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動眼神経麻痺の鍼灸治療

火曜日, 11月 28th, 2023

動眼神経麻痺に対する当院の鍼灸治療

 

当院の動眼神経麻痺に対する施術は、目の周辺のツボにハリをさして微電流を流すことにより目の血行状態を良くし、さらに筋に刺激を与えて麻痺の解消を促します。

動眼神経麻痺の鍼治療

 

また動眼神経麻痺は五臓六腑の肝に深く関係しているので肝に関する経穴を用いて肝血を補うことや肝気の巡りをよくします

動眼神経は、運動神経と自律神経の二つがあり、動眼神経麻痺は自律神経の状態を知ることがとても重要となってきます。そこで当院では、自律神経測定器を用いて自律神経の状態を把握した上で施術致します。

動眼神経麻痺の鍼灸治療

 

当院では糖尿病を併発している場合、目周囲の施術の刺激量を抑えて施術致します。糖尿病の方の場合血管がもろくなっており、目周囲への過度な施術は、目の血管の細い部分を出血させてしまう危険性を伴うからです。施術の際は必ずお申し付けください。

・動眼神経麻痺による複視の治療
動眼神経麻痺の症状でよく当院にご来院される方の多くが複視の症状を患ってご来院されます。動眼神経は、上直筋、下直筋、内側直筋、下斜筋、眼瞼挙筋と多くの眼球を動かす筋肉をつかさどっているため動眼神経に異常が起きてしまうと筋肉が正常に働かなくなってしまうため焦点が左右の目で合いづらくなってしまう複視の症状が起こってしまうのです。

そこで当院の鍼灸施術では動眼神経麻痺で複視の症状が出ている方に対して鍼通電療法を行っております。目の周りの筋肉に鍼を刺して刺した鍼に電極を繋いで電気の刺激を加えていくことで強制的に筋肉を動かして筋肉が正常に機能するように働きかけていきます。また神経は電気信号によって感覚や動作の指令などが伝わっていくため電気刺激を行うことにより神経にも刺激を与えて神経が正常に機能するようにアプローチしていきます。

その他目の周りに跡のつかない程度のお灸で熱の刺激を加えていきます。お灸の刺激は、皮膚が火傷をしたと体に勘違いをさせることでその周囲に火傷を修復させようと白血球などの修復させる役割のある細胞が集まってきます。そうすることで周囲の損傷している筋肉や神経細胞を修復してくれるのです。

動眼神経麻痺のお灸治療

 

 

動眼神経麻痺の東洋医学的考え

中医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能の障害が深く影響していると考えられています。肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。

そのほか肝は運動神経系の調節に関係があると考えられています。動眼神経麻痺は、動眼神経の運動神経支配である外眼筋麻痺を引き起こすのでそのことからも肝と関係が深いと考えられます。
また、肝は精神情緒の安定、自律神経系を介した機能調節もおこなっており、それらの機能低下は動眼神経の副交感神経にも影響を及ぼすと考えられます。

 

 

動眼神経麻痺とは

 

動眼神経麻痺とは何らかの原因で、外眼筋(上直筋、下直筋、内側直筋、下斜筋、眼瞼挙筋)と毛様体筋瞳孔括約筋を支配している動眼神経が麻痺を生じることです。
動眼神経は、眼球運動に強く関わるほか上眼瞼をあげて眼を開く上眼瞼挙筋の運動、毛様体によりレンズの厚みを調節してピントを合わせる毛様体筋の運動、瞳孔括約筋により瞳孔を収縮させてレンズに入る光の量を調節する運動をつかさどります。

動眼神経には運動神経と副交感神経があります。運動神経は中脳から起こり、上眼窩裂を通って眼窩に入ります。そして上直筋、下直筋、内側直筋、下斜筋の眼球を動かす4つの筋と上眼瞼を引き上げる上眼瞼挙筋を支配します。

副交感神経は運動神経と共に眼窩に入り、眼球に進入して瞳孔括約筋、毛様体筋など平滑筋に分布します。よって動眼神経麻痺がおこると、外眼筋の麻痺がおこり上、内、下、外上方向の眼球運動ができません。正常な眼でまっすぐ前方を見ているときに、侵された側の眼は外側を向いてしまって物が二つに見える複視が起こります。
侵された側の眼で内側を見ているときは、中央にしか動かせず、上下方向には動かせません。まぶたは垂れて瞳孔が散大したり、時には瞳孔が固定して大きさが変化しなくなったりします。

動眼神経麻痺の症状でよく見られるのが、眼瞼下垂です。眼瞼下垂とは、まぶたが垂れ下がり、動眼神経麻痺で眼瞼下垂が起きる場合、まぶたが目の半分以上も覆い、視界が狭くなることがあります。まぶたを上げる筋肉には上眼瞼挙筋とミュラー筋という筋肉があります。この上眼瞼挙筋が動眼神経の支配を受けているため、動眼神経が麻痺してしまうとまぶたが上がらなくなってしまうのです。まぶたを上げる筋肉で主に働いているのが上眼瞼挙筋である一方、補助的な役割を担っているのがミュラー筋という筋肉でこちらは自律神経の支配を受けています。動眼神経麻痺でまぶたが垂れ下がってしまっていると補助的な役割を持つミュラー筋に過度な負担がかかってしまうために自律神経の状態も乱れやすくなってしまいます。
すると、睡眠障害うつ状態なども併発しやすくなってしまうのです。また、視界の上部がまぶたでおおわれて視界が悪くなってしまうためそれを首の上下運動で補おうとするため頚椎症や肩こりなどの症状も呈しやすくなってしまうのです。
まぶたの開閉運動もままならくなってしまうためドライアイの症状も出やすくなります。このように動眼神経麻痺は目の症状ばかりでなく体全体に影響を及ぼす危険性があります。

 

 

 

動眼神経麻痺の原因

動眼神経麻痺は通常、後天性の発症ですが、稀に先天性動眼神経麻痺にも認められます。片眼性動眼神経麻痺も多いが、両眼性動眼神経麻痺もあります。

動眼神経麻痺は動脈瘤に合併して発症することが多いです。また糖尿病の合併症である末梢神経障害のひとつとして動眼神経麻痺が起こることもよく見られます。
動脈瘤に伴う場合は、初期には散瞳や対光反射の消失など自律神経障害のみが起き、眼瞼下垂などの外眼筋麻痺は遅れて起きます。糖尿病に伴う場合は外眼筋麻痺による複視や眼瞼下垂が起こりやすく、瞳孔症状を欠くことがあります。これらはすべて末梢性の動眼神経麻痺です。

また動眼神経麻痺以外にも重症筋無力症などの神経筋接合部の障害や眼筋ミオパチーなど眼筋そのものの異常で外眼筋麻痺は起こる場合があります。中枢性の動眼神経麻痺は対光反射の消失などが起こります。

 

 

 

動眼神経麻痺の一般的治療

動眼神経麻痺は様々な原因で、また様々な病変の場所で起きる疾患を含むので、治療法もそれに合わせて様々です。糖尿病が原因の場合はもちろん内服薬などで糖尿病の治療をする必要がありますし、動脈瘤が原因の場合は手術療法が行われる場合もあります。
また複視がある場合はプリズム眼鏡などを使って対症療法が施されます。

 

症例1

70代 男性

1週間前から左目が急に外斜視になり、時間とともに左瞼が開かなくなってしまった。

病院でMRI検査をした所、脳に異常がなく外傷などもないことから原因不明の動眼神経麻痺と診断された。

仕事ではパソコンをよく使用するが、眼の疲れはあまり気にならない。

そのかわり、首肩のこりが強く感じる。

瞼に力を入れても全く動かず、完全に閉じてしまっている。

他動的に瞼を引き上げてみると、強度な外斜視になっている。

当院の施術

まず、うつ伏せで筋緊張を緩和するために首や肩に刺鍼を行いました。

今回鍼が初めてという事でしたので、初回は慣れるために刺激量を抑えていきました。

 

次に仰向けになり、自律神経調節治療と並行して眼の周辺にある経穴に低周波電気鍼療法を行いました。

治療経過

◇1回目◇

あまり変化はない。

◇2回目◇

今回も変化は見られない。

◇3回目◇

今回から刺激量を上げるため、電気の数を増加。

◇4回目◇

まだ大きな変化はない。

◇5回目◇

少し開くようになってきたが、まだ10分の1程度。

◇6回目◇

少しずつ開いてきた。

外斜視はまだ強く出ている。

◇7回目◇

半分まで開くようになってきた。

外斜視も先週より改善。

◇8回目◇

ほぼ開いてきている。

外斜視も完全ではないが正常化してきた。

 

症例2

40代男性

当院にご来院される2週間ほどまえに急に頭痛がおきてめまいと複視症状がおそった。すぐに病院に駆け込んで診てもらったところ脳に異常はみられなく、原因不明と診断を受けて薬を処方されて帰宅。

2日後から左目の瞼が開かなくなってしまって眼球の動きも悪くなり、また病院を受診したところ動眼神経麻痺と診断。ただし脳には異常が見られずに経過観察と言われた。発症当初、ほとんど瞼が開かず眼球の動きが悪いため治るまで相当時間がかかるかもしかしたら治らないかもと言われて、他に治療法はないかと模索していたところ当院のホームページに辿り着いた。

糖尿病性の網膜症も患っており中心視力は0.01とかなり悪い状態。

 

鍼灸施術

睡眠の質も悪く、3時間から5・6時間程度しか睡眠をとれないことが続いていたとのことで全身的な自律神経の状態も整えつつ、左目周りを中心に施術を行っていきます。

お身体の状態も頸部の筋緊張や腰部の筋緊張状態が強く常に力が入ってしまっている状態でした。

まずうつ伏せの状態で首肩周りや背部兪穴の重要な経穴に鍼やお灸さらに頸部と腰部に鍼通電治療を用います。

 

次に仰向けの状態となり、左目周り中心に鍼通電治療、手足のお腹の経穴で睡眠や自律神経に対してアプローチをしていきます。

経過

施術後3回ほどでまず身体の状態に変化がみられてきました。具体的には睡眠の状態が改善してきて中途覚醒の消失と食欲も出てきました。

施術開始5回目で何となく左目を開く力が出てきたとのことで実際にも2割くらい瞼が開くようになっていました。睡眠の質もますます改善されてきて睡眠時間も伸びてきました。

週に2回ほどのペースで鍼灸施術を受けていただいて施術開始後2か月で目の開きが7割程度開くようになりました。眼球の動きも出てきて今までは全く複視の状態で左目をつぶって生活せざるを得ない状態だったのが、正面や左側の視界はものが一つになって見えるようになってきました。

施術開始後3か月で目の状態・視界の状態はほぼ完治しましたが、まだ目が疲れやすく仕事にも多少なりとも支障がでており、その解消のために定期的に受診なさっています。

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

 

つわりの鍼灸治療

火曜日, 11月 28th, 2023

 

つわり・妊娠悪阻の鍼灸治療

自律神経のみだれが原因と考えられていますので、当院では、自律神経のバランスを特殊な検査機器で調べたのち自律神経を整える治療法を行います。女性のようにデリケートな体質には自律神経からのアプローチが必要になります。

つわりの鍼灸治療

 

自律神経の働きを最大限に上げることで症状の改善を図ります。
体質改善を治療方針としますので、初めの2回から3回は3日置きに来院されると鍼灸治療の効果が出やすいです。効果が出始めてからは、一週間から二週間に一度の来院ペースに変えていきます。

症状には個人差がありますので、上記のように変わっていかれない方もいます。

自律神経以外にもホルモンバランスの崩れや精神状態の改善を目的に施術を行います。
初産婦のため精神状態も不安定になりやすい状況で症状を悪化させやすいことから治療の必要性があります。

身体という器を和らげてあげることで精神状況も落ち着いてきて症状が改善されていきます。
鍼灸治療には副交感神経を上げることに有効な治療方法です。小一時間受けていただくことで精神状況もかなり落ち着いてくるかと思います。

 

当院のつわりに対する鍼灸治療

鍼灸治療は経穴(ツボ)を鍼やお灸で刺激することで、生体反応を利用した施術方法です。

使用する鍼も髪の毛より細く、病院で使われる注射とは太さにかなり差があります。針という印象が痛そうと思われますが、ほとんど痛みがなく施術を受けられる方が多いです。お灸は小さい個所を温めるものから足や手などの部位全体を温めるものがあります。

当院では、火傷が起きないよう温かいぐらいの感覚で終わるお灸をしようしています。
皮膚などが弱い方には稀に小さい火傷や水泡ができてしまうこともあります。
鍼灸治療はWHO(世界保健機構)に認めらて様々な症状に効果があると認められた治療方法です。

 

つわりに使用する経穴

内関・裏内庭・だん中・三陰交・足三里などといった経穴がつわりに効くと言われています。

 

つわりに対する下肢への鍼灸治療

 

この経穴に鍼とお灸を施術することで症状の改善を行います。
当院で使用する鍼もお灸も刺激が弱いものです。
刺激が強くなることで、お腹に影響がでないよう細心の注意を払って施術にあたりますのでご安心下さい。

自己ケア
・少量だけでもこまめに食事をとる
・枕元などに簡単に摂れるお菓子などを置いておく
・好きなものを食べるようにする。
・水分と食事の摂取を心掛ける。

 

 

つわりの鍼灸治療症例

30代女性
妊娠7週目の妊婦。1週間ほど前から悪阻が出始め空腹時の胃のむかつき、吐き気、だるさが続いている。食べると吐き気は治まるので以前より食べる量は増加している。今のところ体重の増加は無いが今後体重が増えすぎないか心配との事。夜中、朝方も吐き気がある為ベッドの横にも常に食べ物を用意している。

治療方針
まず、ホルモン分泌と関わりの深い自律神経に焦点をあて、測定器で自律神経のバランスを測定していきました。交感神経が過亢進状態で、触診したところ胃の冷感があったため、温灸器や灸で腹部を温めながら自律神経の調整施術を行いました。また、ホルモンバランスを整える経穴に鍼と灸を用いて刺激していきました。その後うつ伏せになって頂き、胃部の筋緊張を緩める為背部に鍼をし、さらに胃を補う経穴を用い施術していきました。

治療経過
一回目
施術の後胃の不快感が少し軽減した感じがあった。しかしまだ吐き気はあり、辛さのピークに向かっている感じがある。

二回目
前回施術後、二日位少し楽な感じがした。においに敏感になり、食べられるものが限られてきた。

三回目
やはり鍼の後は楽になる感覚がある。まだ悪阻自体はあるが、以前よりは楽に感じる。

四回目
明け方だけ胃がからっぽで少し辛いが、吐き気を感じる事が以前より少なくなった。食事量も安定している。

 

つわりに対する東洋医学的考え

東洋医学では、妊娠や月経をつかさどる器官を女子胞と呼びます。

女子胞は、心・肝・脾・腎などによって調節されています。女子胞は腎の精気と肝血によって栄養されています。

また脾はの「運化をつかさどる」という機能は、飲食物の消化や吸収と密接な関係にあり、「気血」をつくりだす源であり、心は血を巡らす重要な役割があります。
「心・肝・脾・腎」それらの機能に異常が起きると妊娠や月経に異常をきたしてしまいます。特に妊娠時には、女子胞に十分な血液の供給が必要となるため全体の気血が不足がちとなります。

そこにさらに「心・肝・脾・腎」の不調がかさなるとつわりのような症状を呈しやすくなります。

東洋医学でつわりの状態は、「妊娠嘔吐」や「悪阻病」とよばれています。妊娠悪阻は、胃の病変とも考えられており、胃気上逆という胃の異常によって引き起こされると考えられています。代表的なものとして、

・胃気虚
・胃陽虚
・肝胃不和

が挙げられます。

胃気虚
もともと胃の気が弱い方に多く現れる症候です。もともと弱い胃の気の働きが妊娠によってさらに障害されて胃気上逆症状が起こり、悪心・嘔吐や食べ物の匂いをかいだだけでも気持ちやるくなったり、食べてもすぐ吐いてしまうなどの症状があらわれます。
その他にも全身の倦怠感や日中でも眠気に襲われたりと全身症状が出ます。

胃陽虚
もともと胃が弱い方に起こる胃気虚とは違い、食事の不摂生(冷たい飲食物を摂りすぎるなど)により胃の機能が低下したところで、妊娠期によるさらなる医機能の低下によりおこるつわり症状です。
特徴的な症状としましては、手足の冷えや冷えによって気分が悪くなったり、嘔吐症状が出たりします。

肝胃不和
日常的なストレスによって肝の機能が弱くなってしまい、肝気鬱結の状態となってそれが妊娠期と重なると、肝血が不足状態となってしまいます。すると肝の気を全身に巡らす機能は低下して、胃の気は上逆反応を引き起こしてしまい、悪心・嘔吐などのつわり症状を呈します。この肝胃不和によるつわり症状が近年では増加傾向にあります。
つわりの原因としてホルモンバランスの変化から考えると、東洋医学で腎がホルモンバランスの調節の役割を担っているため腎の病変とも考えられます。

・腎は精を蔵し、生長・発育・生殖をつかさどる
腎は人体の生長や発育、生殖などを維持して促進させる精を貯蔵しています。
これはホルモンを分泌させる内分泌系全般の機能を指すものと考えられており、腎の不調や腎精の不足は人体の発育・生殖に多大な影響を与えると考えられます。

 

 

つわりとは

つわりとは、妊娠5週前後から妊娠14~16週を過ぎるあたりまでに消失する、悪心、嘔吐、嗜好の変化などといった症状をいいます。つわり症状のピークは妊娠して3か月と言われています。臭いに敏感になり、食べた後に必ず吐くことやお腹はすいているのに胃液も吐いて水も飲めないようにもなる場合があります。

妊婦の5割から8割くらいの方にみられる生理的な現象で自然に消失していきます。
つわり

つわり症状

つわり症状は人によって様々です。ここでは代表的な症状を挙げてみます。

・吐き気、嘔吐
つわり症状の中でも一番よくみられる症状です。吐き気や嘔吐の症状などにより妊娠に気づく場合も多いようです。つわり症状がひどい時期は、においに敏感になりご飯のにおいなど今までは特に気にならなかった臭いが気になるようになり、吐き気嘔吐をもよおすようになります。また、妊娠による子宮の形の変化から胃が持ち上げられるような不快感を感じることもあります。

・倦怠感
妊娠によるホルモンバランスの変化自律神経の乱れなどから気怠い感じや身体が重い感覚が出ることがあります。だるさや身体が重いという症状は、つわり症状の一種だととらえることが重要です。無理せずに体を休めることが重要です。

・頭痛、頭重感
頭痛や頭が重いという症状もつわり症状の一種です。出産への不安や仕事の悩みなどを多く抱える方に見られる症状です。

・眠気が強く出る
しっかり睡眠をとっているのにもかかわらず、眠気に襲われることがあります。仕事をしている方の場合、それがとてもストレスとなりさらに体に負担をかけてしまいます。

・偏食になる
妊娠すると嗜好の変化が生じる場合があり、とくに酸っぱい食べ物を食べたくなる傾向にあります。栄養やカロリーが偏らないように食事に気を遣う必要があります。

 

これらの症状が強くなり、頑固に繰り返すようになると、脱水症状や栄養障害を起こすようになり、時には妊婦の命を脅かすほどになり入院の必要があるものを妊娠悪阻といいます。つわりと比べてかなり少ないですが、症状が重いと入院の必要があります。
つわりの原因は様々な説がありますが、精神的要因も考えられるため、妊娠に対する不安などからくる精神的ストレスの多くかかる初産婦の方がつわり症状が出やすいと言われています。また単胎より多胎に多いと言われています。

 

つわりの原因

原因は明らかではありませんが、ホルモン説や自律神経説、アレルギー説、精神的要因など幅広く考えられています。妊娠初期に起こることから、内分泌や代謝の急激な変化によるものと、精神的や体質的な因子により母体の適応症候群だとも言われています。

・ホルモンバランスの変化説
黄体ホルモンや絨毛性ゴナドトロピンが大量に分泌されるためにその変化に体が適応できずにつわり症状が出てしまうという説。

・自律神経の乱れ説
急激な体の変化や出産・妊娠に対する不安などからストレスを感じて自律神経のバランスを乱します。一種の自律神経失調症のような状態となってしまいます。

・アレルギー反応説
妊娠したばかりは、体がまだ胎児を異物だととらえて一種のアレルギー反応としてつわり症状が出てしまうという説

 

軽度の悪心、嘔吐、嗜好の変化やつわりの増悪で頑固な悪心、嘔吐を繰り返すと栄養障害や代謝障害が出現し、尿中にケトン体やアセトン体がでて全身状態が衰弱して重症妊娠悪阻となります。
頭痛や下痢などの症状を伴うこともあります。

臭いに敏感になったり、嗜好の変化により好き嫌いが強くでたりします。つわりによる、食欲がなくなったり、吐き気などは消化器症状です。食べ物を少量にすると栄養障害の恐れがありますが、逆に少しずつ食べ続けると太ってしまうこともあります。

 

 

病院での治療法

病院での治療法には薬物療法食事療法輸液療法があります。

・薬物療法
薬物療法は、この時期に胎児の器官形成期にあたるため安易な薬物の使用は行われません。嘔吐を抑える薬や鎮静薬、漢方薬などが処方されます。

・食事療法
食事療法は、空腹時に嘔吐が多く出現するため、栄養価の高い食事を摂らせることで空腹を避けるようにします。そのうえで回数も多くします。食事の内容は、糖質の高いものと低脂肪を中心にします。臭いにも敏感になるので強い臭いもの食事は避けます。

・輸液療法
嘔吐が強くなると食事を摂りづらくなりますので、その場合は輸液療法が必要となります。輸液療法は、電解質やブドウ糖、ビタミン剤の輸液を行います。脱水状態や電解質異常、飢餓状態を積極的に改善していきます。
症状が改善してくれば、流動食の経口摂取に切り替えていきます。

胎児にとってもこの時期はたくさんの栄養はいりませんので心配をし過ぎないことも大切です。

 

つわりに良い食事や生活習慣について

 

つわりの症状は個人差があり、どの食べ物が良いかは個々の体調によることが多いです。ただし、以下は一般的につわりの軽減に役立つとされる食事のアドバイスです。ただし、個人差があるため、自分の体に合った食事を見つけることが重要です。

小分けで頻繁な食事
大量の食事ではなく、小分けで頻繁に摂ることがおすすめです。これにより、血糖値が安定し、つわりの症状が緩和される可能性があります。

 

消化の良い食品
消化の良い食品を選ぶことも大切です。例えば、白米や白パン、蒸し野菜などが挙げられます。これらは胃への負担が少なく、つわりの症状を和らげることが期待されます.

 

タンパク質の摂取
肉、魚、卵、豆腐などのタンパク質を摂ることが重要です。これらの食品は栄養価が高く、エネルギーを効果的に提供してくれます。

 

生姜の利用
生姜はつわりの症状を軽減する効果があると言われています。生姜茶や生姜を使った料理を摂ることで、胃の不快感を和らげることが期待されます。

 

水分補給
脱水症状を避けるためにも十分な水分を摂ることが重要です。しかし、一度に多くの水を摂りすぎないように気をつけてください。氷を使ったり、水分を少しずつ摂ることが役立つことがあります。

 

つわりの症状を和らげるためには、食事だけでなく生活習慣にも気を配ることが大切です。以下はその他の気を付けるポイントです。

 

 

十分な休息
十分な休息がとれるように心がけましょう。特につわりの症状が強い場合、昼寝や夜更かしを避け、十分な睡眠を確保することが重要です。

 

ストレスの軽減
ストレスはつわりの症状を悪化させる可能性があります。リラックスするためには、ゆっくりとした音楽を聴いたり、散歩をするなどの方法があります。また、妊娠中は無理な仕事やスケジュールを避け、自分の体調に合わせた生活を心がけましょう。

 

適度な運動
軽い運動は体調を整えるのに役立ちます。ウォーキングやヨガなど、妊娠に適した運動を選んで行うと良いでしょう。ただし、医師と相談の上で行うようにしてください。

胸鎖乳突筋への鍼治療

土曜日, 11月 11th, 2023

胸鎖乳突筋とは

胸鎖乳突筋とは、耳の後ろの乳様突起と呼ばれる部分から首の側面を通り鎖骨、胸骨にかけて繋がる筋肉で、顔を横に向けた時に浮き出る筋肉です。

首を上下左右に動かす、回す、傾ける動作などに使われます。胸鎖乳突筋の後ろには頸椎から分かれた細い神経が通っており、これらの神経は頚神経や腕神経と呼ばれ後頭部、耳、首、肩や腕、指先の感覚や運動を支配しています。

胸鎖乳突筋は物理的な疲労(頭を支えるなど)以外にも、自律神経の不調や精神的ストレスでも筋肉を緊張させ様々な不調の原因となる筋肉です。

胸鎖乳突筋が緊張すると

・首肩こり
・頭痛
・首や顔のむくみ
・めまい
・耳鳴り
・耳閉感
・不眠症
・動悸
・手の痺れ
・うつ病
・パニック障害
・自律神経失調
・更年期障害

などの様々な症状が現れることがあります。これまでも多くの疾患の元になるのが胸鎖乳突筋です。

胸鎖乳突筋のすぐ下には脳や耳などにつながる血管や腕の方へと伸びる神経・血管が通っているため胸鎖乳突筋が過緊張状態で固まってしまっているとその下を通過する神経や血管を圧迫することで循環が悪い状態となってしまいます。

循環の悪い状態が長く続いてしまいますと脳や耳、上肢などの器官に栄養ある血液を送り届けることができずに機能低下を起こしてしまうのです。

また、循環が悪くなることでブドウ糖が乳酸などの疲労物質や発痛物質に変化してしまい痛みやコリの原因にもなります。

 

頭痛×胸鎖乳突筋

胸鎖乳突筋の過緊張状態で起きる頭痛はこめかみなどの側頭部に締め付けられるような痛みが生じてしまうことが特徴です。一般に筋緊張性の頭痛と呼ばれますが、筋肉の緊張している部位によっても頭部の痛みが出る部分が変化してきます。

・筋緊張性頭痛の鍼灸治療について詳しくはこちら←

 

 

めまい・耳鳴り・耳塞感×胸鎖乳突筋

胸鎖乳突筋の過緊張状態は、耳への循環低下を起こしてしまうことで聴覚への影響や耳の内耳にある三半規管にも影響を与えてしまうためめまいや耳鳴りの原因にもなります。

めまいに対する鍼灸治療について詳しくはこちら←
耳鳴りに対する鍼灸治療について詳しくはこちら←

 

 

腕や手の痛み・痺れ×胸鎖乳突筋

胸鎖乳突筋の過緊張によって腕の方へと伸びる血管や神経が圧迫されてしまうことで痛みや痺れの原因となります。特にデスクワークでパソコン作業が主な人に多く発症する症状です。

 

 

うつ病・自律神経失調症×胸鎖乳突筋

うつ病や自律神経失調症など自律神経の乱れが原因で症状が現れやすい方は、胸鎖乳突筋の過緊張がほとんどの方に診られます。

胸鎖乳突筋の過緊張による脳への栄養供給の滞りが原因で精神症状が現れるとも考えられています。

単なる首コリや肩こりだと放置したままですとこれら心療内科系疾患にかかってしまう危険性があるため注意が必要なのです。

 

うつ病に対する鍼灸治療について詳しくはこちら←
自律神経失調症に対する鍼灸治療について詳しくはこちら←

 

胸鎖乳突筋が過緊張状態となる原因

 

うつむき姿勢

胸鎖乳突筋の過緊張状態の原因で一番多いのが長時間のうつむき姿勢(PC作業、スマートフォンの操作、家事など)です。

うつむき姿勢の状態は、重い頭部が前に傾きそれを支えるために頸部の筋肉には通常時の何倍もの負担となってしまいます。

姿勢を保持する姿勢筋は、その耐久性に優れた筋肉であるため少しの疲労では、感じにくくなっています。パソコン作業で頸肩がこってしまうということは、相当にその筋肉に負担がかかっている証拠です。

自律神経の乱れ

自律神経の乱れでも胸鎖乳突筋の過緊張状態が引き起こされます。主に交感神経の活動が活発になりすぎると胸鎖乳突筋が緊張しやすい状態となります。
交感神経とは活動的な神経で日中など仕事や勉強などしている時に主に働く神経で血管や筋肉などを緊張させて覚醒させる神経です。通常は夜なると活動を抑えて逆にリラックス神経である副交感神経の活動が活発となります。

しかし、夜遅くまで仕事やスマートフォン操作などをして交感神経の活動が活発のままですと自律神経が乱されやすいです。
夜になっても交感神経の活動が活発なので筋肉は休むことができずにコリや痛みの原因となってしまうのです。

 

喰いしばり

喰いしばりによる胸鎖乳突筋の緊張も多い原因です。意外と意識していなくても何か集中して作業している時に歯を食いしばっている方が多いです。
一度力強く食いしばってみると理解できるかと思いますが食いしばると頸の筋肉も引っ張られるように緊張していることがわかります。
喰いしばりの状態が長く続いてしまいますと胸鎖乳突筋のコリの原因となってしまうのです。

 

胸鎖乳突筋の鍼治療

 

胸鎖乳突筋の鍼治療では、鍼をピンポイントに痛みやコリの原因となっている部分にアプローチをすることが可能です。

また、刺した鍼に電気刺激を加えて強制的に筋肉に収縮・弛緩のポンプ運動を起こさせることで血液循環の改善をして疲労物質や発痛物質を流してあげることで痛みやコリを取り除きます。

胸鎖乳突筋への鍼治療

また、自律神経が乱れが胸鎖乳突筋のコリや痛みとなることもあるため全身的な調整鍼灸施術も行っていきます。

当院には自律神経測定器が常備されていますので自律神経の測定をしてその方に合わせたツボを用いたオーダーメイド鍼灸治療を行っております。

自律神経測定器

 

 

症例

 

20代 女性

10代から食いしばりが強いため顎の張り感に悩まされてきた。

酷い時は顎の痛みが数日続く事があり、マウスピース治療を受けている。

ここ最近になって顎の張りだけではなく、首の前側から耳の下あたりまで左右とも突っ張る症状が気になるようになってきた。今は顎の張りよりも首の張りや痛みの方が気になるようになり、当院に受診した。

ストレスはあまり感じる方ではないが、無意識に噛みしめたり、体の力が入ってしまう自覚は昔からあり、改善しようと意識はしているが難しい。

普段はデスクワークがメインだが重いものを持つこともあり、首に過剰な力が入っている感覚がある。ひどくなると、側頭部の重だるさや鈍痛が起こる。

首の側屈の可動域に制限がかかっている。

 

当院の施術

この方のような食いしばりによる胸鎖乳突筋の筋緊張は精神的ストレスが大きな原因になります。ストレスを感じなくても無意識に蓄積している場合があり、気がついたら慢性的な筋肉のコリが強くなっていることがあります。そのため、筋肉の緊張に対する施術だけではなく、自律神経の調節が根本的な治療になります。

まずうつ伏せで、背中、肩、肩甲骨、首の後面に刺鍼し筋緊張を緩和していきました。

次に、仰向けで自律神経調節治療、患部である胸鎖乳突筋、関連する咬筋、側頭筋に低周波電気鍼療法を行ってきました。

鍼灸治療は未経験という事で少し緊張もされていたため、慣れるという意味でも初回は刺激量を落とし負担を最小限に抑えた施術を行いました。

 

経過

◇1回目◇

体全体の緊張がとれ、とてもリラックスできた。

首の緊張も少し柔らかくなった気がして楽になった。

 

◇2回目◇

首の張りが以前より気にならなくなってきた。

夜の睡眠の質も良くなったような気がする。

 

◇3回目◇

忙しい日は眠りが浅くなるためか、首の張りが気になる。

 

◇4回目◇

前回よりも張り感がとれ、気にならなくなってきた。

夜も熟睡している。

 

◇5回目◇

今はほとんど気にならない。

たまに辛くなることもあるが、鍼治療を受けるとすぐに緩和する。

 

慢性疲労症候群に対する鍼灸治療

月曜日, 11月 6th, 2023

 

慢性疲労症候群に対する当院の鍼灸治療

・問診

生活習慣や東洋医学による体のどの部分が虚しているかを診断するため詳しく問診をして行きます。

丁寧な問診

・自律神経測定

慢性疲労症候群は自律神経とも深いかかわりがあると考えています。自律神経の日内変動のリズムが狂っていたり、副交感神経が優位すぎたりすると身体の倦怠感も感じやすくなります。

また体の免疫系と自律神経も深いかかわりがあることが知れており、自律神経を整えて免疫システムを正常に戻すことは慢性疲労症候群の治療においてとても重要となってきます。

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・仰向け治療

お腹や手足の経穴を用いて自律神経の調整・全身の調整治療を行います。

慢性疲労症候群の仰向け鍼灸治療

 

・うつ伏せ治療

背部兪穴といって背部にも五臓六腑に重要な経穴が存在しています。

そういった経穴を刺激することで虚している五臓六腑を補います。慢性疲労症候群のうつ伏せ鍼灸治療

 

 

 

慢性疲労症候群は、単なる疲れと感じていたり、周りにはサボり症だと勘違いされやすく多くの方が悩まれています。

当院ではそういった方々のサポートを全力で行い、少しでもQOL(生活の質)が上がるように手助けをいたします。

 

慢性疲労症候群の東洋医学的考え

慢性疲労症候群は、東洋医学では虚証に当てはまります。東洋医学では、『実証』『虚証』があり、正気の強さと病邪の勢いを表します。

基本的に体が虚している状態は、機能が低下している状態を指して、体が実している状態は機能が停滞あるいは、過亢進している状態を指します。

虚証にも様々な種類があります。虚証の種類としまして

・気虚

・血虚

・陰虚

・陽虚

 

などが挙げられます。慢性疲労症候群は、東洋医学のでいう『気』『血』『津液』などが不足している状態だといえます。

虚証が発症してしまう要因として

・先天的な体の問題

・慢性的な疾患による体の疲労

・過度のストレス

・食欲不振

・出血や激しい発汗

・病邪が体内に侵入することによる消耗

 

が挙げられます。

また五臓六腑のどの部分が虚している状態であるか見極めるのかも重要となってきます。

当院では、脈診や舌診など東洋医学的診断法に基づいてどこが虚しているのか見極めてから治療に移ります。

 

 

慢性疲労症候群の鍼灸治療症例

30代男性
いつも比較的仕事が忙しく、残業することもあったが、ここ1か月程は毎日残業の日々で、終電を逃してタクシーで帰宅することもあった。睡眠時間も3,4時間ほどで身体の疲れが取れにくい状態でした。仕事が通常に戻っても身体の疲れが取れずに寝ても寝ても日中眠たくなることが多くなり、気分も塞ぎがちで仕事に身が入らなくなってきた。
当院にご来院される3日ほど前、朝起きたら身体の節々が痛く微熱も出ていたため風邪かと思い内科でお薬を処方してもらい、服用したがなかなか改善されず当院を受診された。通勤することもままならず、少しの間会社も休むことにされた。

 

治療経過
一回目の治療後、久しぶりに深く眠ることができたとおっしゃっていました。5回目までの治療で微熱がひいたり出たりを繰り返していたが、その後は身体の状態も落ち着いてきました。

8回目の治療で全身の疲労感もだいぶ軽減されて、リハビリがてらジムで運動できるようになった。10回目の治療で終了し、会社に復帰されました。「このままの状態で会社に行かれなくなったらどうしようという不安から解放されてよかった」ととても喜ばれていました。

 

症例2

40代 男性

以前から仕事が忙しかったためか、体が重だるさが続いており、やる気も低下している。

治療に専念するため現在は休職しているが、なかなか改善されないため鍼灸治療を受けてみようと思い来院した。

主な症状は、倦怠感、やる気の低下といったうつ状態、体の冷え、肩こり、背中の張り感、睡眠の質の低下、入眠困難、頭が重い。

休職中にもかかわらず疲労感が強く感じる。病院で診てもらったが検査には異常がなく慢性疲労症候群と診断された。

もともと神経質でまじめな性格で責任感が強いため、嫌な頼み事でも引き受けてしまい疲弊することが多かった。気を抜く事が苦手でうまくストレスを発散できていない。

物事に過敏になり、少しの事でも気になってしまう。そのため、少しの物音のため眠れなくなる事がある。

 

当院の施術

まず、自律神経測定器で現在のストレス度、疲労度、自律神経の状態を確認しました。

ストレスと疲労度はやや高めの状態で、自律神経の交感神経が過剰に働いており、その代わり副交感神経の働きが少ない状態がという測定結果になりました。

自律神経の交感神経は心身を活動させ、副交感神経はリラックスさせる作用があります。

この2つの神経は必要に応じてバランスを保っておりますが、この方の場合は常に交感神経が過剰に働きすぎてしまっているため心身ともに休めない状態が要因の1つと考えました。

また、触診で首や肩、背中の筋緊張が強さ、呼吸の浅さ、手足や腹部の冷えを確認しました。

①自律神経の調節

②首肩や背中などの筋緊張緩和

③東洋医学的観点での経絡治療

この3つに注力して施術を行い、治療間隔は週に1回~2回のペースで通院していただきました。

 

経過

◇1回目◇

まだあまり変化はないが、施術中は気持ちよくリラックスできる。

◇2回目◇

体の冷えが気にならなくなってきた。

胃腸が正常に動いているような感覚がある。

まだ夜は眠れないことがある。

◇3回目◇

冷えはほとんど感じない。

夜も眠れる日が増えてきた。

◇4回目◇

最近はゆっくり眠れるようになってきたが、まだ首肩のコリは強く感じる。

◇5回目◇

筋緊張が強いため今回から低周波電気鍼を使用した。

施術終了後から効果を実感。

◇6回目◇

前回より筋緊張の緩和がみられ、コリの自覚も軽減した。

気分も落ち着き、夜もゆっくり眠れるようになっている。

疲労感も感じなくなってきた。

顔色も良くなってきた。

◇7回目◇

活動する意欲が湧いてきた。

◇8回目◇

体力をつけるため定期的にジムに通っている。

気分も良い。

現在もメンテナンスのため月に1回のペースで通院中。

 

慢性疲労症候群とは

このような症状でお悩みでありませんか?

半年以上身体が疲れた状態である

ちょっとした動作でも体が疲れてしまう

睡眠をとってもすっきりしない

運動をしたというわけでもないのに筋肉痛になる

微熱が続いている

ノドが痛い状態が続いている

首のリンパ節の腫れた状態が続いている

気分が落ち込んでいる状態が続いている

寝つきが悪い状態が続いている

仕事や勉強の集中力・記憶力の低下

 

これらの状態があり、原因が特定されない場合は、『慢性疲労症候群』という病気かもしれません。

慢性疲労症候群とはあまり聞きなれない言葉ですが、日常生活に支障が出るほどに身体が6カ月以上にわたり疲弊した状態で、精密検査などをしても特に原因がわからない病気です。

アメリカでは、10万人に38人の割合で慢性疲労症候群が発症しており、1980年代後半にある地域で多発したことから注目されるようになった病気です。日本では慢性疲労症候群という病気があまり認識されていないことから罹患率はそれほど高くないと言われている病気ですが、現在も増え続けている病気です。実際には、日本人でももっと多くの人が慢性疲労症候群にかかっている可能性が大きいです。

 

慢性疲労症候群は20代から50代に多く発症すると言われており、男性よりも女性の方が1.5倍罹っている人が多いと言われています。

頚椎症

 

慢性疲労症候群の症状

慢性疲労症候群はその名の通り長期間慢性的に体の疲労を感じる病気ですが、それだけではありません。身体の様々な部分に症状が出るのです。

 

・微熱

慢性疲労症候群の代表的な症状として微熱が挙げられます。微熱が出て、喉に痛みや頭痛も感じるため最初は風邪の症状と間違われがちです。微熱が6カ月以上続き、解熱剤などの薬を服用しても効果が出ないのが特徴です。

 

・筋肉痛

まったく運動した覚えがないのにもかかわらず、全身または局所的に筋肉痛の症状が現れて動くことさえも億劫になることがあります。

 

・リンパ節の腫れ

首や腋窩のリンパ節が腫れることがあり、押すと痛みが出る場合があります。

 

睡眠障害

なかなか寝付けなかったり、寝つけてもすぐに目覚めてしまう中途覚醒や逆に寝すぎてしまったり、寝ても寝ても極度の睡魔に襲われる過眠症などの症状が現れる場合があります

 

・気分障害

うつ病のような症状が出る場合があります。慢性的な疲労のため気分が落ち込み、仕事や学校に支障が出るほどになる場合があり、怠けとも勘違いされやすいです。慢性疲労症候群の場合、身体が疲れてくるとそのような症状が顕著になるため午後の方が抑うつ症状が出やすくなってしまいます。

 

・記憶障害

物忘れがひどくなる認知症のような症状が出る場合があります。また、短期記憶の低下や思考力の低下、集中力の低下から仕事や学業に大きな支障が出る場合があります。

 

 

慢性疲労症候群の原因

慢性疲労症候群は1980年代後半にアメリカで注目された疾患でまだ知られて久しい病気です。そのため、まだまだ研究が進んでおらず、いまだに原因は不明の疾患です。

様々な研究結果から慢性疲労症候群の起こる原因の仮説がたてられています。

・免疫システムの異常

肉体的・精神的な過剰なストレスは、免疫系の働きを弱めると言われています。免疫系の働きが弱まると潜伏していたウィルスが動き出して身体に様々な悪影響をもたらします。体は、それを防ごうとして免疫物質がつくられるのですが、慢性疲労症候群の方の場合この免疫物質が過剰に作られているのではないかといわれています。 過剰に作られて免疫物質は、脳の働きに影響を及ぼして、疲労感などの慢性疲労症候群による諸症状を引き起こすのです。

・脳内の炎症

脳内に何らかの原因で炎症が起きて慢性疲労症候群が発症するという説もあります。脳の炎症が強くなると脳の神経系にダメージを与えて、痛みや記憶障害などの原因にもなります。

また、脳の血流不足や脳の神経伝達物質が少なくなり、筋肉や関節の痛み、気分障害などを引き起こしていると考えられています。

僧帽筋への鍼灸治療

日曜日, 11月 5th, 2023

僧帽筋とは

僧帽筋は首の後ろから背中の上部、肩にかけて広がる、主に肩の動きを司る肩の筋肉の中で最も大きく、背部の一番表層にある筋肉です。後ろから見ると首、左右の肩、下の第12胸椎を結ぶ四角形に見えて、ちょうどカトリックの僧侶の付ける頭巾(フード)の形に似ていることから僧帽筋と呼ばれています。

僧帽筋は上部、中部、下部に分けることができ、それぞれ違った役割を担っています。

僧帽筋

・僧帽筋上部

上部は後頭部の付け根(後頭骨)から鎖骨につながっており、鎖骨の引き上げに特に関与します。

・僧帽筋中部

中部は頸椎の下部(第7頸椎)と胸椎の上位(第1~第3胸椎)から肩の端(肩峰)や肩甲骨の上に出っ張り(肩甲棘)につながっており、肩甲骨を挙げたり内側に寄せたり、腕を外から回しながら上げたりする際に使います。

・僧帽筋下部

下部は胸椎の中程(第4胸椎)から、下(第12胸椎)にかけて始まり肩甲骨につながっており、肩甲骨を下げたり、内側に寄せたり、腕を外から回しながら上げたりする役割を果たします。

また、僧帽筋が一緒に動くと手を頭の上まで上げることが出来ます。僧帽筋の重要な働きは腕の上部外側にある三角筋の働きを助けるために肩甲骨を安定させる役割であるともいえます。この働きにより肩に物を担いで運ぶことが出来るのです。

 

 

僧帽筋の働きは主に肩甲骨の動きに深く関わっています。動作でいうと重い頭の角度を保ったり、腕の重さを支える、肩をすくめたり、肩を横に張る、重い荷物を持つときに腕が下に引っ張られないように支えたり、肩に物を担いで運ぶ時などに働いてくれます。

肩こりの原因になる筋肉は色々ありますが、その中でもこの僧帽筋は日常生活でも酷使傾向にあり、肩こりに最も関係が深い筋肉といわれています。

 

僧帽筋×肩こり

 

肩こりは主に僧帽筋に筋疲労が蓄積して凝り固まることで起こります。

僧帽筋が硬くなる原因は色々ありますが、肩甲骨を動かす僧帽筋は背骨や上肢と繋がっているためそのつながりのどこかに無理が生じることで間接的に影響を受けることもあります。

 

・同一姿勢、不良姿勢(なで肩、猫背、巻き肩)

 

重さが約5~6kgの頭部を支えるのは頸椎の後面にある僧帽筋を始めとする筋群です。そのため、まっすぐ前を向いているときは良いのですが、下を向くなどして頭が前に出て猫背になると首や肩の筋肉に2~3倍の負担がかかります。

また、「なで肩」の人は僧帽筋の筋肉量が少ないので肩に疲労がたまりやすくなります。特に筋力が弱い女性はなで肩で疲労がたまりやすく、肩こりが発生しやすくなります。

さらに「巻き肩」といって肩甲骨が正常な位置よりも外側に開き、通常よりも肩が前に出た状態は首から肩、背中にかけて大きく広がる僧帽筋が引き伸ばされ、筋肉が緊張した状態が続くので肩こりが起こりやすくなります。

最近では多くの方が一日中パソコンに向かったり、下を向いてスマートフォンを触っていることが多いといわれています。そういった方は全体的に僧帽筋が引き伸ばされて肩こりを起こしやすいのです。

僧帽筋は副神経という脳神経に支配されており、精神的ストレスや脳の疲労の影響を受けて緊張する特徴があります。

僧帽筋の過緊張は筋緊張性頭痛や、自律神経症状(吐き気、めまいなど)を引き起こす原因にもなります。

 

肩こり

 

僧帽筋×首痛

僧帽筋は首の付け根にも存在しているため、肩こりと同時に首が痛くなることもあります。

また、寝違えによる首の痛みにも僧帽筋の過緊張や炎症が関与している場合があります。

 

僧帽筋×背中の痛み

 

脊柱は頸椎、胸椎、腰椎というように続いており、頸椎と腰椎に挟まれた胸椎部の背面を一般的に「背中」といいます。

僧帽筋は頸椎、胸椎から肩甲骨というように広く背中に走行しており、長時間の同一姿勢や重い物を運ぶ、持ち上げるなどの重労働などが原因で筋疲労を起こし痛みを生じることがあります。

 

 

僧帽筋×頭痛

 

緊張型頭痛は側頭筋や後頸筋群、僧帽筋などの頭から首、背中にかけての筋肉のコリによって痛みを感じる神経が刺激されて起こると考えられています。

また、頸部には自律神経が通っているため僧帽筋の筋緊張が自律神経を刺激し自律神経のバランスを乱し、偏頭痛を起こす原因になることがあります。

 

 

僧帽筋が過緊張状態となる原因

 

・長時間の同一姿勢(デスクワーク、スマホ操作、読書など)

・ストレスによる緊張(自律神経の乱れ)

・慢性的な運動不足

・エアコンなどによる冷え

・重いバッグを肩にかける

・不適切な枕

・歯ぎしりや食いしばり

などが挙げられます。

 

 

 

僧帽筋への鍼灸治療

 

当院では治療の前に自律神経測定器にて、自律神経のバランスや血管の状態、ストレス度、疲労度などを測定しお体の状態を把握したうえで治療へ移ります。

全身の循環や内臓機能などを司る自律神経のバランスを整える治療を行い、体の自然治癒力を高めます

肩こりは僧帽筋だけが悪くなるわけでなく、その周辺の筋肉も緊張されていることが多いです。僧帽筋への施術と並行にその周りの筋肉を緩めるアプローチをかけていきます。

 

僧帽筋へ鍼治療

 

症例

30代 女性 

2週間前から肩から背中にかけてコリ感が強くなり、最近は鈍痛が走るようになってきた。

以前から慢性的な肩こりはあったが、痛みが走るのは初めて。首を前傾させると肩甲骨の内側の張りが強くなる。

以前はあまり感じなかった頭の重さや痛みも気になるようになってきた。

仕事はデスクワークで平均8時間、多い日には10時間以上パソコンに向かうこともある。運動をすると楽になるため、余裕がある時は軽いジョキングやウォーキング、ストレッチをするようにしている。

 

当院の治療

まずは、首の可動域の左右差や、筋肉の柔軟性を確認しました。また、神経、筋肉それぞれの鑑別のため徒手検査も行いました。

施術では首や肩、背中の僧帽筋に沿った筋緊張の強い硬結に低周波の電気鍼治療で刺激、さらに自然治癒力、全身の血流促進を目的として自律神経調節治療も行いました。

 

経過

◇1回目◇

身体がとても軽くなった。

首や肩、肩甲骨の痛みも軽減。

◇2回目◇

以前は仕事中に肩こりが辛くなることが多かったが、最近は気になることが少なくなってきた。痛みもほとんど気にならない。

◇3回目◇

忙しいと痛みが出ることがあるが、鍼をすると楽になる。

◇4回目◇

痛みはほとんど感じなくなった。

筋肉のコリも柔軟性が出てきている。

◇5回目◇

コリ感もあまり気にならない。

非常に安定している様子。

初回に比べて顔色も良くなって表情が明るい。

現在もメンテナンスで定期的に通院しています。

 

冷え性改善には鍼灸治療

水曜日, 11月 1st, 2023

冷え性改善の鍼灸治療

 

冷え性を根本的に改善させるには自律神経のバランスホルモンのバランスを整える治療

東洋医学による精気を補う治療をしていくことが必要です。

東洋医学と西洋医学のそれぞれの問題を解決していくことが

冷え性の改善となります。

お腹の冷えを改善するお灸治療

 

当院では、特別な温灸器を使い身体の芯から温めて

 

下腹部から下肢までの血行を良くしていきます。

 

足の冷え性改善の鍼灸治療

 

下半身を温めて女性ホルモンの調整を行い

 

全身の経絡治療をすることで自律神経のバランスを整えていきます。

 

全身の経絡経穴を用いて、身体の循環や気血を巡らせるよう

鍼と灸を用いて治療します。

 

治療が終わって帰られるころには、身体が温まったと実感していただけると思います。

冷え性対策

 

冷え性改善には日々の生活習慣お仕事の姿勢など

から引き起こされるものも多いので、これを機に生活を変えていかれるのも健康のために良いと思います。

 

 

 

冷え性を東洋医学で考えると

 

陽気が弱い状態や水が多い状態でなるものと考えます。

主に

血の不足や停滞による血の問題

水分の停滞や水毒という水の問題

が考えられて、

・おけつ

・水毒

と東洋医学では表現します。

東洋医学での鍼灸治療としては、根本に精気が弱っているため起きるものですので、

この精気を補ってあげる治療をしていきます。

身体の体質改善ができていければ自然治癒の力で症状は改善されていきます。

 

 

 

冷え性の治療症例

 

40代 女性

冬は外気の気温低下、夏は室内のエアコンにより一年中冷え性に悩まされていた。運動やマッサージなど冷え性の冷え性に良いとされることは一通り行ったが、冷え性の解消までには繋がらなかった。

ほかに膝から下がむくみやすく、一日座って仕事をした後は足がとても重たく感じる。また、数日前より腰の重だるい痛みもひどくなってきてどうしようもなくなり当院にご来院された。

 

当院の治療
しっかりと問診をしたうえで自律神経の状態を計測しました。問診で一日中パソコンの前で座って作業していることが多く、夢中になると4・5時間はずっと座ったままの状態とのことでしたので、しっかりと1時間に1回は休憩をとって歩行してもらい、入浴後は軽くふくらはぎを下から上へ自分でマッサージしていただくようにしました。

また自律神経測定器の結果、交感神経が高い状態で自律神経も乱れている状態と判断されたため、当院の治療としましてはまず自律神経を整える治療をしたうえでお灸を中心にして腰から下を温める治療を施しました。

当院では、様々なお灸を用います。はりの上にもぐさを乗っけて火をつける灸頭鍼療法や直接もぐさを皮膚の上に乗せて火をつけ、焼き切れる前に火を消す透熱灸療法などその患者様に合わせたお灸療法用いて治療していきます。

 

◇1回目◇
治療後全身が温まるような感じがして腰の重だるい痛みがなくなった。

◇2回目◇
前回の治療から3週間空いても手足は以前ほどの冷たさは感じられなくなったとのこと。しかし、まだたまに手足が冷えて夜寝つくのに時間がかかる時がある。

◇3~5回目◇
3・4回目は冷えは膠着状態だったが、5回目が終わった後は日常的に手足の冷えを感じることが少なくなり夜もしっかり眠れるようになった。外気温などで冷えてもすぐ温まるようになった。

 

 

30代女性

数年前から冷え性に悩まされていた。友人がヨガをやって冷え性が改善されたということでヨガをやってみたがあまり改善されなかった。気温の下がる冬になると特に冷え性がきつくなり足先や手先がとても冷えて靴下を2重3重に履いたり、カイロなどで暖めてももまったく暖まらない。
夜も入浴を1時間入るとさすがに暖まるが、寝る頃になると体が冷えて眠れないこともある。

当院の治療
問診・自律神経測定器で測定後、お灸療法を中心に治療していきました。お灸は、直接灸・灸頭鍼・MT温灸・電子温灸器などさまざまな種類のお灸を用いました。

MT温灸器

◇1回目◇
治療中、体が暖まっていく感覚が実感できた。

◇2回目◇
外に出ると体は冷えることは冷えるが、室内に入り体を暖めると体が早く暖まり、それが以前よりも持続するように感じた。

◇3回目◇
冷えがひどいと頭痛の症状が出ていたが、それがなくなってきた。

◇4回目◇
夜中、体の冷えで目覚めることがなくなり睡眠が快調に取れるようになってきた。

◇5回目◇
手先・足先の冷えの感覚が以前の半分ほどとなり、だいぶ軽快してきていると自覚されている。

 

 

 

20代女性

 

不妊治療を目的にご来院されました。

膝からしたが特に冷たく下腹部や手先も常に冷えているような状態でした。

仕事でのストレスも多く、睡眠も浅めでよく悪い夢をみて寝起きも悪い状態。中途覚醒もあり。

 

数年前から不妊症で悩んでいて生理不順でホルモンバランスの乱れも婦人科では指摘されていました。子供ができない状態が5年ほど続いており、何とか手段はないかとご主人と探していて当院にご来院されました。

自律神経測定器の結果、夜の時間帯にもかかわらず交感神経の活動が亢進状態にあって常に交感神経の状態が過亢進状態か日中夜の自律神経のバランスが逆転してしまっている状態が推察されます。

 

治療

 

下腹部や特にひざ下の冷えは東洋医学でも不妊症治療に対してとても重要でその部分を電子温灸器や灸頭鍼、点灸等を用いてしっかりと温めていきます。

 

全身施術では、手足の自律神経の状態を整えるツボであったり、四神窓といって睡眠や精神的な状態を改善させることに効果的なツボに鍼を刺して電気を流す鍼通電伝治療を用いていきます。

 

その他、背中の背部兪穴といいまして五臓六腑の関連した重要なツボがございますのでその部分にも鍼やお灸を施すことで特に重要な腎や生殖に関わる臓腑のツボを刺激していきます。

 

経過

 

施術後、徐々に睡眠の質が向上。仕事の忙しさなど日々のストレスに左右されることもあるがトータル的にみると深く眠れる日が増えていった。

下肢の冷えや下腹部は、最初は本人もそこまで自覚できなかったが他が温まるようになってきて本人も冷えを自覚してきて冷えないような対策をしていただきました。

 

3か月間くらいかけて徐々に冷えや睡眠が改善していき、体調も波はありますが改善傾向にありました。そんな中施術開始後、タイミング療法と並行して妊娠が確認できました。

 

流産の経験もあるためその後体調を整える目的で週一回はメンテナンスで鍼灸施術も受けています。

 

下肢や下腹部の冷えは、ほとんどなくなってきました。

 

 

冷え性とは

 

体内のホルモン変動や自律神経のバランスが乱れるために引き起こる症状だと考えられています。

血流が豊富で身体を温める作用がある筋肉が男性に比べて女性の方が少ないです。

それに伴い女性は出産や月経など血が少なることもあり、男性よりも冷えを強く感じる方が多いと思われます。

 

女性の方が多いのですが、男性の方にも冷え症の症状を持った人もいます。

 

 

現代社会が引き起こすもの

デスクワークや運動不足で下肢の筋肉が落ちてくることや、

不規則な生活習慣のため自律神経が乱れることによって起きやすいことから、

現代病といっても過言ではありません。

 

冷え性は病気としては見ませんので、お医者さんは専門的に診ているところは少ないと思います。

 

身体の中から変えていかなければなりませんので、

体質改善が必要です。

 

症状

冷え性になると、

肩こり

腰痛

・下肢のむくみ

・下肢の感覚が鈍くなる

・下腹部の痛み

下痢や便秘

頻尿

といった症状を伴いやすいです。

 

それ以外にも

生理不順

易疲労性

・肌荒れ

不眠

 

などの症状も付随してでてきやすいもので。

お仕事や生活でも悩まされやすいものです。

すね(下腿)の痛みの鍼灸治療

火曜日, 10月 31st, 2023

すね(下腿)の解剖

すねの骨は、脛骨と腓骨の2つあります。2つの骨は骨間膜や靭帯で繋がれており、その前後外側には筋肉がついています。

すねの代表的な筋肉として前脛骨筋があります。前脛骨筋は足関節を上に曲げる筋肉です。また、前脛骨筋は足関節の硬さと深く関係しています。足関節が硬く、十分に曲がらないと前脛骨筋に常に伸張ストレスが掛かり痛みを起こします。他にも足の指を曲げる長趾屈筋や長母指屈筋、足の指を伸ばす長趾伸筋や長母指伸筋、足を外側に動かす腓骨筋、内側に動かす後脛骨筋、足関節を伸ばす下腿三頭筋(腓腹筋とヒラメ筋)があります。ふくらはぎにある筋肉(長趾屈筋や長母指屈筋、後脛骨筋、下腿三頭筋)の柔軟性が不足すると、足関節は正常に曲がらないため、結果としてすねの痛みを引き起こします。

考えられる病態

シンスプリント

ランニング動作や長時間立ち続けることで筋肉の使い過ぎ(オーバーユーズ)により、筋肉が付着している骨間膜で炎症が起きることで痛みが発生します。

履物やインソールによっても発症しやすくなり、硬い素材の上を走ると更に発症しやすくなります。

主な原因は後脛骨筋が固くなることで、後脛骨筋が付着する骨間膜を過度に引っ張ってしまうことで痛みが出ます。

 

脛骨疲労骨折

ランニング動作やジャンプ動作のオーバーワークにより発症します。ランニングのオーバーワークでは脛骨の上部と下部に疲労骨折が起きやすく、ジャンプ動作では脛骨の中央に疲労骨折を起こしやすいです。この疲労骨折では常に鈍い痛みを感じ、歩行中は踵を着いた時に痛みの増悪を認めます。

 

足底筋膜炎

足の裏の筋膜に過度な張力が反復的または長時間かかることで痛みを引き起こします。下腿三頭筋は足底の筋膜がかかと(踵骨)を経由して繋がっています。そのため下腿三頭筋の硬さも足底筋膜炎の要因となります。また、足底筋膜炎が長期間続くと骨棘を形成します。その場合、痛みが増悪する可能性があります。

 

コンパートメント症候群

急性と慢性があり、急性では骨折や激しい内出血により筋区画の内圧が上昇して中の神経や血管を圧迫して知覚麻痺や運動不全が起こります。神経や血管の圧迫が更に続くと末梢の組織に栄養や神経伝達が行かず筋壊死や神経障害を起こします。

慢性の場合は、急激な筋肥大や過度な運動による筋血流量の増加によって起こります。成長期や筋肥大を目的としてトレーニングをしている方、強度の高いスポーツを日常的に行っている方に見られます。慢性の場合も知覚麻痺や運動不全が見られます。ただし急性とは異なり

 

足関節捻挫

すねの痛みは足関節の硬さによっても起こります。そのため足関節捻挫後に適切な可動域訓練を行わないと足関節は硬いままとなり慢性的にすねの痛みを感じ続けます。

足関節捻挫は内側にひねる内反捻挫と、外側にひねる外反捻挫があります。足関節の捻挫ではその大半が内反捻挫です。足関節内反捻挫では関節の外側の靭帯が引き伸ばされ損傷します。更にすねの骨の脛骨と腓骨の間の靭帯損傷も合併しやすく、捻挫後は適切な治療と可動域訓練を行わないと足関節が硬くなります。

東洋医学的な考え

すねには、胃経と呼ばれる経脈(ツボの並び)があります。胃経とは、西洋医学的な臓器の胃と似た働きがあり、臓器の胃に問題がある場合にすねに痛みを感じることがあります。

原因として、

・暴飲暴食

・胃炎

・ストレス性胃潰瘍

・胃食道逆流症(GERD)

などがあります。

これらにより胃経の気血の疎通が滞ることで、すねに痛みが出ます。

 

すね(下腿)の痛みの鍼灸治療

すねの痛みに対する治療では、すね・足関節を中心に施術をしていきます。

治療の対象となる筋は主に前脛骨筋です。鍼やお灸で前脛骨筋の緊張を取り張痛を取ります。また、ふくらはぎの硬さがあればこちらにも鍼灸をしていきます。

東洋医学的観点から胃経のツボも合わせて使い、胃経の疎通を図ります。

主に使うツボ

・足三里

・豊隆

・中脘

下肢静脈瘤の鍼灸治療

月曜日, 10月 30th, 2023

下肢静脈瘤とは

 

下肢静脈瘤は、脚の表面を走行している静脈がこぶ状にボコボコと盛り上がってしまう症状で、年齢とともに増加し、女性特に妊娠を契機として発症することが多いのが特徴です。

また、長時間の立ち仕事、スポーツ選手、重い荷物を扱う職業の人に下肢静脈瘤は多い傾向があります。

好発部位は、膝裏、太もも、ふくらはぎで、75歳以上の75%の人が悩まされていると言われています。

静脈の構造と働き

 

静脈は動脈と同じ内膜、中膜、外膜の三層構造をしており、全身から血液を心臓に戻すため弾力性があり中膜が厚い動脈と違って、静脈は収縮の必要がないため血管壁は柔らかく中膜も薄くできています。

四肢の太い静脈には複数の静脈弁がついており、血液の逆流を防ぐ役割を担っています。

動脈は心臓から血液を全身に送り、いくつもの細動脈に分岐し毛細血管が酸素や栄養などの物質を組織に供給します。酸素や栄養などの供給を終えた血液はまた毛細血管を介して静脈へ流れ大静脈通り心臓に戻っていきます。

 

下肢静脈瘤の種類

 

①伏在静脈瘤

下肢静脈瘤の中で一番多いものが伏在静脈瘤になります。

伏在静脈は下肢や太ももの内側を走行する大伏在静脈と、ふくらはぎの裏側から膝裏まで走行する小伏在静脈があります。これらの静脈の弁が壊れたりすることで機能しなくなり静脈瘤が発生します。

伏在静脈瘤の場合、ふくらはぎに起こることが多いです。

 

②側枝静脈瘤

側枝静脈は伏在静脈から枝分かれした静脈で、さらに分岐した先の枝の一部が膨らみ静脈瘤になったものをいいます。

これもふくらはぎに出現することが多いですが、側枝静脈瘤の場合は伏在型よりも細く範囲も狭いのが特徴です。そのため伏在型より症状も軽いことが多いです。

 

③網目状静脈瘤

皮下の浅い所を走行する静脈が拡張したものが網目状静脈瘤です。

網目状に見えるためこうのような名前で呼ばれています。

他のタイプの静脈瘤と違いボコボコした血管の隆起は無く、青色に浮き上がっているように見えるのが特徴です。

 

④くもの巣状静脈瘤

くもの巣状静脈瘤は別名スパイダースキンと呼ばれており、皮膚の浅い部分にある直径1㎜以下の非常に細い真皮内静脈や毛細血管が拡張し、くもの巣のように放射状に拡がって見えます。青白く見えたり、赤紫色に見えることもあります。

 

下肢静脈瘤の原因

 

下肢静脈瘤の原因は足の静脈の働きが低下し、血液の流れが停留することで起こります。

 

人間のふくらはぎは第二の心臓と呼ばれ、筋肉を動かすことでポンプのように下肢の血液を下から上へ心臓に流し戻す働きがあります。しかし、加齢での筋量低下、長時間の立ち仕事や座り仕事で足の筋肉を動かさない事が続くと筋ポンプ作用が働かないため血液が流れず下肢に溜まってしまいます。血液が溜まって静脈が拡張することでコブができてしまいます。

また、静脈の中には血液の逆流を防止する弁が存在します。この静脈弁は八の字をしており下から上へは流れますが、上から下へは流れない一方通行の仕組みをしています。

 

しかし、この弁が何かしらの原因により壊れてしまうと血液が逆流してしまい静脈瘤になってしまいます。この静脈弁は一度壊れたら再生することはできません。

静脈弁が壊れる原因はまだはっきりと解明されていませんが、妊娠経験者や中高年の女性に多いため女性ホルモンの変動が関係しているのではないかという意見もあります。

また肥満や長時間の立ち仕事、加齢、家族性に発生することも多いため何らかの遺伝的要因の可能性も示唆されています。

 

 

下肢静脈瘤の症状

 

下肢静脈瘤の症状は、血管がボコボコと腫れ上がる事や網目状やくもの巣状に浮き出る以外にも、足のだるさ、足のむくみ、足の痛みや重たさ、足がつる、足の冷え、足のほてり等があります。

これらの症状は、夕方から夜間にかけて起こりやすく、左右の足でもそれぞれ違う症状が出ることも少なくありません。

また、足の傷が治癒が遅くなる、足の湿疹ができやすい、虫刺されのような痕が長く残る、色素沈着という症状が起こる事もあります。

網目状静脈瘤と、くもの巣状静脈瘤はこれらの症状を伴わない事が多いです。

 

下肢静脈瘤の東洋医学

 

東洋医学では下肢静脈瘤のような水分代謝の低下を湿邪が原因と考えられています。

湿邪は雨や曇りの気候により体外から侵す外湿と、暴飲暴食により体内から侵す内湿があります。

五臓六腑のは水分代謝や消化吸収といった胃腸機能を担っているのですが、この脾は湿に侵されやすい臓器のため、低気圧や暴飲暴食で湿邪が体内に増加すると脾に負担がかかり水分代謝や消化機能が低下してしまうのです。

 

この湿邪の特性の1つは重く沈着性があるという事です。そのため湿邪に侵された部位は重だるさといった症状が現れます。

また、その重さのため下降して流れ込む特徴もあり、足にその影響が受けやすいのはそのためと考えられています。

湿邪は粘膩性という粘り気があるものとも考えられており、ジメジメした雨の日や湿度が高い日に悪化するのはこのためと言われています。

その粘り気の強さのため一度体内に入ると定着してしまい、慢性化し病気が長引いてしまうという特徴もあります。

 

当院の下肢静脈瘤の治療

 

まず、血流をコントロールしている自律神経の調節を目的とした施術を行います。

自律神経を整えることで全身の血液循環を促進させていきます。

次に下肢の筋肉に刺鍼し低周波の電気で刺激します。鍼に低周波を流すことにより筋肉を収縮させ筋ポンプ作用を起こすことにより、下肢の静脈にうっ滞した血液の流れを促していきます。

胃腸炎の鍼灸治療

木曜日, 10月 26th, 2023

胃腸炎とは

胃腸炎とは、胃・小腸・大腸の粘膜に炎症が起こり、下痢や腹痛を起こす疾患の総称です。

その原因には、感染性・非感染性に区分できる他、症状の経過によって急性と慢性に分けられます。

感染性胃腸炎とは、細菌やウィルスなどを原因とする胃腸炎をいいます。一般的には、夏季には細菌性腸炎が、冬から春にかけてはウイルス性腸炎が多く発生します。

また、非感染性胃腸炎とは、薬剤や暴飲暴食、刺激物の摂りすぎ(脂肪分、アルコール、カフェイン、辛いものなど)、ストレス、自己免疫や炎症性腸疾患(IBD)などによるものなど、多くの原因があります。

 

胃腸炎の症状

胃腸炎の症状は、急性と慢性によって大きく異なります。

 

急性胃腸炎

ウイルスや細菌などへの感染が原因となること(感染性胃腸炎)が多く、突然発症し発熱、吐き気・嘔吐、下痢、腹痛、お腹の張りなどの症状を引き起こします。また、感染性胃腸炎は重症化すると、高熱、下痢・嘔吐によって水分不足の状態に陥り、疲労感や脱力、喉の渇き、めまい、立ちくらみ、動悸などの症状を引き起こすことがあります。

 

慢性胃腸炎

慢性胃腸炎の場合には、長期的な胃痛や胃の不快感、胃のムカムカ、お腹の張りや痛み、不快感のほか、食欲不振、下痢などがみられることもあります。

 

予防方法

感染性胃腸炎を予防するには飛沫感染・接触感染を防ぐため、手洗い、うがい、手指消毒、マスク着用などを徹底することが大切です。特に、高齢者や子どもなど感染性胃腸炎を発症すると重症化しやすい方は、できるだけ生ものや生焼けのものを避け、しっかり火が通った食事を選ぶようにしましょう。

非感染性胃腸の場合は、ストレスや暴飲暴食など日常生活の習慣によって引き起こされるため、ストレスを溜めすぎないようにご自身の発散方法やリラックス・リフレッシュ方法を見つけ、食べすぎ・飲みすぎに気をつけましょう

 

現代の社会環境からは、ストレスを完全になくすことは困難ですが、自分なりの工夫でストレスの原因から上手に間を置く工夫をし、ストレスをためないよう心がけましょう。

また、気になる症状が続く場合は、早めに内科や胃腸科、消化器科を受診し、検査と治療を受けるようにしてください。

 

胃腸炎の東洋医学的考え

東洋医学では、『』は『』と深い関わりがあると考えられています。胃の『受納と腐熟を主る働きと、脾の『運化を主る作用は、飲食物の消化・吸収・排泄に関与しています。

その為、飲食の不節制やストレスなどにより『脾胃』を損傷し、働きが低下してしまうと、消化・吸収の働きも悪化してしまうので胃腸炎の原因となってしまいます。

東洋医学では、気・血・水を上手に巡らすために『』『』『』『』『』という『五臓』が働いていると考えられています。

健康には、五臓の働きを穏やかに整えて、十分に『気』を養うことが大切です。

五臓のそれぞれは、西洋医学でいうところの臓器の名称とは必ずしも一致しているわけではなく、『脾』は西洋医学で言う胃腸機能の他に消化吸収の働き全てを指します。体質的に『脾』(胃腸)が弱い人もいますが、現代のストレス社会では、『肝』(自律神経)の乱れから『脾』の乱れを招くケースも少なくありません。

 

当院での胃腸炎に対する鍼灸治療

胃や腸は、ストレスによってトラブルを起こしやすい臓器です。これは、胃の働きが自律神経によってコントロールされていることと関係しています。自律神経には活動的な時や緊張時に働く『交感神経系』と、リラックス時に働く『副交感神経系』の2つがあります。

通常はこの2つがバランスを取りながら働いているのですが、ストレスや過労などを受けるとバランスが崩れ、胃腸の働きにも乱れが生じます。

その結果胃の症状として起こるのが、胃もたれ食欲不振胃痛胸やけといった様々な胃のトラブルです。

人は、ストレスを感じたり過労が続くと、自律神経のバランスがくずれてしまい、自律神経の乱れから、倦怠感や動悸、不眠、めまい、しびれ、手足の冷えなどの様々な症状が現れます

そのため、当院では、治療の前にしっかりと問診を行い、自律神経の状態を機械で測定し、症状や状態を把握した上で治療を行っていきます。

当院には自律神経測定器があり、この測定器では交感神経と副交感神経のバランス、肉体的ストレスや精神的ストレスなどの数値も測る事ができます。測定結果を元に、お一人お一人に合ったオーダーメイドの治療をします。そして、東洋医学の治療法と自律神経療法を組み合わせることで、より治療効果を高めることができます。

鍼灸治療は自律神経を整えるのにとても優れた治療法です。自律神経を整える経穴や胃腸のトラブルやストレスに対する特効穴を用いて症状改善を目指します。

また、自律神経のバランスを整える事で心身の過緊張を緩和し、血行を促進して症状を改善し、再発や悪化を防ぎます

胃腸炎の症状でお悩みの方は、東京α鍼灸院へお越しください。

側頭部痛の鍼灸治療

木曜日, 10月 26th, 2023

側頭部が痛む原因とは

 

 

側頭部が痛む場合、まずは締め付け感を伴っていたら緊張型頭痛の可能性がありますが、やや前の方のこめかみ辺りがズキンズキンと脈打つように痛い場合は片頭痛かもしれません。

高齢者の片方の側頭部の痛みであれば、側頭部動脈炎などの可能性もありますので、専門医の診察を受けましょう。

その他、片方の頭痛であれば神経痛や帯状疱疹なども考えておく必要があります。

 

痛みの性質はどうか

・ズキンズキンと痛む

ズキンズキンとした拍動性の頭痛は、血管由来の頭痛を示唆する症状です。典型的には片頭痛などです。痛い時とそうでないときが明瞭で、頭痛が数時間から4日程度続いて治まるような頭痛を繰り返す場合は片頭痛の可能性が高いと思われます。

 

・締め付け感

締め付け感は、筋肉の緊張を示唆するような症状です。ストレスや首こりなどが背景にあるかもしれません。

 

・頭の重たい感じ

頭が重たく感じるのは、頭を支えている背骨と首の筋肉が疲れている証拠です。頭は4~5kgもありますから首の筋肉が疲れると、頭が重く感じるのです。首の筋肉に慢性的に力が入っているのかもしれません。

 

・割れるように痛い

初めて経験する激しい痛みの場合、くも膜下出血などの重篤な症状な頭痛かもしれません。すぐに病院を受診することをお勧めします。しかし、我慢できるような頭痛でも初めて感じる頭痛であれば必ずしもくも膜下出血ではないとは言い切れないので、頭痛の程度だけでは判断できません。

片方の激しい頭痛が連日のように生じる場合、群発頭痛かもしれません。群発頭痛は中年の男性に多いものです。

 

 

<危険な頭痛を見分けるためには>

 

危険な頭痛かどうかの一つの物差しは、それが以前から日常的にあって変わりないものかどうかです。「これまでと違う頭痛」は、危険な頭痛の可能性もある重要なキーワードです。

 

その他、頭痛に何らかの随伴する症状がある場合、その症状が診断の手掛かりになるかもしれません。例えば、頭痛の前に短時間の視野異常を伴う場合には片頭痛の疑いがあります。また、頭痛の前の倦怠感、あくび、感覚過敏なども片頭痛でしばしば認められる症状です。

一時的ではなく持続的に視野異常や脱力、言語障害、歩行障害、発熱などを伴う場合にはぜひとも専門機関での精密検査を受けることをお勧めします。

 

なお、吐き気については、頭痛がとても強い時には感じてもおかしくないものです。しかし、頭痛で実際に吐いてしまう場合はかなり強い頭痛の証拠です。

重度の片頭痛でも起こりますが、片頭痛ではない場合には、頭蓋内の病変により頭の中の圧力が極めて高くなってるケースもありますので要注意です。

 

 

~側頭部に起こる筋緊張性の頭痛で原因となる筋肉とは?~

・側頭筋

側頭筋は噛む際に使うものなので、食事の時に硬いものをたくさん食べる、ガムを長時間噛み続ける、片方の歯のみで噛むということなどで疲労がたまります。その他ストレスや無意識のかみしめや食いしばり、睡眠時の歯ぎしりなどにも関係すると言われています。併せて目の奥に放散痛や鈍痛が現れることがあります。

 

・後頭下筋群

後頭下筋群(こうとうかきんぐん)という頭痛に関連する代表的な筋肉は目や頭の動きに合わせて、顔の角度や向きを微調整している筋肉で頭痛の代表的な原因筋でもあります。

例えば資料を見ながらパソコン入力をするなど、無意識のうちに顔を前後左右に細かく動かす動作が多い方はこの筋肉を酷使している可能性が高いです。

 

・僧帽筋の上部線維

猫背や肩をすくませた姿勢が要注意です。パソコン作業やデスクワーク時に悪い姿勢が続くと僧帽筋への負担がかかります。
また、精神的な緊張や不安があると無意識に肩甲骨周辺に力が入ってしまうため、慢性的に肩が上がった状態で凝り固まってしまいます。痛みの特徴として、こめかみ~頭部の痛み、首の脇の痛み、下あごの角も痛み、肩甲骨周りが硬い などが挙げられます。

 

 

西洋医学的治療

側頭部痛は、頭部の側頭部に発生する痛みを指します。この種の頭痛はさまざまな原因によるもので、その原因に応じて西洋医学的な治療が異なります。

 

  1. 鎮痛薬の使用:軽度から中等度の側頭部痛の場合、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やアセトアミノフェン(パラセタモール)などの鎮痛薬が処方されることがあります。これらの薬物は痛みを軽減し、頭痛の症状を和らげます。
  2. 三叉神経ブロック:三叉神経は、顔面や頭部の感覚を制御する神経で、三叉神経痛と呼ばれる疾患が側頭部痛の原因となることがあります。痛みが重度で反応が鈍い場合、三叉神経のブロックを行うことがあります。
  3. 予防薬の使用:頻繁に発作を起こす側頭部痛の場合、予防薬が処方されることがあります。抗てんかん薬や抗うつ薬など、特定の薬物が使用されます。これらの薬物は発作の頻度や痛みの強度を減少させる役割を果たすことがあります。
  4. トリガーポイント注射:側頭部痛が筋肉の緊張に関連している場合、筋肉のトリガーポイントに注射を行うことがあります。これにより筋肉の緊張が緩和され、痛みが軽減することが期待されます。
  5. 生活様式の変更:適切な休息、ストレス管理、健康的な食事、適度な運動など、生活様式の変更が側頭部痛の予防に役立つことがあります。
  6. 病因に対する特定の治療:側頭部痛の原因が他の疾患に関連している場合、その疾患に対する適切な治療が行われます。たとえば、炎症性疾患、血管性疾患、感染症など。

 

 

側頭部痛に対する東洋医学的考え方

 

側頭部の経絡

側頭部痛に対する東洋医学的な考え方では、側頭部周辺を流れる経絡である三焦経や胆経の気血の滞りとして扱われる場合が多いです。

また、そのほか脈診や腹診などで弱っている経絡や強まっている経絡を探し当てて正常に戻すような経穴が用いられます。

 

当院の側頭部痛に対する鍼灸治療

 

当院では頭痛の原因となるストレス、筋緊張や全身の血流などに大きく関与する自律神経系のバランスを機械で測定し、患者様のお体の状態を把握したうえで治療へ移ります。

もともと鍼灸には自律神経系のバランスを整える作用がありますが、当院独自の自律神経調整施術を行うことでその効果をさらに高め、免疫力や自己治癒力を高め症状が治癒しやすいお体の状態へと整えます。

また、側頭部の痛みに関与すると考えられている筋肉の緊張を緩めるツボや東洋医学的観点から肝や胆・三焦経のツボを用いて施術を行っていきます。

その他頸部や肩甲骨周辺の筋肉の過緊張状態が側頭部痛を引き起こしている場合もあるためそのあたりも入念に緩めていきます。

 

側頭部痛に対する鍼灸鍼

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