
ストレスや病気が原因で起こるもの
・眼瞼ミキオネア
眼精疲労、疲れやストレス、栄養不足などにより眼輪筋の攣縮がが起こります。コーヒーなどの興奮性の食品や薬剤などの摂取も症状が強く出る傾向にあります。上眼瞼、もしくは下眼瞼がさざ波状に動く状態で通常片側に起こります。
痙攣も数秒程と短時間ですが、一日に何度も起こることが多いといわれています。通常数日から数週間で自然に治まります。
・眼瞼痙攣
瞼を開閉させる筋肉が勝手に痙攣を起こす病気です。40代~70代の中高年に多く男性よりも女性に多い病気で、原因がハッキリとは解明されていませんが、脳内の運動を制御するシステムが機能障害を起こすや他の眼病からの刺激、抗うつ剤の副作用などが考えられています。
・片側顔面痙攣
最初に下まぶたの引きつる感じから始まり目の周囲の痙攣、次第に上まぶたまで痙攣が広がります。そのうち頬に広がりさらに悪化するとまぶたが一時的に閉じた状態になります。緊張した時や、寝不足の時などは痙攣が増強する傾向にみられます。発症年齢は40歳から60歳代の女性に多いといわれています。
痙攣はほとんど片側ですが約1%の方は両側に起こります。
原因
顔面の運動を司るのは顔面神経ですが、耳の後ろのあたりの頭蓋内、小脳橋角部というところで顔面神経を動脈硬化などにより蛇行した動脈が接触し、その拍動性に圧迫刺激することによって、顔面神経が過敏な状態となり、顔面の筋肉を動かそうとしないのに活動電位の情報が伝わってしまい、痙攣を引き起こすと考えられています。
検査、診断
①誘発検査
口をすぼめたり、まばたきなどの動作で痙攣が誘発されるかどうかを見ます。
②筋電図検査
健側顔面痙攣に特徴的な異常な筋電図反応や、顔面筋のF波の異常反応をとらえます。
③画像検査
CTやMRIにより血管の蛇行(動脈硬化)の有無や、痙攣を起こす他の病気(脳腫瘍など)が無いか調べます。
治療
薬物療法
内服
症状が初期で、痙攣が目の周囲に限られている場合、抗けいれん薬、抗不安薬などの内服治療がありますが、有効性は低く効果的な治療は現時点ではありません。
注射
注射することで神経の伝達物質を抑えることで人為的に軽度の麻痺を起こし筋肉の収縮を抑える方法です。約90%の人に効果があるといわれています。しかし、効果は平均4カ月程度で、そのため年に数回繰り返し注射を行う必要があります。
神経ブロック注射
アルコールを顔面神経に注射し軽度の麻痺を起こして痙攣を抑えますが、数カ月経つと再発することがあります。
手術療法
血管の圧迫を外科的に取り除く手術で神経血管減圧術と呼ばれており、耳の後ろの頭蓋骨に穴をあけ、顕微鏡を使って行う手術です。根本的な治療で有効率は高いですが、手術後の後遺症で聴力低下が起こることがあります。これは、顔面神経と聴神経が近い位置にあり、血管と顔面神経を離す際に、聴神経に触れてしまうことで起こります。
眼の下のけれんに対する鍼灸治療は、眼の下の部分の血流改善と自律神経の調整治療、東洋医学的観点からの治療の3つが主となります。
・目の下の血流改善
筋肉は栄養が行き届かない状態ですと痙攣を起こしやすいです。たとえば、サッカーなど激しい運動を行った後は足が痙攣することがよくありますが、あれは乳酸などの老廃物が筋肉に溜まり筋肉の異常痙攣を起こしている状態です。
目を良く使う現代の社会では目が疲労しやすく、目の周りの循環が悪い状態にあります。
そこで、目の周りに鍼やお灸の施術を施すことで目の周りの循環を改善していきます。
また、必要であれば刺した鍼に電極を繋いで鍼通電療法を施していきます。筋肉は神経からの電気信号で動いているため電気の刺激を加えていくことで改善をはかっていきます。


・自律神経調整治療
ストレスなどの自律神経が乱れると筋肉に異常が起こりやすくなります。
自律神経は、血液循環を主っておりそれにより筋肉にも影響が出てきます。特に交感神経の活動が活発な時間が長い状態が続くと全身の血流は悪くなってしまい弱い部分の異常が起こりやすいとされます。

・東洋医学的観点からの治療
東洋医学では、目と筋肉に深い関係がある五臓六腑があるといわれています。
それは、『肝』です。
西洋医学の肝臓を思い浮かべてしまいますと、ピンと来ないかと思いますが、東洋医学では肝は目に開竅するといわれ、肝は肌肉をつかさどるとされているのです。
それは、肝の病変は目や筋肉に現れやすいということです。
当院では、目の治療に対して肝のツボを多く用いて施術していきます。また、東洋医学では肝と腎は深い関係にあるとされ、『肝腎同源』と言われています。これは、肝と腎は同じ源で補い合う関係で肝が異常の場合腎も異常をきたしている可能性が高いということを示しています。当院では、腎のツボも積極的に用いまして、施術を行っていきます。

30代 男性
パソコン作業が多く、目の疲れを感じていた。ある日突然左目の下がピクピクと牽連する様になってしまった。今では、ほとんど一日中痙攣している。他人から見るとそこまで痙攣しているかのように見えないが、本人としては痙攣することによって仕事に集中できない状態。たまに右目も痙攣する様になってしまっている。
治療
目の周りの循環改善を主に自律神経の状態や腎・肝のツボを用いた全身調整の施術も行っていきました。初診時に自律神経測定器を用いて自律神経の状態も測定しました。
経過
7回ほどの治療でほぼ軽快。最初の3回目ほどは、痙攣が徐々に治まっていき、目が疲れた夕方以降に痙攣を感じるようになった。一進一退の状態がしばらく続いたが、7回目を終わったあとにはほぼ痙攣を感じなくなりました。
40代 女性
元々は、眼精疲労で夕方以降パソコン作業をしていると、目の疲れや痛みの治療に当院に通院されていました。
ある日、急に左目下がピクピクと痙攣するようになってしまってなかなか治らない。眼科でも特に異常なしとのことで目を休めるように言われたとのこと。
当院の治療
その方は、デスクワークがメインで一日に8時間以上はパソコン作業をするような仕事で目を酷使されています。
目ばかりでなく、自然と食いしばりをしているせいか顎周りの筋肉の緊張状態も強く、肩首コリもひどい状態なのでまずうつぶせで首肩回りの施術を行って首肩回りを緩めた状態から次に仰向けとなり、左目の下を中心に左右目の周りや顎周り、頭部の経穴を用いてお顔全体の血流量を上げていきます。
また、手足やお腹の経穴も用いて自律神経のバランス調整施術も合わせて行います。
左目下の痙攣の治療経過としまして、その方の場合定期的に施術を受けて頂いているおかげか2回目で左目下の痙攣は消失しました。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
当院の書痙に対する施術は、まず第一にはりやお灸を施すことにより全身の調整を図り、自律神経のバランスを整えます。東洋医学では局所的に診るのではなく、全体的に診ることが特徴のひとつであり、全身施術を行うことにより自然治癒力を高めます。

腹部のツボなども用いて内臓の働きを活性化させて自律神経の状態を整えていきます。

その他、書痙の症状が出ている腕にも鍼治療を行っていきます。

また書痙は東洋医学的に見ると「風邪」の発生と「肝」の機能障害により「気」「血」「津液」のバランスが崩れて発症すると考えられているので、はりやお灸を用いてツボを刺激することで「風邪」を体外に出したり、「肝」の機能を正常に戻すように促します。
東洋医学の診断方法に基づき全身の調整施術も行っていきます。書痙は全身性の疲労や精神的ストレスが原因となり自律神経系の乱れに繋がる場合が多いです。
そこで当院では、自律神経測定器を用いて自律神経の状態を把握して施術にあたります。当院独自の自律神経調整療法を施すことで、自律神経系が整えられ、書痙の症状が徐々におさまっていきます。
書痙の施術期間は、長くかかる症状の一つです。しかし、当院の施術を受けることで、書痙の回復程度を高め、着実に仕事や生活の質の向上が期待できます。お困りの方はぜひ一度ご相談ください。
書痙は中医学でいう「風邪」の影響と「肝」の機能障害により「気」「血」「津液」のバランスが崩れて発症すると考えられています。
「風邪」には、突然発症する・変化が多い・人体の表面や上部を侵しやすいという特徴があります。病理反応としては、主に自律神経系や末梢神経の障害によると考えられます。「風邪」が発生する原因には内因(体質素因・精神的素因)と外因(生活素因・自然素因)などがあり、書痙は主に内因によって発症します。
東洋医学でいう「肝」には、精神情緒の安定・自律神経系を介した機能調節・栄養物質としての血の貯蔵・運動神経系の調節などの役割があります。そういった機能が失調すると筋肉に栄養が循環できなくなり、ひきつり・痙攣・ふるえなどの症状が現れます。中医学では古くより痙攣やふるえなどの原因は「肝」と関係が深いと考えられています。
また東洋医学でいう「肝」と「腎」の機能が弱ると全身的に血や体液が不足し、筋肉などの様々な器官に栄養を送ることができず、さらに「風邪」に侵されるなどの病態が重なると書痙がおこりやすくなります。両者の関係は深いので「肝腎同源」とも言われており、「肝」と「腎」の症候が同時にあらわれることが多いです。
東洋医学の「肝」機能
疏泄を主る
精神情緒の安定、自律神経を介した機能調節
血を蔵する
栄養物質としての血の貯蔵、自律神経系を通じた血流調節
筋を主る 運動神経の調節
目に開窮し、華は爪にある 視覚系の調節、爪の栄養
50代男性
お仕事柄右手でペンや筆で字を書く機会が多く、2・3年前から字を書くときに震えや肘周辺の筋肉が硬直してしまい上手く字が書けない。比較的朝は調子が良いが、体が疲れてくる夕方ごろになると症状が強く出て字が全く書けないほどになってしまう。また、食事で箸を使って食べる際も細かい食べ物などが持ちずらく、落としてしまうことが多い。
心療内科や整形外科を受診したが、特に治療という治療はしてもらえなかったということで当院にご来院されました。
当院の治療
寝つきも悪く、自律神経の状態も乱れていることが考えられたので、施術に入る前に自律神経測定器で自律神経の状態を把握してから治療に入りました。自律神経側敵の結果で交感神経の高い状態だったので、まず交感神経の活動を抑え副交感神経を上げられるような体の力が抜けリラックスできる治療をしました。
次に右手や右の頸肩部・肩甲骨周辺を触診してみたところ、とても硬くなっていたのでそれを解消できるように鍼灸施術や手技療法でアプローチしました。
治療経過
◇1回目◇
治療後少し字を書くのが楽に感じた。しかし、夕方ごろになると書きづらさはかわらなかった
◇2~4回目◇
前回同様の結果だった
◇5回目◇
ペンで書いてもだいぶ平気になってきた。以前は筆を持って字を書くことがまるっきりできなかったが、少しずつできるようになってきた
◇6回目◇
右手に上手く力が入るようになってきて箸で食べ物もつかむことが困難ではなくなってきた。
◇7~10回目◇
治療を重ねていくごとに徐々にペンや筆をかける時間が増えてきて寝つきなどもよくなってきた。
症例2
20代 男性
一年前から原因不明の書痙に悩まされている。
病院で検査を受けたが何も問題はなく心因的なものと診断された。
今まで様々な治療を試したがなかなか改善が見られず、当院のホームページをたまたま見つけて来院した。
字を書こうとすると手や腕に力が入り、震えてしまうため思ったとおりに書くことができない。字がうまく書けないことへの不安や焦り、憤りを強く感じてしまい、そのためますます力みが生じ書けなくなる。
当院の施術
はじめに自律神経測定器で現在のストレスや自律神経の状態を計測してみたところ、交感神経の割合が高く、逆に心身をリラックスさせる副交感神経の働きが少ない状態でした。
また、精神的ストレス肉体的ストレス共に非常に高く慢性的な疲労が影響しているように感じました。
まず、うつ伏せで首肩背中周りの筋緊張の緩和のためコリに直接刺鍼を行いました。
次に仰向けになり自律神経の調節やリラックス効果のある経穴、利き腕の文字を書く事に関わりがある特に緊張が強い筋肉に鍼とお灸で刺激し、緊張の緩和を目的とした施術を行いました。
◇1回目◇
特に目立った変化はない。
◇2回目◇
心身ともにリラックスできる。
字も以前より書きやすい。
◇3回目◇
まだ完全ではないが、すらすら書けるようになってきた。
◇4回目◇
少し力みが出て、いつもより書きづらい。
睡眠不足や過剰なアルコール摂取した翌日はうまく書けないことが多い。
◇5回目◇
再度スムーズに書けるようになってきた。
◇6回目◇
調子がいい。字に対してあまり変な意識が少なくなってきた。
◇7回目◇
字を書くことに対し、恐怖心がなくなってきた。
調子が良いため施術間隔少し開けてみて様子を見てみる。
◇8回目◇
問題なく書けるようになってきた。
☑字を書こうとする際に痛みや振るえが生じて、まともに書くことができない。
☑力が入り過ぎてうまく字を書けない。
☑誰も見ていないところでは書けるが人前で字を書こうとするとうまく書けない。
こういった症状でお悩みではありませんか?それは書痙という症状かもしれません。
書痙とは、字を書こうとすると疼痛あるいは痙攣や自分の意志とは関係なく指に力が入り過ぎたりして字を書くことができなくなってしまう疾患です。人前で字を書く際、特にこういった症状が出やすく、大量に字を書く事務系の職業の人に多く発症。。
書痙症例の4分の1は両手に生じて、発症率は10万人に3~7人と少ないものの仕事・自己評価・社会生活に深刻な影響を及ぼします。基本的に会社などでストレスの多い20~40代の男性に多いと言われています。
書痙の症状は書字障害を主として、とくに人前で書くときに症状が強くなります。
ⅰ)硬直型:手の筋肉が過度に緊張して、力が入り過ぎるまたは痙攣して字が書けない。
ⅱ)振戦型:手が細かく震えて、線をまっすぐに書けない。
ⅲ)ジストニア型:自分の意志とは関係なく指に力が入ってしまい、手が屈曲して字が書けない。
その他筆圧が下がりうまく字を書けない・手首や指、腕が痛むと感じて字が書けないなどの症状もあり、人によって出る症状は様々です。初期症状としては文字を書くときの場合が多いですが、症状が重症化してしまうと字を書くときに使う筋肉以外の筋肉にも波及することがあり、箸がうまく持てない・ボタンをうまく締めることができないなど日常生活に多大な影響が出てしまいます。
書痙の類似症状は、ピアニストやバイオリニストなどの音楽家に見られることも多く、楽器を演奏するときだけに指が曲がって伸びなくなったり、突っ張ったりします。また手に力が過剰に入るために手や肘に痛みを発症したり、肩こりを伴うことがあります。
書痙は神経質で不安や強迫観念の強い人に多く発症すると言われており、心理的ストレスなどの要因が影響して発症する心身症(精神的・心理的要因から起こる身体的な症状)と考えられています。
また近年の研究で書痙は、大半が筋肉の緊張や動作を司る脳内運動メカニズムの不調によるジストニアであることがわかってきました。
書痙の一般的治療として心理療法と薬物療法があります。
心理療法として行動療法(問題となる行動を修正し、結果的に破綻に至らないようにする治療法)や自律訓練法(自己暗示によって心身のリラックスをはかる訓練法)などがあります。
薬物療法として抗不安薬・抗けいれん薬や注射などがあります。しかし特効薬といったものはありません。
注射は海外では書痙に対して有効とみなされており積極的に行われているようです。また重度の書痙症状に対しては、ジストニア治療で活用される定位脳手術を行うことがあります。定位脳手術は脳の支障という部分に電気刺激を与えることで改善をはかるものでジストニア治療の際に行われる術法です。
その他抗コリン薬や抗てんかん薬なども処方されることもありますが、まだ効果は十分ではなく新薬の研究開発が進められている段階のようです。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
肝機能障害に対する鍼灸治療はWHOが定める鍼灸治療が有効とされる疾患の一つとして挙げられています。
鍼灸治療は自律神経のバランスを整えて内臓の機能を高めることであまり認知されてはいませんが、肝機能障害に対しても有効とされているのです。そこで今回は肝機能障害に対する鍼灸治療ということで書かせていただきます。
肝機能障害に対する鍼灸治療は、まず第一に東洋医学的観点より症状を判別して肝機能を高める施術を行うことです。

主に五臓六腑の肝の機能を正常に戻す施術施しますが、その他にも症状によっては「腎」や「胆」にも異常が見られる場合もありますのでそれらの箇所も東洋医学的に施術していきます。

また、内臓の臓器は自律神経の支配を受けており自律神経が乱された状態ですと機能も低下して肝臓の場合でも機能低下をきたしやすいと言えます。そこで当院では、自律神経測定器を用いて自律神経の状態を把握したうえで自律神経を正常な状態へと戻すような施術も行っていきます。

自律神経の状態を整えることは肝機能を正常に回復させる方法としてとても重要なものとなります。
その他施術以外にも積極的に生活指導も行っております。それは施術を受けても飲酒習慣が続いたりするとどうしても症状の回復は見込めないからです。本気で肝機能を正常に戻すには治療の他にも生活習慣を見直す必要があるのです。
※生活上の注意点
肝機能障害を回復させるためには日常生活での食事や運動などが重要となってきます。いくら肝機能障害の治療を受けていても暴飲暴食を続けていたのなら回復する可能性は低くなります。
・お酒の飲む量を調節する
アルコールやアセトアルデヒドなどの分解の役割を肝臓が担っているため過度な飲酒は肝臓に負担をかけて肝細胞が死滅する原因となってしまいます。症状がだいぶ進行した人であるならば断酒する必要もあります。
しかし、肝臓の状態がそれほど悪くない方の場合は、飲酒量を減らす・アルコール度数の低いお酒にする・休肝日をつくるなどして制限すれば決して断酒する必要もありません。
厚生労働省の研究によると日本酒で約7合を毎日10年以上飲み続けた場合では、約20%の人が肝硬変を発症するというデータがあります。さらに15年以上飲み続けた場合では半分の方が肝硬変を発症しています。これだけ高いデータがあるのでまだ肝機能に異常がない方でも飲酒の量は考えて飲む必要があります

・食べ過ぎない
食べ過ぎで毎日栄養過多の人は、栄養代謝で肝臓への負担は大きくなり、肝機能障害を発症しやすいと言えます。また、太りすぎの方は肝臓への負担が大きくかかることもわかっています。毎日原6~7分目を心がけて決して食べ過ぎないように注意しましょう。
・肝臓によい食事
破壊された肝細胞を修復するのに良い栄養素としてタウリン・ビタミンB・セサミン・アラニンなどが知られています。それら肝臓にいいとされる食材としてブロッコリー・ニンニク・玉ねぎ・リンゴ・グレープフルーツなどがあります。バランスよくそれらの食材を毎日の食事に取り入れていきましょう。
・運動習慣
運動習慣特にウォーキングや体操などの有酸素運動の習慣があると自律神経も整いやすいですし、体脂肪を落とすにはやはり運動は必要となってきます。運動すことで自律神経が整えられて太りすぎ状態を防ぐことで肝機能障害になりにくくなります。
東洋医学での「肝」の働きは西洋医学での肝臓の働きと似ている部分もありますが、全然似ていない部分もかなりあります。
東洋医学での肝は、肝臓の部分機能や血液循環の調節機能の他に自律神経系・情動活動に関連する中枢神経系・運動神経系・視覚系の一部もつかさどっているという考えがあります。
・肝は疏泄をつかさどる
肝は気を体の隅々にまで行き渡らせる機能があります。これは、情緒を安定させて精神状態を安定的に保つこと、視床下部や自律神経系の機能によって全身の各機能を円滑に行われ
るように保つことにあたります。
・肝は血を蔵する
肝は血を貯蔵して必要に応じて供給・消費する機能があります。自律神経系を介して血管を収縮・弛緩させて体内の血液量を調節することにあたります。
・肝は筋をつかさどる
肝は運動神経系の調節をつかさどっています。筋膜や腱の緊張・運動を弛緩・制御することことで肝は筋をつかさどっています。
・肝は目に開竅する
肝は自律神経系の調節などの作用によって視覚の一部をつかさどっています。よって肝の機能異常は視覚・目にも影響が出やすいと考えられています。
30代女性
ここ半年で体重が10㎏増加し、病院で肝機能に障害があると診断された。
肝臓の数値をよくするために漢方薬を処方されて1か月飲んだところ数値が少し改善。
漢方と併用して鍼治療を行えばさらに回復が見込めるのではとのことで来院された。
もともとアトピー体質で、肝機能が低下するとアトピーもひどくでる。
症状が強いときはかゆみで夜眠れない日もある。
肝臓の数値と、アトピー肌の改善を鍼治療で行い体質改善をしたい。
当院の治療
これまでの生活習慣をきいたところ、昼夜逆転の生活や目の酷使、ストレスをためやすい、生理痛が重いなど「肝」に負担がかかる状態にあった。日常の積み重ねで今回の症状が現れたと推測できる。鍼灸治療では「肝」の経絡を中心に刺激をいれ、自律神経の調節も行った。また、1時~3時は東洋医学では肝の時間なので、その時間に睡眠をとり肝を休めるようアドバイスをした。
アトピー症状も強くでていたので、皮膚の熱をさげターンオーバーを促進するツボを用いて鍼とお灸施した。
◇1回目◇
施術当日は夜かゆみもなくぐっすり眠れた。
初めての鍼で緊張もしていたが痛みはほとんどなくリラックスできた。
◇2回目◇
初回から1週間だが効果は持続しているように感じる。
かゆみもゼロではないが落ち着いている。
夜12時には布団にはいるようにしてから調子がよくなっている実感がある。
◇3回目◇
生理があり体調が崩れた。かゆみも少し強め。
婦人科系のツボも使って前回同様に全身の調節を行った。
◇4回目◇
一時的に症状悪化したがそのあとすぐに改善。
アトピーの薬はのまなくても過ごせるようになった。
体重はまだ減ってないが、以前より疲れを感じにくくなったいし変化はしている気がする。
次の検査までは週一のペースで通って経過をみていきたい。
肝機能障害について知るうえでまずは肝臓の役割を抑えておく必要があります。
肝臓は臓器の中で一番大きい臓器で重さも1.2~3kgもあるもい臓器です。場所は、みぞおちの右側に位置しており、外側に肋骨がある事で外部からの衝撃から守られるような場所にあります。肝臓には右葉と左葉があり右葉が全体の65%、左葉が全体の35%をしめて全体的にみると三角形の形をしています。
肝臓は他の臓器に比べて血液量が多い臓器の一つです。肝臓には主に門脈と肝動脈という二つの血管が出入りしています。門脈は腸や脾臓から栄養素の多く含んだ血液を運んでおり、肝動脈は大動脈から流れる酸素を多く含んだ血液を直接肝臓に運んでいます。それらの栄養素や酸素を多く含んだ血液により、肝臓は様々な働きができるのです。
肝臓は、細かく分ければ500以上もの身体の働きを担っていますが、その働きがなかなか感知されにくいため、「沈黙の臓器」とも呼ばれています。
肝臓の役割としてまだまだ解明されていない部分もありますが、分かっている範囲で大まかに分けて3つあります。

解毒・分解作用
アルコールが解毒される場所は、肝臓であるということはよく知られているかと思います。アルコールばかりでなく、アンモニア・有害なウィルスや細菌なども無害なものに解毒・分解する作用が肝臓にはあります。 しかしこの肝臓の解毒・分解作用にも限界があります。アルコールの多量摂取や薬物の過剰な摂取は肝臓を傷めつけて気付いたときには肝臓機能が再起不能状態となってしまい解毒作用が出来ない状態ですでに手遅れという状態となる危険性があるので注意しなければいけません。
栄養素の代謝・貯蔵
肝臓は、取り込んだ栄養素をエネルギーに変える重要な役割があります。タンパク質や脂質、タンパク質などの栄養素は体に取り込んだだけでは何の役にも立ちません。そのような栄養素は肝臓でほかの物質に変えられて初めて体内に吸収することができてエネルギーとなるのです。この栄養素を化学反応によって体内に吸収させる物質に変化させることから肝臓は「体内の化学工場」とも言われます。
栄養素としてよく知られているタンパク質・糖・脂質・ビタミds8ン・ミネラルなどの代謝は肝臓で行われているのです。 そしてそれら体内に吸収されるようになった物質は、肝臓内に貯蔵して必要に応じて体に送り出す機能も担っているのです。その肝臓の機能が低下した状態となってしまうと体はエネルギー不足となってしまいすぐに疲労してしまいます。
胆汁の生成
胆汁は、脂肪の消化吸収を手助けしている液体ですが、胆汁も肝臓で生成されていて間接的に脂肪の消化吸収の役割も担っているのです。肝臓では一日に700~1000ccほどの胆汁が生成されており、胆汁の生成が十分な状態に陥ってしまうと、消化吸収の機能が低下してエネルギーが十分に確保できなくなってしまったり、消化不良を起こしやすく便秘にもなりやすくなってしまうのです。
肝機能障害といいましても一つというわけではありません。肝機能は様々な役割があるため症状の出方もそれによって異なってきます。下記の症状が続くようでしたら、肝臓の異変も考えられますので一度病院で検査を受ける必要があります。
☑何をしてもすぐに疲れる
☑常に身体が重だるい
☑食欲がわかない
☑身体のむくみが取れない
☑尿の色が濃い状態が続いている
☑お腹がパンパンに張る
☑眼球の白めの部分や皮膚が黄色味がかる
☑全身がかゆい

肝臓の異常は、なかなか体に現れにくいため上記の症状が出たら症状が進行している危険性もあるので早急な対応が必要となります。肝臓にはもともと再生能力が備わっています。
それは臓器の中で肝臓だけに備わっている能力でたとえ肝細胞の一部が壊されたとしてもすぐに再生したり、再生の間でも別の肝細胞が活動を補うことが可能なためなかなか症状として体に現れにくく、現れた時には症状がかなり進行しているということが往々にしてあります。
肝機能障害の代表的なものとして
脂肪肝
脂肪肝は一度は耳にしたことがあるかと思いますが、その名の通り肝臓に脂肪がたまりすぎている状態です。正常時の10倍以上も脂肪が肝臓に溜まっている状態ですが。脂肪肝の症状はほとんどありません。脂肪肝が進行すると肝炎や肝硬変となってしまう危険性があります。
上記にもある通り肝臓には取り込んだ脂肪を代謝して貯蔵して必要に応じて各器官に送る機能がありますが、脂肪摂取の多い暴飲暴食やアルコール摂取が多いと肝臓内に貯蔵される脂肪が増えて脂肪肝となってしまいます。
脂肪肝には、アルコール性脂肪肝と非アルコール性脂肪肝とがあります。アルコール性脂肪肝は、アルコール摂取が多くアルコールの解毒の過程で肝臓の働きが低下することで肝臓内の中性脂肪がたまっていきます。非アルコール性脂肪肝は、肥満や糖尿病の人でインスリンの働きが鈍くなり糖の代謝が鈍ることで肝臓に脂肪がたまりやすい状況となります。
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肝炎
肝炎にはウィルス性のものとアルコール性のものとがあります。 ウィルス性肝炎にはA型・B型・D型・E型があり、日本ではB型肝炎とC型肝炎が大半を占めます。B型とC型は血液を介して感染します。A型とE型は水や食べ物を介して感染しますが、現代では衛生環境が整っているため減少傾向にあります。
アルコール性肝炎は脂肪肝の状態でもアルコール摂取量を減らさない状態を続けていると約2割の人はアルコール性肝炎を発症すると言われています。アルコール性肝炎は脂肪肝とは異なり、発熱やわき腹痛、食欲不振、むくみなどの症状が出ます。この状態でも禁酒をすれば肝臓の機能は改善する見込みがあります。しかしこの状態でもアルコール摂取を控えないと肝硬変となってしまい、肝機能は禁酒をしても効果がえられなくなってしまいます。
肝硬変
肝硬変は、その名の通り肝臓が固くなってしまった状態です。肝炎が進行して肝細胞が傷ついて修復する過程でだんだんと細胞が線維化して硬くなってしまいます。
肝硬変が重症化してしまうと肝臓がんとなり、最悪の場合生命の危険にさらされます。肝硬変となると肝臓の栄養の消化吸収作用や解毒作用がうまく機能せずに倦怠感や体重の減少、便秘、筋肉の痙攣などが症状として出ます。また肝機能が衰えることで血液を固める血小板が十分に作られなくなるためちょっとした刺激で内出血が起こりやすくなったり、鼻血が出やすくなってしまいます。
定期検診や人間ドッグなどで肝臓の検査が良く行われますが、簡単な基準値を頭に入れておくと良いでしょう。
・GOTとGPT
GOTとGPTは主に肝臓内にある肝細胞で働いている酵素で体の中の重要な構成要素であるアミノ酸の生成する役割があります。肝臓が正常に働いている状態ではGOTとGPTも正常に働きますが臓器が損傷することで分量が増加するため血液中のGOTとGPTの数値は高くなってしまいます。GOTは肝臓の他にも心筋や骨格筋にも多く存在しているため数値が高くなると、肝臓の病変以外にも心筋梗塞や筋ジストロフィーなども疑われます。
基準値は30IU/L以下と定められています。基準値を下回っていればほぼ問題ないと言えます。数値が50IU/Lが越えてしまった場合は注意が必要で肝臓に何らかの異常がある可能性があります。さらに100IU/Lを超えた場合は、ウィルス性肝炎や肝硬変の疑いがあります。
・γ-GTP
γ-GTPは肝臓や腎臓などで生成されて肝臓の解毒作用に関与している酵素です。また、エネルギー代謝を助けてたんぱく質を分解・合成する酵素でもあります。肝臓や胆管の細胞が破壊されると血液中にあふれ出すことから数値が基準値を超えると注意が必要です。
数値が上がっても身体に何か症状が出るわけではありませんが、数値が高いと脂肪肝や胆石などの疑いがあるので注意が必要です。 γ-GTPはアルコール性の脂肪肝や肝炎に反応してアルコールを飲みすぎると短期的に数値が上昇します。基準値は50IU/L以下で、それを超える100IU/L以上となってしまった場合は脂肪肝が進行している可能性があります。200IU/L以上となった場合、アルコール性肝炎や肝硬変、胆石や胆道がんなどの疑いも出てきますのでさらに詳しい検査が必要となってきます。
が整えられて太りすぎ状態を防ぐことで肝機能障害になりにくくなります。
一般的には水分の多い液状便、またはそれに近い状態の便をたびたび排泄する状態を「下痢」と呼んでいます。
正常な有形便の水分含有量は70~80%です。水分量が80~90%になると泥状、90%以上になると水様になります。

下痢には四種類のパターンがあります。
<浸透圧性下痢>
過度なアルコール摂取や脂質の多い食事が習慣化することによって起こる下痢です。
暴飲暴食による腸への負担、食べ過ぎ)栄養の過剰摂取)で腸の吸収機能を弱め、水分電解質などの吸収が十分できなくなることが要因です。
<分泌性下痢>
分泌性の下痢は腸粘膜から腸液などの分泌が過剰に行われることで起こります。また、腸粘膜障害、細菌などにより腸管内の塩類と水分の分泌が促進される場合もあります。
<腸管運動性下痢>
腸の内容物を肛門まで運ぶ運動のことを蠕動運動といいます。腸の筋肉が伸び縮みを繰り返し水分を吸収しながらゆっくりと肛門まで送り込むのです。
ところが、ストレスなどが原因でこの蠕動運動が過剰に働いてしまうと、十分に水分や食物が消化・吸収できないまま腸管を通過し下痢が生じます。また、逆に蠕動が障害されて便が滞った場合も、増殖した腸内細菌の刺激によって下痢が起こります。
<滲出性下痢>
潰瘍性大腸炎やクローン病など、腸に炎症があることによって起こる下痢症状を滲出性下痢といいます。腸の粘膜から血液成分や細胞内の液体が流れ出てしまうことによって、便の水分量が多くなってしまいます。また、炎症によって水分吸収能力が低下することも要因として挙げられます。
・感染性胃腸炎
感染性胃腸炎の代表的な病原体はノロウイルスです。激しい下痢と嘔吐に悩まされます。
・炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)
潰瘍性大腸炎は、下痢や血便の症状が併発します。軽い微熱や、渋り腹といったスッキリしない排便も見られます。長期化すると大腸がんを合併することがあります。定期的な大腸内視鏡検査が必要です。
・虚血性腸炎
大腸に栄養を送る血管の血流が阻害されることで大腸の粘膜障害が起き、炎症によって粘膜のただれや潰瘍などが生じる病気です。虚血性腸炎の3大症状として、腹痛(左側腹部~下腹部)、下痢、血便の3つがあげられます。
・過敏性腸症候群(IBS)
お腹の張りなどの便通異常が慢性的に(3か月以上)続いている場合、過敏性腸症候群が疑われます。下痢と便秘を繰り返すことが多く精神的なストレスから発症する場合もあります。
・慢性膵炎
慢性膵炎は進行すると、体重減少や下痢などの痛み以外の症状も出てきます。膵臓からの消化酵素の分泌が低下することで、主に脂肪分の消化がうまくできなくなり、液状の白っぽい脂肪便が見られる場合があります。
・大腸がん
大腸がんの兆候として「繰り返す便秘と下痢」の症状が挙げられます。大腸がんが進行し、大腸の管腔が狭くなることで誘発される症状です。

検査・診断
下痢の原因は様々なので、まずは問診を行い、症状、既往歴、服薬中の薬、摂取した食べ物などを確認します。そのうえで必要に応じて血液検査、腹部エコー検査、大腸カメラ検査などを行います。
治療方法
下痢の場合、ウイルス・細菌感染による胃腸炎が原因で起こることが多いので、整腸剤を使って治療するほか、必要に応じて抗生物質を投与します。
慢性下痢の場合には、大腸カメラ検査などの各種検査を行い原因を判明させたうえで、適切な治療を行います。また、病気が原因の場合はその病気の治療を行います。原因となる病気が見つからない場合、過敏性腸症候群(IBS)が考えられるため、生活習慣の改善やストレスの解消などをアドバイスして治療していきます。
東洋医学では感染性の下痢を「痢疾(りしつ)」、一般的な下痢を「泄瀉(せっしゃ)」といい、泄瀉は水分のとりすぎや冷房、夏バテや食あたりなどが原因で、体に余分な「湿」が溜まった状態である「水毒」により胃腸機能の低下を招いたものと考えられています。また、下痢と関係のある臓腑は「脾胃」「肝」「腎」です。
下痢は、実証と虚証の二つのタイプに分けられます。
<実証のタイプ>
①寒証
冷たいものの取りすぎや冷房によって体を冷やしたことが原因で、胃腸の機能が低下して水分代謝が滞り、下痢が起こるもの
寒証の症状
下痢、食欲不振、口の粘つき、むくみ、胸のつかえ、吐き気、腹痛など
②熱証
暴飲暴食や食あたり、細菌やウイルスの体への侵入により、消化不良を起こし、熱性の下痢が起こるもの
熱証の症状
下痢(便の臭いが強く回数も多い)、消化不良、黄疸など
<虚証のタイプ>
過労やストレス、生活の不摂生や虚弱体質などが原因で気のエネルギーが不足して、胃腸機能が低下する「脾気虚」や脾気虚の長期化や冷え、加齢などによる「腎」の機能低下による「脾腎陽虚」があります。
また、「肝」は気の流れをスムーズにし、精神面の調整において重要な臓腑ですが、普段から情緒不安定やストレスがあると肝気の流れが悪くなり、消化機能に影響を与え下痢を引き起こすことがあります。
脾気虚の症状
下痢(泥状便)、疲れやすくいつもだるい、顔色が悪い、食後すぐ眠くなる、食後お腹が張りやすい、ゲップなど
脾腎陽虚の症状
下痢(水様性の便)、みぞおち当たりの痛み、むくみ、尿が出にくい、尿の色が薄いまたは透明で多量に出るなど

当院では、消化器官などの働きを調整している自律神経のバランスを機械で測定し患者様のお身体の状態を把握したうえで治療へ移ります。
自律神経系の調整施術を行い、消化器官の機能を整えるとともに内臓機能や免疫力を高め、全身的な血流を促進し、自然治癒力を高めることで症状が治癒しやすいお身体の状態へ整えます。また、東洋医学的観点から「脾胃」「肝」「腎」をはじめとした五臓六腑を整えるツボや、気の流れを整えるツボを選択していきます。
さらに、腹部や腰背部などにある消化器系に関係するツボに鍼やお灸で刺激を与えることで消化器系の機能を整えていきます。
症例
40代 男性
年末の忘年会で週7で飲み会があり、そこからお腹の調子が悪くなってしまった。仕事中、プライベートに関わらず腹痛に襲われ下痢をしてしまう。
もともとお腹はゆるい方だったが、数日もすれば気にならない程度には回復していたが、今回は3ヶ月たっても良くならなかった。原因は食べ過ぎ、飲み過ぎのため病院には行っておらず、いつも飲んでいるドラッグストアの胃腸薬で誤魔化してきたが、同僚に紹介されて来院。
治療頻度は週に1回
当院の治療
胃腸の調子が悪くなってからお肌の調子も悪い、顔面、背中、腕に湿疹があり、赤くなり痒みも出ているとのこと。腸のダメージは肌にでやすいので、かなり内臓系が弱っていると予想し内臓の回復の為の自律神経の調整治療、血行促進の治療、消化器系と関わりのある経絡経穴に刺激を与える東洋医学治療をメインで行った。
経過
◇1回目◇
身体は軽くなった、お腹の変化はなし。
◇2回目◇
肌の痒みが軽くなった、お腹の変化はなし。
◇3回目◇
腹痛が軽くなった、トイレに行く回数等は変化なし。
◇4~8回目◇
治療回数を重ねるごとに腹痛、肌の湿疹が改善していった。
◇9回目◇
腹痛はほぼなくなった。
◇10回目◇
昨日の飲み会のあと、家系ラーメンを食べたら腹痛が戻ってしまった。治療後に落ち着いた。
◇11回目◇
便はゆるいが、おなかの調子が悪くなる前の状態にほぼ戻ってきた。
まず、最初に血液循環や内臓の働きに関与する自律神経のバランスや血管の状態を、自律神経測定器で測定させて頂き、お身体の状態を診ていきます。
目の周りの血行は肩や首周りの筋肉の緊張が大きく関わっているため、まずうつ伏せで首肩周りの施術を行い、同時に背部の五臓六腑の働きを調整するツボを刺激し筋緊張の緩和と内臓機能の調整を行います。

その後目の周囲のツボに鍼やお灸を施すことで目の周りの血液やリンパの循環、肌のターンオーバーを促し、筋肉の緊張を緩和しクマを改善していきます。また、自律神経を整えるツボに刺激を与えることで、全身の血液循環や内臓の機能調整、免疫力の向上を促し全身の機能のバランスを整えていきます。

東洋医学ではクマは「気滞血瘀」と考えられています。つまり、ストレスや疲労により気の流れが上手くいかない「気滞」と、血流の悪化「血瘀」状態の事を指します。
気滞や瘀血により眼の周りの血行も悪くなるとまぶたがはれぼったくなったり、目の周りがくすむ原因となります。
また、不規則な食生活や偏食などにより、消化吸収を司る脾胃の働きが弱くなることで食物から吸収した栄養を全身に巡らせる気、血の流れを停滞させ、目の周りの血液循環にも影響を与えることや、睡眠不足や疲労、生活リズムの乱れにより腎の働きが弱くなり身体のエネルギーである精が不足し肌の代謝を衰えさせることも原因の一つといわれています。
50代 男性
1年ほど前から目の下のクマが気になり始めたとのこと。30代までは仕事で身体を酷使しても眠ったり休息すれば治っていはいたが、最近ではクマがなかなか取れなくなってしまった。
周囲からも疲れた表情をしていると指摘されて気にされている。
仕事はパソコン作業がメインで常に目を酷使している状態で眼精疲労も強く出ている。お仕事も多忙で平日は5時間くらいの睡眠時間しか確保できない。
当院の治療
目の下のクマの色は青黒く目の下ばかりでなく目の周り全体的に血行が良くない状態が見受けられました。
施術前に自律神経測定器で自律神経の状態を測定させて頂いたところ交感神経の状態が優位であまりリラックスできていないという結果が出ていました。ご本人は寝つきは悪くないとおっしゃっていましたが睡眠の質が悪く、朝の目覚めや気怠さも出ているとのことで、自律神経の状態を整える全身的なバランス調整施術や睡眠のツボも取り入れつつ施術を行っていきました。
首肩回りや背部の経穴から行って自律神経の状態を整え、首肩回りの筋緊張を緩和させて頭周りの血流の改善を行ってから、次に仰向けとなり目の周りに施術を行います。
鍼施術ばかりでなく、目の周りを軽く温めるお灸施術も用いまして目の周りの血流量を上げていきます。
経過
一回目の施術の後、眼精疲労はかなり楽に。10段階中4くらいになったとのこと。目の下のクマはまだ変化は見られず。3回目・4回目を過ぎたあたり目の下のクマの色が改善されてきて周囲からも顔色が良くなったと言われて喜んでおられました。
症例②
50代 女性
もともと眼の症状でこちらの院に通っていたが、美容鍼が前から気になっていた。年齢や肌のたるみが原因かもしれないが、クマが気になる。睡眠は取るようにしているし、眼の周りを温めるなど、自宅で出来ることはしており薄くはなってきたが目立つ濃さではあるので、もう少し薄くしたい。
当院での治療
もともと行っていた眼の症状の治療にクマ対策としてのお肌のトーンアップのための血行促進、たるみ対策としてのお顔のリフトアップを追加しました。また、首周りのリンパの流れを改善して小顔、美肌の治療も同時に行っていきました。
また、顎の筋肉も硬くなっており、顎のラインが左右で違いました。こちらも筋肉が緩んでいくと改善していくので、筋肉の硬さを緩める治療を行いました。
治療経過
◇1回目◇
クマの濃さは変化がないが、顔がかなり小さくなった。
◇2~7回目◇
肌のつやが良くなって嬉しい。エラが張っているのを少し気にしていたが、顎の筋肉が柔らかくなってなくなった事に驚いた。
◇8回目◇
前よりもクマが目立たなくなってきた。
◇9~12回目◇
クマを隠すためのコンシーラーを塗らなくても気にならないくらいの薄さに変わった。
◇13回目◇
クマは気にならなくなったが、美容鍼は定期的に行うことにした。
寝不足が続いてしまったり、身体の疲労が溜まっていたりすると目の下にクマができたことがあるという経験は多くの方がしたことがあるかと思います。 眼球の周りには、たくさんの毛細血管が集まっており、目の周りやまぶたの皮膚はその他と比べても非常に薄い構造でできています。
体の外からで毛細血管がすけて見えるため、すぐに身体の状態を反映しやすく、寝不足の状態であったり、身体が疲弊していると血流などが悪くなり目の下のクマとして現れるのです。
また、その他にも目の下のクマができる原因はあり、目の下のクマが何かしら病気のサインであったりもするため注意が必要です。

目の下のクマはそのクマの色によって原因であったり現れる症状が異なります。
茶クマ
茶クマの原因は主に目の周囲の皮膚にメラニン色素が沈着して目の下が茶色に見えるものです。色素沈着が起こるには様々な原因があります。
<色素沈着の起こる原因>
・目の周りをこすることにより眼の周囲の皮膚にメラニン色素が付着して茶色っぽく見える
・血液循環が悪いため肌の透明感が無くなりくすんでいる
・加齢により皮膚に過酸化脂質が増加し、肌をくすませる
(紫外線にあたると活性酸素が肌の脂質と結びついて過酸化脂質になります。これが増えると肌のみずみずしさや弾力が無くなりくすみの原因となります。)
・マスカラやアイラインなどのアイメイクの色素の沈着
・角質層のキメが荒れていて光が乱反射したり、肌のターンオーバーの低下により古い角質が剥がれず、厚くなることで透明感が失われくすんで見える
黒クマ
黒クマは皮膚のたるみやへこみが原因といわれています。
生まれつき目の下のくぼみが少ない、加齢により目の周りの脂肪が萎縮したり目の周りの筋肉のたるみで皮膚のへこみが目立つために影が出来る事や、加齢により眼の下の眼窩脂肪を支えている筋肉が緩み眼窩脂肪が突出することにより、たるみが生じ目の下にへこみが出来る事が原因となります。
青クマ
血行不良による目の下のクマです。血行不良によるクマがある方の中には肩こりや頭痛、冷え性の方が多いといわれています。その他にも疲労やストレス、低体温、眼精疲労、睡眠不足なども血行不良の原因として挙げられます。
青クマは乾燥や冷えが厳しい冬の時期に起こりやすい傾向にあります。

目の下のクマは重大な病気のサインである場合もあるため注意が必要です。長い間クマが消えないそして上記の3種類のクマに当てはまりそうにない場合は、一度病院を受診して検査を受けてみてください。
肝機能障害
肝臓には老廃物を排除し、血液を綺麗にする役割がありますがこの機能が低下すると血液が浄化されにくなり血液が滞って目の下にクマが出来やすくなることがあります。
病気までとはいかなくてもアルコール、甘いものの摂りすぎ、過労などによって臓器が疲れている時もこのような状態に陥ることがあるため生活や食生活の改善を図ることが重要です。
腎機能障害
腎臓は血液中の老廃物など不要物をろ過し余分な水分と一緒に尿として排出する働きがあります。
しかし、腎臓の機能が低下すると血液中の老廃物を十分にろ過できなくなってしまい血液が汚れてしまいます。血液が汚れると血液の色は黒ずんでそれが目の下の薄い皮膚を通して黒ずんだ血液が見える事で青クマとなります。また水分調整が上手くできないことで体がむくみます。目の下は身体の中でも特にむくみが出来やすい部分です。
目のむくみは影を作り目の下にクマが現れる原因になります。なお、腎臓の機能の1つとしてホルモン分泌がありますが、この腎臓が分泌するホルモンに赤血球を作るエリスロポエチンがあります。腎臓の機能が低下すると赤血球を作る機能が失われ、段々と酸素運搬量が少ないどす黒い血となって他の要因と相まって目の下のクマとなります。
バセドウ病
バセドウ病は喉にある甲状腺で作られるホルモンが過剰に分泌される病気です。主な症状として眼球の突出があります。これは目の周りにある脂肪や筋肉が炎症を起こして腫れ目の中の圧力(眼窩圧力)が高まることで眼球が前にせり出してくるものです。眼球突出に伴い眼窩脂肪も前にせり出すためたるみを起こし黒クマができることがあります。
鉄欠乏性貧血
赤血球内にあるヘモグロビンの量が減ると貧血が起こります。ヘモグロビンを作るためには鉄分が不可欠です。
この鉄分が不足することによって起こる貧血が鉄欠乏性貧血です。貧血になると血行が悪くなり、赤黒い色をした還元ヘモグロビンが停滞し、目の下にクマとなって現れます。
うつ病
うつ病になると両目と口の周りが青白くなる特徴があります。これは自律神経の異常によって目の周りの筋肉や口の周りの筋肉に血液がスムーズに流れなくなり血行不良を起こしているためです。
アトピー性皮膚炎
下まぶただけではなく目の周り全体がくすんでいる場合はアトピー性皮膚炎や花粉症皮膚炎の可能性があります。デリケートな目の周りの皮膚にハウスダストや花粉が付着して炎症を起こし、色素沈着による茶クマになります。
・睡眠をしっかりとる
血行不良で出来る青クマや色素沈着によって出来る茶クマのケアとして、まず睡眠時間をしっかり確保することが挙げられます。血行不良は寝不足や冷えが原因になっていることが多いためです。また、睡眠不足はターンオーバー(肌の新陳代謝)を乱す原因にもなります。ターンオーバーが正常に行われない事で色素沈着を起こすメラニン色素がスムーズに排出されず、茶クマの原因になってしまいます。
・目の周りの血行促進
目の周りの筋肉をマッサージしたり蒸しタオルを目に当てて温めるのは目の周りの血行促進や、リンパの流れをスムーズにしむくみ解消に効果的です。ただし、マッサージをする際は強く擦りすぎないように注意が必要です。強い摩擦は刺激となり色素沈着を招きます。
・目の周りの筋肉を鍛える
目の周りの筋肉の衰えはたるみの原因となります。例えば目をぎゅっと閉じて5秒間キープし目を大きく開いて5秒間キープといったまぶたの動きを五回ほど繰り返す運動は目の周りの筋肉のストレッチと筋肉の強化になります。
・目元のアンチエイジングでたるみを防ぐ
目元のハリをもたせるために、コラーゲンやヒアルロン酸といった肌にハリを与える成分を含んだクリームや美容液を取り入れてたるみを防ぐことも有効です。
・バランスの良い食事
過度のダイエットなどで目の周りの皮膚がやせてしまうと、目が落ちくぼんでしまいそこに影が出来てクマになってしまうことがあります。また、栄養不足や偏食により内臓の機能が低下してしまうことが血行不良の原因となる事もありますので、食事はしっかりバランスよく食べることが大切です。また、クマ改善に有効な栄養素として血液をサラサラにし血行不良を改善するレバーやホウレン草などに含まれるビタミンEや青魚に含まれるDHAなどを意識して摂取すると良いでしょう。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
当院の腰椎椎間板ヘルニアに対する治療の目的は、第一に腰部から下肢にかけてのツボや痛みの強い部位に鍼をさして血行を良くしたり、筋の過緊張を和らげます。また必要と判断した場合は、微電流を流して痛みを感じる閾値を上げて痛みを感じにくくする作用を促します。

従来は、一度飛び出してしまったヘルニアは自然と引っ込むことはないと考えられていましたが、MRIなどの画像診断の発達によって時間が経てば一部のヘルニアは吸収されて飛び出したヘルニアが小さくなったりまたは完全になくなったりすることがわかってきました。ヘルニアが吸収されるポイントとして白血球の働きがあります。白血球は本来体外から侵入してきた病原菌や異物から体を守る防御作用があります。この働きが髄核から飛び出したヘルニアにも作用してヘルニアを異物と察知して溶かして吸収する作用が働くと言われています。
この作用を利用したお灸の作用でヘルニアが軽減する可能性があります。お灸の作用の一つとしてお灸をした箇所が火傷をしたと体が反応して白血球が集まることがわかっています。それを利用して患部にお灸を施すことでその付近に白血球を集めてヘルニアを溶かして吸収する作用を促します。

腰椎椎間板ヘルニアは五臓六腑の「腎」に深く関係しているので腎に関する経穴を用いて「腎気」を補うことや腰部の気血の流れをよくします。また風寒や湿の邪気によって引き起こされる場合はそれらを体外に出す治療が必要になります。
東洋医学の診断方法に基づき全身の調整治療も行っていきます。腰椎椎間板ヘルニアは全身性の疲労や気血の滞りが原因の場合もあるので腰だけの部分的な治療ではなく全身を診て治療していきます。全身治療を行うことにより人間が本来もっている自然治癒力を高めます。腰痛の鍼灸治療はWHO(世界保健機関)でも有効とされています。
当院の腰椎椎間板ヘルニアの治療目的は、腰椎椎間板ヘルニアの回復程度を高めて、回復を速めることです。また西洋医学とは違う東洋医学の観点により少しでも腰椎椎間板ヘルニアが回復できる機会を提供することです。それにより、患者さんの仕事の質の向上や生活の質の向上が期待できます。

腰椎椎間板ヘルニアの場合、当院では整形外科などの他の病院での治療を勧めさせていただく場合がございます。はりやお灸などを使った施術よりも治療効果が見込めるからです。
当院で施術可能と判断された場合のみの対応させていただきます。
当院では、こういった場合、専門医の診断が必要と考えております。
ⅰ)尿閉や尿漏れなどの排尿障害や排便の障害が出ている場合
ⅱ)筋力低下や知覚障害がなかなか改善されていかない
ⅲ)鍼灸治療を2週間続けても効果が出ない
症例 1
30代男性
運送業の仕事で車を運転することも多く、重い荷物も運ぶこともあり、慢性的な腰痛で悩んでいた。痛みでつらい時は、マッサージなどを受けてなんとか過ごしていたが3週間ほど前の朝に歯磨きをしていて急にくしゃみをしたところ歩けないほどの痛みを腰に感じた。すぐに病院に行き、注射や痛み止めを飲み強い痛みはなんとか2~3日で軽減されたがその後も強い痛みが腰に出ることがある。病院では、CTおよびMRIを撮ったところ第4腰椎と第5腰椎間の椎間板ヘルニアと診断された。痛みが続くようだと手術しかないと言われたがどうしても手術は回避したいということで当院にご来院された。
当院の治療
痛みを抑制させる鍼通電療法、周りの筋肉を弛緩させる目的での温熱療法、収縮された筋肉を伸ばすストレッチ療法を駆使して施術していきました。家でもストレッチとインナーマッスルを鍛えるトレーニングを行っていただきました。
治療経過
最初の施術は腰の痛みが少しいいかなという程度でそこまで変化が見られなかったが2回目以降だんだんと腰痛が軽減されて集中的な治療で6回程治療をしたところ腰痛をほぼ感じなくなったので、その後は経過観察で2週間後にご来院していただきました。その後定期的(1か月に1回程)に筋肉を緩める施術を行っているが再発はしていません。
症例 2
60代 男性
慢性的な腰痛に悩まされている。数年前にぎっくり腰を発症してから、1年ごとに再発を繰り返している。腰椎4番5番に椎間板ヘルニアがある。整形外科で処方された鎮痛剤は合わず服用していない。痛みがひどいと湿布薬で対処をしている。ゴルフ中や長時間座っているとお尻から右のふくらはぎまで痛みが生じる。
施術
まずは、うつ伏せで腰臀部の筋緊張緩和と鎮痛を目的に鍼通電療法を行いました。太もも裏やふくらはぎの筋緊張もみられたため、鍼とお灸で筋肉を弛緩させ血流の改善をはかりました。さらに、仰向けで全身的な筋緊張緩和や血流改善のため自律神経調整施術を行っていきました。
一回目
腰の痛みがだいぶ楽になった。
二回目
腰は表面的な筋肉の痛みが改善し、深い筋肉のこりを感じる。
三~五回目
腰は最初の痛みを10とすると、1ぐらいにまで減った。ゴルフも多少は痛みを感じることはあるが、プレーを再開できるようになった。
六~九回目
腰は痛みがなくなった。たまに鈍く重い感じがする。お尻からふくらはぎにかけての坐骨神経痛は感じることがなくなった。
以降メンテナンスでご来院中。
腰椎は5個あって上から順に第一腰椎・第二腰椎と名付けられています。椎骨は円柱状の椎体と後ろにある椎孔をアーチ状に囲む椎弓よりなり、椎孔は上下に重なって脊髄を通す脊柱管をつくります。椎体と椎体はいくつかの靭帯や椎間板という組織によりつながれています。
椎間板は外縁部を構成する線維性軟骨組織でできた線維輪と中心部を構成する軟らかい髄核という組織でできています。髄核は弾力性とある程度の流動性があり、それらが圧の分配を行って脊柱の屈伸やねじれを可能にしています。
椎間板の線維輪が弱くなって全体として膨隆したり、線維輪が断裂して中の髄核が脱出したりして椎間板組織が神経根を圧迫して腰・下肢痛を引き起こした病態を腰椎椎間板ヘルニアといいます。椎間板という組織自体は加齢とともに老化しやすい組織であり、退行性疾患の代表的疾患ですが、重いものを持ったり、スポーツなどで腰に負担がかかって発症するきっかけとなる場合も少なくありません。髄核の脱出部位や程度によって3型に分類されます。
ⅰ)膨隆型
後方の線維輪の列隙部に髄核の一部が移動してしまいます。症状は比較的軽いものが多いです。
ⅱ)突出型
髄核が線維輪から突出している状態ですが、後縦靭帯には覆われていて、症状としては中程度の場合が多いです。
ⅲ)脱出型
髄核が線維輪から突出して、後縦靭帯をも破っている状態です。症状は、重症の場合が多いです。
腰椎椎間板ヘルニアの主な症状は、腰痛と片側の下肢へと放散する痛みです。症状が急激に生じる場合とゆっくりと生じる場合とがあり、急激に発症する場合の多くはいわゆるぎっくり腰のような症状が数日みられます。
発症当初は腰痛がひどく体動もままにならない場合がありますが、1~2日経過すると腰痛が軽快し、それに代わって圧迫された神経根の支配領域に放散する下肢痛としびれが症状の主体となります。
両下肢の高度な感覚・運動障害そして排尿障害が急激に生じる場合があり、その場合は早急に手術的治療が必要となる場合もあります。
好発年齢は20代、30代・40代、次いで10代、50~60代の活動性の高い男性に多く、好発部位は第四腰椎-第五腰椎の間(第四腰髄神経)、次いで第五腰椎-仙骨(第五腰髄神経)です。この2つの好発部位で椎間板ヘルニアの実に95%も占めています。その他第三腰椎―第四腰椎にもまれに発症しますが、複数のヘルニアが同時に発症する頻度はひくいです。
第五腰髄神経が障害されれば、足背では中央部から母指にかけて知覚鈍麻が起こり、親指を反り返す動作がしづらくなります。第一仙髄神経が障害されれば、足背の小指側の知覚が鈍くなります。
※肩こりと椎間板ヘルニアの関係
肩こりによって体の重心がずれてしまう事で骨盤が傾いてしまい、椎間板への側方への圧が集中してしまうため椎間板ヘルニアのリスクが高まってしまうことが言われています。
肩こりの原因の多くは、僧帽筋や肩甲挙筋の筋の過緊張状態です。それらの筋肉が過緊張状態となると片方に首が引っ張られてしまうために体の重心が肩こりが起こっている側に移動してしまいます。
すると、反射的に身体を姿勢を保とうとするため、腰部の姿勢を保つ役割のある筋肉である腰方形筋や腹斜筋に無意識に力が入るようになり、筋疲労を起こしやすい状態となってしまうのです。そして、それらの筋肉の疲労を人は無意識に他の関節を動かして調整するような代償運動がおこります。その代償運動により筋肉への負担はある程度軽減されるのですが関節にはかかる負担は増大してしまうのです。その状態が長く続いてしまうことで関節が耐え切れなくなり、椎間板ヘルニアや椎間板圧迫骨折などの症状をきたしてしまうのです。
腰椎椎間板ヘルニアになる原因として重いものを持つなど日常生活での動作が引き金となる場合や椎間板や椎骨の老化による場合、姿勢の悪さからくる背骨の歪みによる場合などがあります。また、スポーツなど力学的負担が原因となる場合も少なくありません。
この疾患の発症には、同一家系内に同じ疾患が多発することや不安・抑うつなどの精神的な疾患、仕事上のストレス・集中度・満足度などが深く関与していることも指摘されています。遺伝的要因が考えられる場合、若年者の発症にその傾向が強く、急性腰痛症を数回発症したことがある方に腰椎椎間板ヘルニアが発症しやすくなると言われています。
腰椎はもう20代からすでに老化が始まってしまっていると言われています。人間の体の中で最も早く老化が進む箇所だとも言われます。
もともと、哺乳類は二足歩行ではなく、人間は進化していく過程で2足歩行に進化していきました。人類の二足歩行への進化は急速に進んだため上半身を支えている腰部に負担が大きくかかることはある程度仕方ない人体構造となっているのです。
腰椎椎間板ヘルニアの症状で一番つらい症状が腰痛かと思いますが、腰痛症状を予防するにはまず腰部に負担を大きくかけないことです。重いものを持つときは上半身だけで持ち上げようとはせずに膝などの下半身からしっかりと持ち上げるようにすると腰部への負担はいくらか軽減されます。
また中腰姿勢が長く続いてしまいますと負担が増大しますので避ける必要があります。
その他、腰部周辺の筋肉の柔軟性を保つことも重要です。筋肉が固まってしまっている状態ですと腰部の関節に負担がかかりヘルニアになりやすくなります。
腹筋を鍛えることも腰痛予防には重要で腹筋には体の姿勢を保つ役割もあり、その部分の筋力が低下してしまいますと同じように体の姿勢を保持する役割のある腰部の筋肉に負担が大きくかかります。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
当院での薄毛の治療は、第一に患部に鍼灸施術で施術して毛母細胞を活性化させ、太くこしのある健康な髪にしていきます。

薄毛は、ストレスや生活習慣も深く関係しているため当院ではしっかりと時間をかけて問診していきます。
その次に自律神経測定器で自律神経の状態を計測していきます。自律神経の乱れも薄毛の原因となる可能性があります。
また、東洋医学的観点より診察をして東洋医学の病証である『証』を決定していきます。
問診内容・自律神経の計測結果・東洋医学の証これらをふまえて鍼灸施術をしていきます。


東洋医学の考えでは薄毛は腎の精気が弱っていることで外側の髪に影響が出るとしています。
また肺機能の衰退は、呼吸器や喉の諸症状から髪を弱らせることにも繋がります。東洋医学では『腎水』が髪の健康をつくるとされており、髪は血余と言われ、血液の状態に余裕がないと髪は育たないと言われています。
腎水系が弱る、つまり腎虚が起きれば髪のこしがなくなったり薄毛になるといえるのです。
薄毛で多い証
血虚証
血虚は血液が不足し、血流が悪く髪の毛に栄養が行き届きにくい状態です。
この場合、髪は細くて弱っている印象です。
腎虚型
腎は生殖、成長、老化にも深く関係があります。薄毛が最近になって進行してきたというかたは、この証にあてはまります。
湿熱型
湿熱型の場合、頭皮がべたついた状態です。湿気や熱、頭皮の脂が多い状態なので、それを改善していく経穴を使って施術していきます。
これらの証に合わせた五臓六腑(特に腎、肺、脾)を調整し、健康な髪が育つ身体にしていきます。
症例 1
30代 男性
5年ほど前から頭頂部や生え際の後退など薄毛の症状が気になるようになった。4ヶ月ほど前から特に薄くなったように感じ、1週間前からAGA薬の服用を始めた。
薬以外での改善方法を求め、当院へご来院された。
施術
頭頂部とおでこの生え際は頭皮が透けるほど髪が薄くなっていました。内服薬の効果を高めるためにも、患部の血流を改善する事はとても重要になります。頭皮の血流改善を目的に、頭頂部と生え際に鍼通電を行いました。また、頭部の血流には首肩こりの解消が重要なため、首肩回りの筋緊張はしっかりと筋肉に刺激をいれほぐしていきました。全身的な血流改善、身体の回復力を高めるため、自律神経調整施術も行っていきました。
来院頻度は1週間に1回。
一回目
施術後は頭皮のコリがほぐれるような感じがした。
二〜四回目
体調が良い。薬の副作用による初期脱毛があり、抜け毛が気になる。
五〜六回目
抜け毛は治まった。短い毛がたくさん生えてきている。
七〜十回目
薄さが気になっていた箇所の髪が増え、太さも少しずつでてきている。
以降来院頻度の間隔をあけてご来院。
症例 2
20代 男性
1年ほど前からおでこの生え際の薄毛が気になっている。
薬以外での改善方法を求め、当院へご来院された。
施術
おでこの生え際の髪は少し薄く頭皮が透けていました。
頭皮の毛細血管の血流が増えることで、毛母細胞が活性化し発毛作用があるといわれています。頭皮の血流改善を目的に、頭頂部と生え際に鍼通電を行いました。首肩の筋緊張緩和を目的に、首肩周りの筋肉にはしっかりと刺激を入れ筋緊張をとっていきました。
また、全身的な血流改善、内臓機能の調子を高めるため、自律神経調整施術も行っていきました。
来院頻度は1週間に1回。
一回目〜十回目
毛髪の状態に変わりはないが、施術を受けるようになってから体調が良い。
頭皮の状態を改善するため、生活習慣を見直すようになった。睡眠時間を確保し、食事は外食が多かったため、バランスを考え自炊を行うようになった。
十一~十五回目
少しずつ生え際の髪が増えてきた。髪全体的にコシが出てきた。
十六~二十五回目
生えてきた髪が伸び、太さもでてきた。
薄さが気にならなくなったため、施術を終了した。
薄毛とは髪が生え変わるたびに少しずつ細く弱くなり髪の毛の艶やこしがなくなって、
全体的に髪の毛のボリュームがなくなっている状態のことです。遺伝的な素因や男性ホルモンの影響などが考えられますが、現代社会においては
などが、要因となっています。薄毛に悩む人は多く、20代から50代の男性で、半数以上が気にしているというデータもあります。また女性にも、薄毛で悩んでいる人は多いようです。女性では10人に1人の割合で悩んでいるのです。

髪の毛が生え変わる過程を『ヘアサイクル』と言います。
髪の毛一本一本には寿命があります。伸びては抜けて、伸びては抜けて新しく生え変わることを繰り返します。髪は一日に0.3~0.5ミリ、一か月で約1.2センチ、一年では約15センチ伸びます。髪はずっと伸び続けるかというと、そうではありません。ヘアサイクルには、成長期、退行期、休止期があり、髪は成長期(4年〜6年)に伸びていくのです。
毛母細胞分裂し髪が伸びる成長期が長ければ、その分長く太くなる傾向にあります。その後、成長が止まる退行期(2〜3週間)を経て、休止期(数か月)になると
新たな成長を始めた髪に押し出されるようにして自然に抜け落ちます。
毛髪は一本一本ヘアサイクルが違うので、
一度にまとめ抜けることは正常であればないのです。
このヘアサイクルの乱れによって髪の毛が成長できないことにより薄毛になります。
薄毛の原因は様々で生活習慣との関連が非常強く出やすいです。
また男女でも原因や薄毛の部位などにも違いが出てきます。
① 栄養バランスの乱れ
毛髪のほとんどはケラチンというアミノ酸(タンパク質)からできています。ケラチンは年齢とともに減少していきます。加齢に加えて、不規則な食生活・飲酒・喫煙も原因になります。栄養が十分でないと、髪の毛の成長は低下してしまいます。栄養のない土から綺麗な花が咲かないのと同様、土台(バランスの良い栄養素)が良い状態であれば、
毛髪の状態も良い状態なのです。
特に髪や頭皮の活性化に欠かせないビタミンB群や亜鉛などを充分に摂取できると良いです。難しい場合はサプリメントなどを活用できると良いでしょう。
② 睡眠不足
睡眠は毛髪の成長にとって非常に重要です。
人間の細胞は睡眠時に細胞分裂して新しい細胞に生まれ変わります。髪の毛も同様に睡眠時に成長して生まれ変わります。
特に成長ホルモンとの関係が深く、成長ホルモンが一番多く分泌される時に髪の毛も成長して太く伸びていきます。成長ホルモンは副交感神経が一番優位でかつ、午後10時〜午前2時の間が一番分泌されます。つまりこの時間に寝ていることは、髪にとっても身体にとっても非常に大切なことと言えます。遅くとも日付が変わるまえには寝るようにしましょう。
③ ホルモンバランスの乱れ
女性では、加齢や閉経、出産などによってホルモンバランスが乱れることで、ヘアサイクルに影響して髪が細くなり、頭髪全体の密度が少なくなることが多いです。
男性では、男性ホルモンの一つであるテストステロンが毛髪に攻撃性の高いDHT(ジヒドロテストステロン)により、前頭部や頭頂部の薄毛になりやすいのが特徴です。
男女ともに不規則な生活リズムが一番の大敵といえます。規則正しい生活習慣が薄毛改善への基礎といえるでしょう。
④ 環境因子
頭皮が紫外線にさらされると、毛母細胞がダメージをうけ薄毛の原因に繋がります。
またパーマやカラーリングなどで髪にダメージを与えるのも環境因子といえます。
老人性白内障の鍼灸治療はWHO(世界保健機構)に適応疾患として定義されています。
当院の白内障に対する施術は、眼の周辺の経穴にハリやお灸をすることにより、眼の血行状態を良くして視機能の回復を促します。当院では、初期の老化による白内障・紫外線の活性酸素増加に伴う白内障を施術対象と考えております。目の周囲の血流改善により老化を防ぎ、活性酸素を排出することで白内障を予防する効果が期待できます。

また白内障は五臓六腑の「肝」と「腎」に深く関係しているので肝や腎に関する経穴を用いて「肝血」や「腎精」を補うことや肝気の巡りをよくします。
目の老化が原因で白内障が発生している場合、目ばかりでなく体全体が老化しています。当院では、東洋医学の診断法に基づき診断して、東洋医学の特徴である全身を診て調整施術致します。そうすることで、目ばかりでなく体の老化予防や体調改善に繋がります。

白内障の手術は、日帰りの手軽にできる手術の場合が多く、視力回復が期待できます。しかし、はり灸施術でも病状の初期や予防には対応できますのでぜひ一度ご相談ください。
中医学では五臓六腑の肝は眼に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能の障害が深く影響していると考えられていてその中でも「肝血」が不足した状態に陥ると視覚の異常や運動系の異常などがみられます。
また中医学では肝と腎は同じ源にあるといわれており、「肝血」と「腎精」は互いに補い合っています。加齢により「腎精」が減少した状態だと「肝血」にも影響を与えると考えられます。それは白内障を引き起こす原因にもなります。

白内障はさまざまな原因で眼の水晶体という部分が濁る病気です。昔から俗に「しろそこひ」と呼ばれています。私たちが眼で見ている映像は、外から入ってきた光が角膜・水晶体や硝子体を通り抜けて網膜で集められた映像が電気信号に変わり視神経から脳へと伝えられ、はじめて物として見ることができるのです。
また物を見るために対象物にピントをあわせているのが毛様体です。毛様体には毛様体筋があって、この働きにより遠くの物を見るときには水晶体が薄くなり、近くの物を見るときは水晶体が厚くなります。その水晶体が様々な原因で濁って様々な症状の原因となります。
症状として
ⅰ)目がかすむ
一番多い症状で、ひどくなると前に人がいるのがわからなくなるまで進行します。
ⅱ)明るいところで眩しく感じる
光のあたる明るい場所に出るとまぶしくつらさを感じます。
ⅲ)物がだぶって見える
片目で見ていて、二重三重に物がだぶって見えます。(複視)
ⅳ)視力が低下する
細かい字が読みにくくなって老眼と間違えやすいが、白内障の場合は老眼鏡をかけてもよく見えません。
ⅵ)近くが一時的に見えやすくなる
中心部の濁りが強くなることで近くが見えるようになるために老眼が一時的に良くなったように思われがちだが、やがて全体が見えにくくなります。
白内障の発症は45歳以上の中年世代に多く、年齢を重なるにつれて発症しやすくなります。また80歳以上の高齢者はほとんどなんらかの原因により白内障の症状を引き起こしています。進行の速さには個人差があって、目が見えづらくなるといった症状に至るとは限りません。
白内障は老人性白内障・糖尿病による白内障・アトピー性皮膚炎による白内障・先天性白内障・紫外線や赤外線による白内障・薬の副作用による白内障などがあります。
ⅰ)老人性白内障
白内障でもっとも多い原因が加齢によるものです。年を取れば誰しも体力が落ちて身体機能が低下し、病気になりやすくなります。それと同じように白内障も眼の機能が低下して水晶体がだんだんと濁ってきます。進行のスピードは人それぞれですが、10年、20年かけてゆっくり進行していきます。
ⅱ)糖尿病による白内障
高血糖が長く続くことにより水晶体の成分に変化が起こって白内障が発症することがあります。早い人では30~40歳代から発症してたちまち進行していきます。また糖尿病による白内障の場合、白内障手術後に網膜剥離や緑内障を発症する可能性が高くなると言われています。
ⅲ)アトピー性皮膚炎による白内障
アトピー性皮膚炎の場合に眼瞼皮膚炎や顔に強い湿疹がある人は白内障になる可能性が高いと言われています。かゆみにより眼部をたたくことで白内障を発症する外傷説やステロイド投与による副作用だと考えられています。
ⅳ)先天性白内障
先天性白内障は遺伝であったり母親の胎内で風疹に感染したりすることで、先天的に白内障をもって生まれてきます。
ⅴ)紫外線や赤外線による白内障
活性酸素は本来、体の中の病原菌などを退治してくれる強い味方ですが、それが増え過ぎると自分の細胞までも攻撃してしまいます。外で紫外線を浴びることで活性酸素が発生して水晶体の中のたんぱく質を酸化させて白く濁らせ白内障となります。
初期の白内障は点眼薬で進行を遅らせることができる場合もありますが、濁った水晶体を戻すことはできません。進行した白内障に対しては濁った水晶体を手術で取り除き、眼内レンズを挿入する方法が一般的です。最近は手術により大多数の患者さんにとって視力を回復することができる安全な手術となりましたが、手術の合併症によって重篤な視力障害が生じる場合もあるようです。
白内障を予防するには、活性酸素を増やさないことが大事です。活性酸素は、体内に適度にあれば侵入してきた細菌などを破壊して身体を守ってくれる働きがあります。
しかし、体の中で活性酸素が増えすぎてしまうと細菌だけでなく自分の大事な細胞までも攻撃して破壊してしまうのです。また、活性酸素は身体を酸化させる(体を錆びさせる)恐れもあり、身体の老化を促進させてしまう可能性もあります。
目の観点から見ると紫外線を浴びることで眼球に活性酸素ができて、それが増えすぎてしまうと水晶体の白濁がおきてしまい白内障となってしまいます。体が健康な状態の時は、活性酸素を排除する働きで白内障になることを防ぐことができます。しかしそれらの働きが弱いと白内障となる確率が高くなります。白内障を予防するのに重要なことは食事です。
食べ物の中でも活性化酸素を防ぐ食材があり、それらの食材をバランスよくとることが重要です。
症例1
40代 女性
半年前に白内障と診断され、手術を勧められたが抵抗があるため他の治療方法はないかと探し当院を受診した。
半年前から少しずつ進行しており、不安になってきている。
症状はかすみや羞明、眼精疲労、ドライアイなどがあり、目の見えにくさから首肩コリ、頭痛が強く感じる。
仕事や人間関係のストレスから睡眠障害や不安感も見られるようになり、心療内科で神経症と診断され投薬治療を受けている。
仕事はデスクワークで1日10時間パソコンを使用し、それ以外でもスマートフォンを頻繁に見るため目はかなり酷使している様子。
当院の施術
まず、ストレスやお身体の緊張度合いから自律神経の乱れの可能性が高かったため、自律神経測定器で現在のお身体の状態を確認しました。
ストレスの度合いは非常に高く、交感神経が8、副交感神経が2という割り合いから自律神経の乱れがあることを判明しました。
まず全身の血流や自然治癒力の向上を目的に自律神経調節治療を行いました。
他に首肩の筋緊張の緩和、眼の周囲に刺鍼し低周波鍼療法で刺激していきました。
治療頻度は週に1~2回のペースで通っていただきました。
経過
1回目
初めての鍼で緊張されていたので、初回はソフトな刺激量で施術を行いました。
2回目
前回後、とてもよく眠れるようになった。
鍼も慣れてきた。
3回目
眼の状態はまだ変わりないが、肩首の緊張が緩和し、リラックスできる。
4回目
睡眠の質が向上してきた。
5回目
目の疲れやすさが以前より出にくくなってきた。
6回目
少しかすみが減少してきた。
7回目
視界が少しだけクリアになってきた。
首肩コリも緩和。
8回目
かすみが薄くなってきた。まぶしさも減少。
9回目
視界が広がり、視力が上がったように感じる。
10回目
まぶしさはほとんど気にならない。
11回目
かすみ、まぶしさともにほとんど気にならない。
現在もメンテナンスのため通院中。
症例 2
70代 女性
3年程前に白内障と診断された。視界はかすんで見えている。緑内障も患っており、点眼薬を20年ほど使用している。眼圧は安定しており視野欠損はない。白内障の手術を避けたいため、ご来院された。
施術
白内障と緑内障の進行予防のため、眼の周りのツボに鍼通電とお灸を行い、血液循環の促進を図っていきました。腎や肝を補うツボを用い、全身的な自律神経調整施術も同時に行いました。
来院頻度は1週間に1回。
一回目
初めての鍼治療のため、鍼の刺激は弱めで、置鍼とお灸で施術を行った。リラックスでき、身体や眼の周りがほぐれたように感じた。
二~十回目
眼の周りに鍼通電を行った。施術後は視界のかすみが減り、見えやすくなる。
十一~二十回目
施術を受けるようになってから、体調が良く、睡眠時間が伸びた。視界は以前よりはっきりして見えるようになった。
以降も週一回のペースでご来院中。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
東洋医学では、現代医学での28週以降の骨盤位を逆子とするという概念は18世紀後半に至るまでなかったころもあり、逆子に対する鍼灸治療は古くから行われてきた各疾患に対する鍼灸治療と比べて歴史はそれほど長くはありません。
しかし、逆子に対する鍼灸治療の論文が出ていることで積極的に施術が行われています。
逆子の治療で主に使われるツボは、
・至陰(足の小指の爪の付け根、外側に位置する)
・三陰交(足の内くるぶしのうえ指4本分上に位置する)
です。至陰は難産時に胎児をスムーズに出すツボとして昔から使われてきたツボです。また、三陰交は産婦人科症状に対して良く効果のあるツボとして知られており、逆子治療の他にも妊娠中の体調維持にもよく使われるツボです。

逆子に対する当院の治療は、特効穴と言われる至陰と三陰交にお灸施術を行います。その他
・自律神経の状態を計測して自律神経を整えること
・お灸で身体全体を温めて冷えの改善
・東洋医学的観点より足の腎経・肝経・脾経のツボを用いて出産に重要な三経の状態を整える
これらを基本的にははり灸を用いて施術していきます。はり灸施術が苦手という方には刺激量を調整したり、マッサージなど手技療法を行ってリラックスできる施術を心掛けております。

妊娠28週を過ぎると一般的に逆子と診断されることが多く、28週過ぎて逆子が問題視されてからすぐに鍼灸施術を開始するとそれだけ逆子が治る可能性が高まります。治療開始が33週くらいまでであれば鍼灸治療による回転率は高くなります。
産婦人科などで逆子と診断されたら早い時期から鍼灸治療を始めることをおすすめします。

逆子に対する鍼灸治療は、以前よりおこなわれており、特に至陰や三陰交というツボにお灸をすると逆子が治るとして広く知られています。
一般的に妊娠8カ月を超えてまだ逆子の状態だと、赤ちゃんの体が成長して子宮内で動き回ることが出来にくくなるため、逆子は治りにくくなると言われています。逆子のままの出産となると赤ちゃんの成長には問題はありませんが、分娩時に時間がかかったりへその緒が圧迫されやすかったりと胎児母体とともにリスクが高まります。その場合、帝王切開術での出産となってしまう事があります。
至陰へのお灸でなぜ逆子が治るのかその機序ははっきりとはいまだ解明されてはいません。しかし、至陰へのお灸で子宮動脈の血管抵抗指数(RI)が低下したという報告もあり、子宮筋の緊張が低下して逆子の改善につながるのではないかと考察されています。
また、全日本鍼灸学会の逆子の研究
では、至陰へのお灸と三陰交への灸頭鍼で骨盤位(逆子)584例中525例が逆子が改善された(改善率89.9%)という報告があり、鍼灸治療が有効な治療法として紹介されています。
逆子とは子宮内で赤ちゃんの頭が上腹部や臍横にある状態をいいます。
通常、胎児は妊娠後期となると頭部の重たさや頭から産道を通り抜けるために胎児の頭は子宮口に向いていて逆に臀部や足は上腹部にあります。こちらのほうがスムーズに出産しやすいと言われており、逆子の状態での分娩となってしまうと分娩時間が長くなってしまったりと母子とともに危険な状態となってしまう可能性があります。

妊娠中期・妊娠7ヶ月くらいまではまだ胎児も成長しておらず、子宮内にスペースがあり胎児が動きやすいため約30%が逆子の状態となると言われています。妊娠7カ月を過ぎると頭が恥骨側に位置する正常な頭位で安定することが多いです。しかし、それとは逆に逆子の位置で安定することもあり、逆子の状態で出産期を迎える人は日本では3~5%の頻度と言われています。
逆子で出産を迎えると様々なリスクがあります。
妊娠中の逆子のリスクとして
早産
逆子となるとお腹の張り感が強くなり、早産となってしまう危険性があります。早産は妊娠37週より前に出産することで体重2500g未満の低出生体重児が生まれるリスクがあり、正規産児と比べて自閉症や多動性障害・学習障害などの発達障害になってしまう危険性が高くなることが知られています。
破水
胎児が正常な頭位で子宮口に頭が向いている場合子宮口にちょうど栓をしている状態となり、羊水が流れ出るリスクを軽減させてくれます。しかし、逆子の場合は足が子宮口に向いているので子宮口に栓がされていないため羊水が流れ出てしまうリスクが高まるのです。破水をしてしまい羊水が極端に減ってしまうと胎児に酸素や栄養が届かなくなってしまい胎児に肺機能の障害が出たり、最悪の場合胎児が亡くなってしまうこともあります。また、細菌が胎児に及ぶ危険性もあり、肺炎や髄膜炎などの感染症を引き起こす原因にもなります。
出産時の逆子のリスクとしまして
分娩時間が長くなる
逆子の状態で出産に至る場合、出産する際に頭がでづらくなってしまい、母子ともに体力の消耗が激しくなり、命の危険まで及ぶ危険性もあります。そのため、日本では帝王切開を選択する産科医が増加傾向にあります。
帝王切開
逆子での分娩となると胎児と母体に負担がかかり過ぎる為、帝王切開での出産が増えています。帝王切開は一般的に胎児に影響を及ぼす危険性は少ないと言われていますが、母体には手術という事になりますのでリスクは伴います。妊娠中は血栓が出来やすい状態なので肺塞栓症や感染症などにかかる危険性があります。また麻酔による副作用が胎児に影響を及ぼすこともあります。
逆子になってしまう原因として考えられるものは母子側と胎児側があり、母子側で考えれる原因として、骨盤が小さいことや胎盤異常、子宮の奇形や子宮筋腫などが考えられます。胎児側の考えれる原因としまして胎児奇形や双子・三つ子などの多胎妊娠などが挙げられます。しかし、原因不明で逆子になる場合も非常に多いです。その場合、体の冷えやストレス過多による自律神経の乱れなどが考えられます。
30代女性
妊娠31週目。2ヶ月前から逆子だとクリニックで言われ、今日まで変化なし。
お腹の中で動いているのは感じられるし、羊水も多いから様子をみることになったが不安だったため当院を受診した。
慢性的に手足は冷えやすい。身体の疲れや痛みは特になし。
鍼灸ははじめてで緊張する。
当院の治療
三陰交と至陰をメインにお灸を施した。
足先とお腹の冷えが強かったため、足は遠赤外線で、お腹は電子温灸器で温めながら施灸した。三陰交はやんわり熱を感じる程度に10壮づつ。至陰はすこし熱いと感じる程度に20壮づつ刺激をいれる。
本人曰く身体の疲れはないとのことだったが、腰、背中のハリが強かったので浅めの鍼とマッサージを行った。
◇1回目◇
施灸しているときに赤ちゃんが動いているのがわかった。
片足のお灸が終わった頃にはぽかぽかする感じがあり、施術後は全身があたたかくなり眠くなった。
腰も自分が思っていたよりもこっていて、マッサージをしてもらい軽くなった。
次の日の検診では逆子が治っていた。
30代女性
妊娠33週目。31週のときに逆子が分かり、逆子体操やストレッチなどを試したがまわらなかった。婦人科でお灸がいいと勧められて当院に来院された。
妊娠前から首肩こりがあったが、最近はさらに辛く感じる。
当院の治療
足首から下の冷えが強かったため、まずは温めることを目的にお灸を行った。
三陰交、豊隆は15壮、至陰は20壮。
また、身体のコリも強かったため横向きで首から腰にかけての筋緊張の緩和も行った。
◇1回目◇
三陰交のお灸はすぐに感じたが、至陰のお灸は感じるまでに時間ががかかった。
お灸の最中は赤ちゃんが動く回数が多かった。
首、肩まわりはすっきりして楽になった。
◇2回目◇
前回のあとに検診があったが、まだ治っていなかった。
自宅用にお灸を購入し、自宅でのセルフケアも行うようにした。
◇3回目◇
お灸の刺激をあげてみた。少し熱かったが、今までで一番赤ちゃんが動いた。
2日後の検診で逆子が治ったことがわかった。
20代 女性
妊娠33週目の定期健診で逆子と診断された。
このまま治らなければ帝王切開の可能性もあるといわれ、逆子にはお灸が良いと聞いたことがあるため当院で逆子の施術を受けるために来院した。産婦人科の検診時には完全な骨盤位ではなく、横向きの状態である横位であった。初めてのお産で不安が大きいため帝王切開はできるだけ避けたいと思っている。
当院の施術
まず母体の状態を確認したところ、足の冷えが強く感じました。足の冷えが強い人はその冷えが下腹部まで伝わり子宮の筋肉の動きを抑制してしまいます。
また、腰回りや肩の筋緊張が強かったため、より身体のリラックス状態作りだすために首肩腰周りの筋緊張緩和と、至陰、三陰交にお灸で熱刺激を入れていきました。
また、普段の生活で足をあまり冷やさないようにする、ご自宅でできるお灸の方法などをアドバイスしました。
施術間隔は、2日に1回のペースで行っていきました。
経過
◇1回目◇
施術後は体がポカポカ温かくなって、よく眠れた。
また、施術中はお腹の赤ちゃんが良く動いていた。
◇2回目◇
同じ施術方法
しっかり熱刺激を入れていきました。
◇3回目◇
検診で逆子が改善されていた。
その後無事出産されたという報告をいただきました。
清水大地

資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
①副交感神経を高めるためにお腹に刺鍼します。
同時にお腹を温めていきます。ストレス社会による交感神経優位の方は副交感神経を高めていくことが必要となります。

副交感神経と交感神経は互いにバランスを取り合う関係でもあるため、一方を高めていくことでもう一方をコントロールしていきます。
副交感神経はリラックス神経と呼ばれています。
人がリラックスした時に優位になるため休息時や睡眠時、食事中に活動します。
食事をすると内臓系が働くことから副交感神経が優位になるのでお腹を外部から刺激することで内臓に刺激を与えられます。
②次にうつ伏せ治療では主に症状に合わせた治療を行います。
胃腸の働きを高めていくよう背部にお灸を施すことが多いです。

交感神経は筋肉の緊張を高めますので、全身の筋緊張緩和によりリラックスでき副交感神経が優位になりやすい状態にしていきます。
特に大事にしていますのが、頸部の筋緊張がよくほぐれるように治療します。
PC仕事や目を酷使される方は決まって後頭部が緊張しています。この部分は経験上ですが、うつ病の方やプレッシャーが強い管理職の方も硬く緊張しやすいです。
これは考え事に追われるとストレスを感じてその反応が頭の近くにでるのではと考えています。
そのためこの部分をよく治療すると、寝つきが良くなったり、睡眠時に起きなくなったとよく喜ばれています。
当院の治療方針は自律神経を重点に見ており、
現代のストレス社会や生活習慣病に対して治療や予防をしております。
死の四重奏やうつ、不眠などの病気や症状は自律神経が大きく関与していると考えられています。
自律神経は、交感神経と副交感神経の2種類があり、双方のバランスによって身体をコントロールしています。
このバランスが仕事や悩み、育児などで大きく崩れると身体の体調も大きく変化します。
身体全体をコントロールしているため、部分的な症状より全身症状になります。
全身の症状の中でも糖尿病、肥満、高脂血症、高血圧の四つは「死の四重奏」と呼ばれます。
二つ以上で習慣病に発展していきやすく、2つ3つと重なるほど生活習慣病のリスクが高まります。
日本では、この生活習慣病による罹患率がとても高く、この四つが引き金となって心筋梗塞や脳梗塞に発展します。
将来の健康は日々の積み重ねより守られていくもので、罹ってからでは後戻りができません。
微々たる原因の積み重ねで将来大きなものになっていきますから、今のうちから微々たる修正を加えていくことで、大きな代償を払って修正しなくて済むようにしていきましょう。
鍼灸治療はお薬や外科的手術とは違い、身体が本来もっている自然治癒力をたかめる治療法です。
治療概念は自然から組み立てられているため、人にも優しい治療法となるわけです。お薬のように副作用もありません。
自律神経は自然環境に沿って過ごせば、大して崩れないものです。
ですが、今の時代生活をしていくためにもお仕事をしなければなりません。
デスクワークの方は・・・・
・腰痛
・肩こり
・手足の冷、えむくみ
PCやスマホを使われる方は・・・・
・眼精疲労
・近視
・乱視
夜勤などがある方は・・・・
・うつ病
・自律神経失調症
・精神疾患
働くことによる身体の代償はいろいろですが、すべては身体のバランスが乱れることから起きています。
痛い場所だけの治療や慰安目的だけの治療ではなく、当院では自律神経を調整療法で根本から見直す治療が身体を健康にしていきます。
今から少しずつ体を見直していってみましょう。
1.主に朝は必ず朝日を浴びるように勧めています。
朝日を浴びることで人の体内時計はリセットされて夜に眠気がくるようになっています。
この体内時計こそ自律神経が大きく関与していますのです、朝日がその日のスタートに欠かせないことになります。

2.次にコップ一杯のお水を飲んでいただきます。
夜に汗により水分が抜けてしまったこともありますが、第一は内臓をゆっくり動かすのにちょうどいいからです。
内臓が動くことで副交感神経が動き出します。
朝はこれから行動していくため本来は交感神経を高めていきたいのですが、これは現代のストレス社会の人にお勧めしている方法です。

3.夜は、PCやスマホなどの目に刺激になるものは控えていただきます。
帰ったら家をなるべく暗くしてもらいます。暗い状況ですと身体がリラックスするためです。

4.なるべく睡眠三時間前に晩御飯を済ませていただきます。
空腹で睡眠することによりホルモンが上手くでて身体を修復してくれます。

これが一日の健康なリズムとなります。
これに時間が取れる方や余裕がでてきた方には、
毎朝のウォーキングをしてもらいます。
汗をかくぐらいのウォーキングで泌尿器が鍛えられます。
息が早くなるぐらいで呼吸器が鍛えられます。
さらに息切れするぐらいで筋骨系が鍛えられて、脳内からはドーパミンが出てきます。
時間としては40分がお勧めです。
40分以上ですと身体が疲れてしまい、40分以下ですと効果がでません。
当院の自律神経調整法とこの生活指導を行っていただくことで将来の健康を作っていきましょう。
症例
40代 男性
以前から不眠で悩まされていて、最近ひどくなってきた。疲れがひどく精神的にも落ち込みが激しくやる気が出ないうつ状態に陥ったため、2か月前から休職している。休職前に比べたら多少改善してきたが、まだ眠れないことが多い。平均睡眠時間は約4~5時間程度。
不眠の状態は入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒があり、それぞれ日によって繰り返す状態。
不眠の他に、うつ状態、手足の冷え、緊張性頭痛、胃腸の不調が見られる。
職業はプログラマーで、睡眠を削って仕事をすることが多く、時には徹夜することもある。
当院の施術
問診で詳しく話をお聞きした後、自律神経測定器で現在のストレス度や自律神経の状態を測定しました。
休職中のためか肉体的ストレスは正常値でしたが、精神的ストレスがやや高い状態でした。
自律神経は昼間にもかかわらず副交感神経の割合が高く、逆に交感神経がほとんど働いていない状態で、交感神経と副交感神経がそれぞれ逆転して働いてしまっている事が分かりました。
触診では、お身体全体の緊張が非常に強く常に力が入っている様な状態で、特に肩首の筋緊張が強く感じました。
まず仰向けで腹部や手足、頭部にあるリラックス効果、自律神経調節に効果が高い経穴に鍼やお灸で刺激をしました。
次にうつ伏せで、背部の経穴や首肩の硬結に刺鍼、また不眠に効果的な安眠穴にも鍼で刺激をしていきました。
経過
◇1回目◇
不眠は大きな変化はないが、施術後は身体がポカポカして気持ちよかった
◇2回目◇
以前より自然とリラックスできるようになってきて、身体の力みが減少
◇3回目◇
以前より入眠時間が早くなったような気がする
寝起きが楽に感じる
◇4回目◇
手足の冷えや胃腸の不調が気にならなくなってきた
中途覚醒が減ってきた
◇5回目◇
1週間の間で不眠が全くない日が4日あった
気分もすごく快適
◇6回目◇
考え事をしてしまうと寝つきが悪い日もあるが、それ以外は十分寝れている
◇7回目◇
平均睡眠時間が7時間まで改善
冷えや胃腸の調子も改善し、気分の落ち込みもなくなった
症例2
60代 女性
何年も前から自律神経の乱れで身体の色んなところに不調が起きている。沢山の病院や民間療法、食事や生活習慣を見直して多少の変化はあるが、すぐに元の不調状態に戻ってしまう。
今は頭痛と食いしばりが一番気になっている。身体のだるさや首肩コリは慢性化していて、一生変わらないと思っている。眠れない日も多く日中はやる気が出ない。今はパートで働く時間を短くしているが、子供の進学費等を考えるともっと働きたいが身体がついていかない。
数年前に家族関係の事で問題が起こったと同時に職場の繁忙期がかさなりうつ病になってから身体の調子がおかしくなった。
当院の治療
自立神経測定器で計測したところ、日中の時間帯でしたが、副交感神経がかなり優位の状態でした。このような方は活動する日中に身体がだるくなる、やる気がでない、逆に夜に脳が活性化して寝付けなくなる等の状態になりやすいです。
自律神経の乱れが大きく関係しているので当院の治療としては、自律神経を調節して頭痛、食いしばり、睡眠の改善からはじめることにしました。
治療経過
◇1回目◇
治療後さっきまであった頭痛がなくなった。
◇2~7回目◇
1回目にあった変化はなく、頭痛も治まらない。
◇8回目◇
治療後頭痛が治まった。
◇9回目◇
日常生活でも頭痛に悩まされる時間がかなり減った。
◇10~15回目◇
回数を重ねるごとに頭痛や食いしばりだけではなく、身体の気になっていただるさ等の悩みもなくなっていった。
◇16回目◇
来院の間隔をあけてメンテナンスとして通う。