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白内障の鍼灸治療

水曜日, 8月 20th, 2025

白内障の予防

老人性白内障の鍼灸治療はWHO(世界保健機構)に適応疾患として定義されています。

WHOの適応疾患について←

 

 

白内障に対する当院の鍼灸治療

当院の白内障に対する施術は、眼の周辺の経穴にハリやお灸をすることにより、眼の血行状態を良くして視機能の回復を促します。当院では、初期の老化による白内障・紫外線の活性酸素増加に伴う白内障を施術対象と考えております。目の周囲の血流改善により老化を防ぎ、活性酸素を排出することで白内障を予防する効果が期待できます。

白内障の鍼灸治療

また白内障は五臓六腑の「」と「」に深く関係しているので肝や腎に関する経穴を用いて「肝血」や「腎精」を補うことや肝気の巡りをよくします。
目の老化が原因で白内障が発生している場合、目ばかりでなく体全体が老化しています。当院では、東洋医学の診断法に基づき診断して、東洋医学の特徴である全身を診て調整施術致します。そうすることで、目ばかりでなく体の老化予防や体調改善に繋がります。

白内障の全身調整鍼灸

 

 

白内障の手術は、日帰りの手軽にできる手術の場合が多く、視力回復が期待できます。しかし、はり灸施術でも病状の初期や予防には対応できますのでぜひ一度ご相談ください。

 

 

白内障の東洋医学的考え

中医学では五臓六腑の肝は眼に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能の障害が深く影響していると考えられていてその中でも「肝血」が不足した状態に陥ると視覚の異常運動系の異常などがみられます。

また中医学では肝と腎は同じ源にあるといわれており、「肝血」と「腎精」は互いに補い合っています。加齢により「腎精」が減少した状態だと「肝血」にも影響を与えると考えられます。それは白内障を引き起こす原因にもなります。

 

白内障とは

白内障はさまざまな原因で眼の水晶体という部分が濁る病気です。昔から俗に「しろそこひ」と呼ばれています。私たちが眼で見ている映像は、外から入ってきた光が角膜・水晶体や硝子体を通り抜けて網膜で集められた映像が電気信号に変わり視神経から脳へと伝えられ、はじめて物として見ることができるのです。
また物を見るために対象物にピントをあわせているのが毛様体です。毛様体には毛様体筋があって、この働きにより遠くの物を見るときには水晶体が薄くなり、近くの物を見るときは水晶体が厚くなります。その水晶体が様々な原因で濁って様々な症状の原因となります。
症状として

ⅰ)目がかすむ
一番多い症状で、ひどくなると前に人がいるのがわからなくなるまで進行します。

ⅱ)明るいところで眩しく感じる
光のあたる明るい場所に出るとまぶしくつらさを感じます。

ⅲ)物がだぶって見える
片目で見ていて、二重三重に物がだぶって見えます。(複視

ⅳ)視力が低下する
細かい字が読みにくくなって老眼と間違えやすいが、白内障の場合は老眼鏡をかけてもよく見えません。

ⅵ)近くが一時的に見えやすくなる
中心部の濁りが強くなることで近くが見えるようになるために老眼が一時的に良くなったように思われがちだが、やがて全体が見えにくくなります。

白内障の発症は45歳以上の中年世代に多く、年齢を重なるにつれて発症しやすくなります。また80歳以上の高齢者はほとんどなんらかの原因により白内障の症状を引き起こしています。進行の速さには個人差があって、目が見えづらくなるといった症状に至るとは限りません。

 

 

白内障の種類

白内障は老人性白内障・糖尿病による白内障・アトピー性皮膚炎による白内障・先天性白内障・紫外線や赤外線による白内障・薬の副作用による白内障などがあります。

ⅰ)老人性白内障
白内障でもっとも多い原因が加齢によるものです。年を取れば誰しも体力が落ちて身体機能が低下し、病気になりやすくなります。それと同じように白内障も眼の機能が低下して水晶体がだんだんと濁ってきます。進行のスピードは人それぞれですが、10年、20年かけてゆっくり進行していきます。

ⅱ)糖尿病による白内障
高血糖が長く続くことにより水晶体の成分に変化が起こって白内障が発症することがあります。早い人では30~40歳代から発症してたちまち進行していきます。また糖尿病による白内障の場合、白内障手術後に網膜剥離や緑内障を発症する可能性が高くなると言われています。

ⅲ)アトピー性皮膚炎による白内障
アトピー性皮膚炎の場合に眼瞼皮膚炎や顔に強い湿疹がある人は白内障になる可能性が高いと言われています。かゆみにより眼部をたたくことで白内障を発症する外傷説やステロイド投与による副作用だと考えられています。

ⅳ)先天性白内障
先天性白内障は遺伝であったり母親の胎内で風疹に感染したりすることで、先天的に白内障をもって生まれてきます。

ⅴ)紫外線や赤外線による白内障
活性酸素は本来、体の中の病原菌などを退治してくれる強い味方ですが、それが増え過ぎると自分の細胞までも攻撃してしまいます。外で紫外線を浴びることで活性酸素が発生して水晶体の中のたんぱく質を酸化させて白く濁らせ白内障となります。

 

 

白内障の一般的治療

初期の白内障は点眼薬で進行を遅らせることができる場合もありますが、濁った水晶体を戻すことはできません。進行した白内障に対しては濁った水晶体を手術で取り除き、眼内レンズを挿入する方法が一般的です。最近は手術により大多数の患者さんにとって視力を回復することができる安全な手術となりましたが、手術の合併症によって重篤な視力障害が生じる場合もあるようです。

 

白内障を予防する食事

白内障を予防するには、活性酸素を増やさないことが大事です。活性酸素は、体内に適度にあれば侵入してきた細菌などを破壊して身体を守ってくれる働きがあります。
しかし、体の中で活性酸素が増えすぎてしまうと細菌だけでなく自分の大事な細胞までも攻撃して破壊してしまうのです。また、活性酸素は身体を酸化させる(体を錆びさせる)恐れもあり、身体の老化を促進させてしまう可能性もあります。

目の観点から見ると紫外線を浴びることで眼球に活性酸素ができて、それが増えすぎてしまうと水晶体の白濁がおきてしまい白内障となってしまいます。体が健康な状態の時は、活性酸素を排除する働きで白内障になることを防ぐことができます。しかしそれらの働きが弱いと白内障となる確率が高くなります。白内障を予防するのに重要なことは食事です。

べ物の中でも活性化酸素を防ぐ食材があり、それらの食材をバランスよくとることが重要です。

 

 

  • ・緑黄色野菜を摂る
    ホウレンソウやブロッコリー、ニンジンなどに含まれるルテインは抗酸化作用があると言われています。

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  • ・赤ワインを飲む
    赤ワインに含まれる赤ワインポリフェノールは抗酸化作用があると言われています。

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  • ・ブルーベリーを摂る
    ブルーベリーに含まれるアントシアニンは、目の血流を改善し、新陳代謝を上げることが言われており、抗酸化作用が期待できます。

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白内障の鍼灸治療の症例

症例1

40代 女性

半年前に白内障と診断され、手術を勧められたが抵抗があるため他の治療方法はないかと探し当院を受診した。

半年前から少しずつ進行しており、不安になってきている。

症状はかすみや羞明、眼精疲労、ドライアイなどがあり、目の見えにくさから首肩コリ、頭痛が強く感じる。

仕事や人間関係のストレスから睡眠障害や不安感も見られるようになり、心療内科で神経症と診断され投薬治療を受けている。

仕事はデスクワークで1日10時間パソコンを使用し、それ以外でもスマートフォンを頻繁に見るため目はかなり酷使している様子。

当院の施術

まず、ストレスやお身体の緊張度合いから自律神経の乱れの可能性が高かったため、自律神経測定器で現在のお身体の状態を確認しました。

ストレスの度合いは非常に高く、交感神経が8、副交感神経が2という割り合いから自律神経の乱れがあることを判明しました。

まず全身の血流や自然治癒力の向上を目的に自律神経調節治療を行いました。

他に首肩の筋緊張の緩和、眼の周囲に刺鍼し低周波鍼療法で刺激していきました。

治療頻度は週に1~2回のペースで通っていただきました。

 

経過

1回目

初めての鍼で緊張されていたので、初回はソフトな刺激量で施術を行いました。

2回目

前回後、とてもよく眠れるようになった。

鍼も慣れてきた。

3回目

眼の状態はまだ変わりないが、肩首の緊張が緩和し、リラックスできる。

4回目

睡眠の質が向上してきた。

5回目

目の疲れやすさが以前より出にくくなってきた。

6回目

少しかすみが減少してきた。

7回目

視界が少しだけクリアになってきた。

首肩コリも緩和。

8回目

かすみが薄くなってきた。まぶしさも減少。

9回目

視界が広がり、視力が上がったように感じる。

10回目

まぶしさはほとんど気にならない。

11回目

かすみ、まぶしさともにほとんど気にならない。

現在もメンテナンスのため通院中。

 

症例 2

70代 女性

3年程前に白内障と診断された。視界はかすんで見えている。緑内障も患っており、点眼薬を20年ほど使用している。眼圧は安定しており視野欠損はない。白内障の手術を避けたいため、ご来院された。

施術

白内障と緑内障の進行予防のため、眼の周りのツボに鍼通電とお灸を行い、血液循環の促進を図っていきました。腎や肝を補うツボを用い、全身的な自律神経調整施術も同時に行いました。

来院頻度は1週間に1回。

一回目
初めての鍼治療のため、鍼の刺激は弱めで、置鍼とお灸で施術を行った。リラックスでき、身体や眼の周りがほぐれたように感じた。

二~十回目

眼の周りに鍼通電を行った。施術後は視界のかすみが減り、見えやすくなる。

十一~二十回目

施術を受けるようになってから、体調が良く、睡眠時間が伸びた。視界は以前よりはっきりして見えるようになった。

以降も週一回のペースでご来院中。

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

逆子のお灸治療

火曜日, 8月 19th, 2025

逆子の鍼灸治療

東洋医学では、現代医学での28週以降の骨盤位を逆子とするという概念は18世紀後半に至るまでなかったころもあり、逆子に対する鍼灸治療は古くから行われてきた各疾患に対する鍼灸治療と比べて歴史はそれほど長くはありません。

しかし、逆子に対する鍼灸治療の論文が出ていることで積極的に施術が行われています。
逆子の治療で主に使われるツボは、
至陰(足の小指の爪の付け根、外側に位置する)
三陰交(足の内くるぶしのうえ指4本分上に位置する)
です。至陰は難産時に胎児をスムーズに出すツボとして昔から使われてきたツボです。また、三陰交は産婦人科症状に対して良く効果のあるツボとして知られており、逆子治療の他にも妊娠中の体調維持にもよく使われるツボです。

逆子に対する至陰へのお灸

逆子に対する当院の治療

逆子に対する当院の治療は、特効穴と言われる至陰と三陰交にお灸施術を行います。その他
・自律神経の状態を計測して自律神経を整えること
・お灸で身体全体を温めて冷えの改善
・東洋医学的観点より足の腎経・肝経・脾経のツボを用いて出産に重要な三経の状態を整える

 

これらを基本的にははり灸を用いて施術していきます。はり灸施術が苦手という方には刺激量を調整したり、マッサージなど手技療法を行ってリラックスできる施術を心掛けております。

逆子に対する三陰交へのお灸

妊娠28週を過ぎると一般的に逆子と診断されることが多く、28週過ぎて逆子が問題視されてからすぐに鍼灸施術を開始するとそれだけ逆子が治る可能性が高まります。治療開始が33週くらいまでであれば鍼灸治療による回転率は高くなります。
産婦人科などで逆子と診断されたら早い時期から鍼灸治療を始めることをおすすめします。

逆子に対する腹部への温灸

逆子に対する鍼灸治療は、以前よりおこなわれており、特に至陰三陰交というツボにお灸をすると逆子が治るとして広く知られています。
一般的に妊娠8カ月を超えてまだ逆子の状態だと、赤ちゃんの体が成長して子宮内で動き回ることが出来にくくなるため、逆子は治りにくくなると言われています。逆子のままの出産となると赤ちゃんの成長には問題はありませんが、分娩時に時間がかかったりへその緒が圧迫されやすかったりと胎児母体とともにリスクが高まります。その場合、帝王切開術での出産となってしまう事があります。

逆子の至陰へのお灸効果について

至陰へのお灸でなぜ逆子が治るのかその機序ははっきりとはいまだ解明されてはいません。しかし、至陰へのお灸で子宮動脈の血管抵抗指数(RI)が低下したという報告もあり、子宮筋の緊張が低下して逆子の改善につながるのではないかと考察されています。

また、全日本鍼灸学会の逆子の研究

お灸で骨盤位(逆子)が治る

では、至陰へのお灸と三陰交への灸頭鍼で骨盤位(逆子)584例中525例が逆子が改善された(改善率89.9%)という報告があり、鍼灸治療が有効な治療法として紹介されています。

逆子とは

逆子とは子宮内で赤ちゃんの頭が上腹部や臍横にある状態をいいます。

通常、胎児は妊娠後期となると頭部の重たさや頭から産道を通り抜けるために胎児の頭は子宮口に向いていて逆に臀部や足は上腹部にあります。こちらのほうがスムーズに出産しやすいと言われており、逆子の状態での分娩となってしまうと分娩時間が長くなってしまったりと母子とともに危険な状態となってしまう可能性があります。

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逆子のリスク

妊娠中期・妊娠7ヶ月くらいまではまだ胎児も成長しておらず、子宮内にスペースがあり胎児が動きやすいため約30%が逆子の状態となると言われています。妊娠7カ月を過ぎると頭が恥骨側に位置する正常な頭位で安定することが多いです。しかし、それとは逆に逆子の位置で安定することもあり、逆子の状態で出産期を迎える人は日本では3~5%の頻度と言われています。
逆子で出産を迎えると様々なリスクがあります。
妊娠中の逆子のリスクとして
早産
逆子となるとお腹の張り感が強くなり、早産となってしまう危険性があります。早産は妊娠37週より前に出産することで体重2500g未満の低出生体重児が生まれるリスクがあり、正規産児と比べて自閉症や多動性障害・学習障害などの発達障害になってしまう危険性が高くなることが知られています。

破水
胎児が正常な頭位で子宮口に頭が向いている場合子宮口にちょうど栓をしている状態となり、羊水が流れ出るリスクを軽減させてくれます。しかし、逆子の場合は足が子宮口に向いているので子宮口に栓がされていないため羊水が流れ出てしまうリスクが高まるのです。破水をしてしまい羊水が極端に減ってしまうと胎児に酸素や栄養が届かなくなってしまい胎児に肺機能の障害が出たり、最悪の場合胎児が亡くなってしまうこともあります。また、細菌が胎児に及ぶ危険性もあり、肺炎や髄膜炎などの感染症を引き起こす原因にもなります。

出産時の逆子のリスクとしまして
分娩時間が長くなる
逆子の状態で出産に至る場合、出産する際に頭がでづらくなってしまい、母子ともに体力の消耗が激しくなり、命の危険まで及ぶ危険性もあります。そのため、日本では帝王切開を選択する産科医が増加傾向にあります。

帝王切開
逆子での分娩となると胎児と母体に負担がかかり過ぎる為、帝王切開での出産が増えています。帝王切開は一般的に胎児に影響を及ぼす危険性は少ないと言われていますが、母体には手術という事になりますのでリスクは伴います。妊娠中は血栓が出来やすい状態なので肺塞栓症や感染症などにかかる危険性があります。また麻酔による副作用が胎児に影響を及ぼすこともあります。

逆子になる原因

逆子になってしまう原因として考えられるものは母子側と胎児側があり、母子側で考えれる原因として、骨盤が小さいこと胎盤異常子宮の奇形子宮筋腫などが考えられます。胎児側の考えれる原因としまして胎児奇形双子・三つ子などの多胎妊娠などが挙げられます。しかし、原因不明で逆子になる場合も非常に多いです。その場合、体の冷えストレス過多による自律神経の乱れなどが考えられます。

症例①

30代女性

妊娠31週目。2ヶ月前から逆子だとクリニックで言われ、今日まで変化なし。

お腹の中で動いているのは感じられるし、羊水も多いから様子をみることになったが不安だったため当院を受診した。

慢性的に手足は冷えやすい。身体の疲れや痛みは特になし。

鍼灸ははじめてで緊張する。

当院の治療

三陰交と至陰をメインにお灸を施した。

足先とお腹の冷えが強かったため、足は遠赤外線で、お腹は電子温灸器で温めながら施灸した。三陰交はやんわり熱を感じる程度に10壮づつ。至陰はすこし熱いと感じる程度に20壮づつ刺激をいれる。

本人曰く身体の疲れはないとのことだったが、腰、背中のハリが強かったので浅めの鍼とマッサージを行った。

◇1回目◇

施灸しているときに赤ちゃんが動いているのがわかった。

片足のお灸が終わった頃にはぽかぽかする感じがあり、施術後は全身があたたかくなり眠くなった。

腰も自分が思っていたよりもこっていて、マッサージをしてもらい軽くなった。

次の日の検診では逆子が治っていた。

症例②

30代女性

妊娠33週目。31週のときに逆子が分かり、逆子体操やストレッチなどを試したがまわらなかった。婦人科でお灸がいいと勧められて当院に来院された。

妊娠前から首肩こりがあったが、最近はさらに辛く感じる。

当院の治療

足首から下の冷えが強かったため、まずは温めることを目的にお灸を行った。

三陰交、豊隆は15壮、至陰は20壮。

また、身体のコリも強かったため横向きで首から腰にかけての筋緊張の緩和も行った。

◇1回目◇

三陰交のお灸はすぐに感じたが、至陰のお灸は感じるまでに時間ががかかった。

お灸の最中は赤ちゃんが動く回数が多かった。

首、肩まわりはすっきりして楽になった。

◇2回目◇

前回のあとに検診があったが、まだ治っていなかった。

自宅用にお灸を購入し、自宅でのセルフケアも行うようにした。

◇3回目◇

お灸の刺激をあげてみた。少し熱かったが、今までで一番赤ちゃんが動いた。

2日後の検診で逆子が治ったことがわかった。

症例③

20代 女性

妊娠33週目の定期健診で逆子と診断された。

このまま治らなければ帝王切開の可能性もあるといわれ、逆子にはお灸が良いと聞いたことがあるため当院で逆子の施術を受けるために来院した。産婦人科の検診時には完全な骨盤位ではなく、横向きの状態である横位であった。初めてのお産で不安が大きいため帝王切開はできるだけ避けたいと思っている。

当院の施術

まず母体の状態を確認したところ、足の冷えが強く感じました。足の冷えが強い人はその冷えが下腹部まで伝わり子宮の筋肉の動きを抑制してしまいます。

また、腰回りや肩の筋緊張が強かったため、より身体のリラックス状態作りだすために首肩腰周りの筋緊張緩和と、至陰、三陰交にお灸で熱刺激を入れていきました。

また、普段の生活で足をあまり冷やさないようにする、ご自宅でできるお灸の方法などをアドバイスしました。

施術間隔は、2日に1回のペースで行っていきました。

経過

◇1回目◇

施術後は体がポカポカ温かくなって、よく眠れた。

また、施術中はお腹の赤ちゃんが良く動いていた。

◇2回目◇

同じ施術方法

しっかり熱刺激を入れていきました。

◇3回目◇

検診で逆子が改善されていた。

その後無事出産されたという報告をいただきました。

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

自律神経調整鍼灸治療

日曜日, 8月 10th, 2025

自律神経鍼灸治療

 

①副交感神経を高めるためにお腹に刺鍼します。
同時にお腹を温めていきます。ストレス社会による交感神経優位の方は副交感神経を高めていくことが必要となります。

自律神経調整鍼灸治療

 

 

副交感神経と交感神経は互いにバランスを取り合う関係でもあるため、一方を高めていくことでもう一方をコントロールしていきます。
副交感神経はリラックス神経と呼ばれています。
人がリラックスした時に優位になるため休息時や睡眠時、食事中に活動します。
食事をすると内臓系が働くことから副交感神経が優位になるのでお腹を外部から刺激することで内臓に刺激を与えられます。

 

②次にうつ伏せ治療では主に症状に合わせた治療を行います。

胃腸の働きを高めていくよう背部にお灸を施すことが多いです。

うつ伏せの自律神経調整鍼灸

 

交感神経は筋肉の緊張を高めますので、全身の筋緊張緩和によりリラックスでき副交感神経が優位になりやすい状態にしていきます。
特に大事にしていますのが、頸部の筋緊張がよくほぐれるように治療します。

PC仕事や目を酷使される方は決まって後頭部が緊張しています。この部分は経験上ですが、うつ病の方やプレッシャーが強い管理職の方も硬く緊張しやすいです。
これは考え事に追われるとストレスを感じてその反応が頭の近くにでるのではと考えています。

そのためこの部分をよく治療すると、寝つきが良くなったり、睡眠時に起きなくなったとよく喜ばれています。

 

 

死の四重奏

当院の治療方針は自律神経を重点に見ており、
現代のストレス社会や生活習慣病に対して治療や予防をしております。

死の四重奏やうつ、不眠などの病気や症状は自律神経が大きく関与していると考えられています。

自律神経は、交感神経と副交感神経の2種類があり、双方のバランスによって身体をコントロールしています。
このバランスが仕事や悩み、育児などで大きく崩れると身体の体調も大きく変化します。

身体全体をコントロールしているため、部分的な症状より全身症状になります。

全身の症状の中でも糖尿病肥満高脂血症高血圧の四つは「死の四重奏」と呼ばれます。
二つ以上で習慣病に発展していきやすく、2つ3つと重なるほど生活習慣病のリスクが高まります。

日本では、この生活習慣病による罹患率がとても高く、この四つが引き金となって心筋梗塞脳梗塞に発展します。

将来の健康は日々の積み重ねより守られていくもので、罹ってからでは後戻りができません。
微々たる原因の積み重ねで将来大きなものになっていきますから、今のうちから微々たる修正を加えていくことで、大きな代償を払って修正しなくて済むようにしていきましょう。

鍼灸は自然治癒力を高めます!

鍼灸治療はお薬や外科的手術とは違い、身体が本来もっている自然治癒力をたかめる治療法です。
治療概念は自然から組み立てられているため、人にも優しい治療法となるわけです。お薬のように副作用もありません。

自律神経は自然環境に沿って過ごせば、大して崩れないものです。
ですが、今の時代生活をしていくためにもお仕事をしなければなりません。
デスクワークの方は・・・・
・腰痛
・肩こり
・手足の冷、えむくみ
PCやスマホを使われる方は・・・・

・眼精疲労
・近視
・乱視
夜勤などがある方は・・・・
・うつ病
・自律神経失調症
・精神疾患
働くことによる身体の代償はいろいろですが、すべては身体のバランスが乱れることから起きています。
痛い場所だけの治療や慰安目的だけの治療ではなく、当院では自律神経を調整療法で根本から見直す治療が身体を健康にしていきます。

今から少しずつ体を見直していってみましょう。

 

日常生活でやっていただくこと

1.主に朝は必ず朝日を浴びるように勧めています。
朝日を浴びることで人の体内時計はリセットされて夜に眠気がくるようになっています。
この体内時計こそ自律神経が大きく関与していますのです、朝日がその日のスタートに欠かせないことになります。
朝日を浴びる

2.次にコップ一杯のお水を飲んでいただきます
夜に汗により水分が抜けてしまったこともありますが、第一は内臓をゆっくり動かすのにちょうどいいからです。
内臓が動くことで副交感神経が動き出します。
朝はこれから行動していくため本来は交感神経を高めていきたいのですが、これは現代のストレス社会の人にお勧めしている方法です。
寝起きにコップ一杯の水

3.夜は、PCやスマホなどの目に刺激になるものは控えていただきます。
帰ったら家をなるべく暗くしてもらいます。暗い状況ですと身体がリラックスするためです。
夜はパソコンを控える

4.なるべく睡眠三時間前に晩御飯を済ませていただきます。
空腹で睡眠することによりホルモンが上手くでて身体を修復してくれます。
快適な睡眠

これが一日の健康なリズムとなります。

これに時間が取れる方や余裕がでてきた方には、
毎朝のウォーキングをしてもらいます。
汗をかくぐらいのウォーキングで泌尿器が鍛えられます。
息が早くなるぐらいで呼吸器が鍛えられます。
さらに息切れするぐらいで筋骨系が鍛えられて、脳内からはドーパミンが出てきます。

時間としては40分がお勧めです。
40分以上ですと身体が疲れてしまい、40分以下ですと効果がでません。

当院の自律神経調整法とこの生活指導を行っていただくことで将来の健康を作っていきましょう。

 

症例

40代 男性

以前から不眠で悩まされていて、最近ひどくなってきた。疲れがひどく精神的にも落ち込みが激しくやる気が出ないうつ状態に陥ったため、2か月前から休職している。休職前に比べたら多少改善してきたが、まだ眠れないことが多い。平均睡眠時間は約4~5時間程度。

不眠の状態は入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒があり、それぞれ日によって繰り返す状態。

不眠の他に、うつ状態、手足の冷え、緊張性頭痛、胃腸の不調が見られる。

職業はプログラマーで、睡眠を削って仕事をすることが多く、時には徹夜することもある。

 

当院の施術

問診で詳しく話をお聞きした後、自律神経測定器で現在のストレス度や自律神経の状態を測定しました。

休職中のためか肉体的ストレスは正常値でしたが、精神的ストレスがやや高い状態でした。

自律神経は昼間にもかかわらず副交感神経の割合が高く、逆に交感神経がほとんど働いていない状態で、交感神経と副交感神経がそれぞれ逆転して働いてしまっている事が分かりました。

触診では、お身体全体の緊張が非常に強く常に力が入っている様な状態で、特に肩首の筋緊張が強く感じました。

まず仰向けで腹部や手足、頭部にあるリラックス効果、自律神経調節に効果が高い経穴に鍼やお灸で刺激をしました。

次にうつ伏せで、背部の経穴や首肩の硬結に刺鍼、また不眠に効果的な安眠穴にも鍼で刺激をしていきました。

 

経過

◇1回目◇

不眠は大きな変化はないが、施術後は身体がポカポカして気持ちよかった

◇2回目◇

以前より自然とリラックスできるようになってきて、身体の力みが減少

◇3回目◇

以前より入眠時間が早くなったような気がする

寝起きが楽に感じる

◇4回目◇

手足の冷えや胃腸の不調が気にならなくなってきた

中途覚醒が減ってきた

◇5回目◇

1週間の間で不眠が全くない日が4日あった

気分もすごく快適

◇6回目◇

考え事をしてしまうと寝つきが悪い日もあるが、それ以外は十分寝れている

◇7回目◇

平均睡眠時間が7時間まで改善

冷えや胃腸の調子も改善し、気分の落ち込みもなくなった

 

 

症例2

 

60代 女性

何年も前から自律神経の乱れで身体の色んなところに不調が起きている。沢山の病院や民間療法、食事や生活習慣を見直して多少の変化はあるが、すぐに元の不調状態に戻ってしまう。

今は頭痛と食いしばりが一番気になっている。身体のだるさや首肩コリは慢性化していて、一生変わらないと思っている。眠れない日も多く日中はやる気が出ない。今はパートで働く時間を短くしているが、子供の進学費等を考えるともっと働きたいが身体がついていかない。

数年前に家族関係の事で問題が起こったと同時に職場の繁忙期がかさなりうつ病になってから身体の調子がおかしくなった。

 

当院の治療

 

自立神経測定器で計測したところ、日中の時間帯でしたが、副交感神経がかなり優位の状態でした。このような方は活動する日中に身体がだるくなる、やる気がでない、逆に夜に脳が活性化して寝付けなくなる等の状態になりやすいです。

自律神経の乱れが大きく関係しているので当院の治療としては、自律神経を調節して頭痛、食いしばり、睡眠の改善からはじめることにしました。

 

治療経過

 

◇1回目◇

治療後さっきまであった頭痛がなくなった。

◇2~7回目◇

1回目にあった変化はなく、頭痛も治まらない。

◇8回目◇

治療後頭痛が治まった。

◇9回目◇

日常生活でも頭痛に悩まされる時間がかなり減った。

◇10~15回目◇

回数を重ねるごとに頭痛や食いしばりだけではなく、身体の気になっていただるさ等の悩みもなくなっていった。

◇16回目◇

来院の間隔をあけてメンテナンスとして通う。

 

 

ドライマウスに対する鍼灸治療

木曜日, 8月 7th, 2025

ドライマウスに対する当院の鍼灸治療について

 

ドライマウスとは、その名の通り口の中が乾いてしまうことで様々な不快な症状を引き起こしてしまい、生活の質が著しく低下してしまうこともあります。

ドライマウスでは唾液の分泌が低下してしまっています。唾液には、

唾液の作用

があります。

唾液の分泌が低下してしまいますと、歯の病気歯周病などにかかりやすくなってしまいますし、さらには口臭の原因食べ物が飲み込みづらくなり食欲の低下などにもつながりかねません。

当院が施術するドライマウスの鍼灸治療では、3つのポイントに重視して行っております。

ドライマウスの施術ポイント

・自律神経の調整施術

自律神経とドライマウスに関係するのと疑問を持たれるかもしれませんが、実は唾液を分泌する唾液腺は自律神経である副交感神経と交感神経とに支配されており、唾液分泌が反射的に調節されています。
主に副交感神経刺激時にはサラサラとした唾液が分泌されて、交感神経刺激には主としてネバネバした唾液を分泌させます。
よく緊張した状態では、口の中がネバネバして乾くような状態となりますが、交感神経は身体が緊張時に働く神経ですのでその反応として口の中がネバネバするように感じるのです。
ドライマウスの原因は様々なものが挙げられますが、ストレスの一つの原因だと考えられており自律神経の状態も関係してくるものと考えられます。

自律神経測定pptx

当院では現在の副交感神経・交感神経の状態、どちらが優位に活動しているのかを把握した上でその方々に合わせた施術を行っていきます。
ドライマウスでご来院される方の多くは、副交感神経の活動が弱い方が多いので基本的に副交感神経の活動を高めるようなお灸でリラックスできる治療も行っていきます。

自律神経調整

 

・首肩回りや手足のツボを刺激

自律神経の状態を整えるうえで首肩回りや背中の施術は特に重要となっています。脊柱の周りに自律神経節なども存在しており、背部の施術でも自律神経の状態を整えていきます。

当院のドライマウスの施術ではまずうつ伏せで背部や頸肩周りの施術を行ってから次に仰向けとなってお腹や手足さらに頬部を中心に施術を行います。

ドライマウスに関連するツボは頬部に多くあるため頬周りの施術は重要となってきますが、上肢にある合谷や下肢にある足三里太谿といったツボもドライマウスに関連したツボであるためそれらも刺激していきます。

ドライマウスの首肩治療

 

・頬部へのツボの刺激

頬部にある下関・頬車・地倉・廉泉などといったツボに鍼を刺して唾液分泌を促します。それらのツボに鍼を刺して電気を流す鍼通電治療をおこなうことで唾液分泌量が増加したという研究結果もあります。

ドライマウスの電気鍼

 

当院ではこの3つのポイントを重点的に行うことでドライマウスの改善をはかっていきます。
鍼が初めてで少し抵抗があるや電気を流すのが怖いといった方もいらっしゃいますので最初は刺激量はご相談の上決めさせて頂いてなるべく患者様の身体に負担をかけさせないように努めておりますので、何なりとご相談下さい。

 

症例

50代 女性

シェーグレン症候群によるドライマウスに苦しんでいる。

普段から飴を舐めていないと口が乾いてしまい、食事の時は水が手放せない。

とくにパンやビスケットなど水分が少ない食べ物を食べると口や喉に張り付いてしまい非常に苦痛を感じる。

もともとストレスはあまり感じる方ではなかったが、ドライマウスの症状がストレスになりますます口の渇きがひどくなったような気がする。

趣味や湯船に浸かったりリラックスしている状態になると口の渇きは多少マシになる。

当院の施術

自律神経測定器で自律神経の状態を確認しました。

自律神経の状態は、交感神経の働きが過剰になっており副交感神経とのバランスが大きく乱れた状態でありました。

唾液は、ネバネバした粘液性唾液とサラサラした漿液性唾液があります。粘液性唾液がは交感神経によってコントロールしており、緊張したりストレスを感じることで交感神経が高まり粘液性唾液が多く分泌されます。粘液性の唾液が多くなると口がネバネバして乾いた状態になってしまうので、シェーグレン症候群に加え、自律神経の乱れがドライマウスの症状を増悪していることが考えられます。

施術内容は

①自律神経の調節

②首肩の筋緊張の緩和

③顎や耳の下の経穴に鍼通電を施す唾液腺への刺激

以上を中心に行いました。

施術間隔は週に1~2回。

経過

◇1回目◇

施術中に唾液が出てきた感覚があったが、大きくは変化がない。

◇2回目◇

施術後に唾液が滲み出てきた。その後の食事もいつもより楽に食べることができた。

◇3回目◇

食事中に水を飲む回数が減ってきた。

 

症例 2

60代 女性

2年前から口腔内の乾燥感を自覚し始め、特に夜間から朝方にかけての乾燥が強く、睡眠が妨げられることもあった。唾液の分泌が少なくなり、食事がしづらい、話しにくいといった症状も伴っていた。歯科医院で口腔乾燥症と診断され、保湿剤や人工唾液を処方されたが、一時的な効果しか得られず、根本的な改善を求めて鍼灸治療を希望された。

唾液の減少のため食事中の嚥下困難で水が常時必要になり、飲み物がないと飲み込めない。また、会話時にもすぐに口が乾いてしまう。

当院の施術

唾液の分泌は自律神経がコントロールしているため、自律神経を調節する施術をベースに、翳風(耳下腺の近くにあり、唾液分泌促進を期待)頬車( 顎関節や咬筋に関連し、唾液腺の活性化を促す。)廉泉(舌の動きや唾液分泌に関連するツボ。)といった経穴を電気鍼で刺激し唾液の分泌を促す施術を行いました。

経過

◇1回目〜3回目◇

夜間の口渇感がわずかに軽減。日中の乾燥感も少し改善が見られた。

◇4回目〜6回目◇

 夜間目が覚める回数が減少し、睡眠の質が向上。食事の際の嚥下も以前より楽になったと感じるようになった。

◇7回目〜10回目◇

口腔内の潤いが持続する時間が増え、保湿剤の使用頻度が減少した。目の乾燥感も軽減された。舌の乾燥も改善傾向が見られた。

◇11回目以降◇

 症状は安定し、良好な状態を維持。現在も月に1〜2回のペースでメンテナンス治療を継続中。

 

ドライマウスの鍼灸治療のエビデンス

日本における1997年の研究ではドライマウス・ドライアイが主症状となるシェーグレン症候群患者12例と健常成人群5例に対して顔面部へ鍼を刺して低周波鍼通電療法を10分間行い唾液分泌量および涙液分泌量にどのような影響を及ぼすか比較試験を行いました。報告では、唾液障害重症度によって差異は生じるが、低周波鍼通電療法で唾液及び涙液が増加したという結果が出ています。

別の1999年の研究でも口内感想を訴えるシェーグレン症候群の患者11例を含む32例に足して鍼治療の効果を検証した比較試験があります。その結果、鍼治療1カ月後で25例中18例(72%)の唾液分泌量が著しく増加して、6カ月後では23例中17例(74%)の患者に分泌量の増加が見られました。

これらの結果から鍼刺激による唾液分泌量や涙液分泌量の増加についてはカルシトニンなどの血管拡張物質の作用やアセチルコリンの関与によって唾液腺血管の拡張さらに神経ペプチドの活性化などによって分泌量が増加したと考えられています。

※参考文献
『鍼灸臨床 最新科学』 医歯薬出版株式会社

ドライマウスの原因

ドライマウスの原因は様々なものが挙げられます。最近口がよく乾くと言って放置しておくと大変なこと病気が隠れている場合もありますので一度内科などを受診してしっかりと検査することをお勧めします。

ドライマウスの検査から糖尿病シェーグレン症候群などの自己免疫疾患が分かる場合もあります。

シェーグレン症候群の鍼灸治療について

 

他にもドライマウスの原因となるものにストレスからくる自律神経の状態が良くないことなどや咀嚼時間が短いなども挙げられます。

よく噛むことで唾液は分泌されます。しかし、食生活の変化で近年ではよく噛まない人が増えていると言います。咀嚼は唾液の分泌を促すばかりでなく唾液腺自体が衰えていくことでますます唾液の分泌量が低下してしまうのです。

 

ドライマウスチェックシート

ドライマウスチェックシートに当てはまりお困りの方はお気軽にお問い合わせください。

眼精疲労の鍼灸治療

日曜日, 8月 3rd, 2025

眼精疲労の鍼灸治療はWHO(世界保健機構)に適応疾患として定義されています。

WHOの適応疾患について←

また眼精疲労に対する鍼灸治療の有効性は、臨床研究でも明らかになっています。

明治国際医療大学の研究
鍼治療による眼精疲労および眼精疲労軽減効果
研究では、日ごろから目の疲れを感じている96名(平均年齢23歳)を対象に行われ、攅竹や太陽などの目のツボや合谷や手三里などの手のツボを使って様々な鍼の手技を用いました。ほとんどの被験者でVAS(Visual Analogue Scale)の改善がみられたとのことです。

眼精疲労に対する当院の鍼灸治療

1.まずはしっかり問診します。


目の疲労ばかりでなく、体の不調を全てお教えください。治療効果の向上に繋がります。

2.問診をした上で自律神経測定器で自律神経の状態を計測していきます。

自律神経測定器

 

3.まずはうつ伏せで首肩こりや背部兪穴の目に関するツボを用いて施術していきます。

眼精疲労の頸肩鍼灸治療

 

首肩の筋緊張を緩和させることで目にも栄養ある血液が行き渡りやすくなります。

5.次に仰向けとなり目の周りの施術と自律神経調整施術に入ります。

眼精疲労の鍼灸治療

 

当院では、目の周りに打つ鍼は、体打つ鍼よりも細い鍼を使用しており、美容鍼で使われるような刺激がソフトな鍼を使用しております。また鍼を刺したうえで濡れタオルに包んだ電子温灸器で目の周りを温めていきます。

鍼の刺激+電気温灸器の心地よい刺激で目の周りの筋緊張の緩和、血流改善につながります。ここでほとんどの方が気持ちよく眠ってしまうほどです。

顔に針を刺されるのがどうしても苦手という方もご安心ください。そういった方の場合はお灸で対応することも可能です。顔に直接お灸をのせて火をつけるのですが焼ききる前に火を消すため火傷の心配も跡がついてしまう心配もありません

眼精疲労のお灸治療

 

特にお腹を電子温灸器で心地よく温めることにより、体をリラックス状態にすることで自律神経を整えていきます。

 

眼精疲労に対する当院の鍼灸治療の特徴

 

当院の眼精疲労に対する施術は、第一に目の周辺の経穴にハリを刺して刺激することにより目の血行状態をよくします。目に刺すというものではなく、目周囲にハリを刺します。顔に刺されるのが怖いという方は、お灸で対応致します。お灸は、痕を残さず心地よい温かさの刺激です。目の奥の痛みなど痛みに対しては鍼通電療法を用いて鎮痛効果をねらって施術していく場合もございます。

 

また眼精疲労は五臓六腑の肝に深く関係しているので肝に関する経穴を用いたり、東洋医学の診断方法に基づき全身の調整治療を行います。東洋医学の特徴に全身を診て、状態を把握した上で施術を行うというものがあります。

 

眼精疲労は、目ばかりでなくうつ睡眠障害など自律神経系の疾患も患っている場合が少なくありません。そこで当院では、自律神経測定器を用いて自律神経の状態を知った上で施術致します。自律神経の状態を把握して当院独自の自律神経調整療法を行うことで、他にはない施術効果が期待できるのです。

 

眼精疲労についての東洋医学的考え

中医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能の障害が深く影響していると考えられています。
肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。そのほか肝は運動神経系の調節に関係があると考えられています。

 

眼精疲労は、上記の筋性眼精疲労や眼のピントを合わせる働きのある毛様体筋の運動機能が低下していると考えられ、そのことからも眼精疲労は肝の機能との関係が深いことがわかります

また、肝は精神情緒の安定、自律神経系を介した機能調節もおこなっており、それらの機能低下は上記の神経性眼精疲労を引き起こすと考えられます。

 

眼精疲労の鍼灸治療症例

40代 女性
主にパソコンでの作業がお仕事で一日10時間以上、パソコン画面を見るという生活を送っていた。普段から目の疲れや乾き、首肩こりを感じていたが、たまにマッサージなどでほぐしてもらうことで症状は軽減できていた。
しかし、ここ一週間前程から仕事が忙しくなり、目や体の症状が強く出るようになってしまった。マッサージを受けても終わった直後は良いが、一日経つともうつらくてなかなか改善されないということで当院にご来院されました。当院ご来院時には、まぶたが重く感じたり、眉間辺りがパソコン画面を見ていると痛くなり、仕事にも支障をきたすほどとなってしまっていた。

当院の治療
睡眠不足や朝すっきりと起きれることが少ない・日中体がだる重くことなども問診時にわかったので、自律神経測定器で自律神経の状態を計測した上で治療を行ないました。自律神経測定器の結果、交感神経の活動が高く、自律神経のバランスが悪かったため仰向け治療にて自律神経のバランスを整える施術を行い、うつ伏せ治療で首や肩の筋緊張を取り除き、最後に目の周りを鍼灸施術で刺激していきました。

◇1回目◇
治療後少し首や肩に重だるさが残ったが、夜しっかりと眠れることができて翌朝体がすっきりとした。目の症状も朝は非常に楽だった。しかし、仕事をしていて夕方ごろからは目の疲れや痛みを少し感じた。

◇2回目◇
鍼灸治療によって首肩・目の周りがとても軽くなったと感じた。仕事のほうもだいぶ落ち着いてきて目の疲れも感じにくくなってきた。

◇3回目◇
今週は仕事がとても忙しく目の症状が気になり始めてしまった。治療後は軽快。

◇4回目◇
症状は軽減されたがまだ気になる

◇5回目◇
パソコン作業をしても目の疲れをほとんど感じなくなった。目が疲れる前に遠くを見るなどして目の筋肉を休めることも日常的な疲れ目予防として行っていただいた。

 

症例②
50代男性
10年以上前から目の疲れを感じていた。主にパソコン仕事なので目の疲れがひどくなってくると目の奥が痛くこってくる感じで目も動かしづらくなるとのこと。さらに進行すると首のこりも強く出てきて仕事にも支障をきたしていた。症状がひどく出るとマッサージなどに通って痛みをとっていたが、2~3日するとまた症状が戻るという状態を繰り返していた。
当院にご来院される2か月程前から目の奥に急激な痛みを感じるようになり、病院で検査を受けるも原因はわからなかった。

当院の治療
目の症状の他にも首こり・手の痺れも感じることがあったとのこと。目の周りの施術の他にも首肩の筋緊張をほぐす施術をしっかり行っていきました。また、天気が悪くなるとめまいや軽い動悸を感じることもあり、自律神経の乱れも考えられるので測定器で検査してから施術に入りました。

◇1回目◇
治療後、首肩がすっきりしていつもより深い睡眠がとれたような気がしたとのこと

◇2回目◇
以前は仕事をしていない時でも体に力が入って目が疲れていると感じることがあったが、最近はそれがなく仕事をしていないと目の疲れを感じにくくなった。仕事中は依然として疲れる

◇3回目◇
目の動かしづらさがとれてきて目が動かしやすくなってきた

◇4~6回目◇
全体的には身体の調子が良くなっている気がするが、そこまで変化が見られなかったとのこと

◇7回目◇
仕事で長い時間パソコン画面を見ていて疲れを感じにくくなった。目の奥の痛みもあまり感じなくなったが、たまに仕事中に痛くなる時あり

◇8回目◇
出張で治療間隔が少し空いた。目・首肩の症状は当院に来る前より断然良いとのことだが、少し戻ってしまった感じとのこと

◇9回目◇
前回の久しぶりの治療でだいぶ症状がよくなったとのこと。目の疲れ・痛み・首肩こりをあまり感じなくなったとのこと

◇10回目以降◇
少しずつ治療間隔を延ばしながら、身体のメンテナンスを含め施術している

 

症例③
20代女性
IT関係の仕事についてパソコンを見て仕事をする時間が増えてきた。以前よりスマホやパソコンの画面を見る機会は比較的多かったが、就職するとみる時間が倍以上となり、目の疲れを感じるようになってきた。就職して3年ほど経って視力の低下に気づいた。以前は視力左右とも1.2。急激に視力が低下したと感じて眼鏡を作ろうと眼鏡屋にいって視力を測ったところ0.7までに低下していた。常に眼鏡はかけず、車の運転などで眼鏡をかけていたところ、さらに目の疲れを感じるようになってしまった。
目の疲れがひどいときは、首肩こり・頭痛を感じて画面を見るのも次第につらくなっていった。簡易マッサージなどで何とか過ごしていたが我慢できなくなり、当院にご来院された。

治療
触診の結果、頸肩の筋緊張が強く、自律神経測定器の結果もよくありませんでした。全体の調子も整えつつ、頸肩と目の周りを中心に施術していきました。

◇1回目◇
施術後、体の疲れがどっと出てきた感じで帰ったら深い睡眠がとれた。目の調子も少し良い感じ

◇2回目◇
施術後は頸肩の調子が改善。しかし2~3日すると調子が戻ってしまう

◇3回目◇
以前は1時間もするとパソコン画面を見ているとつらくなってきていたが、1時間経ってもつらくならくなってきた

◇4回目◇
視界がくっきりとして普段あまり眼鏡をかけなくてもよくなってきた。

◇5回目◇
仕事後は少し首肩こりや目の疲れを感じるが仕事中は全く感じなくなった。

 

症例③
30代男性
二年ほど前から急に目の疲れやショボショボ感を感じるようになった。市販の目薬をさしていたが、なかなか改善されずに過ごしていた。仕事でパソコンを5~6時間ほど使うが、20代の頃もそれ以上に目を酷使していたように思うが、30歳後半となると目の疲れや身体の疲れが取れにくくなったように感じたとのこと。
最近はまぶたも重たくなってきているように感じて目の疲れが酷い時は目を閉じている方が楽に感じる。首肩こりの症状も出てきて、パソコン作業を30分ほどしているとすぐにつらくなってくる。睡眠は良好。運動習慣も週に2~3回程はランニングをしている。

治療
◇1回目◇
目のショボショボ感は少し楽になったとの事。夕方になると目の疲れや身体の疲れは感じやすい

◇2回目◇
目の疲れやショボショボ感はつらい時の半分ほどに軽減。

◇3回目◇
パソコン作業を1時間ほぼしていても首肩こり・目のつらさは感じなくなってきた。

◇4回目◇
仕事の終わりごろでもまぶたの重たさを感じない。目が開きやすくなった

◇5回目以降◇
3~4週間に1回のペースで来院。仕事をしているとどうしても目の疲れや首肩こりを感じるのでその緩和のために施術を受けられている。

 

症例④

20代 女性

在宅のみで働いているため仕事中は常に画面を見ている。机の上には画面が3つあり、時にはスマホとタブレット端末も使用することがあるので、多いと5つの液晶画面に囲まれながら1日作業している。

そのせいか、常に眼が痛くなっていてしまい、眩しい光や長時間の作業でより悪化するようになった。今までは眼の周りを温めたり、自分でマッサージすれば楽になったのだが今回は全く良くならない。

また、座り仕事と運動不足も重なって首こり、肩こり、腰痛が慢性的になっていて足のむくみも酷い。

鍼や痛いことは怖いのでなるべく優しめにお願いしたい。

 

当院の治療

触診したところ首、肩、背中、腰の上半身がかなり固くなっていました。なかでも、首から肩にかけては筋肉の緊張が酷く、かなり辛そうなお身体でした。眼の周りの筋肉だけではなく、眼の筋肉と繋がっている側頭筋や顎筋も固くなっていました。

全体的に疲労と緊張状態が慢性化していましたので当院の治療としては全身の血流を

良くして、筋肉を緩める治療と自律神経を調節することで緊張状態の

改善を行いました。

血流が悪いためか手足が冷え性とのことでしたのでお灸も使用していきました。

 

治療経過

◇1回目◇

思ったより痛くなかった。変化は分からない。

◇2~4回目◇

変化なし

◇5回目◇

眩しい光を見た時の眼の痛みが少しだが軽くなっていた。

◇6~10回目◇

変化なし、痛みは軽くなったがそれ以上良くも悪くもならない。

◇11回目◇

また少しだけ痛みが軽くなった。作業できる時間が長くなって嬉しい。

◇12~15回目◇

回数を重ねるごとに痛みが軽くなった。今後間隔を空けてメンテナンスで通う。

 

目のアンチエイジング

パソコンやスマホなど目を酷使する機会の多い現代では、目の血流低下や筋肉の疲労により目の老化現象が起きやすくなっています。また目の疲労眼精疲労は、目の老化現象である白内障や緑内障、飛蚊症などにかかりすくなってしまいます。

目の使い過ぎによりカメラのレンズの役割のある水晶体の弾力性が失われたり、水晶体の厚さを調節する毛様体筋の疲労がおこってしまいます。するとピントを合わることに時間がかかったり、近くのものにピントを合わすことができなくなる老眼現象へとつながってしまうのです。

まずは、目のアンチエイジングとしてこの毛様体筋の疲労をとること・水晶体の弾力性を保つことが重要となってきます。
近くの物を見続けていると毛様体筋は緊張しっぱなしの状態となり疲労していきます。パソコン作業の合間に遠くに視点を合わせることで毛様体筋の緊張をとってあげることも重要です。
また、10分間ほどのまとまった休憩を取り下記のようなトレーニングを行ってみてください。

 

 

  •  1.ピント遠近トレーニング
    近くの物を見た状態が続いてしまうと毛様体筋が常に緊張した状態が続いてしまいます。遠くを見るようにして緊張した状態の毛様体筋を弛緩させることで疲労をとります。腕を前に伸ばし、目線の高さまで約30cm程の位置に親指をたてます。次に動かない目標物をで2~3m先に目標物を定めます。そして親指と動かない2~3m先の目標物を交互にみてピントを合わせることを30回繰り返します。このトレーニングの際は、特に速さは求めません。正確に確実に親指と目標物にピントを合わせるようにしてください。
  • 2.ピント前後左右トレーニング
    自分の2~3m前後左右それぞれに目標物を定め、上から時計回りにをそれぞれ5秒ずつ目いっぱい見ます。それを、3セット繰り返します。外眼筋や目の周りの表情筋などの運動になります。
  • 3.目の閉眼トレーニング
    目をギュッと閉じて次に大きく開きます。これも5秒ずつ3セット繰り返します。目を開ける上眼瞼挙筋や目を閉じる眼輪筋の運動になります。パソコンなど近くのものを注視して作業していた場合は、ちゃんと一時間ごとに目の休息をとり、1~3の運動を順に行いましょう。

 

目の老化を防ぐ生活習慣

  • 1. バランスの良い食事
    紫外線などを受けて発生してしまった活性酸素は、目の場合緑内障や飛蚊症となる危険性もあります。それらの疾患は、目を見えづらくするばかりではなく、眼精疲労にもつながります。
    活性酸素による細胞の酸化を防ぐ食事を心がけましょう。緑黄色野菜やトマトやイチゴなどをバランスよくとりましょう。またカシスやブルーベリーに含まれるアントシアニンは目の酸化を防ぐと言われていますので、積極的に摂ってください。
    その他、疲れ目には古くからホタテガイが効果があるとされ漢方では扇貝と言われ利用されています。漢方では、消化を促す作用やのどの渇きをおさえて各臓器の機能を回復させるなどの作用があると言われています。特に目と深い関係があるとされる五臓六腑の肝の肝陽が上がって目の異常が出てしまう状態に効果があるとされ、疲れ目や視力の回復にも作用があります。現代医学の研究でもホタテガイに多く含まれているタウリンの働きによって目の機能を回復させるという研究結果があります。タウリンは胃腸にやさしいとされ、悪玉コレステロールを下げながら、善玉コレステロールのレベルを維持する働きがあったり、動脈硬化を予防する働きもあると言われています。食物繊維は、タウリンの働きを助ける効果があるためホタテガイと一緒に食物繊維の多い大根やレンコン、ニンジンなどと摂取すると良いです。その他、ホタテガイには嗅覚障害を回復させる亜鉛や糖質や脂質の代謝に関与するビタミンB2などを豊富に含みます。亜鉛が不足してしまうと嗅覚障害や免疫力の低下、うつ状態へとなりやすいとされ、それらの状態にある場合にもホタテガイは非常に有効な食べ物でもあります。

 

 

  • 2. タバコは吸わない。
    タバコを吸うと体に良くないということは周知の事実ですが、タバコは目にとってもよくありません。喫煙は、目を含む全身の細胞の酸化につながり、抗酸化作用のある体内のビタミンCも大量に消費してしまいます。
    また、血管を収縮させて全身の血流量の低下にもつながります。

 

 

  • 3.目薬に頼りすぎない
    目に異物が入った時などたまに目薬を使用することは問題ありませんが、点眼が習慣化してしまうと体外からの細菌などの侵入物を撃退する力が弱まってしまいます。細菌への防御反応が低下して細菌が繁殖しやすくなってしまいます。またドライアイなどの方で涙の成分が入っている目薬を多用されている方も注意が必要です。習慣化してしまうと目が本来持っている涙を作るという機能も低下してしまいさらにドライアイが進んでしまう可能性もあります。

 

患者さんからよくある質問

Q.目に鍼を刺すのですか?

A.
眼球自体に鍼を刺すことはしません。また眼窩内に鍼を刺入する方法もありますが、眼球を傷つけて炎症を起こす危険性もあるので当院では行っておりません。しかし、目の周りに鍼灸施術を行うことにより眼窩内の施術と同じような効果が得られます。

Q.コンタクトはつけたままで大丈夫ですか?

A.
眼球自体には鍼を刺入することはありませんのでコンタクトレンズをつけたままでも大丈夫です。まぶたを閉じたままでまぶたの上から温めるお灸をすることもありますが、強く抑えたりすることもありません。

Q.治療の頻度はどれくらいですか?

A.
症状の強さや患っている期間によってもかわってきます。基本的に3か月以上の慢性的な症状となってしまっている場合には治療期間も長くなり、1週間に1度程度の治療間隔をお勧めしています。逆にここ1,2週間の目の疲れなどの場合は2~3回程度の治療を3~4日おきの頻度で治療させていただくことをお勧めしています。

Q.効果はどれくらい見込めますか?

A.
個人差があります。2,3回程度の治療でパソコンなどのデスクワークで目が疲れなくなったという方や2か月の治療でようやく効果が見られるようになってきたという方もいらっしゃいます。日常生活での行動も大切になってきます。目を休めずに酷使ばかりしているとやはり目は疲れてきてしまいます。治療と並行して上記の生活上での注意点を実践してください。

 

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

老人性(高齢者)うつに対する鍼灸治療

土曜日, 7月 26th, 2025

うつ病とは

うつ病は、しばしば『心の風』などと呼ばれるため、人間性の問題のように勘違いされますが、『心の弱さ』や『気持ちの問題』などで起こる病気ではありません。

うつ病は、脳内の神経伝達物質の機能異常によって起こる病気であり適切な治療が必要になります。

そのため、精神論や根性論といったものでどうにかなるものでもないのです。

 

うつ病の状態とは

人はうつ病になるとなにをしても楽しめないといった精神状態になり、一日中気分が強く落ち込み、食欲不振、不眠、疲れやすい、身体がだるいなどの身体症状が現れます。

ひどくなると日常生活にも支障をきたすため、治療が必要な病気で、気分障害のひとつになります。

 

うつ病の原因とは

うつ病のきっかけに最もなりやすいのは『環境要因』が深く関係しています。

家族や親しい人など大切な人の死や離別、仕事や財産、健康などの大切なものを失う事や、人間関係のトラブル、家庭内のトラブル、職場や家庭での変化などが要因となります。

また最近では、ペットが亡くなりペットロスからうつ病になるケースも少なくありません。

様々なストレスにより人は誰でも、『どうも気分がすぐれない、やる気ぐ起きない』などと言うことはありますが、そうした状態はほとんどの場合、時間の経過やちょっとしたきっかけで回復していきます。

ところがうつ病の場合は、憂うつな気分が長く続き、いつもイライラや不安を感じ、何をするにもやる気になれず、何もかもどうにでも良くなり、死んでしまいたいと考えるようになったりもします。

 

高齢者はうつになりやすい?

中年以降は、初老期から老年期にかけては『うつ病になりやすい因子』が増えてくる時期と言われています。

原因のひとつは体調の変化によるものです。つまり、さまざまな病気にかかりそれが慢性化しやすいといったことが考えられます。

年を重ねるごとに疲れやすくなったり、疲れがなかなか取れなかったり、また物忘れや物覚えが悪くなったりしますが、そうしたことが以前との違いを実感してしまい、高齢者のうつ病の引き金になります。実際に身体のあちらこちらに不調が生じるようになるのもこの時期です。

さらには、高齢者になると、仕事を退職したり、子どもの独立や配偶者や親しい人の死別などにより、より大きな喪失感に襲われることになり、こうした大きな悲しみや寂しさからうつ病になることもあります。

こうした高齢者のうつ病は、『老人性うつ病』と呼ばれます。

 

老人性うつ病の特徴

老人性うつ病の特徴は、多くの場合、生きがいや興味の消失、漠然とした不安感や焦燥感などが主な症状です。

また、これらの精神症状より、不眠(過眠も含む)、食欲不振(過食も含む)めまい極度の疲労感などの身体症状を強く訴える場合もあります。

うつ病患者では脳内の神経伝達物質である、セロトニンやノルアドレナリンの量が減少し情報伝達がスムーズに行われていないことが分かっています。

つまり、うつ病は脳内の神経伝達物質の働きぐ悪くなっていることから起こる疾患と言うことになります。

また、高齢者に限らず、うつ病症状は朝や午前中に酷く現れ、午後から夕方にかけて改善していくことが多く見られます。

 

認知症との違い

認知症の場合は、発症のきっかけとなる出来事が分かりづらく、気がついたら進行していたと行く事も少なくありません。それほどゆっくりと進行していき、初期症状としては、『性格の変化や記憶障害』が主症状となります。

一日のなかで調子の波は少なく、人によっては攻撃的になることもあります。

認知症の場合、記憶障害が目立つようになり周囲が気づくことも多いですが、老人性うつ病の場合でも記憶障害は起こることがあります。しかし大きな違いは、老人性うつ病の場合は記憶障害があることに自覚があり、自ら訴える事ができます。認知症の場合は、忘れているという自覚がなく、指摘されると取り繕ってカバーしようとする傾向にあります。

脳疲労の首肩治療

病院での治療

老人性のうつの治療は、薬物療法精神療法環境調整の3つを軸として治療を行います。

薬物療法

老人性うつに限らず、その人に合った抗うつ剤などが処方され経過をみます。しかし、高齢者の場合には他の服用中の薬との相性もあるため、人によっては他の治療法で進めていくことも多いです。

精神療法

医療従事者が行うカウンセリングを通して改善を目指す方法で、薬物療法と併用して行われることもあります。

カウンセリングの注意点としては、本人の訴えることを否定しない、励まさないなどです。人によって適した関わり方は異なるため、家族や周囲の人の接し方などについては、医師のアドバイスをもらった上で行うと安心です。

環境調整

1人でいる時間が多い場合や孤独感の中にいる方は「人との関わりの時間を増やす」「体を動かす機会を作る」「外出することで気持ちを外に向ける」など、他者や他のものとの関わりをつくることが大切です。

 

老人性うつ病に対する当院の治療法

老人性うつ病の多くは心身にかかるストレスが原因と考えられています。

人はストレスを感じたり、過労が続くと、自律神経のバランスがくずれてしまい、自律神経の乱れから、倦怠感や動悸、不眠、めまいなど様々な症状が現れ、これらの症状はうつ病を悪化させてしまう要因にもなります。

そのため、当院では自律神経測定器を用いて自律神経の状態を測定して治療します。うつ病の方の場合、自律神経の状態もその日によってかなり変化していきます。自律神経測定でこまめに測定して、現在の自律神経の状態を把握する事は、うつ病治療においてとても重要です。

そして測定結果を元に、お一人お一人に合ったオーダーメイドの治療をします。また、東洋医学の治療法と自律神経療法を組み合わせることでより治療効果を高めることができます。

鍼灸治療は自律神経を整えるのにとても優れた治療法です。

自律神経を整える経穴やストレス解消の特効穴を用いて、脳内の伝達物質(ホルモン分泌)に働きかけるのと同時に、心身の負担を軽減させ、症状改善を目指します。

また、自律神経のバランスを整える事で身体の過緊張を緩和し、血行を促進して症状を改善し、再発や悪化を防ぎます。

老人性うつ病の症状でお悩みの方は、東京α鍼灸院へお越しください。

 

ただれ目(眼瞼縁炎)の鍼灸治療

金曜日, 7月 25th, 2025

ただれ目とは

 

まぶたやまつ毛の根元付近、おもに目頭や目尻に炎症が起こり、皮膚が赤く腫れたりただれて、発疹ができたりします

細菌やウイルスによる感染性と、かぶれやアレルギー反応などの非感染性の2種類に分かれ、原因がウイルスなどの感染性のものは痛みを感じ、アレルギー性の非感染性のものは痒みを感じます。また、かゆみが強いため、お子さんや目を触る癖がある方は自分でかいたり触ったりしてしまい、さらに炎症を強めることが多いです。そしてかいてしまうと、ヒリヒリとした痛みを生じます。

また、光に敏感になり、目の中に異物感を感じたり、重症化して炎症の範囲が広がってしまうと、逆さまつげ(まつ毛が目のほうに向かって生える病気)になりまつげが目を傷つけて痛みを生じたり、まつげ抜け落ちる、まつ毛の脱毛が起こります。

 

病院での治療方法

治療法としては、感染性の場合は、原因菌やウイルスに対する抗生物質や抗ウイルス薬による治療を行い、点眼や眼軟こうを使用します。非感染性のアレルギー性の場合には、ステロイドの眼軟こうを用いて、炎症を鎮め、アレルギーの原因物質を避け、取り除く事が第一に大切になってきます。また、痒みなどの症状が強い場合は、抗ヒスタミン剤を内服する場合もあります。感染性と非感染性のどちらにおいても、患部やその周辺を清潔に保つことがとても重要になります。

 

病院での検査・診断

視診や細菌検査で原因菌を調べ、パッチテストによるアレルギー反応をみて原因の特定を行います。

予防法

眼瞼炎を繰り返し発症する人の多くは、汚い手で目をこすったり無意識にまぶたや目の周辺に触る人が多いと考えられています。そのため、日頃から手洗いをしっかりと行い、必要以上に目元に触れないよう心がけることが大切です。

また、コンタクトレンズの着脱時や、付けまつげ、アイメイク時に清潔に保つことも重要になります。

 

東洋医学の考え方

東洋医学では、五臓六腑のと深く関係すると考えます。そして肝は目に開竅すると言われているので、目の疾患は肝の機能障害が深く影響していると考えられています。そのため、目の症状には肝の機能を良くする事が大切です。

また、肝はストレスに弱い性質を持ちます。これは自律神経との関係も深いと考えられ、肝の機能を高めるように治療することが重要になります。

【肝陰虚】・【肝陽上亢】

過度な緊張や疲労、ストレスを抱えると肝陽が上り熱証がみられます。

過度なストレスや疲労により肝の陰陽のバランスが崩れ、肝の陽気の過亢進がおこり、その後次第に陰液を消耗して肝陽が頭の方に上がっていきます。陰液が不足してしまい、肝陽を抑える事ができないので肝陽が上ってしまい、目の炎症充血を起こすと考えられているからです。

症状としては、顔面部や頭部に症状が現れやすく目の充血、炎症、など目の疾患とほてり、めまい、ふらつき、高血圧、頭痛、自律神経失調症などがあります。

ただれ目の鍼灸治療症例

症例 1
50代 男性

緑内障のため点眼薬を20年ほど使用している。眼圧は安定しているが、点眼薬の副作用により眼瞼縁炎が右目下のまぶたの縁にある。かゆみや痛みは感じないが、見た目が気になっている。

施術

緑内障の点眼薬では、眼瞼縁炎の副作用がでることがよくあります。

眼の循環改善や炎症を抑えることを目的に、目の周りのツボに鍼通電刺激を加えていきました。

身体の免疫力や治癒力を上げるため、全身的な自律神経施術も同時に行いました。

治療経過

治療頻度は1週間に1回。

初回では赤くただれていたところが、治療を重ねるごとに治っていきました。10回目の治療が過ぎたころには炎症はだいぶ治まり、ただれが無くなり、赤みが薄っすら残る程度にまでなりました。

緑内障の進行予防のため、通院中。

 

ただれ目の当院での鍼灸治療

当院の眼瞼縁炎に対する施術目的は、第一に目の周辺のツボに鍼やお灸の刺激を与え、抗炎症作用を促し自然治癒力を促進します

また、眼瞼縁炎は五臓六腑の「肝」に深く関係しているので、肝に関する経穴を用いて肝血を補うことや「肝気」の巡りをよくします。また肝の陽気が過亢進して頭の方へのぼっていくことで眼瞼縁炎の症状を起こしているとも考えられるので肝の陽気を抑え、なおかつ下げる治療もする必要があります。風熱の邪気によって引き起こされる場合はそれらを体外に出す施術が必要になります。

そして、眼瞼縁炎は、アレルギーや細菌、ウイルスなどによる感染が原因と考えられることが多く、根本に免疫力の低下や自律神経の乱れがあり、それが原因となり起こる場合もあります。そのため、当院では、自律神経の状態を把握した上で施術させていただき、全身の自律神経のバランスも調整します。

自律神経は免疫力にも深く関係しており、疲労の蓄積過度なストレス生活習慣の乱れなどからバランスが崩れると免疫力が低下し、細菌やウイルスに感染しやすくなります。また、自律神経は全身の血行や皮脂分泌の調節にも関わっている為、自律神経を整えることはとても大切になっていきます。

そして首や肩周りには眼周辺に注ぐ血管や眼の症状に効くツボがあるため、首肩周辺の筋緊張は血液循環を妨げ影響を与えるため、首肩の治療も行います。そして、眼瞼縁炎の治療に対してお灸治療も用います。目の周りにお灸をいたしますが、痕などは残らず心地よいお灸を施しますのでご安心ください。

 

免疫力の向上

身体の免疫力が落ちていない状態であれば目に細菌やウイルスが触れても感染する可能性は低くなります。しかし、高齢者や他の治療を行っていて免疫力が低下している方などは感染しやすい状態になりますので、注意が必要です。

バランスのとれた食事良質な睡眠適度な運動生活習慣を整え免疫力の向上に繋がるのでとても大切です。

 

自律神経の治療

自律神経は、無意識下で働く神経です。中枢は脳にありストレスの影響を受けやすいため乱れる原因は様々です

当院では、自律神経測定器で血管の状態や自律神経の交感神経と副交感神経のバランス、疲労度、ストレス度などを測定をし、お身体の状態を診ていきます。このデータを元にその方その方に合ったオーダーメイドの治療を行います

血管は自律神経の作用を受けるため、自律神経を整える事は全身だけでなく眼周辺の血液循環も良くなると考えます。また、自律神経を整えることで、自然治癒力を最大限に得ることができるので自律神経治療はとても重要です

自律神経のバランスを整える事で、筋肉の緊張を緩和し、血行を促進して症状を改善し、再発や悪化を防いでくれます

眼瞼縁炎やただれ目など目の症状でお悩みの方は、東京α鍼灸院へお越しください。

 

 

食後低血圧の鍼灸治療

木曜日, 7月 24th, 2025

食後低血圧とは

名前のとおり食事後に急激に血圧が下がる症状のことで、食事性低血圧と呼ばれることもあります。

また、人によってはめまいなどの症状が出ることもあります。

 

食後低血圧の症状とは

食後低血圧の症状として典型的なものは、めまいやフラつき、人によっては強い立ちくらみを起こし、そのまま気を失うこともあります。高齢者の場合、フラつきや立ちくらみなど気を失った際に転倒をして、骨折や大怪我をしてしまうこともあるので注意が必要です。

また最近では、食後低血圧が脳卒中や心筋梗塞の引き金になる可能性も指摘されており、そのため、疑いのある場合には早めの対応が大切です。

血圧の低下が起こりやすい時間帯は、個人差はありますが、食後30分から2時間の間で、収縮期血圧(血圧の上の方)に20mmHg以上の低下がみられます。その後は次第に通常の血圧に戻るため、めまいやフラつきが食後低血圧によるものだと気づかない方も少なくありません。

 

なぜ食後低血圧がおこるのか

食事をすると、消化・吸収のために大量の血液が腸の近くに集まります。そのままだと心臓の血液量が減り、血圧は低下しますが、急激な低下は危険なので、私たちの体には心拍を早めたり血管を収縮させるなどの方法で、血圧を維持するセーフティー機能が備わっています。これによって脳への血流も維持されているので、健康な状態では食後にめまいなどは起こりません。

ところが加齢や病気などにより、体内の代謝をコントロールする自律神経などがスムーズに働かなくなることがあります。すると食後の血圧を維持するセーフティー機能がうまく作用しなくなり、急激な血圧低下が起こりやすくなるのです。一般的に食後低血圧は高齢者に多く見られますが、高血圧の方や糖尿病に伴う神経障害の方、パーキンソン病などの病気のある方、その他の自律神経失調等のある方などでみられることが多いです。

また、高血圧の治療のために食前に降圧薬を飲んでいる方も食後低血圧が起こりやすい傾向が見られます。

 

正常の血圧値

血圧計に表示される『最高血圧』とは、心臓が血液を送り出すために、心臓の筋肉をギュッと収縮させた時の圧力のことで、収縮期血圧、最大血圧、最高血圧とも言われます。

一方で、『最低血圧』とは、心臓の筋肉が最も広がった時の圧力のことで、拡張期血圧、最小血圧、最低血圧とも言われます。

この『最高血圧』と『最低血圧』を測ることで血圧の正常値に当てはまっているかを把握することができます。

家庭血圧の正常値は、最高血圧が135mmHg未満、最低血圧が85mmHg未満です

また、診察室血圧の正常値は、最高血圧が140mmHg未満、最低血圧が90mmHg未満です

脳疲労への頭への鍼治療

日常での予防策

1、食べ過ぎない。

食べ過ぎや炭水化物を摂り過ぎると、食後低血圧を起こしやすくなります。そのため炭水化物は、ご飯、おこわ、麺類、パン類などのほか、砂糖をたくさん使った食品にも多く含まれるので、こうした食品を食べすぎないことが大切です。

 

2、ゆっくり食べる。

早く食べるとそれだけ腸に血液が溜まりやすく、食後低血圧を起こしやすくなります。しっかり咀嚼してゆっくり時間をかけて食べるように心がけましょう。

 

3、カフェインを取る。

カフェインには血管を収縮させて、食後低血圧を予防する効果があります。コーヒーや緑茶などを食前食後に飲んでみましょう。ただし、夕食後にカフェインを摂りすぎると、人によっては眠れなくなることもあるので朝食昼食で試してみてください。

 

4、食後にしっかり休息をとる。

食事の後にすぐに動こうとすると、めまいなどを起こすことがあります。食後低血圧の疑いがある方は、食後1時間以上はゆっくりと休息をとりましょう。

その他にも、アルコールの摂取を控えたり、食事と一緒に飲水も心がけるなど、まずは食事の見直しから行っていきます。

 

当院での食後低血圧に対する鍼灸治療

食後低血圧は、加齢や病気などや自律神経の失調などによって、体内の代謝をコントロールする自律神経機能などがスムーズに働かなくなることが要因として考えられています。

その為、まずは自律神経を整えていく事がとても大切になってきます。

人は、ストレスを感じたり過労や不規則な生活が続くと、自律神経のバランスが崩れてしまいます。自律神経の乱れから、不眠や動悸、倦怠感、体内代謝の低下、めまいや胸部の息苦しさなど様々な症状が現れ、これらの症状は食後低血圧の症状を悪化させてしまう要因にもなります。

そのため、当院では自律神経測定器を用いて自律神経の状態を測定して治療します。そして測定結果を元に、お一人お一人に合ったオーダーメイドの治療をします。また、東洋医学の治療法と自律神経療法を組み合わせることで、より治療効果を高めることができます。

鍼灸治療は自律神経を整えるのにとても優れた治療法です。自律神経を整える経穴やストレス解消の特効穴を用いて、心身の負担を軽減させて自律神経を整え、症状改善を目指します。

また、自律神経のバランスを整える事で身体の過緊張を緩和し、血行を促進して症状を改善し、症状の悪化や再発を防ぎます。

食後低血圧の症状でお悩みの方は、東京α鍼灸院へお越しください。

へバーデン結節の鍼灸治療

木曜日, 7月 24th, 2025

へバーデン結節とは

へバーデン結節とは指の第一関節(DIP関節)が変形し曲がってしまう疾患で、変形性関症の一種です。第一関節の背側の中央の伸筋腱付着部を挟むように2つのコブ(結節)が出来るのが特徴です。

すべての人が強い変形になるとは限らず色々な程度の変形があります。発症は30歳を過ぎたころから多くなり、年齢とともに増加します。痛みや変形の強い方は女性に多いです。

 

症状

第一関節の腫れ、変形、関節の曲がりにくさなどの症状が現れます。ズキズキとした痛みを伴うことが多く、痛みは安静時の痛み、夜寝ているときの痛み、物をつまむ動作の痛みなどがあります。

また、関節に水が溜まるとその付近に水膨れのようなものができることがあり、ミューカシストと呼ばれています。潰れたり化膿することもあり注意が必要です。

 

原因

へバーデン結節の直接の原因は不明です。しかし、病気の性質から変形性関節症の一種であると考えられているため、加齢や使い過ぎが原因となっていると考えられています。また、最近では女性ホルモンとの関連が指摘されています。

指の第一関節には他の関節同様軟骨が存在し骨を守っていますが、年齢とともに軟骨が擦り減り骨と骨との隙間が狭くなり、骨同士が擦れあうことで骨の新たな隆起が生じ、結節ができます。また、骨の変形と共に炎症が生じ痛みが生じます。

へバーデン結節のリスク因子として年齢(特に40歳以降)、家族歴、肥満、痛風、関節への負担などが挙げられます。

 

※女性ホルモンの働き
女性ホルモンの一つであるエストロゲンは、骨、関節、靭帯、皮膚、血管などに作用し全身を守る役割を果たしています。
エストロゲンの分泌が減少すると手指の関節や関節を包む膜、腱、腱を包む腱鞘などがダメージを受けやすくなり、しびれやこわばり、炎症による腫れや痛みの原因になるといわれています。そのため更年期以降や女性ホルモンのバランスが崩れる妊娠中、産後などは関節などのトラブルが起こりやすいといわれています。

西洋医学的治療

外見上の第一関節の結節性隆起やゆがみ、痛み症状でも診断できますが、レントゲン検査が診断にとって有効です。

関節間隙が狭小化していることで診断します。一般的な治療として保存療法としては、安静(固定も含む)や消炎鎮痛薬、局所のテーピングなどがあります。急性期では、少量の関節内ステロイド注射も有効です。

保存療法で痛みが改善しない場合や、変形がひどくなり日常生活に支障をきたす場合は手術療法が選択されます。手術法には結節を切除するものや関節を固定する方法が行われます。

 

東洋医学的考え方

中医学では筋、関節などの疼痛、腫脹、しびれなどを主症状とする病証を「痺証(ひしょう)」と呼びます。

痺証は四肢経絡が風邪、寒邪、湿邪、熱邪などの身体の外部からの因子に気血の運行が妨げられて起こると考えられています。

低血圧のうつ伏せ鍼灸治療

痺証の代表的な種類

・痛痺(寒痺)
寒邪が強い痺証で温めると良くなり、冷やすと悪化する。熱感や赤みが無く痛みが強い特徴があります。

・行痺(風痺)
風邪が一番強い痺証で風邪の性質である遊走性があり、痛いところが変わる遊走痛、冷風に当たると悪化する特徴があります。

・着痺(湿痺)
湿邪が強い痺証で、局所の腫脹、重だるさ、固定痛、雨天での痛みの増加、飲酒での悪化などが特徴です。

・熱痺

関節や筋肉が赤く腫れ熱感を持ちます。発熱、口喝、患部を冷やすと気持ちが良いなどの特徴的な症状が見られます。熱がこもっているため熱を消そうと体が冷たい物を欲します。全般的に熱をイメージする症状が多いことからこの名前が付けられています。リウマチなどの膠原病の活動期によく現れる病証です。

また、痺証は血虚、瘀血(おけつ)腎虚を伴うことが多く、血虚や瘀血は気虚から進展して現れると考えられています。

東洋医学では「肝は筋を主り、腎は骨を主る」との言葉があります。そのため五臓六腑の肝や腎の働きが弱れば筋や骨にトラブルが起こりやすくなるのです。また、腎と肝は支え合う関係にあり、どちらかが弱ればもう片方も弱りやすくなってしまいます。

気象病の鍼灸治療

当院の鍼灸治療

内臓機能や免疫機能、血液循環などを司る自律神経の調整やホルモンバランスの調整を行い症状が治癒しやすいお身体の状態へ整える施術や、へバーデン結節の方は首肩周り、胸部、前腕の筋肉が緊張しやすいため、まずその部分の筋緊張を和らげ、手指の血液の循環を促進します。

また、東洋医学的観点から患部に関係する経絡の流れを整えるツボや腎や肝の機能、気血を補うツボも取り入れていきます。

患部である指は感覚が鋭敏で痛みを感じやすいため、基本的にはお灸でアプローチしていきます。鍼を用いる場合は美容鍼など痛みを感じにくい非常に細い鍼を使用していきます。

全身的なバランスを整え、患部やその周囲の血流を良くすることで痛みや腫れ、しびれを緩和する効果や関節可動域制限の改善、変形の進行を抑える効果が期待できます。

気象病の鍼治療 

木曜日, 7月 24th, 2025

気象病とは

 

気象や天気の変化によって症状が出現する、または悪化する疾患を「気象病」と呼ばれています。雨の前に頭痛がする、梅雨時期になると古傷が痛む、季節の変わり目に体が重だるい、などの症状があります。

気象病

 

 

症状

 

・頭痛
・首肩こり
・めまい
・耳鳴り
・気管支ぜんそく
・関節痛
・神経痛
・鬱(うつ)
・不安症

などが挙げられます。

 

気象病の原因

 

未だ明確な原因は分かっていませんが、気圧の変化により、人間の体はストレスを感じるため、それに抵抗しようとするため自律神経が活性化することが主な原因ではないかといわれています。主に不調を訴えるのは気圧が低下したときですが、中には気圧が上昇したときに不調を訴える人もいます。

 

また、症状が出やすい時期として低気圧が定期的に通過する春、秋、梅雨時、台風が接近する晩夏から秋にかけてです。一方で気圧が比較的安定する冬は体調が良い日が多いことが特徴として挙げられます。

 

気圧の変化で症状が出やすいため、気候の変化の他にも高層ビルのエレベーターに乗っている時や飛行機に乗っている時などにも症状が出る場合もあります。

 

自律神経は無意識化で体を調整している神経で交感神経と副交感神経があり、交感神経は日中活動時に優位に働く神経で、血管を収縮させたり心拍数を上げ体を興奮させる働きがあります。

副交感神経は血管を拡張し、体をリラックスさせる働きがあります。

この二つのバランスが乱れてしまうと様々な不調の原因になってしまうのです。

気象病にかかりやすい人の特徴としまして耳の内耳の機能が敏感な人にかかりやすいとされています。

 

内耳は気圧の変化を感じてその情報を脳へと送り届けて自律神経を活性化させます。これは、人間本来に備わっている防衛本能の一種と考えられています。昔の人類は、水を確保するため川辺など水に近い場所に住居を構えていました。
水辺に近いので、突然の雷雨は流されてしまう危険性が高まります。そこで気圧の変化で事前に天候の変化をキャッチすることで自分の命を守る防衛機能として内耳の気圧の変化を感じる機能が備わっていると考えられています。

 

その内耳の機能が敏感に反応してしまうと少しの気圧の変化だけでも過剰に脳が反応して自律神経に働きかけて交感神経はるいは副交感神経の活動を亢進させてしまうのです。

 

交感神経が活発になる人では、関節痛や頭痛、神経痛など痛みの症状が出やすく、副交感神経が活発になる人ではうつ症状や不安症、気管支喘息などの症状が出やすくなります。

 

気象病にかかりやすい人は、乗り物酔いになりやすいのも特徴の1つです。内耳のそばには平衡感覚をつかさどる三半規管が存在します。内耳が敏感な場合この三半規管も敏感に反応する場合が多く気象病にかかりやすい人は少しの「揺れ」にも敏感に反応してしまうのです。

 

気象病に対する鍼灸治療

気象病の治療では、自律神経を整えることがとても重要です。

当院には自律神経測定器が常備されており、ご自身の自律神経の状態を知ることが出来ます。

自律神経測定器

 

当院では初診時に自律神経の状態を測定してから施術を行っていきます。

お腹や手足などのツボを用いて自律神経の状態を整えていきます。特にお腹のツボは自律神経の状態を整えるために重要です。

胃腸など内臓の働きは自律神経がつかさどっています。お腹のツボで内臓機能を整えていくと自然と自律神経の状態も整いやすくなるのです。

 

気象病の鍼灸治療

 

その他、気象病の出ている症状に合わせてもオーダーメイドの施術を行っていきます。

頭痛の鍼灸治療について
首コリの鍼灸治療について
肩こりの鍼灸治療について
めまいの鍼灸治療について
耳鳴りの鍼灸治療について
うつ病の鍼灸治療について

 

側頭部痛に対する鍼灸鍼

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