少ない状態が続いている。鼻の通りが片方は通るようになったが、もう片方は未だ詰まっている。頭重感減少。匂いも少し分かるようになってきたと感じる。
四回目
顔面痛は半減した。後鼻漏は気にならない日が増えてきた。咳も治まってきている。鼻づまりは両方の鼻が通った日があったが、翌日からまた通りが悪くなってしまった。
五回目
顔面痛三分の一程度。後鼻漏も減少し咳が出なくなってきており寝つきが良くなったと感じる。鼻づまりは片方は通るがもう片方は、詰まる日もあるがだいぶ息がしやすくなったと感じる。頭重感も匂いも以前ほどではないが感じる。
六回目
顔面痛ほぼ消失した。後鼻漏もほぼ無くなり鼻づまりも両方の鼻詰まりが無くなった。鼻水の色も透明に近いものになってきた。
症例2
20代 女性
3か月前に副鼻腔炎と診断され薬による治療で軽減したが完全に解消したわけではなく、鼻づまり、後鼻漏が気になる状態。
声の仕事をしているのだが、後鼻漏の影響のため声質が以前と変わってしまい、仕事に支障が出ているため来院した。
鼻汁は粘液状で色は緑色をしていたが、今は白っぽい色に変わってきている。
当院の施術
副鼻腔炎は免疫力が低下すると慢性化することが多く、自律神経の乱れで免疫力が低下します。
仕事の関係で睡眠時間が削られることが多く、生活習慣も乱れ気味という事なので、自律神経測定器でお身体の状態を確認していきました。
測定結果は、交感神経が高く副交感神経があまり働いていない状態でした。副交感神経は免疫細胞を活発にさせる神経なので、改善するためには副交感神経を働かせる施術が最優先と考えました。
触診では首肩、背中周りの筋緊張が強く、昔から自然と力が入りやすい体質ということでした。
まず、うつ伏せで首肩や背中周辺の筋緊張を緩める施術を行い、仰向けで自律神経調節治療、炎症を抑えるために鼻周辺や喉のツボに鍼やお灸を施しました。。
経過
1回目
大きな変化はないが、鼻の通りがよくなった。
2回目
鼻が通りやすくなったため、よく寝れるようになった。少なからず鼻水の量も減ってきた気がする。
3回目
鼻水の量が減って、後鼻漏が軽減。
4回目~6回目
鼻づまり、鼻水の量が軽減。
声の調子も良くなり、元に戻り始めてきた。
7回目
声も完全に回復し、鼻の調子も良い。
症例 3
40代 女性
5年前から、風邪をきっかけに慢性的な副鼻腔炎になった。疲れやすく、体調を崩すと、すぐ鼻が詰まり、痰や膿がでる。転職をきっかけに、仕事で声をよく出すようになり喉を痛め、さらに副鼻腔炎がひどくなった。耳鼻科で処方された薬の影響でさらに疲れを感じるようになり、ご来院された。また、40代になってからとにかく疲れが取れないことがしんどい。
当院の施術
女性は40代で自律神経のバランスを崩しやすくなるため、疲れがとれにくく、免疫力が下がり、副鼻腔炎がなかなか治らない状態になっていると考えられる。
自律神経のバランスを整え、免疫力を上げること、鼻の周りに鍼やお灸を行うことで、血流を促進するような施術を行いました。
仕事が忙しく、週に1回のペースで通っていただきました。
一回目
施術後は、鼻の通りがよくなり、よく眠れて身体の疲れがとれる。
二回目
少し鼻の様子がよくなっている。
漢方も飲み始め、膿や痰がよく排出されている。
三回目
鼻が通るようになり、だいぶマシになった。
痰はまだ出る。
四回目
痰も出なくなり、副鼻腔炎はよくなった。
蓄膿症とは俗称で副鼻腔炎とも呼ばれます。
鼻の周りにある副鼻腔という場所が炎症する状態です。この副鼻腔に膿が貯まることを蓄膿症と言います。今では、溜まるほどでなくても副鼻腔炎ということもあります。
原因には様々あります。細菌、真菌などから鼻腔が感染して炎症を起こしてなるものや
などの炎症からなるものもあります。
炎症によって副鼻腔と鼻腔の間が腫れて分泌物や膿などが外に出なくなって炎症が長引きます。この状態ですと細菌感染を繰り返す可能性が大きくなり、症状が固定されて慢性副鼻腔炎になります。
その他にも遺伝が原因になるとも考えられています。
昔によく見られた病気でしたが、医療環境や生活環境の変化により今ではかなり少なってきました。少なくなってきたものの、いまだによくみられる病気であることには変わりません。
頭蓋骨の骨で作られる前頭洞・篩骨洞・上顎洞・蝶形骨洞の四つの空洞で副鼻腔は形成されます。粘膜で覆われた骨で囲まれて、鼻腔と狭い管で通じています。
粘膜の表面には線毛と呼ばれる細い毛によって外から入ってくるゴミやほこり・細菌・ウイルスなどから体内を守ります。これらの異物を粘液と絡めて外で排出する働きをします。
副鼻腔の役割ははっきりとわかっていませんが、音を響かせることや外力からの衝撃を和らげてくれる存在とも言われています。
副鼻腔炎は急性副鼻腔炎と慢性副鼻腔炎に分けられます。
急性副鼻腔炎は、細菌やウイルス感染から副鼻腔に急性に炎症ができる病態で、頭痛や顔面痛・鼻の中の異臭・嗅覚低下・頬の違和感・後鼻漏などの症状が起こります。
アレルギー性鼻炎の方が風邪をひいて急性副鼻腔炎になることもあります。
急性副鼻腔炎では通常1~2週間で治ると言われています。
慢性副鼻腔炎は、急性副鼻腔炎の症状が繰り返したりしたものが長引いたもので、三か月以上続くもので、この状態を蓄膿症と呼びます。症状は、鼻づまりや頭痛・鼻の中に悪臭・嗅覚低下・後鼻漏など様々です。
慢性化することで、副鼻腔の分泌物が増えて粘度が高くなるなど病態をさらに悪化させる可能性があります。
年齢的な要因や免疫力など治癒期間が異なってきますが、目安として半年から一年と言われています。
鼻漏などで細菌検査を行います。
内視鏡で鼻を見る検査で痛みもなくすぐに行なえます。
鼻の中にある膿などのたまりを調べることができます。
痛みがなく時間もかからずにできます。
レントゲンでは蓄膿症の進行具合を調べることができます。
これらの検査で蓄膿症を判断します。
その他にも嗅覚機能検査・鼻腔通気度検査・採血検査などがあります。
蓄膿症には免疫力が関係します。
免疫力などの体力がある方は蓄膿症になりにくいです。
蓄膿症は体質改善により症状も改善されていきます。
蓄膿症は、細菌感染や風などを繰り返すことで慢性化するので、身体本来が持っている自然治癒力と免疫力を高めてあげることで症状を改善してきます。
東洋医学からみた蓄膿症は、免疫力が低くて、野菜不足の肉類などの偏食の方はなりやすいと考えられます。体質では、風邪をひきやすい方や鼻や喉が弱い方など、冷え性、むくみ、肥満などの水分代謝が悪い方もなりやすいと考えます。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
斜角筋症候群は胸郭出口症候群の1つであり、頸部の筋肉の前斜角筋か中斜角筋、その両方が過剰に緊張して神経や血管を圧迫することで、痛みや痺れ、手の冷感、蒼白といった症状を引き起こす疾患です。
斜角筋は前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋の3種類があります。
◯前斜角筋
第3~6頸椎の横突起から起こり、第1肋骨に付着。
◯中斜角筋
第2~7頸椎の横突起から起こり、第1肋骨に付着。
◯後斜角筋
第5~6頸椎の横突起から起こり、第2肋骨の外側に付着。
前斜角筋と中斜角筋の間には、腕神経叢と鎖骨下動脈が通っています。
腕神経叢は、前腕と上腕の屈曲運動を司り力こぶを作る動きをする上腕二頭筋の筋皮神経、掌や掌側の第1~3指と第4指の内側半分の感覚を支配し、前腕の回内、手首や指の屈曲、母指球筋の動きを司る正中神経、第4指の外側半分と第5指の掌背側の感覚、前腕の小指側の感覚を支配し、手首と指の屈曲や母指球以外の掌の筋肉の運動を司っている尺骨神経、第1~3指の背側、手、前腕、上腕の遠位の背橈側(親指側)の感覚と、肘や手首、指を伸ばす運動を司る橈骨神経に枝分かれしていきます。
鎖骨下動脈は胸郭の上部を横方向に走行する大きな動脈で、頭部や腕に血液を供給しています。
途中で前斜角筋と中斜角筋の間(斜角筋隙)を通り腕に走行していきますが、斜角筋隙が狭くなることで血管が圧迫され前腕や上肢への血流が低下し冷え感という症状が現れます。
斜角筋症候群の1番多い原因は、長時間のパソコン作業やスマートフォン使用による頸部への負荷になります。
下を向く、顔をパソコンの画面に近づけて望みこむような姿勢を繰り返し行うと頸椎が真っすぐに変形するストレートネックになってしまうことがあります。本来人間の頸椎は頭の重量を支えるため横から見て湾曲しています。人間の頭はボーリングの玉と同じぐらいの重さがあり、湾曲することでその重量から首への負担を分散しています。
しかし、ストレートネックになると重量を分散できなくなり、斜角筋に大きな負荷が掛かってしまいます。
また、テニスのサーブ、野球の投球動作、ゴルフのスイング、バレーボールのアタックといったスポーツによるオーバーワークや、重いものを持つ、なで肩、冷えによる斜角筋の筋温低下、精神的ストレスでも首や肩周りの筋緊張を起こす原因になります。
斜角筋症候群の症状は、肩や腕の痛み、手のしびれ、手の冷感、蒼白があります。
また、神経や血流低下によって肩から指先にかけて力が入りにくいといった筋力低下も起こることがあります。
斜角筋症候群は肩こりや頸椎椎間板ヘルニア、頚椎症などその他の頸肩腕症状と似ているため鑑別が必要です。
①モーリーテスト
患側の前斜角筋と中斜角筋の間を指で圧迫する。
腕や肩に神経症状が現れれば陽性。
②アドソンテスト
座った状態で患側の手首の脈を確認し、患側側に顔を向けさせた状態で頸部を後屈させる。その体勢のまま大きく息を吸いきったところで息を止める。その時手首の脈が減弱したら陽性。
③ルーステスト
腕を開いて肩まで拳上し、手が上になるように肘を直角に曲げる。
その状態で手を握る、開くを繰り返し行う。その動作を3分間継続できない場合は陽性。
当院では原因部である前斜角筋と中斜角筋の筋緊張を徹底して緩める事を目的とした施術を行います。
斜角筋だけではなく、頸部全体の筋緊張を軽減するために胸鎖乳突筋、板状筋、僧帽筋、大胸筋にもアプローチしていきます。
筋緊張が強い場所には低周波通電鍼療法を加えて行っていきます。
筋緊張を緩めることで痛みやしびれ、冷感、蒼白等の原因になっている神経や血管の通りを改善していきます。
また、痛みや冷感が強い患部には直接鍼やお灸を施すことで血行を促進させ症状を緩和させていきます。
当院では、筋緊張の緩和だけではなく自律神経の調節も同時に行います。
痛みやしびれでお悩みの方はそのストレスで自律神経が乱れることが少なくありません。
自律神経は自然治癒力や血流をコントロールしているため、少しでも早く改善させるために非常に大切です。
東洋医学では斜角筋症候群は体外からの邪気を受けることで発症すると考えられています。
五臓六腑の「肝」「脾」「腎」が邪気を受けて損傷し機能が低下し、これらの働きが悪くなると頸部や上肢の気血が滞ってしまいます。その滞りが痛みやしびれとして考えられています。
東洋医学での「肝」は、血液を貯蔵し必要に応じて筋肉や各器官に供給する働きや、自律神経系の働きを通じて血管の拡張・収縮運動をコントロールし体内各部の血液量を調節する作用があります。
「脾」は口から摂取した食べ物の栄養を吸収し、気血水を作り出す働きがあります。脾の栄養は筋肉や四肢の運動に大きく影響しています。
「腎」は呼吸や水分代謝といった生命活動や人の成長、発育に大きく関わっています。
「肝」「脾」「腎」の3つの機能が低下すると全身の血が不足し、筋肉が栄養不足になるため斜角筋症候群が発症すると考えられています。
症例 1
30代 男性
1か月以上前から、首前面の違和感や手のしびれ、力が入らないといった症状が出てきた。長時間下を向く作業を行った後、首に痛みがでて湿布薬を貼った後から、手のしびれが出るようになった。
整形外科を受診したところ、姿勢不良による斜角筋症候群と言われ、ご来院された。
当院の施術
触診では、首の前面だけでなく、後面から肩、背中の筋緊張が強く見られた。
首の筋肉が神経を圧迫し違和感やしびれが生じているため、鍼とお灸で筋緊張を和らげる施術をしていきました。また、斜角筋だけでなく、首肩周りの筋肉も弛緩させるような施術をしていきました。より筋緊張をとるため自律神経の調整も行いました。
一回目
鍼灸を受けるのは初めてだったため、弱めの刺激でお灸と置鍼のみ行いました。施術後は首肩周りの筋肉の緊張がほぐれた。
二回目
前回の施術後から、首の違和感や手のしびれはマシになった。
今回から鍼通電療法も行った。
三回目
手のしびれや、首前の違和感はなくなった。
以前よりある肩回りのこりが気になるため、週に1、2回のペースでご来院されている。
①問診
しっかりと時間をかけて問診していきます。ストレスや環境の変化により発症する場合もあります。症状の経過などによっても治療過程が変わってきますので詳しくお伝えください。
②検査
自律神経測定器を用いて現在のお身体の状態を計測していきます。また柳原法を用いて症状の進行具合を診ます。
③うつ伏せ治療
背部には五臓六腑の重要な経穴があります。東洋医学の診断法に基づいて弱っていると臓腑、逆に強くなりすぎている臓腑を経穴を刺激して調整します。顔面神経麻痺の方は、首肩の筋緊張が強い場合が多いのでそれらの筋肉をほぐしていきます。
④仰向け治療
顔面部に鍼やお灸をしていき、同時にお腹や上下肢などの重要な経穴を刺激して自律神経を調整していきます。
顔面神経麻痺は、2週間以内の早期に治療を開始するとそれだけ予後も良いです。しかし、慢性期の方や後遺症が残っている方でも鍼灸施術で改善していったという症例が多くございます。
※顔面神経麻痺の効果についての研究
東京女子医科大学の東洋医学研究所の研究では、顔面神経麻痺の鍼灸効果についての研究がされており、鍼治療の効果のエビデンスはいまだ解明されていないものの鍼刺激が顔面神経や顔面神経管等の周辺組織の血流が改善されることで麻痺の回復を促すことが研究結果から推測されています。
「難治性のBell麻痺およびHunt症候群に対する鍼治療効果の検討ーENoG値0%でかつNETスケールアウトであった29例の検討」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/kampomed/60/3/60_3_347/_article/-char/ja/
この研究では、1996年8月から2004年6月までの間に鍼治療を行った顔面神経麻痺患者の中で電気生理学的検査で全く反応がなく一般的には予後不良となる方29例を対象に行われました。
結果では、発症後6か月以内に顔面神経麻痺が完全治癒したのが17・2%で不完全治癒が82.8%でした。不完全治癒が圧倒的に多いかと思いますがこの研究で扱った症例では、一般的には治癒見込みがないとされる症状の重い状態の患者さんであってそういった患者さんでも鍼の有効性が認められ、顔面神経麻痺の鍼灸治療の効果が示されています。
40代 男性
3週間ほど前に風邪をひいて体調を崩してから頭痛や耳の後ろ当たりの痛みを感じるようになった。痛み自体は2日ほどでほとんど軽減されたが、右顔面部の動かしずらさを覚えて病院を受診したところ、顔面神経麻痺の診断を受けた。
病院では主に経過観察でビタミン剤などの栄養剤を処方されただけで次は1か月後に来院されてくださいとだけ言われて他に何か治療手段はないかと検索をかけたところ鍼灸治療が効果があると知って当院にご来院されました。
当院の治療
体調を崩されてからの顔面神経麻痺の発症ということで自律神経の状態も何かしら顔面神経麻痺に影響を及ぼしている可能性もあるので自律神経測定器で自律神経の状態を測定して治療に入っていきます。
測定の結果交感神経の活動も高く、最近よく眠れていないということから全身的な副交感神経の活動を高められるような施術も含めて行っていきました。
うつ伏せから施術を行い首肩周りの筋緊張の緩和、背部兪穴を用いた五臓六腑の機能回復を行います。
その後、仰向けとなり右顔面部中心に鍼灸施術を行っていきます。
治療経過
最初問診時、特におでこのしわ寄せ動作や口をイーっと横に広げる動作が右顔面部できていない状態でした。また、目もうまく閉じれない状態でドライアイも出ていた。
一回目の治療では顔周りの鍼通電治療は症状悪化の可能性も高くなるので行わずに顔周りは鍼とお灸で刺激していきます。
一回目の施術後その日の夜に目の閉じやすさを実感。口元やおでこはまだあまり変化を感じることができない。
2回目後はおでこのしわ寄せ動作も少しずつですができるようになってきた。
3~4回目では症状にあまり変化がみられなくなったため5回目以降は耳の後ろと口元の右横とおでこ周囲に低周波の鍼通電治療を行っていき、変化をみていきます。
6回目の施術後次の日から明らかに口元の動きが改善、口をイーっと行う動作が左側とさほど変わらないくらいまで回復。
7回目以降は大きな変化は見られなかったが少しずつ回復していって10回目で施術を終了。ほぼ完治された。
症例2
40代 男性
2週間前に体調を崩し風邪を引いた。風邪が治りかけたタイミングで耳の奥に痛み出始め、左顔面部に帯状疱疹が発症した。帯状疱疹が治り始めてしばらくたったら、左片側顔面神経麻痺が発症した。
主な症状は、額のしわ寄せ、閉眼、ほほを膨らませる、口の動きなどが不能。
病院ではラムゼイ・ハント症候群と診断され、最初はステロイド薬の治療を行い、その後は抗生物質での治療に切り替え経過を見ている。少しでも早く改善したいと思い当院を受診した。顔面神経麻痺以外には、首肩のコリも気になる。
当院の施術
寝不足もあり体調を気にしていましたので、まずは自律神経測定器で現在の自律神経の状態を確認しました。
多少交感神経の活動が優位になっていましたが、バランスはそこまで大きく乱れてはなく、ほぼ正常に近い状態でした。
しかし、いち早い改善を目指すためにはさらに自律神経の調節が必要不可欠になります。
そのため、顔面神経麻痺、首肩コリに対する施術の他に自律神経調節治療も同時に行いました。
発症からまだ期間も短く、異常共同運動のリスクを避けるために、電気鍼は行わず低刺激で血流を促進させ末梢神経損傷部の再生を促す事を目的とした施術を行いました。
その後、末梢神経損傷部の再生が完了し、異常共同運動のリスクが消滅した時点で顔面部の筋委縮を弛緩させる鍼通電療法に切り替えていきました。
経過
1回目
まだ大きな変化はないが、心身ともにリラックスできた。
2回目
顔のこわばりは少し楽になった。
3回目
瞼は前より閉じやすくなってきたが、ほほや口の動きはまだ変化がない。
4回目
以前より口が動きやすくなってきた。首の張りが気になる。
5回目
以前より軽快してきた。
継続して通院中。
顔面神経麻痺とは顔面の表情筋をつかさどっている顔面神経が何らかの原因により、神経麻痺をおこして顔面部の筋の運動麻痺を主とした様々な症状が現れる疾患です。
発症にとくに男女差はみられませんが、発症前に仕事が忙しかったり、ストレスを著しく感じていたり、風邪をひいて寝込んでいたりと身体が弱っている時に発症しやすいことが言われています。
また、発生頻度は高齢の方のほうが高く、血圧の高い方や血糖値の高い方に多い傾向にあり、そのような方は治る過程も遅くなります。
東洋医学では、病気の原因は大きく分けて内因(体質素因・精神的素因)と外因(生活素因・自然素因)、病理的産物とに分けられます。外因は内因を通してはじめて病変して身体に影響が出ます。
顔面神経麻痺の場合、外因が深くかかわっていると考えられています。
東洋医学の外因とは
・生活素因
暴飲暴食や過労、性生活が過剰であったり、睡眠が不規則であったり、運動不足などにより日常生活が乱れている場合に病変として現れます。
・自然素因
環境の変化や細菌やウィルスなどによる体の外から来る病気の原因によって病変が現れます。東洋医学では、自然界の気候の変化を「風・寒・暑・湿・燥・熱」の6つに分けられ、それらが人体に作用して病変が起きる状態を「風邪・寒邪・暑邪・湿邪・燥邪・熱邪」と呼びます。
顔面神経麻痺の東洋医学での原因
東洋医学では、末梢性顔面神経麻痺は風邪と寒邪が合わさった病変だと考えられています。
風邪は
・突然発症する
・変化が多い
・人体の表面部分をおかしやすい
などの特徴があり、風邪によって顔面部の経絡の流通が妨げられて、運動麻痺や痺れ、痛みなどが発症すると考えられています。
寒邪は
・全身あるいは局所の寒冷症状
・固定制の疼痛や筋肉のひきつれ
・体が冷えると症状が強く出る
などの特徴があり、ストレスや生活の不摂生などにより、体の防御反応が弱くなってきた際に顔面部に寒邪が侵入しやすく、神経麻痺が起きます。
顔面神経は12対ある脳神経の一つで、第七脳神経とも呼ばれます。顔面神経は左右の脳幹から出て、内耳神経と一緒に内耳道、中耳腔を通って側頭骨を貫きます。さらに単独で顔面神経管という管を通り、耳の前下あたりから出て表情筋などへ伸びていきます。
また顔面神経管を通るあたりから涙腺や唾液腺、味覚をつかさどる神経の枝を出します。
主に顔面部の表情筋の運動を主っており、また涙腺や唾液腺、味覚などにも関係する神経が出ており、顔面神経麻痺が起こったときは、それらの症状も発症することがあります。
顔面神経麻痺に起こる主な症状としまして
表情筋の麻痺
顔面神経は顔の表情筋を主っているため顔の表情筋が麻痺します。両側に起こることは少なく、多くは片側に麻痺が出ます。
顔の表情筋に麻痺が出てしまうと
などの症状が出ます
味覚障害
唾液腺の障害
涙腺の障害
顔面神経麻痺には、大きく分けて中枢性と末梢性があります。
中枢性顔面神経麻痺
脳幹より上位の中枢側の障害による顔面神経麻痺です。脳卒中や脳梗塞などによって引き起こされます。一般的に中枢性の方が末梢性よりも予後が悪いです。
顔面神経麻痺の症状に加えて下記のような症状が出た場合はすぐに専門医を受診してください。
末梢性顔面神経麻痺
顔面神経麻痺のほとんどは末梢性顔面神経麻痺です。末梢神経麻痺は、脳や脊髄の中枢から手足など様々な部分に伸びる末梢神経が障害を受けるために麻痺が起こります。
顔面神経の場合は顔の筋肉を支配してますので、顔の筋肉の麻痺が起きてしまうのです。
末梢神経麻痺の代表的なものとしてベル麻痺とハント症候群が挙げられます。 ベル麻痺は、顔面神経麻痺全体の7割近くを占めます。次いでハント症候群が挙げられます。
ベル麻痺は末梢神経麻痺の中でも発症頻度が高く、およそ10万人に23人もの割合で発症し、年齢男女問いません。原因としましてはわからないとされていましたが、近年の研究により単純ヘルペスウィルスの感染・再活性が原因という説が有力です。
従来ベル麻痺に関しては原因不明とされてきましたが、近年ではヒト単純ヘルペスウイルスの再活性が原因とされるウイルス説が有力とされるようになってきました。
ベル麻痺は前駆症状がなく、いきなり顔の片側の筋肉が動かしづらく感じて筋力低下を起こす場合もありますが、発症の数時間~2日前に耳の後ろの痛みを感じて顔面神経麻痺を生じる場合もあります。
ベル麻痺による麻痺の程度は軽度から重度のものがあり、発症から2日以内が最も筋力低下が起きやすい期間となります。
顔の筋力の低下が起きると、目を閉じづらくなり眼球結膜が常に見えた状態の兎目という状態になることがあります。また、額にしわを寄せる・口角を上げる・口を膨らませるといった動作ができなります。
ベル麻痺による影響は、顔の筋肉に留まるばかりでなく、涙腺や唾液腺にも影響を与えるため目や口の渇きを感じる場合もあります。
ベル麻痺は数ケ月の間に自然治癒する場合もありますが、長い時間顔の筋肉を使わないため筋肉が拘縮したり、筋力低下による顔の垂れ下がりなど後遺症も残る場合も多いので注意が必要です。
また、目の乾燥や閉眼動作ができないた目の表面が傷つきやすく、視力の低下などにもつながる可能性があるのでしっかり目もケアしていく必要があります。
ハント症候群とは、末梢性顔面神経麻痺の中でベル麻痺に次いで2番目に多い疾患です。ベル麻痺との大きな違いは、顔の筋肉が動かしづらい症状に加えて強い痛みを感じることが特徴です。
ハント症候群の原因は水痘帯状疱疹ウィルスです。幼少期などに水ぼうそうに感染し、体にウィルスが潜伏していた場合に発症するリスクがあり、体の疲れやストレス、免疫力の低下などの原因によりウィルスが再活性して症状が現れます。
ウィルスが活性化する神経によって症状が異なりますが、ハント症候群の場合顔面神経でウィルスが活性化します。すると、耳や口の中に水泡やかさぶたを生じて強い痛みを感じるのです。
また、顔面神経近くを通る内耳神経にも影響を与えるので、難聴や耳鳴り・めまいなどの症状も現れる場合もあります。
ハント症候群はベル麻痺よりも治癒率が低く、時間が経てばたつほど治りも悪くなるので早期に治療を開始することが重要です。顔の筋力が戻らない・病的共同運動・筋肉のひきつれなど後遺症が残ってしまう場合も多いです。
病院では、MRI検査やCT検査などの画像診断で中枢性か末梢性か検査されます。脳卒中などで中枢性に障害を受けている場合は、顔の神経麻痺ばかりでなく片側の上下肢にも痺れや筋力低下が起きるので、診断は可能かと思います。しかしまれに頭部外傷や腫瘍、その他の感染症で顔面神経麻痺が起きる場合もあるので、一度病院で検査を受けていただく必要があります。
当院では、顔面神経麻痺の際に使用される評価法40点法(柳原法)を用いて顔面の筋肉運動の評価をしていきます。柳原検査法は、麻痺の程度を把握するためにとても重要な検査で顔面間神経麻痺の評価法において世界的にも用いられている検査法の一つです。
柳原法は、顔面の筋肉各部の動き・麻痺の程度を評価する検査法で、ベル麻痺とハント症候群を評価するために作成された評価法です。
これら9つの項目40点満点で評価します。
顔面神経麻痺の種類によって治療法は変わってきます。
ベル麻痺の場合は、単純ヘルペスウィルスに有効な抗ウィルス薬が処方されて、ハント症候群に関しましては、水痘帯状疱疹ウィルスに有効な抗ウィルス薬が処方されます。その他にも神経を早期に修復させる目的でビタミンB12やビタミンEなどの製剤が処方されたり、星状神経節ブロックやリハビリなどの保存的両方が採用されます。
顔面神経麻痺が重くなるにしたがってお薬の量が増えて、重度の場合は入院して集中的に治療する場合もあります。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
当院のストレートネックに対する鍼灸治療は、まず第一に頸部・肩部へ鍼をさすことにより、血流改善・筋緊張の緩和を促します。
必要であれば、さした鍼に電気を流す鍼通電療法も行っていきます。鍼通電療法では痛みを抑制する鎮痛効果も期待できます。
また温灸療法やマッサージ・整体も行うことで鍼施術との相乗効果で筋緊張を緩和していきます。
そのほか、ストレートネックによる症状で悩まされている方の多くは自律神経の乱れ症状も見られます。首肩部の痛みや違和感は交感神経を過亢進状態にさせやすく、容易に自律神経のバランスの乱れに繋がってしまいます。するとめまいや吐き気、睡眠障害に悩まされる方も少なくありません。
当院でのストレートネックの治療はもちろん首肩部を中心に行いますが、全身の調整施術や自律神経の調整施術も並行して行っていきます。
ストレートネックとは、頸部の生理的湾曲が損なわれてしまっている状態です。ストレートネックは決して病名というわけではありません。しかし、ストレートネックに起因する症状が今増えています。
ストレートネックを理解するためにまず背骨の生理的湾曲を理解する必要があります。
腰が曲がっているなど背骨が曲がっているとあまりいい印象を受けませんが、背骨は生理的に曲がっている状態が正常なのです。人間の頭部は、体重比で言いますと8~13%もあるといわれています。例えば体重60kgのひとは約6kgも頭部の重さがある計算になります。それだけ重いものを支えるために背骨は適度なS字カーブを描いて湾曲されていてその湾曲により頭部などの重力を分散させているのです。
まず、頸部は前面に湾曲して次に背中部分は後ろに湾曲して最後に腰部はまた前面に湾曲しているのです。
この生理的湾曲が崩されて頭部などの重力の分散がうまくできない状態になってしまうとある部分への重力の負担が大きくなってしまい、頸肩部でいうと頸椎ヘルニア・頚椎症・肩こりなど、腰部でいうと腰椎椎間板ヘルニア・慢性腰痛・圧迫骨折・などの原因となってしまうのです。その他にも身体全体にも影響を及ぼして自律神経失調症や不眠症なども患ってしまう危険性もあるので注意が必要です。
ストレートネックは前述したように病名ではありません。ストレートネックでも症状が全然出ていない方もいますが、頸部の生理的湾曲が損なわれてしまうと
・首肩コリ
・頸部や肩部の痛み
・上肢の痺れ
・頭痛(主に筋緊張性頭痛)
・吐き気
・めまい
などの症状がでます。
デスクワークなど座っている時間が多い人や周りの人から猫背姿勢を注意されるなどで上記の症状が慢性的に出る方は一度整形外科などでレントゲン検査を受けてみるのもいいかもしれません。
頸部は通常、30度~40度の生理的湾曲をしていると言われています。ストレートネックのでは湾曲が30度以下なってしまっているため、下記のような自己チェック法でストレートネックが疑われます。
まっすぐな壁にかかと・仙骨・肩甲骨を付けるようにまっすぐに立ちます。この時にあごを軽く引いて後頭部が壁につかない場合はストレートネックが疑われます。
この自己診断法で後頭部が壁につかないかつ上記のようなストレートネックの症状が出ている場合はストレートネックの可能性が極めて高くなります。整形外科などでレントゲン検査を受けるとストレートネックは簡単に診断がつきますので一度整形外科を受診することをお勧めします。
また、症状が全く出ていないのにも関わらずに自己チェック法でストレートネックの疑いがある人も日々の姿勢などを気を付けて症状が今後出ないように気を付ける必要があります。なにしろストレートネックの怖いところは、症状に気づいたときには頸部の生理的湾曲はかなり崩れていて改善するのに苦労することが多いところです。
ストレートネックの原因は、主に
・スポーツや事故での外傷
交通事故でのむち打ち症でストレートネックとなってしまうことがあります。その他、格闘技での頭部や頸部への衝撃、スキーでの転倒などでもストレートネックの原因となってしまうこともあります。
・加齢や老化による筋力低下や骨の変形
加齢、老化によって頸部の筋力低下や頸椎椎間板の弾力性が損なわれてしまい椎間板クッション機能が低下して椎間板が変性してしまうことにより頸部の生理的湾曲が減少してストレートネックとなってしまうことがあります。
・姿勢の悪さ
今、パソコンでの仕事が増えて長時間座っている人が増えているため、姿勢の悪さのためストレートネックによる症状で悩まされている方が増えています。人間本来の背骨の構造上、背骨は座位姿勢には適したように構造されていません。椅子に座っている作業することが多くなってしまっていることによって骨盤周囲の筋肉は衰えてしまい人間本来の骨盤の前傾が保たれていない状態となってしまっているのです。
すると背骨全体のバランスが変わってきて背骨の生理的湾曲が保つことができなくなってしまいストレートネックへと変形してしまうのです。
またパソコンではマウスやボードを使うため上肢を前に出した状態を続ける事になります。そして、頭部は前傾して背骨の生理的湾曲であるS字を描くというよりもC字に描きやすくなってしまうことによりストレートネックになってしまいます。
・スマートフォンの長時間使用
スマートフォンの普及により、頭部の前傾姿勢が長時間続くことでストレートネックになる方が増えています。
ニューヨーク市脊椎専門クリニックのケネスハンスラージの研究によりますと、頭部を前傾姿勢にすればするほど頸部への荷重が増えていくという研究結果が出ています。肩と耳の前を一直線に結んだ線と肩から腰骨を結んだ線の角度を基準に0度の場合と45度の場合を比べると45度の場合の方が約4倍もの荷重が首にかかっていると研究結果では出ています。この肩と耳の前を一直線に結んだ線と肩から腰骨を結んだ線の角度が45度の姿勢はちょうどよく電車内でも見かける座ってスマートフォンを操作している時の姿勢です。
それだけ、頭部を前傾にすると頸への負担は増えるのです。頸への負担が増える事で頸部の筋肉は過緊張状態を引き起こし伸縮性を欠いてストレートネックとなってしまうのです。また、頸椎や椎間板にも影響を与えてしまい、頚椎椎間板ヘルニアや椎間板変性症になってしまうのです。
症例
10代 男性
受験期間の数ヶ月でかなり姿勢が悪くなった。コロナ禍でオンライン授業も多くなりパソコンやスマホの画面に向かうことが増えた事も関係していると思われる。勉強だけでなく趣味もパソコンゲームで、気付くと何時間も熱中しているとのこと。
また首、肩の痛みや緊張は常にあり、今は問題ないがこのままでは近視など他の悩みも出てきそうだと保護者様からの勧めで来院。
当院の治療
首から腰まで上半身は全体的に筋緊張があり、特に首周りのかたさが目立った。また、身体の緊張状態のせいか睡眠の質も悪いとのことでこちらも同時進行で治療していく。
首周りの筋肉の緊張を緩める事と、身体の状態を安定させるために自律神経調節の治療をメインで行った。
治療頻度は週に1回
治療経過
◇1回目◇
治療中リラックスできた。気づいたら寝ていた。
◇2回目~5回目◇
治療直後や数日間は楽になるがすぐ元に戻ってしまう。
◇6回目◇
治療後の軽さが前よりも長持ちするようになった。
治療頻度を2週間に1回に変更
◇7回目◇
机で勉強やパソコンをしていても疲れや緊張を感じにくくなった。
◇8~10回目◇
日常生活の中で首がかなり軽くなったと感じる。
◇11~13回目◇
ご家族に姿勢が変わってきたと言われた。背が伸びた気がする。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
目がかすむことを専門用語では「霧視(むし)」といい、文字通り霧がかかったように物体の焦点がぼけてかすんで見えることを指しています。
特にスマートフォンやタブレットなどで目を酷使している人が多い現代では珍しいことではありません。しかし、その症状が病気に起因している場合には注意が必要です。
目のかすみを表現される症状には、主に下記のものがあります
・視界がぼやける
・全体に霧がかかっているように感じる
・すりガラスを通して見ているように感じる
・色の差が分かりにくい
・色が以前より淡く見える
・輪郭がはっきりしない
・視力が低下した
・ものが二重、三重にだぶって見える
・視界に見えにくい部分がある、視野が欠けている
・見える範囲が狭くなったように感じるなど
目がかすむ主な原因には、次のようなことが考えられます。
・屈折異常(近視、遠視、乱視など)
近視は目に入る光が網膜より前方で焦点を結んでしまう状態のことであり、遠くのものがぼやけて見えにくくなります。遠視では、光が網膜より後方で焦点を結んでいるため、近くも遠くもはっきり見えません。乱視の場合、角膜や水晶体のゆがみが原因で、焦点が一か所に定まらずぼやけてしまいます。
・眼精疲労
十分な休息や栄養をとらないで目を酷使し続けると、目のピントを合わせる筋肉が疲れて固まってしまい、ピント調節機能が一時的に低下して視界がかすんで見えることがあります。
・ストレス
目に直接何らかの負荷がかかるわけではなく、ストレスにより自律神経が乱れ、涙の量や瞬きが減少したり、筋肉が緊張したり、血液が滞ったりと体に影響を与え、目がかすんで見えることがあると考えられています。
・不適切な矯正
メガネやコンタクトを常用している人の中には、視力に合わないものを使っていたり、強めの度数に設定していたりと間違った視力矯正をしている人がいます。そうした場合にも、目そのものや筋肉に過度な緊張がかかった状態が続き、かすみ目になりやすくなります。
・老眼
老眼の初期症状として、目がかすむという症状がみられることがあります。そもそもピント調節の役割を担う「水晶体」は15歳頃から徐々に老化によって硬くなり始め、40歳を過ぎた頃からピントを合わせるのが難しくなるといわれています。それが一般的に老眼といわれ、目のかすみで気づく人も多いのです。
・病気の症状
白内障、ドライアイ、緑内障、ぶどう膜炎、黄斑変性、中心性網脈絡膜症、糖尿病網膜症などの病気が原因で、視界がかすむこともあります。
また、脳梗塞や脳腫瘍などの脳疾患がある場合、像をとらえる能力に問題が起き、視力や視野に異常が発生する可能性があります。さらに、全身の病気では糖尿病、高血圧、動脈硬化、心疾患、自律神経失調症、更年期障害などにより目のかすみが生じることがあります。
目のかすみに加え、ものが二重に見える、目が痛い、激しい頭痛や吐き気、めまいが見られる場合には数日で失明に至る可能性がある急性緑内障や、命に関わるくも膜下出血などが疑われますので、すぐに受診が必要です。
検査・診断
問診、視力検査、細隙灯顕微鏡検査、眼圧検査など基本的な眼科検査を行います。感染症の有無を確かめて原因を特定します。眼圧に関与する房水の状態を調べるための隅角検査、視神経や網膜の状態を調べる眼底検査、視野の欠けがないかを確かめる視野検査、涙の量や質を調べる検査などから必要に応じた検査を行って原因疾患を特定します。
治療
基礎疾患がある場合、その病気の治療を行います。屈折異常が原因であれば、通常は矯正レンズ、または手術によって目のかすみを矯正していきます。
目の疲れをやわらげ、目にうるおいを与える点眼薬の使用や、身体や目の緊張をほぐす内服薬などによる治療が有効である場合があります。
東洋医学では「肝は目に開竅(かいきょう)する」といい、五臓の肝の働きが目に現れると考えられています。開竅とは、五臓の機能が反映されやすい器官のことを指し、目のことを肝竅(かんきょう)ともいいます。
特に肝血虚という状態は、五臓の肝において必要とされる血液や栄養(肝血)が不足している状態です。結果的に目の滋養が足りなくなり、かすみ目や眼精疲労、目の奥の痛みなどの症状を引き起こします。
また、肝は「疏泄(そせつ)」を主る(身体の諸機能を調整する)とともに、「血(けつ)を蔵す」機能があり、血を貯蔵して循環させる臓器でもあります。さらに、筋を主る機能もあり筋肉の収縮や弛緩といった運動の制御もすると考えられています。
目のピント調節筋である毛様体筋は自律神経支配であり、かすみ目の症状に大きく関わっていることもふまえ、当院では自律神経測定器で測定を行いお身体の状態を把握したうえで治療へ移ります。
自律神経系の調整施術を行い、目のピント調節機能を整える作用を促します。また、内臓機能や免疫力を高め、全身的な血液循環を促進し、自然治癒力を高めることで症状が治癒しやすいお身体の状態へ整えていきます。
東洋医学的観点から「肝」をはじめとした目に関わる五臓六腑の機能を調整するツボや、気や血の流れを整えるツボなどを選択します。
また、首肩周りの施術を行い目へと続く血液の流れを良くしていきます。実際かすみ目を訴える患者様の多くは、ストレスや目の酷使、姿勢の影響などで首や肩のコリを自覚されている方がほとんどです。
さらに、直接目の周囲のツボに鍼やお灸で刺激を与え、ピント調節に関わる筋肉の機能を整えていきます。
症例
50代 男性
若い頃からデスクワークでずっとパソコン仕事で目を酷使してきた。最近夕方頃や疲れを感じると目が霞むことが多くなった。車通勤なので、帰るときに対向車や標識が見づらく運転の時に不安になり来院。
当院の治療
デスクワークで眼精疲労だけでなく首、肩こり、腰痛が慢性的にあり、たまに後頭部に頭痛がおこることもあるということで、目の周りの筋肉だけでなく、筋肉の緊張と筋肉の疲労がある首、肩から背中、腰を全体的に鍼とお灸で血流を改善し緊張と疲労回復を目的とした治療を行った。
また、同時に自律神経の乱れも相談されたので、そこにも効果的な経穴に刺激をあたえ相乗効果で更に体の改善を目指す治療を行った。
◇1~3回目◇
変化なし
◇4回目◇
疲れたらおこる頭痛が最近ほぼなくなっている。眼の疲れが感じにくくなってきた。
◇5回目◇
いつもの仕事の帰り道が良く見えた。
◇6回目◇
仕事中のパソコン画面や、道路標識が見やすい。
◇7回目◇
車の運転で不安を感じることが少なくなってきた。
◇8回目◇
眼のかすみはほぼ気にならなくなった。
まず、自律神経測定器で血管の状態や自律神経のバランスを測定しお身体の状態を把握したのち治療を行っていきます。
まず、背部にある五臓六腑に関連するツボや、頸部や肩周りのツボに鍼やお灸で刺激を与え、筋肉の緊張を緩和し顔面部の循環を促進します。
その後仰向けで頭部や顔面部、前頸部に鍼やお灸で刺激を与え血液やリンパ液の循環を促します。
また、自律神経のバランスを整える施術を取り入れることで、全身の血液循環を促して体を温め、免疫力の向上、内臓の機能を整え、体が本来持つ自然治癒力を引き出す効果が期待できます。
「むくみ」とは、体内の血液やリンパ液などがうまく循環しなくなることにより、皮下組織に溜まってしまう状態の事を指します。
顔は他の部位よりも皮膚が薄く浮腫が現れやすく、顔のむくみが生じると瞼が腫れぼったくなり目つきが悪く見えたり、フェイスラインがぼやけて顔が膨張して見える原因になります。
顔のむくみは、基本的に朝に症状が現れて時間が経つにつれ軽減していきます。これは、静脈やリンパは顔から下に向かって流れているため、日常生活では重力の影響でこの流れは促進されているのですが、寝ている間は身体が水平になるため重力の影響をほとんど受けず、細胞間質液が体中に均等に行き渡るためです。
逆に日中は下半身の静脈の流れは重力に逆らっているため、夜に近づくにつれ下肢にむくみが現れやすいといわれています。
東洋医学においてむくみと関係の深い臓器は「脾」、「肺」、「腎」の三つと言われています。
「脾」は飲食物の中から必要な水分の吸収と輸送を行い、「肺」は津液(血液以外の体内の水分の総称)を全身に分布し体を潤し、余分な水分は汗や尿として排泄する過程の調整を行い、「腎は」水分代謝の主導的な役割を担っている臓器です。
これらの機能が低下したり障害されると余分な水分が順調に排泄されず停滞し、むくみが発生すると考えられています。
血行不良
動脈は栄養分や酸素を運び、静脈は細胞の活動で生じた老廃物や水分を回収しています。リンパ管も余分な水分を回収しますが、静脈はその約10倍の働きをすると言われています。
そのため運動不足や身体の冷えなどにより血液循環が悪くなると、血管から染み出た水分の回収がスムーズに行われず、むくみやすくなります。また、長時間の無理な姿勢やパソコン、スマートフォン操作などによる筋疲労によって首や肩の筋肉が硬くなると顔面を流れる血管やリンパ液の流れを阻害し慢性的な顔のむくみに繋がります。
塩分・糖分の摂りすぎ
食事で塩分を多く摂ると体内のナトリウム濃度が高くなり、ナトリウム濃度を一定に保つために身体がより多くの水分を必要とするため、体内に水分をため込みむくみが生じます。
また、糖分は水分を吸収するという性質を持っているため、摂りすぎると体の中の水分の循環がうまく行われなくなってしまい、代謝が低下し老廃物の排出がうまく出来なくなってしまうため顔がむくむ原因になります。
お酒の飲みすぎ
お酒を飲むと血中アルコール濃度が上昇し、体温が上昇して血管が拡張します。上昇した血中アルコール濃度を薄めようと血管に水分が取り込まれ、さらに血管が拡張し、むくみの原因となります。
ホルモンバランスの乱れ
女性ホルモンとむくみには深い関係があります。女性ホルモンの一つであるプロゲステロンは妊娠に備えた身体を作るためのホルモンですが、体温を上昇させ、妊娠後のために栄養、水分を身体にため込む作用があります。プロゲステロンは排卵後から生理前は分泌量が増加します。そのため、特に生理前は顔のむくみが出やすい状態になってしまいます。
自律神経の乱れ
睡眠不足やストレス、過労、冷えなどで体の機能を調整している自律神経のバランスが乱れることにより血液循環や水分代謝に影響を与えむくみを引き起こす原因となります。
筋力の低下
筋肉は収縮することによりポンプ機能の役割を果たし、血液の流れをスムーズにしています。加齢や運動不足などにより筋力が低下することにより、筋肉のポンプ作用が低下するためむくみが起こることがあります。一般的に女性がむくみやすいといわれるのは男性に比べて筋肉量が少ないのが理由の一つと考えられています。
※泣くと目の周りがむくむのは何故か
泣くと目の周囲がむくむのは、泣いた際に目を擦ることにより眼の周囲に炎症が起き、それを冷やそうとして水分(血漿成分)が集まり溜まってしまうためといわれています。目の周りの皮膚は体の中でも最も薄く外部の刺激に敏感なため、擦りすぎたり強めに圧迫したりすると毛細血管が傷つきやすまた、目の周りの組織は粗く水分が入り込みやすい事や、涙腺から涙を分泌させるため、涙腺とその周囲の血液量が一時的に増える事によりまぶたがむくむためといわれています。
心疾患
狭心症、心筋梗塞、心不全などにより心臓の働きが低下すると様々な症状が現れます。尿量の減少、体重増加、咳や痰に加え顔のむくみや手足のむくみが現れます。これは、体内の血液の循環が悪くなるため、水分が体のあちこちに留まるためです。
肝疾患
肝硬変、門脈圧亢進症などの肝臓の病気でもむくみが現れる事があります。肝臓の機能低下により血液中のアルブミンというタンパク質の量が少なくなります。アルブミンは血管壁の浸透圧を調整する役割を持っているため、アルブミンが減少する事により水分が細胞と細胞の間に溜まってしまうことでむくみを引き起こします。
腎疾患
腎臓の異常で大量のタンパク質が尿から排出されてしまうネフローゼ症候群でもむくみを生じる事があります。初期に目の周りやまぶた、顔、足に強いむくみが生じます。重症化すると胸や腹に水が溜まるといった症状が現れます。低タンパク血漿を引き起こすためむくみ以外にも、尿の異常などの症状が現れます。
内分泌系疾患
ホルモンを分泌する内分泌系の病気でむくみを生じるのがクッシング症候群です。コルチゾールという、副腎から分泌される血圧を調整するホルモンが過剰に分泌されることで、顔が満月のようにむくんでしまう満月様顔貌や、手足は痩せているのにお腹や顔が太ってしまう中心性肥満、高血圧などの症状が現れます。
その他にも上大動脈が閉鎖する上大静脈症候群やバセドウ病や橋本病といった甲状腺疾患でもむくみを生じる事があります。
症例
20代 女性
これから半年間に結婚式が6回控えており、久しぶりに会う友人も多くキレイな自分で再会したくて美容鍼を希望。
毎朝の顔のむくみが気になっており、特に顎周りをシャープにしたい。
他にも、肌荒れ改善、肌のトーンアップ、を希望
通常の眼科コースと交互に治療していく、治療頻度は週に1回、美容張りは月に2回。
当院の施術
元々眼精疲労で通院されている患者様のため顔周りの鍼に慣れていたので、表情筋や顎回りの筋緊張が強い筋肉の緊張緩和と血行促進。また、フェイスラインをしっかり上げる、溜まっている老廃物が流れていく道を作る、お肌のターンオーバーを促進させるために表情筋、顔周りの経穴に刺入し治療しました。
◇1回目◇
治療前と治療後のお顔を鏡で確認していただきフェイスラインがスッキリし、顔のむくみが取れて小さくなったきがする。
◇2回目◇
前回と同様の変化と、眼の周りも眼科コースよりしっかり治療してもらえている気がして眼がらくになる効果も感じる。
◇3回目◇
朝起きて自分の顔のむくみが前よりも気にならなくなってきた。
◇4回目◇
天候の変化で頭痛が時々あったが、軽い痛みで済むようになった。顎のラインが細くなった。
◇5回目◇
肌の色が明るくなったように感じる、メイクの時間が前よりも楽しくなった。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院