下肢にはいくつもの重要な経脈が走行しており、その中でも特に「脾」と「肝」の経脈がシンスプリントと深い関わりを持っています。
また、東洋医学では骨は「腎」が司っており、ストレスや栄養不足が続くと腎の機能が低下し、骨に異常をきたすと言われています。
シンスプリントは脛骨周りの筋肉の疲労が原因になるので、直接硬くなっている筋肉に鍼を打ち緩めていきます。
また、鍼やお灸には抗炎症作用もありますので、痛みの出ている付近に鍼やお灸をし炎症を抑えていきます。さらに、いち早い回復を目的とするため、自律神経治療を同時に行い自然治癒力を高めていきます。
その他、臀部や腰部の筋緊張が見られる方が多いためうつ伏せでそれらの筋肉も緩めて下肢への負担を和らげていきます。
シンスプリントとは、運動時や運動後に足の脛骨の内側に痛みを生じる疾患で、陸上競技やサッカー、バスケットボールといったランニングやジャンプをすることが多い競技に発症しやすく、特に中学高校の新人選手といった競技を始めたばかりの人に好発するスポーツ障害の1つです。
主なシンスプリントの症状は脛骨の内側、脛に沿って下1/3の所に発生する痛みで、軽症の場合運動時のみ痛みが起きますが、重症化すると運動後にも疼くような痛み続き、炎症による腫れや熱感を伴います。そこからさらに悪化すると、疲労骨折へつながることもあります。
また、シンスプリントによる痛みをかばう事により、膝や太もも、腰にも負担が掛かり他の症状を併発する原因にもなりますので、しっかり完治させることが大切です。
シンスプリントは急激な運動量の上昇により起こるのですが、ランニングのように地面を後ろに蹴り上げる動作を行うと、足首を底屈させる後脛骨筋、ヒラメ筋、長趾屈筋といった脛骨に付着する筋肉が収縮します。
急激に練習量を増加することでそれらの筋肉が疲労していくと、筋肉の収縮が強くなります。その際、筋肉の収縮により付着部である脛骨の骨膜が強く引っ張られ骨から剥がれようとします。その剥がれようとした所が傷ついてしまい炎症を起こしてしまうのです。
練習量の上昇以外にも、クッション性がなかったり、足に合わないランニングシューズを履いている、コンクリートやアスファルトで走り込みをしている、筋力不足、筋肉の柔軟性の低下、偏平足、回内足などがあります。
回内足とは、ランニングの着地の瞬間に足首が内側にグニュっと倒れこみ、捻じれる現象の事で、特にアスファルト等地面が硬い所でのランニングは回内足の大きな原因になります。
ランニングの着地は、ケニア人やエチオピア人のエリートランナーに多いつま先付近の前足部で着地する「フォアフット」、足の中足部で着地をする「ミッドフット」、かかと付近で着地する「ヒールストライク」といった3種類の走法があります。
その中で日本人で一番多い走法が、かかとから着地するヒールストライクと言われています。ヒールストライクは、かかとの真ん中から着地をしたら、重心は足裏の外側→母趾の付け根にある母趾球の順で素早く移っていきます。
土のような地面が柔らかい所では、着地して重心が足裏の外側に移った瞬間に接地面が外側に沈み込むため、足底の角度が水平になり、足首のねじれは適度に抑えられますが、アスファルトのような地面が硬い場所では、足の外側は沈みこまないので足首の回内が強く起きてしまいます。
シンスプリントの原因の1つでもある後脛骨筋は、脛骨から足首の内側を通過し足底に付着します。足首の回内が起きるたびに後脛骨筋が引っ張られ、付着している脛骨の骨膜も強く牽引され炎症を起こすのです。
病院では主に練習量の制限やアイシング、ストレッチなど早期に自然治癒させるための指導を行います。必要に応じて鎮痛剤を用いることもあります。
また、疲労骨折とシンスプリントを判別するためにMRIによる画像診断を行います。骨の異常はレントゲンでは写らないので、MRIで骨折の有無を確認していきます。ここで、痛みがあるのに骨折していない状態であればシンスプリントと診断されます。
痛みが強い場合はランニングなどの運動は必ず中止してください。
軽度のシンスプリントなら軽い運動をしながらでも回復できますが、痛みが強い場合我慢して運動してしまうと、疲労骨折に移行したり炎症部分が拡大することで悪化し回復が遅れてしまいます。
また炎症を抑えるためにアイシングが有効になっていきます。
痛みが治まってきたら少しずつ運動を始めましょう。
ジョキングを再開する場合は、アスファルトやコンクリート、体育館の床といった固い所ではなく、芝生のような足場の柔らかい所から始めていきましょう。
シンスプリントが完治するまでの期間は人によっても様々ですが、症状が軽ければ数日、重ければ数か月かかる場合もあります。また、完全に治りきらない状態で故障する前のような運動をすると、治ったと思ったらまたぶり返すというような事もあるため、根気強く治療していくことが大切になっていきます。
シンスプリントが完治したかどうかを確かめるには、
1. 走っても痛みが出ない
2. 100Mダッシュをしても痛みが出ない
3. 全力で走っても痛みがでそうな怖さがないか
です。
シンスプリントの治療症例
症例1
20代男性
大学で陸上競技の長距離をしている。
急激に練習量を2倍に上げたため、左の脛の骨が痛みだした。
最初は気あまり気にしていなかったが、数日そのまま練習を続けているうちに歩行しても強い痛みが出るようになった。幹部は、足首からすぐ上の脛骨部で少し腫れていて熱感や圧痛もある。
後脛骨筋や腓腹筋の緊張が異常に強い。
現在は、左足だけではなく右足も痛みが同様にある。
当院の治療
脛の痛みの原因が後脛骨筋や腓腹筋の強い緊張による骨膜への負担であるため、後脛骨筋の付着部や腓腹筋に刺鍼を行い、さらに電気刺激を与えて筋緊張の改善を目的とした施術を行った。また、炎症を抑えるために患部に直接お灸をした。
治療間隔は2日~3日に一回のペース。
◇1回目◇
施術直後は痛みは少し軽減した。
しかし、まだ疼くような痛みは続いている。
◇2回目◇
まだまだ痛みがある。
◇3回目◇
腫れは少し引いてきた。
◇4回目~6回目◇
歩行時の痛みが軽減した。
◇7回目~11回目◇
腫れは完全に引いて、短時間の軽いJOGなら痛みが出ない。
◇12回目~15回目◇
少し速いスピードで走っても痛みが出ないが、30分以上走ると少し痛みが出る。
◇16回目~20回目◇
強度の強い練習でなければ痛みは出ない。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
医学では目のかゆみは「脾」「胃」の弱りから体内の水分のバランス異常(水滞、水毒)が関与している他、五臓六腑の「肝」や「肝」の働きを補う「腎」の弱りと考えられています。
目のかゆみに対する当院での鍼灸治療
自律神経測定器にて自律神経のバランスを計測し、お身体の状態を把握した上で治療へ移ります。
目の周囲のツボに鍼やお灸で刺激を与えることで血液循環を促進し、結膜の炎症物質の代謝を促すとともに、自律神経のバランスを整えるツボや内臓機能調整のツボを用い免疫機能を整えることで、症状の緩和を図ります。
また、目の不調がある方には首や肩の筋が緊張されている場合が多く、顔面部の血行を促進する意味でも首肩の施術も合わせて行います。
また、東洋医学的観点から「脾、胃、肺、肝、腎」の機能調整をバランスよく行うことによって目のかゆみに対してアプローチを行っていきます。
目のかゆみは主にまぶたや結膜(白目)についた異物の刺激や、異物に対するアレルギー反応、まぶたや結膜の炎症反応として起こります。
結膜炎の原因としてはアレルギー性、非アレルギー性のものがあります。
・アレルギー性結膜炎
外部からのアレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)により炎症が起こる症状です。
①季節性アレルギー性結膜炎
一年の特定の時期だけにある決まった植物の花粉が原因となって発症します。日本では2月~5月に多く飛散するスギやヒノキの花粉が主な原因です。
アレルギー性結膜炎の患者は推計約2000万人いるとされ、その約85%は花粉が原因といわれています。アレルギー性結膜炎の場合目のかゆみの他に充血、目やに、涙、異物感、まぶたの腫れなどの症状が起こります。
・アトピー性結膜炎・春季カタル
アトピー性皮膚炎を伴うアレルギー性の結膜炎をアトピー性結膜炎と呼びます。アレルギー性結膜炎と同様の症状が出る上にまぶたの皮膚が厚くなったり感染を起こしたりするので、まばたきや涙の角膜保護作用が低下し、点状表層角膜症や角膜びらんなどといった角膜上皮障害を伴う場合があります。
また、季節の変わり目、特に春から夏にかけて起こる重度のアトピー性結膜炎を「春季カタル」と呼びますが、「春季カタル」の患者の実に70%以上がアトピー性皮膚炎が見られるといわれています。
病名にある「カタル」とは粘膜に炎症が起きて多量の粘液を分泌する状態です。春季カタルは結膜に炎症が起こり、かゆみの他白っぽい糸を引くような目やにが出たり、まぶたの裏側の結膜に隆起(石垣状乳頭)が出来てゴロゴロしたり、涙があふれる、点状表層角膜症、角膜びらん、角膜の混濁、血管侵入などの重い角膜症状を合併して視力にも影響を及ぼします。
②通年性アレルギー性結膜炎
一年中存在するアレルゲンが原因となり炎症を起こす病気です。ハウスダスト、ダニなどが主な要因となって発症します。コンタクトレンズの汚れ、ペットの毛、フケ、カビなども原因となることがあります。自覚症状として目のかゆみが特徴です。症状が軽い場合他の症状が無いことも多いのですが、炎症がひどくなると結膜や白目の充血、涙、目やにが出るなどの症状起こってきます。
※アレルギー性結膜炎で目のかゆみが起こる仕組み
開いている眼は飛んできたアレルゲンが入り込みやすく、またアレルギー反応を引き起こす免疫細胞がたくさんあるのでアレルギー症状が起こりやすい部位です。
同じく外部から病原体が入り込みやすい口や鼻などは粘膜で覆われており、同じく目も異物から守るために「結膜」という粘膜で覆われていますが、この粘膜には異物から体を守るために作り出される「抗体」を作ることができる細胞が多く存在しており、この「抗体」によって異物を的確に、かつ効率よく排除できる免疫システムによって私たちの身体は守られているのです。
アレルギーはこの免疫システムが過剰に働いてしまった結果起こる症状です。通常であれば害のないはずの花粉やハウスダストに身体が反応してしまい、これらの物質を排除するために抗体を作ってしまうのです。作られた抗体が血液や粘膜内にある「肥満細胞」の表面にくっつくとかゆみを引き起こす「ヒスタミン」という物質が分泌されます。この「ヒスタミン」が知覚細胞を刺激して脳に「かゆい」という情報を伝えるためかゆみが起こります。
・感染性結膜炎
感染性結膜炎は「細菌性結膜炎」、「ウイルス性結膜炎」に分けられますが、特にアデノウイルスが原因となるウイルス性結膜炎は「はやり目」とも呼ばれ、非常に感染力が強く注意が必要です。症状として目がゴロゴロする、涙が出る、充血、目やにが出るなどが挙げられます。
③その他目のかゆみを生じる原因
ものもらい(麦粒腫)
まぶたの縁に黄色ブドウ球菌が感染することで起こり、痛みやかゆみを伴う病気です。
ドライアイ
長時間のパソコンでの作業などが原因で引き起こされるドライアイは涙の量が減って目が乾燥するだけでなく、痛みやかゆみを感じることがあります。また、ドライアイとアレルギー性結膜炎を同時に患う方も少なくありません。
アレルギー性結膜炎
抗アレルギー点眼薬、症状がひどい場合はステロイドの点眼薬の処方が一般的です。アトピー性結膜炎、春季カタルも同様ですが、目の表面の治療と共にまぶたの皮膚炎の治療も合わせて行います。症状が重い場合、ステロイド懸濁液を結膜下に注射したり、免疫抑制剤の併用や乳頭外科的切除、角膜掻爬を行うこともあります。
感染性結膜炎
細菌性結膜炎の場合は病原菌に対して有効とされる抗生物質、抗菌剤の点眼薬の処方により症状が改善しますが、ウイルス性結膜炎の場合、現在特効薬はありませんが、炎症を抑えるための非ステロイド性抗炎症点眼薬などが使用されます。感染したウイルスに免疫ができて自然に治るのを待つしかないのです。ウイルス性結膜炎では感染してから抗体ができ、ウイルスを排除するまで時間がかかるので治癒までは2~3週間程度といわれています。
ものもらい(麦粒腫)
抗生物質(点眼薬、内服薬、塗り薬)などによる保存療法が一般的ですが、保存療法で治らない場合、切開排膿により膿を排泄することもあります。
ドライアイ
症状が軽い場合は点眼薬の処方が一般的ですが、点眼薬では改善されない場合、涙点プラグという涙の出口の腺に栓をすることで涙の排出を抑制して目の表面の涙の量を増やすことで症状を改善させる方法が選択される場合があります。
もともと花粉症で春先になると鼻水や目の痒みがつらかったが、今年はさらに状態がつよくでてしまい、特に目の痒みが辛くて充血もしていた。
朝目覚めると目やにが出ていて上まぶたと下まぶたがくっついてしまうような状態でした。
目薬をするとある程度治まりますが、緑内障も患っておりあまり強いステロイドの目薬をすると眼圧が上がってしまうということを医師に言われたためあまり点眼をしたくないということで当院にご来院されました。
施術
花粉症などのひどいアレルギー反応は体に免疫異常が起こっている可能性も考えられますので体の免疫機能を主っている自律神経の状態も整えていく必要があります。
初診時に自律神経測定器で自律神経の状態を測定して自律神経のバランスを整える施術も行っていきました。
そのほか主に目や鼻周りのツボを用いて目の痒みや鼻水に対してアプローチを行っていきました。
施術後は鼻の通りが良くなりましたが一回の治療ではまだ目の症状に変化が見られなかったため一週間ごとに3回ほど施術を行い、徐々に効果が表れ始めて目の充血がなくなってきました。
目の痒みもひどいころに比べると半減して朝の目やにもなくなり、だいぶ日常生活も楽に過ごせるようになりました。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
まず、仰向けで自律神経のバランスを整えるツボに鍼やお灸で刺激を与え、内臓機能の調整、免疫機能調整、全身の血流促進と体のバランスを整えた後、下肢のツボに鍼やお灸で刺激を与え、血行を促進し、冷えを取り除くことで筋肉の疲労物質の代謝を促進する施術を行います。
また、下肢の血液循環や神経伝達機能を整えるために腰部や臀部にもアプローチしていきます。結局、下肢に向かう血液や神経は腰部や臀部を通りますのでその部分の筋緊張が見られて圧迫されてしまっていると下肢にも血液循環は悪くなってしまうのです。
鍼やお灸が施術のメインとなりますが、腰臀部や下肢へのストレッチやマッサージも取り入れて筋肉の柔らかさ、柔軟性も出していくことでこむら返りが起きづらい体へ予防施術も行っていきます。
東洋医学的観点から肝の働きを補うツボ、血の生成を助け、血の巡りを改善するツボも取り入れ治療を行います。
こむら返りを東洋医学的にみた場合、過労や冷えストレスなどにより瘀血(おけつ)の状態に陥ることにより筋への血の供給が妨げられた状態か、消化器系の不調、栄養不足、過労などにより血の不足(血虚)があるために筋に栄養が行き渡らず筋痙攣を起こすと考えられています。
また、五臓六腑の「肝」は血液を貯蔵し必要に応じて供給する役割をしていますが、その肝に供給され血や肝に貯蔵される血であると考えられている「肝血」が不足する(肝血虚)と体内各部に血液を十分に供給できず滋養作用(栄養を与える機能)が低下し筋の引きつり、痙攣、しびれなどを引き起こすといわれています。「肝血」が不足する原因として老化やストレス、睡眠不足、疲労などが挙げられます。
自分の意志とは無関係に起こるふくらはぎの筋肉(腓腹筋)の痙攣のことを「こむら返り」と呼びます。一般的に「足が攣(つ)る」ともいわれ医学用語では「有痛性筋痙攣(けいれん)」や「筋クランプ」とも表現されます。50歳以上の成人のほとんどが一度は経験しているといわれるほど多くの人にとって身近な症状です。加齢とともに頻度が増す傾向があり、高齢者では発生頻度も高いことが分かっています。
人間の体は筋肉の収縮と弛緩を調整する事によりバランスのとれた動きをしています。この調整の仕組みは、脳の脊髄などの中枢から信号が神経を通って筋肉に送られ筋肉の収縮が起こり、次に筋肉や腱のセンサーから逆方向に信号が中枢に送られ、どのくらい収縮するか弛緩するかが決められています。
こむら返りはこの仕組みのなかでおこる筋肉の異常収縮です。
スポーツなどで多量の汗をかき脱水状態になったとき、電解質のバランスの崩れ、運動や労働による筋疲労、水分不足、運動不足、冷えや血行不良、薬の副作用、病気による神経系の伝達機能低下などが挙げられます。
※電解質とは
体内にあるイオンのことで、筋肉細胞や神経細胞の働きに関わります。ナトリウム、カリウム、カルシウムなどのミネラルが電解質として挙げられこれらのバランスが崩れると筋肉や心臓、神経の働きに支障が出てこむら返りが起こりやすくなるほか、最悪な場合は命に関わることもあります。中高年がこむら返りになりやすいのは汗や尿と一緒にミネラルが体外に排出される量が増えることが一つの原因とされています。また、胎児にミネラル分を供給している妊婦も、同様の理由でこむら返りを起こしやすい状況にあります。
・糖尿病
・肝硬変
・甲状腺機能低下症
・副甲状腺機能亢進症
・動脈硬化症
・下肢静脈瘤
・椎間板ヘルニア
・変形性腰椎症
などこれらの疾患でこむら返りの症状が現れる事があります。また、薬の副作用で起こることもあります。あまり頻繁にこむら返りが起きてしまう場合は一度病院で検査を受ける必要があります。
こむら返りを起こすと急激に強い痛みが走ると同時に、自分の意志とは無関係に足の筋肉が収縮したり、痙攣したりします。人によっては痺れを伴なうこともあります。
筋肉は硬直して動かしづらく、立ったり歩いたりといった単純な動作も困難になります。こうした症状は数秒から数分間持続してから自然に消失します。頻度には個人差があり球に発症する方もいれば毎晩複数回に及ぶ場合もあります。一般的には睡眠中に発生することが多い症状ですが、日中に症状が見られることもあります。
夜間時にふくらはぎに筋収縮がひどく起きてしまった場合に翌日まで痛みが残り、歩行時に痛みや違和感が出ることも少なくありません。またよくこむら返りが起きてしまうという方の中には下肢の血液循環の悪化に伴い、足のむくみ症状が見られます。
こむら返りが起こっている時は筋肉が縮んだまま伸びなくなっている状態です。そのため収縮した筋肉をゆっくりと伸展する(伸ばす)ことです。ふくらはぎに筋収縮が起きてしまっている場合には腓腹筋やヒラメ筋を伸ばすようにすると自然と治まっていきます。
痛い方の足を伸ばし、かかとを前方に出すようにしてつま先を頭の方向へ傾けるようにします。つま先を掴んだり、タオルなどを使ったりして頭の方向へ引き寄せるとより筋肉を伸ばすことが出来ます。
こむら返りは、病的なもの以外では、下肢の血流が悪く、疲労物質やミネラルバランスが悪い場合に起こる危険性が高まります。そのため、こむら返りを予防する生活習慣では、食事や運動・休息が重要になってきます。
食事では、鶏肉や魚、大豆成否などを摂取して血流をよくする体づくりが重要です。
運動では特にふくらはぎをよく使う運動をしてこむら返りを予防することが重要です。血液循環がわるく筋力が低下閉まっている状態ですと筋肉のけいれん(寝ている時のこむら返り)になることがあります。
意識的にウォーキングや軽めのストレッチなどをしてふくらはぎ改善していく必要があります。
その他下肢を冷やさないために締め付けない、レッグウォーマーや寝る前に足湯などをされますと効果的です。
また、水分が減ってしまった状態ですと筋痙攣の症状が起こりやすいとされています。寝る前に一杯の水やスポーツドリンクを飲むようにして水分をある程度宅われていく必要があります。
こむら返りの鍼灸治療症例
症例1
70代男性
70歳を過ぎてから、就寝中にふくらはぎをつる事が多くなった。
そのためゆっくり眠る事ができず、寝不足気味なった。
元々足が浮腫みやすく、最近は腰や膝も痛い。
当院の治療
下肢の循環、筋緊張の改善のためにふくらはぎ(腓腹筋、ヒラメ筋)、下肢前面(前脛骨筋)、下肢内側(後脛骨筋)、下肢外側(腓骨筋)に刺鍼し、低周波の電気鍼を行った。
また、膝の痛みや腰痛も下肢の負担になる一因のため、それらの治療も並行して行った。
◇一回目◇
まだあまり変化はないが、施術後は足が軽い。
◇二回目◇
足はまだつるが、膝の痛みは軽くなってきた。
◇三回目◇
夜足がつる回数が減ってきた。
◇四回目◇
左足はつらないが、右足がたまにつることがある。
◇五回目◇
両足ともつる事が減少した。
◇六回目◇
足のむくみも気にならなくなり、つることもなくなった。
◇七回目◇
膝の痛みが最近少し気になるので、そちらの治療のため通院中
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
味覚の感度が低下したり、消失したりする状態が味覚障害です。味覚は、噛むことで唾液と混ざった「味を持つ物質」を舌やその周辺にある味細胞(みさいぼう)という受容体で感知し、神経を通して大脳の味覚野に伝わることで認識されています。味覚障害はこのプロセスのどこかに異常が生じると発症します。
味覚障害の原因は不明な点も多いですが次のことが知られています。
・全身疾患の影響による味覚障害
糖尿病、慢性腎不全、内分泌機能の低下などの全身疾患で味覚障害が生じます。特に糖尿病では神経や血管が障害されるため、糖尿病の患者の約1/4に味覚異常が生じるという報告があります。
・口腔、のどの病気に伴う味覚障害
舌炎や風邪による咽頭炎等、口腔やのどの病気でも味覚障害が起こります。また、シェーグレン症候群など唾液分泌が低下し、口内が乾燥すると味覚障害をきたします。
また、喫煙も味覚に悪い影響を与えます。
・味を伝える神経の障害による味覚異常
鼓索神経は中耳を通るので慢性中耳炎がある場合味覚異常を生じることがあります。顔面神経麻痺の際に味覚が障害されることがありますが、これは鼓索神経、大錐体神経が顔面神経の枝であるからです。
また、頭部外傷や脳血管障害などにより脳の味覚中枢が障害されても味覚異常は生じます。味覚と共に嗅覚も障害されることもあります。
・薬剤による味覚障害
関節リウマチ、高血圧症、パーキンソン病、糖尿病等の薬の影響で味覚が障害されることがあります。
これらの薬剤が亜鉛や銅などの代謝に影響を与えると推測されます。投薬中止により味覚は戻りますが、回復に時間がかかることもあります。
・偏った食生活による亜鉛不足
味覚に異常が生じる原因として代表的なものは亜鉛不足です。体内の亜鉛が不足すると、味蕾の新陳代謝が十分に行われなくなって味覚障害が生じます。インスタント食品などに含まれる食品添加物は食品中に含まれる亜鉛が体内に吸収されるのを妨げると言われています。
・舌の表面の粘膜の異常
舌の表面には舌苔(ぜったい)という白い苔のようなものが薄くついています。これは舌の表面が剥がれたものや食べ物のカス、細菌、白血球の残骸などが溜まったものです。疲れたりストレスを感じたりすると舌苔が厚くなったり色が変わったりして、舌の違和感や味覚障害を感じることがあります。
・嗅覚障害による味覚の低下
風邪などで鼻頭まりを起こしている時に食べ物の味を感じなくなった経験はどなたにもあるでしょう。風邪、花粉症、鼻づまりなど、鼻疾患を伴う場合味覚の低下を生じる場合があります。
・心因性
うつ病やストレスを感じた時に味覚障害が起こることがあります。
ひとくちに味覚障害といってもその症状は様々です。
☆味覚減退・味覚消失
食べ物の味を感じにくくなったり、味を感じなくなったりします。
☆味覚過敏
食べ物の味が本来より濃く感じる
☆異味症
本当は甘いのに、苦く感じるなど違った味を感じる
☆自発性異常味覚
口の中に何もないのにもかかわらず、口の中が苦い、渋いなどを感じる
☆解離性味覚障害
ある特定の味(甘い)などが分からない
☆悪味症
何を食べても嫌な味がする
味覚障害になると、味覚が低下していることに気付かないうちに塩分や糖分をとりすぎて、生活習慣病を誘発する恐れがあることです。また、何より味が分からず食べる喜びが無くなってしまいます。
耳、鼻、口腔の診察と、問診で服用している薬物の有無や種類の確認や、採血をして血液中の亜鉛の値の計測、尿検査にて肝、腎機能検査なども行い、味覚そのものの検査としては電気刺激による味覚検査や味の溶液を用いた検査が行われます。
治療は原因によって治療法が異なります。
原因となる病気がある場合にはその病気の治療を行います。
亜鉛欠乏性味覚障害は亜鉛剤を内服します。原因不明の場合もこの亜鉛内服が有効なことが多いため同様の治療となります。薬剤性味覚障害は、原因薬剤の使用を中止したり、減量する必要があります。これに亜鉛剤の内服が付け加えられることもあります。頭部外傷や顔面神経麻痺の場合、神経障害に効果が期待できるビタミン剤や循環改善薬などが使われます。口内炎や口の渇きが酷い場合などは
味覚障害に対する当院の鍼灸治療
味覚障害に対する鍼灸治療では頬周りがあご周りの味覚障害に効果のあるとされるツボを主に用いて施術を行っていきます。
また、風邪や鼻炎などで鼻詰まりが起こることで嗅覚が低下することで味覚低下の原因があるため鼻周りもツボを使用して鼻の通りを改善することで味覚の低下も解消していきます。
その他味覚障害では心因性が原因で起こることもあり得るとされており、ストレス過多などの自律神経の乱れなども深い関与があることが多いです。
当院では自律神経測定器で自律神経の状態を把握したうえでそれの状態に合わせた全身的な調整施術も行っていきます。
性成熟期であるにも関わらず月経が欠如している状態を無月経といいます。
初経(しょけい)を迎える前や妊娠、産褥、授乳に伴う無月経は生理的無月経です。無月経の分類として18歳以上になっても初潮がこないものを原発性無月経といい、これまであった生理が3カ月以上停止したものを続発性無月経といいます。
※月経はどのようにして起こるのか
月経は卵巣から分泌される女性ホルモンで調整されていますが、この女性ホルモンが分泌されるまで様々なホルモンが関与しています。
まず最初に司令塔となる脳の「視床下部」から「性腺刺激ホルモン放出ホルモン」が放出され、それが同じく脳の「下垂体」から「性腺刺激ホルモン」を分泌されます。このホルモンの命令で卵巣から女性ホルモンが分泌されるのです。
この女性ホルモンの量は常に視床下部によって監視され、適切な量になるように調整されています。子宮は女性ホルモンの作用で妊娠の準備を行いますが、妊娠が成立しない場合に月経が起こります。
・続発性無月経
過度なダイエットや拒食症による体重減少、過度なスポーツ、肥満、ストレスや心身の疲労、環境の変化、薬の副作用などによって女性ホルモンのバランスが崩れることで起こることがあります。また、稀ではありますが、女性ホルモンをコントロールする脳下垂体の腫瘍や内科系のほかの病気が原因のこともあります。
無月経を起こす疾患として甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、高プロラクチン血症、多嚢胞性卵巣症候群などが挙げられます。
さらに続発性無月経にはエストロゲンのみ分泌され、プロゲステロンの分泌が停止した「第Ⅰ度無月経」とエストロゲン、プロゲステロン共に分泌停止になる「第Ⅱ度無月経」があります。
・原発性無月経
染色体異常、膣、子宮の奇形など性器の異常、ホルモン異常などが挙げられます。
※無月経と体重の関係
無月経と体重は密接に関わっています。BMIが18、5を切っていたり、反対にBMIが25以上で卵はあるが育ちにくい状態になっていたりすると月経が止まってしまうことがあるといわれています。
不妊や、男性ホルモン過剰による多毛やニキビ、エストロゲン不足による骨粗鬆症、プロゲステロン分泌を伴わないエストロゲンの持続作用による子宮体がんのリスク上昇などが挙げられます。
続発性無月経の場合
月経歴、妊娠、分娩歴、既往歴、内服薬の有無などの詳細な問診、血液ホルモン検査、ホルモン負荷テスト、CT,MRI,エコー検査などの画像診断を必要に応じて行います。続発性無月経に対してはホルモン治療が行われますが、カウンセリングや生活指導も大切です。
病気が原因で起こる無月経に対してはその病気に応じた治療が選択されます。また、妊娠を希望する場合は排卵誘発剤を使用し、それが無効な場合は腹腔鏡下手術を行います。
原発性無月経の場合
原発性無月経は、遺伝的な要因を有することがあるため、十分な家族歴聴取と身体的な特徴を確認することが大切です。他にも二次性徴(身長体重、乳房や恥毛発など)の有無や、内外性器の形態に異常が無いかの診察を行います。
染色体異常、奇形、内分泌疾患など様々な原因疾患を鑑別し、適切な治療に進む必要があります。内分泌検査、染色体検査、遺伝子診断などが必要になります。原因を特定し、可能であればその除去や改善をするのが第一です。例えば処女膜閉鎖症や膣閉鎖症であれば、手術によって月経が来るようになります。染色体や性管に異常があることがわかった場合には残念ながら根本的な治療法はなく、対症的な治療が必要になります。
中医学で月経周期の異常と関係が深いのは「血」です。「血」は血液や栄養のことを指します。
この血の状態が異常になると、月経周期が乱れたり、止まってしまうと考えられています。また、血の流れを推動する「気」の失調も大きく関係しています。
また、月経は五臓の「肝」や「腎」とも関係があります。肝は身体の諸機能を調節(疏泄)するのが主な働きですが、血を貯蔵し循環させる臓腑でもあります。
また、腎は人の成長、発育、生殖を司るのが主な機能ですが、「腎は血を生ず」ともいい、血を生み出す臓腑の一つでもあります。
まず、自律神経測定器にて、女性ホルモンの分泌や血液循環と関わりの深い自律神経のバランスを測定し、現在のお身体の状態を把握した上で治療へ移ります。
自律神経、ホルモンバランスを整えるツボに鍼やお灸で刺激を与え、背部、腰部、骨盤周囲などのツボを用いて自律神経系の調整、内臓機能の調整、骨盤内臓器(子宮や卵巣など)の血液循環を促進し、内分泌、免疫機能を調整していきます。
当院のアレルギー性結膜炎に対する施術は、第一に目の周辺の経穴にハリをさして結膜の炎症をおさえる作用を促します。
痛みやかゆみの強い場合は電気鍼療法を用いて痛みの閾値を上げて鎮痛効果が期待できる施術を行うこともあります。電気鍼療法は、刺激の量が強いため鍼に慣れていない方には行うことはありませんので安心してください。
その他、お灸治療の効果として抗炎症作用がありますので、目の周りに点灸というお灸治療を行うことで炎症を抑える施術も行っていきます。
またアレルギー性結膜炎は肝の機能や東洋医学でいう『風邪』と深く関係していることが考えられていますので、肝に関連の強いツボを多く用います。
肝の陽気が過亢進して頭の方へのぼっていくことで症状を起こしているとも考えられるので肝の陽気を抑えて下げる治療もする必要があります。 風邪は五臓六腑の『肺』から侵入することが多いので肺に関するツボも刺激していきます。
また東洋医学の全身の状態を診て治療していくという特徴によって当院でも全身の調整施術を行っていきます。自律神経の状態を整えていくこもアレルギー性結膜炎を治療していく上で重要だと考えます。
自律神経を整える全身治療を行うことにより人間が本来もっている自然治癒力を高めます。
中医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能障害が深く影響していると考えられています。 肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。また肝の陰陽のバランスが崩れてしまい肝の陽気の過亢進がおきると次第に陰液を消耗して肝陽が頭の方へ上がっていきます。 すると結膜炎や角膜炎ひいては自律神経失調症なども引き起こします。
また東洋医学では身体の外部からの要因で病気を発症した場合、風邪・寒邪・湿邪・火邪・燥邪・暑邪の6つの邪気が体に侵入して何らかの症状を呈します。
アレルギー性結膜炎の場合は、この6つの邪気の中で「突然発症する」「変化が多い」「人体の表面・上部に病態が現れやすい」という特徴を持つ『風邪』の可能性が高いです。治療では、その風邪の邪気を身体から排除する治療が必要になります。
30代女性
年々スギ花粉に目や鼻が反応するようになって特に今年は目の症状が強く目のかゆみや痛みが耐え切れずに目薬もしても一時的にしか効果を得られずになんとかしてほしいとご来院されました。
鼻炎もひどくくしゃみや鼻水が止まらい状態。
当院の治療
アレルギー反応は体の免疫に関係しており、免疫は自律神経の状態に左右されるため自律神経測定器で自律神経の状態を測定していきました。
副交感神経の活動がお昼の時間帯の割に高く、自律神経のバランスの乱れがみられたため目や鼻周りの施術を中心に背中や手足お腹などのツボを用いて自律神経のバランス調整の施術も行っていきました。
目の周りの施術は刺した鍼に電気を通す鍼通電治療を用いて鎮痛効果をより一層高めていきました。
この患者様の場合は1回目の施術後に目の痛みや痒みが半減して比較的早く鍼灸の効果がみられました。
一週間に1回程度の治療間隔で1か月ほど施術を行い、花粉のつらい時期を乗り切ることが来たとのことです。
アレルギー性結膜炎とは、様々なアレルゲン(ほこり・ダニ・花粉)によって目のかゆみやごろごろ感、痛みなどを伴う疾患です。
アレルギー反応とは、体外から異物が入ってきたときに身体を守ろうとする身体の防衛反応の一つです。細菌やウィルスなど身体に害のあるものを排除しようとする防衛反応とアレルギー反応との違いは、本来身体にとって無害なものを有害物質と判断して排除しようとするということです。日常生活の中でほこりやダニや花粉などアレルギー反応を良く引き起こすとされる物質は本来身体にとっては有害なものではないということです。
アレルギー反応を引き起こすアレルゲンは体内に侵入した際に血液中のIgE抗体という物質と結合します。すると、身体は体内に有害な物質が侵入してきたと判断して好酸球という白血球の仲間の細胞からヒスタミンなどの炎症性物質を放出します。ヒスタミンが放出されることでアレルゲンを体外から出そうとする反応が起きるのです。反応はヒスタミンが放出される場所によっても違ってきて、目のかゆみ・涙・鼻水・くしゃみなどの反応を引き起こすのです。
身体の器官の中で目はアレルギー反応を引き起こしやすい器官と言われています。特に目の角膜や結膜は外界と接しているためアレルゲンが侵入しやすい状態です。また結膜は血管もたくさん存在しており、免疫細胞も豊富にあるためアレルギー反応が起こりやすいといえます。血管の豊富さから鼻など様々な気管から侵入してきたアレルゲンも目に反応を起こすこともあります。
目の結膜は、白目の部分やまぶたの内側を覆っている膜です。その部分がアレルギー反応を引き起こすと、赤く充血したり、かゆみ、まぶた裏の異物感、目やにの症状を呈します。
近年、アレルギー性結膜炎は増加傾向にあると言われています。最も多いのがスギ花粉によるアレルギー性結膜炎です。日本でアレルギー性結膜炎を患っている人は2000万人にいると言われていますが、その大半が花粉がアレルゲンとなって引き起こされていると言われています。
スギ花粉が最も多いのですが、ヒノキやヨモギ・ブタクサでもアレルギー反応を引き起こしてしまう方も増えており、一年中花粉に悩まされる方も少なくありません。
アレルギー性結膜炎には、アトピー性角膜炎・春季カタル・巨大乳頭性結膜炎も含まれています。
アトピー性角膜炎はアトピー性皮膚炎の方に多く現れる症状の一つです。アトピーによる皮膚の症状が角膜にも起こり、かゆみがひどく、目を擦ったりすることによって角膜びらんといった症状に進行していく可能性もあります。
春季カタルはその名の通り春から夏に重症化するアレルギー性結膜炎です。角膜潰瘍や角膜びらん、上まぶたの上側に大きなしこりの様なできものでき、視力障害などにもつながる可能性があります。アレルギー性結膜炎が重症化すると春季カタルとなることがあり、比較的青年期に多く発症すると言われています。
巨大乳頭性結膜炎とは、まぶたの裏にブツブツ状のできものができてしまう疾患です。主にハードコンタクトレンズを着用する人に多く現れます。コンタクトレンズをつけているとゴロゴロとした異物感を感じると巨大乳頭性結膜炎の可能性があるので一度眼科で診てもらう必要があります。まぶたの裏側にできものができてしまうと、場合によっては黒目も傷つけてしまうことがあり、重症化してしまうこともあります。
アレルギー性結膜炎の一番の原因は花粉です。スギの木は戦後荒れ果てた土地に国策として植えられました。その頃はスギの木が成長して林業の助けとなると考えられていたのです。しかし、日本の林業はますます衰退してきており、伐採されていない戦後に植えられたスギの木が現在の花粉症の原因となっているのです。この状態が続いた場合スギの花粉にあと50年は悩まされるとも言われています。
その他にもダニやハウスダスト、ペットの毛などがアレルギー性結膜炎の原因となります。コンタクトレンズの着け外しも一つの原因となります。
アレルギー性結膜炎は増加傾向にありますが、その原因はいまだに特定されておりませんが、環境の変化が大きな原因だと考えられています。
ハウスダストの増加や大気汚染はアレルギー性結膜炎を増やす原因になります。また、アトピー性皮膚炎患者の増加もアレルギー性結膜炎が増加する一因です。
食生活の変化やストレス過多などの状況もアレルギー性結膜炎を増やしている大きな要因です。現代人特有のストレス過多状態で自律神経が乱れて白血球のバランスが崩れることでアレルギー反応が出やすい体質となっているとも言われています。
アレルギー反応の原因となるアレルゲンにできるだけ触れさせないということが重要です。花粉が多く飛ぶ時期には、花粉用のゴーグルをかける・マスクの着用・花粉を室内に持ち込まないように家に入る前に服に付着している花粉を落とすなどの対策を行ってください。またハウスダストもアレルギー反応の主な要因となるのでこまめに掃除することでハウスダストを充満させないような環境づくりをしてください。
また、日々の運動・食事・睡眠・仕事に注意を傾けてストレスをため込まないようにしてください。
その他目の痛みが出る疾患
・強膜炎の鍼灸治療について
・角膜炎、角膜潰瘍の鍼灸治療について
・ものもらいの鍼灸治療について
・ぶどう膜炎の鍼灸治療について
結膜とは上下のまぶたの裏側と、白目(強膜)の表面を覆っている半透明の膜で皮膚に似た構造をしています。
細かい血管が豊富に存在し、リンパ組織という免疫反応(体が異物に対して反応すること)を起こす組織があります。また、目の表面は涙によって常に潤されており粘膜としての性質があります。
結膜は直接外界と接しているので、様々な病原物質にさらされやすい環境にあります。結膜炎には感染で起こる細菌性結膜炎、ウイルス性結膜炎、アレルギーで起こるアレルギー性結膜炎など様々な種類があります。
・細菌性結膜炎
原因
原因となる細菌には、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌、レンサ球菌、淋菌(りんきん)緑膿菌(りょくのうきん)など、様々なものがあります。
症状
細菌の種類によって多少異なりますが、粘性の黄色みがかった目やにが多く出て、流涙が起こります。重篤な場合には、細菌性角膜潰瘍(さいきんせいかくまくかいよう)が出来て激しい眼痛を起こしたり、菌血症(きんけつしょう)や髄膜炎(ずいまくえん)などの全身の病気に至るものもあります。
・ウイルス性結膜炎
原因
アデノウイルス、エンテロウイルスなどのウイルス感染で起こり、様々な種類の結膜炎があります。
・流行性結膜炎(はやり目)
感染力が強く、昔から一般的に「はやり目」と呼ばれているものです。アデノウイルス(8型、19型、37型、54型など)の感染で起こり、感染してから1~2週間遅れて症状が現れます。突然目に何か入ってるいるかのようにゴロゴロしたり、充血、まぶたの腫れ、たくさんの目やにや涙が出て眼痛を伴うこともあります。10日ほどしてから角膜に炎症が起こり目がかすむこともあります。
・咽頭結膜炎(プール熱)
アデノウイルス(3型、4型、7型など)の感染で起こります。夏かぜとして流行することがあり、プールなどで広まることが多いためプール熱とも呼ばれています。
白目の充血や目やにといった目の症状は流行性結膜炎より弱い反面、のどの痛みや39度前後の発熱などの呼吸器系の症状がみられます。
・急性出血性結膜炎
エンテロウイルス(70型)やコクサッキーウイルス(A24変異型)などエンテロウイルスの仲間による感染で起こります。感染から一日で症状が現れ、充血、目やに、異物感などが出現し、結膜下出血が起きると白目が真っ赤になるためこの病名が付いています。
・アレルギー性結膜炎
アレルギーとはある特定の物質に対して過敏に体が反応することをいい、原因となる物質が体に入ると、かゆみや充血、眼の異物感、目やにや涙が出るなどの症状が起こってきます。
最近の報告によれば、日本では全人口の約15~20%がアレルギー性結膜炎を有していると推定されています。アレルギー性結膜炎は一年を通して起こる場合(通年性)と、ある季節にだけ起こる場合(季節性)があります。
原因
通年性のもので多いのはダニやカビ、ハウスダストです。その他イヌやネコの抜け毛やフケなどがあります。また、季節性の原因の代表はスギ、ヒノキ、ブタクサ、イネなどによる花粉が主です。
細菌性結膜炎の場合
病状から、炎症の原因となっている菌を推定して適応した薬剤が用いられますが、通常は色々な種類の細菌に有効な抗生物質の点眼薬や軟膏が用いられます。
抗生物質使用の際は点眼薬を用いるのが基本ですが、淋病やクラミジアが原因になっている場合は内服薬の追加が必要です。
ウイルス性結膜炎の場合
ウイルス性結膜炎の場合、結膜の細胞のウイルスを効果的に排除する薬剤は有りませんが、不快な症状を和らげるために炎症を鎮める効果のある非ステロイド性抗炎症点眼薬やステロイド点眼薬が用いられます。
また、抵抗力が落ちている結膜に細菌が感染しないように予防的に抗菌点眼薬、抗生物質の点眼薬が使用されることがあります。
アレルギー性結膜炎の場合
アレルギー性結膜炎の治療は基本的に薬物療法になります。治療には抗アレルギー点眼薬(抗ヒスタミン薬、メディカルエディエータ遊離抑制薬)が主に使われます。
重症の場合にはステロイド点眼薬や免疫抑制点眼薬を使用する場合もあります。また、目薬だけで症状が改善しない場合抗アレルギー薬を内服することもあります。
疲労やストレス、生活習慣の乱れなどで自律神経のバランスが乱れていると、免疫力が低下して細菌やウイルス感染を起こしやすくなったり、症状が長引いたり、免疫機能が乱れてアレルギー症状が起こりやすくなります。
そのため、当院では最初に自律神経測定器にて自律神経のバランスを測定し、お身体の状態を把握した上で治療へ移ります。
内臓機能や全身の血液循環、免疫機能などを司る自律神経系の調整施術を行うことで、自然治癒力を高め症状が治癒しやすいお身体の状態を整えます。
また、目へと続く動脈が圧迫を受けやすい首や肩周囲の筋緊張の緩和と、目の周囲の重要なツボに鍼やお灸で刺激を与え、血液の循環を促進し抗炎症作用を促すことで、結膜炎の症状を和らげ、治癒を促進する作用を促します。
整形外科でレントゲンなどの検査をしてもわからない首から肩・上腕にかけての不調は頸肩腕症候群の可能性があります。
頸肩腕症候群の鍼灸治療はWHO(世界保健機構)で適応疾患として認められています。
WHOの鍼灸適応疾患について←
当院の頸肩腕症候群に対する鍼灸治療は、まず首肩部分の筋緊張の緩和と鎮痛効果を目的に施術していきます。
痛みや筋肉の緊張が強過ぎる場合には、鍼通電治療も併用して行っていきます。
その他、頸肩腕症候群でも自律神経測定器を用いて自律神経の状態を把握して自律神経の状態も整えていく場合もあります。頸肩腕症候群の症状は、多岐にわたり自律神経失調症状と切っても切り離せないためです。
現代のストレス社会において多くの方は、活動神経である交感神経過亢進状態にあるといえます。当院では、そういった方のためにはりやお灸の刺激でも心地よい刺激を心掛けて施術にあたらせていただいております。
痛みなどの症状の強い首肩付近の施術はもちろんのことお腹や背部も施術することにより身体全体の調子が整い、症状回復の手助けとなります。
首や肩の症状と合わせてうつ病・自律神経失調症・睡眠障害・更年期障害などでお悩みの方はぜひ一度ご相談下さい。
東洋医学では頸肩腕症候群は体の外から邪気を受けるため発症するものと中医学でいう「肝」と「腎」が何らかの原因で損傷して働きが弱まって発症するものと考えられています。そういった原因で頸部付近の気血が滞り、それが痛みや痺れの原因となると考えられています。
体の外からの邪気として一番頸肩腕症候群が発生しやすいのは、寒く風のあたる場所にいた時などに体に悪さをする「風寒の邪気」を受けた時です。次いで湿度の高い場所にいて「湿邪」を受けた時などです。
また長い間椅子に座ってパソコンなどの仕事をした時に気血は滞り、それが頸部・肩部・腕部付近であった場合に頸肩腕症候群を発症する可能性が高くなります。
中医学でいう「肝」と「腎」の機能が弱ると全身的に血や体液が不足し、筋肉や骨などの様々な器官に栄養を送ることができず、さらに上記のような条件が加わると頸肩腕症候群がおこりやすくなります。両者の関係は深いので「肝腎同源」とも言われており、「肝」と「腎」の症候が同時にあらわれることが多いです。
30代 男性
もともと肩こりはひどかったが、ここ最近は肩こりがひどく感じるのと同時に首から左背中・左上腕にかけて痛みやだるさが出るようになった。整形外科で検査したところ多少頸部のヘルニアらしき箇所が見られるが、症状が強く出るほどではないと言われた。特に原因は特定されずに湿布薬を処方され、安静にしておくように言われた。
湿布薬を貼り、安静にしていたら症状は落ち着いてきたが、仕事などが忙しくなり安静にできないと症状がさらに悪化し始めた。パソコンでキーボードをうつ姿勢になると左首から左上腕に力が入ってしまい、痛みやだるさを感じて仕事も集中できない状態。ひどいと家で横になっている状態でも症状を感じる時がある。
当院の治療
自律神経の乱れ・交感神経の過亢進などにより、血流が滞り痛みやだるさを生じさせている可能性があるので自律神経測定器で自律神経の状態を計測してから治療に入りました。
1.仰向け施術
自律神経の調整、左頚部前部・左肩・左上腕の筋緊張の緩和を目的に施術。痛みや筋緊張の強い部分には鍼通電・お灸療法を積極的に用いました。
2.うつ伏せ施術
特に肩甲骨回りに固結部が見られたためその部分を集中的に施術していきました。
3.ストレッチ整体
鍼灸施術で筋肉がゆるんだところでストレッチや整体をします。そうすることでさらに効果が期待できます。
治療経過
◇1回目◇
治療後以前は横になっている時もつらい時があったがそれはなくなった。治療後、体が軽くなったと感じる
◇2回目◇
以前はパソコン作業をして10分程で左腕や肩がつらくなったが1時間ほどで症状を感じるようになってきた
◇3~4回目◇
仕事が忙しくなり、長時間無理な姿勢を取ってしまったため次の日に症状悪化。しかし、痛みやだるさは一日ですぐ引いた
◇5回目◇
仕事をしていない時は症状を感じることがなくなった。仕事を2時間以上休まず続けているとつらくなってくるが休憩をはさむと症状は感じにくい
頸肩腕症候群とは、頸部になんらかの異常があって神経や血管が圧迫されて、頸部から肩・腕・背部にかけての痛みや異常感覚を訴える疾患の総称です。
頸肩腕症候群は、整形外科的疾患の変形性頸椎症や頸椎椎間板ヘルニア・胸郭出口症候群などを除外した、検査などで病因が特定できないものをいいます。検査などで病院が特定できないということで「頸肩腕症候群」と診断されたなかには、自律神経失調症・局所血流の異常・不安症・うつ病・更年期障害・末梢神経炎・寝違え・脊髄疾患・片頭痛・メニエール症候群・顎関節症などの多数の疾患が混在しているものと推定されます。
歴史的にキーパンチャーやタイピスト・電話交換手などの上肢を繰り返し使う業務に従事する人に多く見られ、後頭部・後頸部・肩部・上腕部・手・手指のいずれかあるいは全体にわたって「こり」「しびれ」「痛み」「鈍痛感」などの不快感を職業性の「頸肩腕症候群」として産業医療の分野で確立してきた経緯があります。
しかし疾患の概念や病態生理が十分に確立されておりず、労働基準法などの中で用語だけがひとり残存している感があります。ことにこのような後頸部から肩や上肢に至る症状を訴える場合には、それ以外にも心因性因子の関与や自律神経失調による関与が濃厚な場合が少なからず混入しています。
☑肩こりがひどく、デスクワークをしていると頸肩がつらくなってくる
☑肩から腕にかけて重だるさを感じる
☑腕や手指に痺れを感じる
☑後頭部や側頭部に締め付けられるような頭痛を感じる
☑腕や手指の冷えを感じる
☑手の力が入りにくい
広い意味で頸肩腕症候群は、頸部から肩や腕にかけての痛みや異常感覚を訴える場合に頸椎椎間板ヘルニアなどの整形外科的疾患を除外した、検査などで病因を特定できないものが頸肩腕症候群と言われており、これといった病因は断定できませんが、パソコンなどを座って作業する労働者に多いと言われております。かつてはキーパンチャー病と呼ばれたものも頸肩腕症候群の一種であり、現在ではパソコン病やVDT病とも呼ばれています。
頸肩腕症候群は、若年層から起こり、男性より女性のほうがかかりやすいとされています。
頸肩腕症候群では、下記のような状態や生活環境で起こりやすくなります。
・オーバーユース
特にパソコン作業でのタイピングやスマホ操作での親指操作である程度以上の力を入れて手指の筋肉を動かしすぎているとだんだんと筋疲労が起こってしまいます。すると手指の動きが鈍くなりさらに痛みや痙攣などの症状が出てきます。筋肉は小さい筋肉ほど疲労が溜まりやすく症状が出やすくなります。
・不自然な姿勢
パソコンをしている姿勢では頭部は前傾となり腕は前に突き出す姿勢のため猫背のようになってしまい背部や頸部に負担がかかることで頸部や肩部の筋肉に疲労が溜まり、過度な筋緊張や痛み症状が出やすくなります。
その他、職場特有の無理な姿勢が原因で頸肩腕症候群となることも少なくありません。じっとした姿勢が長時間続くと静的緊張といって極端に血流量が減ってしまい、筋肉に必要な酸素や栄養素が不足してしまいます。
・精神的な疲労による自律神経の乱れ
精神的な疲労による自律神経の乱れが頸肩腕症候群の原因となることがあります。特に仕事中では自律神経のうちの交感神経の活動が活発になります。交感神経の活動は血管や筋肉を緊張させて筋肉の動きを良くしますが、その状態が長く続いてしまうと血流は悪化してコリの原因や痛みの原因となり得ます。
その影響が普段使いすぎている筋肉に出てしまい頸肩腕症候群の症状が出てしまう場合があります。
頸肩腕症候群は突発的にかかるわけではなく、日々の仕事の姿勢や生活習慣が頸肩に負担をかけて積み重なったものが頸肩腕症候群としてあらわれます。よって日常生活で頸肩に負担をかけすぎないように注意することが症状改善や症状予防につながるのです。
・パソコン作業の際は1時間に10分ほど休憩を取る
・長時間同じ姿勢を避ける。
・頭をあらゆる方向にゆっくり曲げていき首の筋肉をストレッチする。
・腕を伸ばしたまま手首を曲げて腕のストレッチをする。
・一日の中で趣味の時間などリラックスできる時間をつくる。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
当院の腰椎椎間板ヘルニアに対する治療の目的は、第一に腰部から下肢にかけてのツボや痛みの強い部位に鍼をさして血行を良くしたり、筋の過緊張を和らげます。また必要と判断した場合は、微電流を流して痛みを感じる閾値を上げて痛みを感じにくくする作用を促します。
従来は、一度飛び出してしまったヘルニアは自然と引っ込むことはないと考えられていましたが、MRIなどの画像診断の発達によって時間が経てば一部のヘルニアは吸収されて飛び出したヘルニアが小さくなったりまたは完全になくなったりすることがわかってきました。ヘルニアが吸収されるポイントとして白血球の働きがあります。白血球は本来体外から侵入してきた病原菌や異物から体を守る防御作用があります。この働きが髄核から飛び出したヘルニアにも作用してヘルニアを異物と察知して溶かして吸収する作用が働くと言われています。
この作用を利用したお灸の作用でヘルニアが軽減する可能性があります。お灸の作用の一つとしてお灸をした箇所が火傷をしたと体が反応して白血球が集まることがわかっています。それを利用して患部にお灸を施すことでその付近に白血球を集めてヘルニアを溶かして吸収する作用を促します。
腰椎椎間板ヘルニアは五臓六腑の「腎」に深く関係しているので腎に関する経穴を用いて「腎気」を補うことや腰部の気血の流れをよくします。また風寒や湿の邪気によって引き起こされる場合はそれらを体外に出す治療が必要になります。
東洋医学の診断方法に基づき全身の調整治療も行っていきます。腰椎椎間板ヘルニアは全身性の疲労や気血の滞りが原因の場合もあるので腰だけの部分的な治療ではなく全身を診て治療していきます。全身治療を行うことにより人間が本来もっている自然治癒力を高めます。腰痛の鍼灸治療はWHO(世界保健機関)でも有効とされています。
当院の腰椎椎間板ヘルニアの治療目的は、腰椎椎間板ヘルニアの回復程度を高めて、回復を速めることです。また西洋医学とは違う東洋医学の観点により少しでも腰椎椎間板ヘルニアが回復できる機会を提供することです。それにより、患者さんの仕事の質の向上や生活の質の向上が期待できます。
腰椎椎間板ヘルニアの場合、当院では整形外科などの他の病院での治療を勧めさせていただく場合がございます。はりやお灸などを使った施術よりも治療効果が見込めるからです。
当院で施術可能と判断された場合のみの対応させていただきます。
当院では、こういった場合、専門医の診断が必要と考えております。
ⅰ)尿閉や尿漏れなどの排尿障害や排便の障害が出ている場合
ⅱ)筋力低下や知覚障害がなかなか改善されていかない
ⅲ)鍼灸治療を2週間続けても効果が出ない
30代男性
運送業の仕事で車を運転することも多く、重い荷物も運ぶこともあり、慢性的な腰痛で悩んでいた。痛みでつらい時は、マッサージなどを受けてなんとか過ごしていたが3週間ほど前の朝に歯磨きをしていて急にくしゃみをしたところ歩けないほどの痛みを腰に感じた。すぐに病院に行き、注射や痛み止めを飲み強い痛みはなんとか2~3日で軽減されたがその後も強い痛みが腰に出ることがある。病院では、CTおよびMRIを撮ったところ第4腰椎と第5腰椎間の椎間板ヘルニアと診断された。痛みが続くようだと手術しかないと言われたがどうしても手術は回避したいということで当院にご来院された。
当院の治療
痛みを抑制させる鍼通電療法、周りの筋肉を弛緩させる目的での温熱療法、収縮された筋肉を伸ばすストレッチ療法を駆使して施術していきました。家でもストレッチとインナーマッスルを鍛えるトレーニングを行っていただきました。
治療経過
最初の施術は腰の痛みが少しいいかなという程度でそこまで変化が見られなかったが2回目以降だんだんと腰痛が軽減されて集中的な治療で6回程治療をしたところ腰痛をほぼ感じなくなったので、その後は経過観察で2週間後にご来院していただきました。その後定期的(1か月に1回程)に筋肉を緩める施術を行っているが再発はしていません。
腰椎は5個あって上から順に第一腰椎・第二腰椎と名付けられています。椎骨は円柱状の椎体と後ろにある椎孔をアーチ状に囲む椎弓よりなり、椎孔は上下に重なって脊髄を通す脊柱管をつくります。椎体と椎体はいくつかの靭帯や椎間板という組織によりつながれています。
椎間板は外縁部を構成する線維性軟骨組織でできた線維輪と中心部を構成する軟らかい髄核という組織でできています。髄核は弾力性とある程度の流動性があり、それらが圧の分配を行って脊柱の屈伸やねじれを可能にしています。
椎間板の線維輪が弱くなって全体として膨隆したり、線維輪が断裂して中の髄核が脱出したりして椎間板組織が神経根を圧迫して腰・下肢痛を引き起こした病態を腰椎椎間板ヘルニアといいます。椎間板という組織自体は加齢とともに老化しやすい組織であり、退行性疾患の代表的疾患ですが、重いものを持ったり、スポーツなどで腰に負担がかかって発症するきっかけとなる場合も少なくありません。髄核の脱出部位や程度によって3型に分類されます。
ⅰ)膨隆型
後方の線維輪の列隙部に髄核の一部が移動してしまいます。症状は比較的軽いものが多いです。
ⅱ)突出型
髄核が線維輪から突出している状態ですが、後縦靭帯には覆われていて、症状としては中程度の場合が多いです。
ⅲ)脱出型
髄核が線維輪から突出して、後縦靭帯をも破っている状態です。症状は、重症の場合が多いです。
腰椎椎間板ヘルニアの主な症状は、腰痛と片側の下肢へと放散する痛みです。症状が急激に生じる場合とゆっくりと生じる場合とがあり、急激に発症する場合の多くはいわゆるぎっくり腰のような症状が数日みられます。
発症当初は腰痛がひどく体動もままにならない場合がありますが、1~2日経過すると腰痛が軽快し、それに代わって圧迫された神経根の支配領域に放散する下肢痛としびれが症状の主体となります。
両下肢の高度な感覚・運動障害そして排尿障害が急激に生じる場合があり、その場合は早急に手術的治療が必要となる場合もあります。
好発年齢は20代、30代・40代、次いで10代、50~60代の活動性の高い男性に多く、好発部位は第四腰椎-第五腰椎の間(第四腰髄神経)、次いで第五腰椎-仙骨(第五腰髄神経)です。この2つの好発部位で椎間板ヘルニアの実に95%も占めています。その他第三腰椎―第四腰椎にもまれに発症しますが、複数のヘルニアが同時に発症する頻度はひくいです。
第五腰髄神経が障害されれば、足背では中央部から母指にかけて知覚鈍麻が起こり、親指を反り返す動作がしづらくなります。第一仙髄神経が障害されれば、足背の小指側の知覚が鈍くなります。
※肩こりと椎間板ヘルニアの関係
肩こりによって体の重心がずれてしまう事で骨盤が傾いてしまい、椎間板への側方への圧が集中してしまうため椎間板ヘルニアのリスクが高まってしまうことが言われています。
肩こりの原因の多くは、僧帽筋や肩甲挙筋の筋の過緊張状態です。それらの筋肉が過緊張状態となると片方に首が引っ張られてしまうために体の重心が肩こりが起こっている側に移動してしまいます。
すると、反射的に身体を姿勢を保とうとするため、腰部の姿勢を保つ役割のある筋肉である腰方形筋や腹斜筋に無意識に力が入るようになり、筋疲労を起こしやすい状態となってしまうのです。そして、それらの筋肉の疲労を人は無意識に他の関節を動かして調整するような代償運動がおこります。その代償運動により筋肉への負担はある程度軽減されるのですが関節にはかかる負担は増大してしまうのです。その状態が長く続いてしまうことで関節が耐え切れなくなり、椎間板ヘルニアや椎間板圧迫骨折などの症状をきたしてしまうのです。
腰椎椎間板ヘルニアになる原因として重いものを持つなど日常生活での動作が引き金となる場合や椎間板や椎骨の老化による場合、姿勢の悪さからくる背骨の歪みによる場合などがあります。また、スポーツなど力学的負担が原因となる場合も少なくありません。
この疾患の発症には、同一家系内に同じ疾患が多発することや不安・抑うつなどの精神的な疾患、仕事上のストレス・集中度・満足度などが深く関与していることも指摘されています。遺伝的要因が考えられる場合、若年者の発症にその傾向が強く、急性腰痛症を数回発症したことがある方に腰椎椎間板ヘルニアが発症しやすくなると言われています。
腰椎はもう20代からすでに老化が始まってしまっていると言われています。人間の体の中で最も早く老化が進む箇所だとも言われます。
もともと、哺乳類は二足歩行ではなく、人間は進化していく過程で2足歩行に進化していきました。人類の二足歩行への進化は急速に進んだため上半身を支えている腰部に負担が大きくかかることはある程度仕方ない人体構造となっているのです。
腰椎椎間板ヘルニアの症状で一番つらい症状が腰痛かと思いますが、腰痛症状を予防するにはまず腰部に負担を大きくかけないことです。重いものを持つときは上半身だけで持ち上げようとはせずに膝などの下半身からしっかりと持ち上げるようにすると腰部への負担はいくらか軽減されます。
また中腰姿勢が長く続いてしまいますと負担が増大しますので避ける必要があります。
その他、腰部周辺の筋肉の柔軟性を保つことも重要です。筋肉が固まってしまっている状態ですと腰部の関節に負担がかかりヘルニアになりやすくなります。
腹筋を鍛えることも腰痛予防には重要で腹筋には体の姿勢を保つ役割もあり、その部分の筋力が低下してしまいますと同じように体の姿勢を保持する役割のある腰部の筋肉に負担が大きくかかります。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
当院では、呼吸や脈拍、血圧などを司る自律神経の状態を自律神経測定器で測定し、患者様のお体の状態を把握した上で治療に移ります。
自律神経のバランス調整施術で、内臓機能、血液循環、免疫機能を高め全身的なバランスを整え、東洋医学的観点から、心・肺・腎を中心とした五臓六腑の機能調整、気を補う、流れを調整するツボなども用いて治療を行います。
また、呼吸筋、呼吸補助筋の緊張による横隔膜の動きが悪くなることも息切れの原因となりますので、首や肩、肩甲骨周囲、腹部などの筋緊張や筋疲労を和らげる施術も合わせて行っていきます。
東洋医学では息切れは過労や栄養不足、ストレスなどによる「気」の失調や五臓六腑の心・肺や肺が行う呼吸を助ける腎などの機能低下が関係していると考えられています。
代表的なものとしてこのような状態が挙げられます。
・心血虚
心を栄養する血液が不足した状態を指します。血を作る脾の働きが低下すると心血が作られない為心の循環不全になります。心血虚の場合、心陽で熱を帯びるため動悸、息切れ、胸苦しさなどが生じます。また、心は精神をコントロールするためイライラ、夢をよく見る、眠りが浅い、めまいなどの症状が起こることもあります。
・肺気虚
肺に供給される気が不足した状態を指します。具体的な症状として咳、痰、息切れ、疲労感、多汗などが挙げられます。
・肺腎気虚
肺と腎の気が不足した状態です。肺は呼吸を司っている臓器ですが、その中でも特に空気を吐き出す呼気を担っています。一方で腎は空気を吸い込む吸気に関わっています。
呼吸に関わる肺、腎の失調は大気中の気の取り込みに大きな支障になってしまいます。肺腎気虚の主な症状は呼吸困難、息切れ、発声困難、手足の冷え、むくみ、多汗、腰の痛みや重だるさなどが挙げられます。
息切れとは呼吸をするのに努力を必要としたり、不快感を自覚することです。
息切れには
・息がつまる
・呼吸が浅い
・胸が圧迫される
・十分に息が吐けない
・呼吸が早い
など様々な表現があります。血液中の酸素量の低下、二酸化炭素の増加、その他いろいろな原因がありますが、多くは体が必要とする酸素量が供給出来ないと息切れは起こります。
日常生活から考えられる原因
・激しい運動や運動不足による体内の酸欠
運動をするとき体は筋肉を動かすため沢山の酸素を必要とします。激しい運動をするほど大量の酸素を必要とするため、酸素を多く取り入れようと呼吸が早くなり息切れを起こしやすくなります。
また、日頃の運動不足も心臓が血液を送り出すための筋力が弱くなるため、息切れを起こしやすくなります。
・過労やストレスによる脈拍や自律神経の乱れ
自律神経には体を活動状態にする「交感神経」と、休息、回復状態にする「副交感神経」の二種類があります。この二つはアクセルとブレーキの関係にあり状況に応じてどちらかが優位になり、呼吸、血液循環、体温調節、消化、排泄、生殖、免疫などの働きを無意識のうちにコントロールしています。
強いストレスや過労などが原因で交感神経が緊張(亢進)してしまうと息切れや動悸が起こります。
・肥満による心臓への負担
体重の増加に伴って体が大きくなると、身体はその分多くの酸素を必要とします。肥満では心臓は沢山の血液と酸素を送ろうと活発に活動します。すると心臓に負担がかかり息切れや動悸が起こりやすくなります。
息切れを伴う疾患
・慢性閉塞性肺疾患(COPD)
長年の喫煙習慣が原因の約90%を占める疾患で、喫煙により慢性気管支炎や肺が弾力を失う肺気腫を引き起こし、咳や痰、息切れが続くようになります。
30年~40年近くかけてゆっくりと肺の機能が低下して徐々に呼吸が苦しくなり最終的には呼吸不全になることがあります。
・気管支喘息
慢性の気管支の炎症やアレルギーによって気道が過敏になって狭くなる症状が現れると息が苦しくなる発作を繰り返します。喘息の発作時には喉が詰まる感じが現れ、咳や痰、ゼイゼイ、ヒューヒューという呼吸音(喘鳴)、呼吸困難が続きます。息を吸う時より吐くときの方が苦しくなるのが特徴です。
・心不全
心筋梗塞や不整脈など様々な心疾患が原因で、心臓の機能が低下し体に十分な血液が供給できなくなった状態です。全身の血液循環が悪くなることで肺にうっ血が生じ、呼吸困難、息切れ、動悸が起こります。
また、胃腸や肝臓にうっ血が生じると食欲不振や嘔吐、腹部膨満感なども見られるようになります。
・狭心症
心臓の筋肉に血液を送り込む冠動脈が脂質異常や糖尿病などによって血管が動脈硬化で硬くなり、血流が不足しやすい状態に陥ります。
そして寒い日や階段昇降時など心臓に負担がかかった際に、数分程度一時的に酸素が不足して胸が締め付けられるような痛みや息苦しい発作が起こります。
・心筋梗塞
心臓の筋肉に血液を送る冠動脈が動脈硬化を起こして内腔が狭くなると、血液が固まって出来る血栓が詰まり、血流が完全に止まってしまうのが心筋梗塞です。突然胸に激痛が起こり、痛みは30分から数時間続くことがあります。
血流が止まると心筋の壊死が始まり、その範囲が広がると血圧が低下して顔面が蒼白となるとともに吐き気や冷や汗がみられたり、意識を失って死に至る場合があります。
・不整脈
心拍動が基準値(一分間に60~100回程度)を外れて拍動が多すぎたり少なすぎたり、または心拍動のリズムが乱れたりして起こるのが不整脈で、動悸や息切れ、胸の不快感などを生じます。低血圧や失神、意識消失や心停止に至ることもあり生命の危険にさらされることもあるため、心臓や循環器の専門医への受診が必要です。
・過換気症候群
過剰な精神的ストレスなどが引き金となって、突然浅く速い呼吸を繰り返す疾患です。動悸や酸欠状態のような息苦しさを訴えます。
呼吸回数が増えることで血液中の二酸化炭素が過度に減少しめまいや手足のしびれ、筋肉のこわばりなどとともに呼吸速度が速まりときに失神してしまうこともあります。
・バセドウ病(甲状腺機能亢進症)
のどぼとけの近くにある甲状腺から甲状腺ホルモンが過剰に分泌される疾患で、甲状腺ホルモンの代謝亢進作用によりのぼせやほてり、多汗、手の震え、動悸、息切れなどの症状が起こります。その他疲労感や甲状腺の腫れ、眼球突出などの症状が現れることがあります。
・更年期障害
閉経前後の約10年間を指す更年期を迎えると女性ホルモン(エストロゲン)の急激な変化により自律神経のバランスが崩れ、のぼせ、ほてり、めまい、イライラ、肩こり、動悸、息切れなど心や体に様々な症状が現れます。
・貧血
鉄分の不足などが原因で、酸素と融合し酸素を全身へ送るヘモグロビンの量が減少することで血液中の酸素濃度が薄くなった状態です。体内の酸素が不足することでめまいや倦怠感、息切れなどの症状が起こります。
などがあります。
まず、問診、触診、視診、聴診などを行い
バイタルサイン(血圧、脈拍など)の確認をします。呼吸困難で特に重要なバイタルサインは呼吸数、SpO2(動脈血酸素飽和度、体の動脈中でどれだけ酸素があるか示す指標)です。
多くの場合問診と身体所見でおおよその病気候補は絞られます。最終的な確定診断を行うために、胸部レントゲン写真、心電図検査、動脈血液検査などの検査が行われます。