HOME >  飛蚊症の鍼灸治療

Archive for the ‘院長コラム’ Category

飛蚊症の鍼灸治療

水曜日, 10月 6th, 2021

①飛蚊症に対する当院の鍼灸施術

 

飛蚊症の鍼灸治療方針

 

 

当院の飛蚊症に対する施術は、目の周辺のツボにハリやお灸を施して、目の血行状態をよくします。目の血行状態をよくすることで線維化した硝子体内の物質を排出しやすくします

 

飛蚊症の鍼治療

当院では目にもお灸治療も積極的に取り入れてお灸による暖かさで血液循環の改善を図っていきます。

飛蚊症の鍼治療

また飛蚊症は五臓六腑の肝に深く関係しているので肝に関する経穴を用いて肝血を補って肝陽の抑制などを行います。東洋医学の診断方法に基づき全身の調整治療も行っていきます。当院に飛蚊症でご来院される方は、忙しい日常を送っている方が多く、精神的・肉体的なストレス過多状態の人が少なくありません。

そこで当院では、自律神経測定器を用いて自律神経の状態を検査してから施術することで自律神経のバランスを整える効果が期待できます。また部分的な治療ではなく全身を治療することは東洋医学の特徴でもあります。

全身施術を行うことにより人間が本来もっている自然治癒力を高めて様々な不定愁訴を取り除く効果が期待できます。

飛蚊症の全身調整鍼灸

当院では、飛蚊症の原因がわかった段階で施術します。飛蚊症は、失明に繋がる怖い病気の前兆の場合もあり、早急な対応が必要な場合があるからです。原因によっては当院で施術できない場合もありますので、ご相談ください。

 

 

②飛蚊症についての東洋医学的考え

東洋医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能の障害が深く影響していると考えられています。肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。
また肝の陰液不足のため肝陽を抑制できないためにおこる肝陽上亢や肝の陽気の過亢進による肝火上亢によって目の充血や炎症が起こります。目の充血や炎症は飛蚊症の原因になると考えられます。

※肝陰虚・肝陽上亢
肝の陰液不足によって、肝の陽を抑制できないため肝陽が上に昇っていってしまうために起こる病態です。上に昇っていくことで顔面部や頭部に熱証が見られます。具体的には、のぼせ・めまい・ふらつき感・頭痛・顔面紅潮・目の充血・耳鳴りなどが挙げられます。
また、『肝腎同源』と言われ、東洋医学では肝と腎はとても深い関係にあるため、肝の陰液不足は、腎陰不足にも繋がります。よって肝腎陰虚の症状もあらわれるのです。肝腎陰虚は、西洋医学でいう高血圧症・自律神経失調症・更年期障害・慢性腎炎・不眠症などの症状がみられます。

 

 

 

③飛蚊症の鍼灸治療症例

30代男性 飛蚊症

数年前から目の前を細かい浮遊物が飛んで見えるようになり、眼科を受診したところ生理的飛蚊症と診断された。眼科では、ドライアイの目薬を処方されて症状は昇降状態だったが、当院に来院される半年前頃から飛蚊症の症状がひどくなり始めた。仕事はデスクワークが主でパソコンの前に座って作業する時間が多く、夕方など目が疲れてくると、浮遊物が多くなり仕事に集中できないとのこと。

それに伴い首や肩にこりに痛みを感じてつらい。またずっと座っていると右腰もつらくなってきて、右足も重だるくなってくる。

 

治療
生理的飛蚊症の場合、パソコンを多く見る習慣や不規則な睡眠・食事、運動習慣の少なさなど生活習慣が多くかかわってきます。まず問診や自律神経側的でお体のバランスをしっかり把握したうえで施術にはいります。

この方の場合、お仕事が多忙で交感神経が過亢進状態で、寝つきも悪いことが週に2~3日あるとのことでした。また運動習慣も少なく、パソコン作業をすると6時間休憩を取らずにぶっ続けで行うこともあり、そういった習慣も改善していく必要があります。

治療ではまず全身の自律神経のバランスを整える自律神経調整療法を施し、首・肩・腰部の治療をしてから最後に目の周りの施術をしました。

 

治療経過
◇1回目◇
触診したところ首肩の筋肉に左右差があり、右が明らかに金の緊張がみられる状態でした。それらの筋肉をほぐすと共に以前に鍼治療を受けられており鍼治療に慣れているということで一回目から目の周りにの施術も少し強めで行いました。

◇2回目◇
目・首・肩・腰の症状にあまり変化が見られなかったが1回目の治療後お腹が動く感じがあり、胃腸の働きが良くなったと実感できたとのこと

◇3回目◇
以前たまに夜目覚めることがあったが、最近それがみられなくなったとのこと。

◇4回目◇
以前は右肩がつらかったが、それがとれて今度は左肩の不調を感じるようになった。目やにの量が少なくなった。

◇5回目◇
身体全体的な状態は楽になってきた。

◇6回目◇
飛蚊症の症状に変化が見られてきた。以前は目が疲れると浮遊物が増えて仕事に集中できなかったがそれがなくなった

◇7回目◇
以前の状態が続いている

◇8回目◇
日常生活の中で飛蚊症の症状が気になることは少なくなった。ただしまだ青空を見上げると浮遊物があると確認できる。

◇9回目◇
体の状態に変化見られず。

◇10回目◇
青空を見上げても浮遊物が見えなくなった。

 

 

 

症例2
60代 女性
当院にご来院された2か月ほど前から目の前に浮遊物の見える飛蚊症の症状が出てきた。眼科で検査を受けたが特に異常は見られなかった。眼科では特に治療は受けずに経過観察と言われて他に治療法はないかと探していたところ当院のホームページを見つけてご来院された。

 

当院の治療
普段からパソコンで仕事をしていて、それ以外にもスマホやテレビを見る機会が多く、目は相当酷使していたとのこと。普段から目の疲れは感じていた。
それに加えてここ最近は母の介護が加わり、体力的にも落ちていて胃の調子など体調を少し崩している状態でした。目の浮遊物は両方見えて特に右目に大きな黒い塊が見える。視力は左右ともに0.3でコンタクトレンズをつけている状態。

自律神経のバランスを測定したところ、自律神経のバランスが乱れている状態でしたのでバランスを整えつつ、目の周りの施術をしていきました。

 

治療経過
◇1回目◇
施術後、目の疲れはだいぶ軽減されたように感じた。飛蚊症はまだまだある。

◇2回目◇
仕事と介護でストレス。睡眠不足で目の調子も少し悪い

◇3回目◇
今回施術後から飛蚊症の細かい浮遊物は見えなくなってきた。まだ右目の大きな黒い塊はある

◇4~6回目◇
段々と飛蚊症も薄くなってきていると感じる。身体の疲れも良くなってきて睡眠の質も向上

◇7回目◇
飛蚊症、明るい所や天気の日に少し気になる程度になってきた

◇8回目◇
目が疲れてくると細かい浮遊物は多少見えるが、それ以外普段は浮遊物を見られなくなった

 

 

症例3
30代 男性

 

2年前から視界に糸くずのような物が飛んでいて気になるようになっていた。その後、前から視力が悪く気になっていたためレーシック手術を受けて視力の回復をする手術を受けた。手術を受けて視力は上がったように感じたが、飛蚊症がさらに気になるようになってしまった。

最初は、右目だけ気になるようだったが今では左目も糸くずのようなものが飛んでいるのが気になる。

 

パソコン作業が主な仕事のため、明るいデスクを見ると飛蚊症がさらに気になり、仕事にも集中できない。

飛蚊症が気になり始めると、頭痛や目の周りの痛みも感じることが多い。

 

飛蚊症の他に、ひざ痛や左坐骨神経痛もあり、ランニング中や趣味のテニスをしている時に痛みが強くなるとのことで目の施術と合わせて施術を行っていきました。

 

鍼灸治療

 

以前から鍼治療は良く受けており、受け慣れていたため刺激の量は若干はじめから強めに行ってしっかりと刺激量は入れていきました。

目の周りの鍼通電治療やお灸施術を中心にして膝周りや大腿四頭筋の筋緊張の緩和、頸部の板状筋・僧帽筋の筋緊張の緩和なども併せてはり灸施術を行いました。

 

■1回目

飛蚊症に対しては特に変化は見られない。ランニング中の膝の痛みは軽減された。VAS7→3

 

■2~6回目

あまり変化は見られない。飛蚊症は少し薄く見えるようになったかもとのこと。まだ仕事中もかなり気になる。天気のいい日の空を見上げるとはっきりと飛蚊症が見える

 

■7~15回目

治療開始8回目あたりから少しずつ飛蚊症の数が減少。以前は視界全体にバーっと拡がっていたが今はだいぶ少なくなってきた。パソコン作業の仕事も集中してできる時間が段々と増えてきた。

 

身体もだいぶ楽になってランニングやテニス時のひざ痛や坐骨神経痛はVAS8→2にまで痛みは軽減された。

 

 

④飛蚊症とは

飛蚊症とは、明るいところや白い壁などを見つめた時、目の前を小さな浮遊物が飛んでいるように見えます。その形状は虫や糸くずであったりします。視界からはずそうと視線を動かしても一緒に移動してきます。また、まばたきや目を擦っても一向にきえません。

眼球の内容の大部分は硝子体が占めています。硝子体は透明で粘稠な組織で血管や神経はありません。目から入ってきた光はこの硝子体を通過して網膜まで達します。ところがその硝子体になんらかの原因で濁りが生じると蚊や糸くずが飛んでいるように見えます。

 

 

 

⑤飛蚊症についての原因

 

飛蚊症の主な症状

 

飛蚊症の原因は大きく分けて5つあります。

ⅰ)生理的飛蚊症
母体内で胎児の眼球が作られる途中では、硝子体に血管が通っています。眼球が完成すると普通血管はなくなります。しかし、生後血管が残っていると飛蚊症として感じることがあります。このタイプの飛蚊症は生理的なもので健康な人にも起こりうるので症状が悪化しないかぎり心配する必要はありません。
成人の場合では、硝子体内の分質の変化により線維化した物質が浮遊物として見える場合があり、眼科で検査しても病的ではなく、原因がわからない場合が多いです。

ⅱ)硝子体剥離による飛蚊症
硝子体剥離は飛蚊症の原因としてもっとも多いと考えられています。高齢者に多くて、歳をとると硝子体はゼリー状から液状に変化し、硝子体は次第に網膜から剥がれます。この現象を硝子体剥離といい、飛蚊症の症状をもたらします。また若い人でも強度の近視の場合は硝子体剥離がおこります。

ⅲ)網膜裂孔、網膜剥離による飛蚊症
網膜裂孔は硝子体と網膜が癒着した部分があると、網膜が委縮した硝子体に引っ張られた際に破れて孔が開いてしまいます。その時に網膜の血管が切れて出血が起こり、硝子体が濁ることによって飛蚊症の症状が現れてきます。
網膜裂孔が起こる前に目の前を光が走るように感じられることがあります。それは、暗い場所でも目を閉じていても感じられます。網膜剥離は網膜裂孔を放置しておいた場合に起こる場合がほとんどです。網膜剥離が起こると剥がれた部分ではものを見ることができなくなります。また黄斑部という視力に深くかかわっている部分が剥離すると極端に視力が低下してしまいます。無症状でゆっくり進行するものもありますので、注意が必要です。

ⅳ)硝子体出血による飛蚊症
目の中に出血して血液が硝子体のなかに入ると飛蚊症として感じます。出血量が比較的少ない場合に飛蚊症の症状が現れます。
出血量が大量であると視力も落ちます。硝子体出血を起こすものとして糖尿病網膜症と網膜静脈閉塞症があります。どちらも眼底を走る血管の血流が阻害されることにより血管が破れて出血を起こします。
硝子体は血管がなく、血の循環が悪いところなのでなかなか血液を吸収せず、症状が改善するのに時間がかかります。

ⅴ)炎症による飛蚊症
眼球の炎症性の病気によって硝子体が混濁して飛蚊症の症状が現れることがあります。最も多いものが、ぶどう膜炎です。目に炎症が起こると血管から白血球や滲出液が硝子体に入り込み硝子体を混濁して飛蚊症の症状が現れます。この場合の飛蚊症は症状の軽いものから始まり、だんだん症状が悪化していき、やがては物を見るのに支障をきたす場合もありますので注意が必要です。

 

⑥飛蚊症の自分でできる対策

飛蚊症を予防・改善させる自分できる対策として目に発生した活性酸素を分解させる・なるべく活性酵素を発生しにくくさせるという対策があります。

硝子体や水晶体は紫外線を浴びると活性酸素が発生してしまいます。通常、その活性酸素を分解してくれる酵素が分泌されますが年齢を重ねていくとどうしてもその分泌量が減少していってしまうのです。
さらに、今は目を酷使している人が増えているため目の周りの循環も悪くなってしまい、わかくても活性酸素を分解してくれる酵素の分泌量が減っている人が多く、若くして飛蚊症で悩んでいる方も少なくあります。

 

よって飛蚊症となってしまう過程で活性酸素をできるだけ発生させない・活性酸素を分解してくれる酵素を出しやすい体の状態にするという事が重要となるわけです。

 

 

・サングラスをかける
紫外線を浴びると水晶体や硝子体に活性酸素が増えやすくなってしまいますので外に出る時はなるべくサングラスをかけるかUVカットのメガネを着用するようにしてください。

 

・パソコンやスマホ画面を長時間見ない
パソコンやスマホ画面を長時間見ると目の周りの筋肉が過緊張状態となり、血液循環が悪くなるので最低1時間に5~10分程は目を休める時間を取りましょう。

 

・蒸しタオルなどで目の周りを温める
目の周りを温めることで目の周りの血液循環が改善されて活性酸素が分解される酵素が分泌されやすくなります。

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

 

 

角膜炎・角膜潰瘍の鍼灸治療

月曜日, 9月 27th, 2021

①角膜炎・角膜潰瘍に対する当院の鍼灸治療

 

角膜炎の鍼灸治療方針

 

当院の角膜炎・角膜潰瘍に対する施術は、第一に目の周辺の経穴にハリをさして角膜の炎症をおさえる作用を促します。痛みの強い場合は電気鍼療法を用いて痛みの閾値を上げて鎮痛効果が期待できる施術を行うこともあります。電気鍼療法は、刺激の量が強いため鍼に慣れていない方には行うことはありませんので安心してください。

角膜炎角膜潰瘍の鍼治療

また角膜炎・角膜潰瘍は肝の機能と深く関係していることがいわれておりますので、肝に関連の強いツボを多く用います。肝の陽気が過亢進して頭の方へのぼっていくことで症状を起こしているとも考えられるので肝の陽気を抑えて下げる治療もする必要があります。
風熱の邪気によって引き起こされる場合はそれらを体外に出す治療が必要になります。

 

また東洋医学の全身の状態を診て治療していくという特徴によって当院でも全身の調整施術を行っていきます。部分的な治療ではなく全身を治療することは中医学の特徴でもあります。全身治療を行うことにより人間が本来もっている自然治癒力を高めます。

角膜炎・角膜潰瘍の全身鍼灸治療

角膜の炎症がおさまったら第二段階としてお灸や微弱の電気刺激を用いて徐々に血流の改善施術を行っていきます。
角膜炎・角膜潰瘍の治療を受けられることにより目の治療効果はもちろんのこと全身の治療効果が期待できます。

角膜炎・角膜潰瘍の鍼通電治療

 

 

②角膜炎・角膜潰瘍の東洋医学的考え

中医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能障害が深く影響していると考えられています。
肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。また肝の陰陽のバランスが崩れてしまい肝の陽気の過亢進がおきると次第に陰液を消耗して肝陽が頭の方へ上がっていきます。
すると角膜炎・角膜潰瘍・高血圧、頭痛・自律神経失調症などを引き起こします。また外からの風熱の邪気が体に侵入すると目は侵されやすく、結膜炎や結膜潰瘍を引き起こす原因にもなります。

 

 

③角膜炎・角膜潰瘍の鍼灸治療症例

 

40代男性

以前に数回左目に角膜感染症を患っていたが、眼科で治療を受けて少し経つと軽快していた。しかし、数ヶ月前から目の痛みが強く出て仕事もままならずに睡眠も痛みで阻害されるようになった。眼科で治療を受けてもなかなか改善されず、当院を受診された。パソコン作業などのデスクワークが主なお仕事で仕事を休みがちになり、気分も落ち込んでいるご様子でした。左目の瞼も腫れあがり、目も開けていることがつらそうな状態。

 

当院の治療
睡眠不足や仕事が思うようにできないというストレスから自律神経の乱れが生じているのではないかという判断から治療に入る前に自律神経測定器で自律神経の状態を計測しました。結果は交感神経の活動が高く身体全体の調子も崩れている状態でした。
まず仰向けで自律神経を整える自律神経調整療法を施してからうつ伏せで首肩のコリをとっていきました。長年の長時間でのデスクワークや痛みによるストレスからか特に胸鎖乳突筋が過緊張状態だったので、その部分が取れるようにしっかり施術しました。
最後に目の周りに鍼灸施術を施し、鎮痛効果を促しました。最初の2・3回は置鍼術とお灸治療で対応してはり灸刺激に慣れてきたところで目の周りに通電療法を施しました。最初の一カ月は集中的に一週間に2回ほど治療を受けてもらい、その後は一週間に1回程度の感覚で治療を受けていただきました。

 

治療経過

◇1~5回目◇
治療後は、目の痛みは楽に感じ睡眠もとれる。しかし、痛み止めの薬は欠かさず飲むような状態

◇6~8回目◇
少しずつ痛み止めの薬の量が減ってきた。長年感じていた首肩のコリ・つらさが感じにくくなってきた

◇9~12回目◇
痛みで休みがちだった仕事にも徐々に復帰して日常生活で痛みを感じることが少なくなってきた。

◇13~15回目◇
痛み止めを飲まなくてもほぼ痛みを感じない。ただし、菌を除去するために眼科で角膜を削る処置をした後の1日は痛みを感じる。

 

50代 男性 真菌性角膜炎

 

2週間前に右目の痛みが強くなり、蛍光灯の光にも眩しさも感じたため眼科を受診したところ真菌性の角膜炎と診断を受けた。

痛み止めの内服薬と抗菌剤の点眼薬を処方された。痛みが強く眠れない時もある。元々は記者の仕事などパソコン作業や細かい字を見ることが多く、目に負担がいっていたが、角膜炎を発症後は仕事もままならずに休職している。

 

他に改善方法がないかと模索していたところインターネットで当院をみつけてご来院されました。

 

ご来院当初は、痛みもつよく鎮痛薬を服用してなんとかご来院できる状態。真菌性角膜炎が出ている右目は腫れもあって目の充血・瞼の赤みもある。

 

鍼灸治療と経過 

 

まず第一に右目の激痛の緩和を目的に施術を行っていきました。右目周りに少し強めの鍼通電治療を施し、鎮痛効果を促します。15分ほど電気をかけて睡眠もうまく取れないとのことなので自律神経の状態も整えつつ、睡眠に効果的とされる『神門』や『太谿』『失眠穴』なども選穴して施術を行っていきます。

うつ伏せの施術では、頸部の筋緊張の緩和や背部兪穴のツボを用いて五臓六腑の『肝』『腎』『心』の状態を特に整えていきました。

 

施術間隔は3~4日に行い、とりあえず5回ほど間隔をつめて施術を行っていきました。

施術回数を重ねるごとに痛みのVASの値が10段階中3まで下がっていきました。その頃には睡眠もとれるようになり、腫れや赤みもだいぶ軽快。

 

6回目以降は目の周りのお灸施術を加えていき、炎症をしっかりと抑えるような施術を中心に行います。

トータルで12回の施術で治療を終了。炎症も治まり、抗菌薬も点眼しないまでに回復。

 

④角膜炎・角膜潰瘍とは

 

角膜炎・角膜潰瘍の症状

角膜炎とは角膜に何らかの原因で炎症をきたした状態の総称です。
角膜炎は片目に起こるのが普通で両目同時に発症することはまずありません。角膜潰瘍とは角膜組織が障害を受けて実質に及ぶ組織欠損をきたした状態を総称したものです。
角膜、強膜は眼球外壁の最外側を覆う膜で、これらによって眼球の形が保たれています。角膜は外壁のうち前方部分に位置する透明な部分で、直径11mmで厚さ約0.5mmの無血管組織です。角膜は外からの光線を通過させて眼球内に送る役目のほかに眼球のうち最も大きな屈折力をもつことから、レンズとしても重要な役割を果たします。角膜には三叉神経が分布していて知覚が非常に鋭敏であるという特徴があります。(三叉神経痛について
角膜炎・角膜潰瘍の症状は、病変の原因や位置、大きさなどによって異なりますが一般的には次のようなものがあります。

ⅰ)流涙
眼痛や異物感による反射性の涙液分泌増加が原因です。

ⅱ)目の痛みや異物感
角膜には三叉神経が分布していて知覚が鋭敏であるため、潰瘍や炎症による角膜障害は非常に強い疼痛を引き起こします。

ⅲ)視力低下
角膜炎や角膜潰瘍では角膜の浮腫、瘢痕、血管侵入などをきたすために角膜の透明性の低下や乱視の増悪により視力低下をきたします。

ⅳ)虹輪視
角膜上皮の浮腫のために光の散乱や回折現象をきたし、光の周りに虹が見える場合があります。

ⅴ)羞明
角膜炎や角膜潰瘍では光刺激に対して敏感となるため、光が異常にまぶしく痛く感じます。

 

 

⑤角膜炎・角膜潰瘍の原因

角膜炎の原因としては様々な角膜感染症・外傷・紫外線・放射線・眼科手術・角膜異物・アレルギー性疾患・自己免疫疾患などがあります。角膜潰瘍の原因としては角膜感染症が最も多いですが、外傷・手術浸襲・自己免疫疾患・三叉神経や顔面神経の麻痺・重症のドライアイなどで生じることもあります。
顔面神経麻痺について
ドライアイについて

ⅰ)帯状ヘルペス角膜炎
単純ヘルペスと同様に神経内に潜伏した水痘、帯状ヘルペスウィルスが活性化されて神経を下降していき、角膜炎を生じます。三叉神経の第一領域にウィルスが現れると額からまぶたにかけて水泡や発疹が生じます。その後目の症状も現れて、角膜炎、結膜炎などが生じます。(帯状疱疹について

ⅱ)アカントアメーバ角膜炎
アカントアメーバが角膜に感染しておこる角膜炎で、ソフトコンタクトレンズを使用している人に多く見られます。レンズ洗浄液に水道水を使用するとその中でアカントアメーバが増殖して感染源になると考えられています。

ⅲ)びまん性表層角膜炎
角膜の表面の上皮と呼ばれる部分に浅い傷ができた状態をびまん性表層角膜炎といいます。傷自体は擦り傷のようなものですが角膜は知覚が発達しているために非常に痛く、異物感のため目を開けられないこともしばしばです。
傷の原因として異物やまつ毛などの機械的刺激・コンタクトレンズ・紫外線などの体の外からくる刺激や涙液減少症・糖尿病シェーグレン症候群などの疾患も角膜の傷の原因となります。

ⅳ)乾性角膜炎
涙の分泌が低下する(ドライアイ)ために角膜炎がおこります。乾性角膜炎は中年以降の女性に多いとされてきましたが、最近ではコンタクトレンズ、パソコンや携帯電話の普及によりそれらの使用頻度の高い若年層にも男女を問わず増えてきています。

 

コンタクトレンズによる角膜炎

 

 

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

産後うつの鍼灸治療

水曜日, 9月 22nd, 2021

産後うつの東洋医学的考え

産後うつの鍼灸治療方針

 

産後うつは東洋医学では、五臓六腑の『』と『』の働きが弱っているために発症すると考えられています。
出産をすると母体は多くの『気血』を消費してしまうために肝の血を蔵して排泄・排出するという調整機能は大きな影響を受けて肝の機能は低下しやすくなります。
また、肝と腎は『肝腎同源』と言われて肝が弱ると腎の機能も弱くなりやすいため、治療では肝と腎の機能を補っていく必要があります。

産後うつで多く見られる病証としましては、『肝血虚』と『腎虚』があげられます。肝血虚では、イライラ感が抑えられない・不安感・気分が落ち込みやすいなどの症状があらわれやすく、腎虚では物忘れや体の重だるさなどが出やすくなります。

産後うつに対する当院の鍼灸治療

産後うつに対する当院の治療はまず第一に自律神経のバランスを整えることです。

産後うつ病の自律神経調整鍼灸

 

当院には自律神経測定器があり、自律神経の今の状態を把握してから施術を行えるのでその方にあった施術法を選択することが可能です。
交感神経の活動が高い場合や逆に副交感神経の活動が高い場合で自律神経が乱れている場合では施術法や治療配穴が違ってきます。
また東洋医学的観点からもアプローチをしていきます。『肝』や『腎』の機能を補ったり、『気血』の流れを改善していきます。

産後うつの鍼灸治療

 

当院には女性鍼灸師も在籍しているため女性ならではのお悩みもご相談ください。

神門

産後うつの鍼灸治療症例

 

30代 女性

結婚してからも独身時代と変わらずに夜遅くまで仕事をこなしていた。そのような生活をしていたためなかなか子供を授からなかった。30代も後半になりそろそろ本当に子供がほしいと思い、仕事の量を減らしてやっと妊娠できた。妊娠がわかったときは嬉しかったが、それと同時に育児に対する不安や生活環境の変化、将来の不安を抱くようになった。
出産後、いろいろ本やインターネットで調べたことを実践したがなかなか思うようにいかずに段々と育児に対するストレスが溜まっていった。1か月を過ぎると睡眠がうまく取れなくなり、日中は気分が悪くなったり、底知れぬ不安感に襲われるようになってしまった。
ある朝、起きると体が思うように動かないと感じて産婦人科を受診したところ産後うつと診断された。授乳中ということもあり、軽い薬を処方してもらったが、症状は改善されなかった。強めの抗うつ剤を医師からは勧められたが、授乳を続けたいとのことで当院にご来院された。

治療
自律神経測定器の結果、交感神経の活動が高く自律神経が乱れているという結果が出ました。手足や腹部の冷えも強く全身の血流が悪くなってしまっていると感じました。自律神経を調整する治療と冷えを改善するお灸療法を中心に行っていきました。また、家でもご主人の協力を得て少し育児から離れてリラックスできる時間を確保していただきました。

◇1回目◇
治療後、体のだるさや疲れが一気に出た感じがしてその日はよく眠ることができた。

◇2回目◇
眠れる時もあるが全体的にはまだあまり眠れた気がせずに日中に気分が悪くなることもあり。

◇3~8回目◇
どうしても夜泣きなどで夜中起きることがあり、そのあと目がさえてなかなか眠れないが少しずつ身心が楽になっていることを実感。

◇9~12回目◇
育児のことで頭がいっぱいだったが少しずつ余裕ができてきて、化粧や趣味の読書などが楽しめるようになってきた。睡眠も改善。睡眠時間が短いと感じる日は子供が昼寝をしている時に一緒にリラックスして眠れるようになった。

 

 

産後うつとは

産後うつという言葉を聞いたことがありますか?ストレス社会と言われる現代の日本では10~15人に1人は生涯うつ病にかかると言われています。これはとても大きな割合で年々うつ病で悩まされる人は増えていると言われています。

うつの増加傾向は産後にも当てはまり、産後にうつ病で悩まされることを『産後うつ』といいます。産後うつは10人に1人以上の割合で産後女性にかかってしまうとも言われています。

産後はどうしても生活環境やホルモンバランスの変化が大きいです。そこで赤ちゃんの面倒を自分だけしか見ておらず、誰にも相談できな状況ですとうつ病にかかりやすいと言われています。

産後うつの症状は、よく言われるうつ病の症状と似ています。症状の特徴としましては

 

☑気分が落ち込む

☑何事にもやる気が出ず、育児も億劫になる

☑いつもは普通にできていた献立が考えられない

☑常に何かしらにイライラしている

☑食欲がわかない

☑寝つきが悪い、睡眠不足

☑化粧などしなくなり、外見に気を遣わなくなった

☑将来のことばかりか考えて不安になる

頭痛首肩こりがひどい

☑できない自分を責めてふさぎがちになる

☑下痢や便秘

胃痛や腹痛

☑何事にも興味が薄くなり、今まで楽しめていたことが楽しめなくなる

 

産後3か月の間にこのような症状が出た場合産後うつかもしれません。その場合は、一人で抱え込まないで周りの人に相談することが重要です。そのまま一人で抱え込んでしまうと症状が悪化や改善までに時間がかかってしまうことがほとんどです。

産後うつは単に一時の症状ではありません。きちんと治療していく必要があるのです。

産後うつ

 

産後うつの原因

産後うつとなってしまう原因は人それぞれで多岐にわたりますが、大きく分けると生活環境の変化とホルモンバランスの変化です

 

・生活環境の変化

特に出産が初めてという女性は、初めてという経験がいっぱいです。赤ちゃんがいるのといないのとでは生活環境が大きく変わるのは容易に想像できます。その中でも特に多いのが、ご主人は仕事が忙しくて育児に協力的ではなく、ご両親も近くに住んでおらずに育児の負担がほとんど女性にかかってしまう場合に産後うつにかかるリスクが増加します。

また、里帰りで出産で実家にいた時はいいが、自宅に帰ったときに初めて育児の負担が全て自分にかかることでも産後うつは発症しやすくなってしまうのです。

また、赤ちゃんがまだ小さいころだと気軽に外出などできず、赤ちゃんと家で過ごす時間が長くなり、気分転換もできません。外出したら外出したらで常に赤ちゃんのことを考えねばならず、ストレスは溜まりやすい状況です。

女性の社会進出が進み、女性も男性ばりにバリバリと仕事をこなす人も少なくありません。そういった女性が外出もままならず、育児と家事で毎日を過ごしていくというのは大きなストレスかもしれません。

 

 

・ホルモンバランスの変化

産後の女性は体のホルモンバランスの変化も大きいです。多くの方の産後女性の体はこれまで生きてきた中で一番急激に変化する時期といっても過言ではありせん。母乳を作り出しますし、赤ちゃんがおなかの中で育った子宮は急激に縮まっていきます。

これは相当な体の変化でホルモンバランスの変化も大きいです。

ホルモン分泌などの内分泌系の活動は自律神経が大きくかかわっているため、ホルモンバランスの大きな変化は自律神経のバランスが乱れやすくなって産後うつにかかってしまいます。

 

 

産後うつにかかりやすい人

 

うつ病にかかりやすい人の性格に特徴があるように産後うつにかかってしまいやすい人の性格にも特徴があります。

 

・生真面目で完璧主義

生真面目で完璧主義な女性は、産後に何かトラブルが起きても他人に迷惑をかけてしまうと思い込んで誰にも相談できない人が多いです。それでも育児に家事にうまくいっている場合はよいのですがうまくいかなくなった途端に自分を責めてしまい産後うつにかかってしまいます。

 

・努力家で頑張りすぎてしまう

もちろん育児をするということは生活環境が一変するため慣れるまでは努力が必要になってきます。初めての出産となるとなおさらです。しかし、それ以上に親やご主人などの周りの方のサポートはそれ以上に必要になってきます。

そのことを理解せずに明らかに自分の許容量を超えて育児や家事を行っていると心身ともについてこられずにある一定の許容量を超えてしまうと産後うつとなってしまいます。

 

・今までうつ病にかかったことのある人

今までにうつ病やその他心療内科系の疾患にかかったことのある人は産後うつにもかかりやすくなると言われています。

 

 

産後うつに対する病院での治療

産後うつと診断されるとまずカウンセリングなどの心理療法が行われることがほとんどのようです。多くの人は産後うつを発症して半年以内に症状が軽快すると言われていますが、産後うつ患者の4人に1人は半年以上もうつ傾向にあり、なかなか症状が軽快しないという場合もあります。そういった産後うつが重症化した場合は抗うつ剤などの薬が処方されます。

しかし、抗うつ剤を服用する時にまだ授乳中の場合は、副作用の少ないより安全性の高い薬を服用する必要があるため処方できる薬も限られてきます。

 

産後うつを改善するための生活習慣

・自分一人で育児・家事を抱え込まない

・親や夫にサポートをお願いする

・適度な運動(散歩など)でストレスを発散する

・睡眠時間を確保する

・子供を預けて一人になれる時間を作る

・食欲がわかなくても口当たりのいいものできっちり1日3食摂る

 

 

鉄欠乏と産後うつ

 

うつ病の治療において栄養療法も必要だと言われています。

産後うつに関しましても、産後のお身体には栄養が必要ですから尚更産後うつの回復には栄養療法が欠かせないです。

 

必要な栄養素の研究で近年、うつ病と鉄分不足が関係しているのではないかというものがあります。

鉄欠乏で貧血なら理解できるけどうつ症状が出るなんてと思う方も多いかと思います。

しかし、うつ病と診断されて抗うつ薬を処方されたが全く効果がなく、鉄分を補給したところ回復傾向に向かったという医師もいます。

 

鉄は体の様々な機能の役割を担っています。例えば、皮膚や粘膜の維持に関わっており鉄が不足すると肌荒れや口内炎ができやすくなってしまいます。免疫力の維持にもかかわっているため鉄不足となってしまいますと免疫力の低下します。

 

うつ症状と鉄不足の観点からしますと、鉄が酸素の運搬やエネルギーの産生に関わっていることが大きいです。

 

鉄が不足してしまいますと身体のいたるところが酸素不足やエネルギー不足に陥りやすくなってしまうのです。すると、疲労感倦怠感、さらに脳が酸素不足になると立ちくらみめまいの原因となります。

 

そのほか、鉄は脳の神経伝達物質の意欲に関係するドーパミンや脳の覚醒に関わるノルアドレナリン、幸せホルモンと言われるセロトニンなどの合成にも関わっています。

鉄が不足することでそれらのこころの働きに重要とされるホルモンの合成がうまくいかずに睡眠障害不安うつ状態になりやすいです。

 

厚労省は鉄の推奨摂取量を1日10mg、女性で12mgと定めています。鉄が多く含まれる食材としまして

・豚レバー

・鶏レバー

・牛レバー

・しじみ

・キハダマグロ

・カツオ

 

などがあります。

 

妊娠・出産・授乳では鉄の消費量が増えると言われています。通常摂取する量よりも摂取しないと鉄が欠乏した状態におちいり、産後の場合特に産後うつ症状が出やすくなってしまいますので注意が必要です。

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

強膜炎の鍼灸治療

土曜日, 9月 18th, 2021

①強膜炎に対する当院の鍼灸治療

 

強膜炎の鍼灸治療方針

当院の強膜炎に対する施術は、第一に目周辺のツボに鍼をさして強膜の炎症をおさえる作用を促します。

強膜炎の鍼通電治療
また強膜炎は五臓六腑の肝に深く関係しているので肝に関する経穴を用いて肝血を補うことや肝気の巡りをよくします。肝の陽気が過亢進して頭の方へのぼっていくことで症状を起こしているとも考えられるので肝の陽気を抑えて下げる治療もする必要があります。

強膜炎の場合、強い痛みのため寝不足となったり、常にイライラしたりと交感神経が過亢進状態となりやすいです。それは、自律神経の乱れとなり、様々な全身症状へと繋がってしまいます。
そこで当院では自律神経を測定して施術することで自律神経のバランスを調整します。
自律神経のバランスを整えることで人間が本来持っている免疫力を回復させます。

 

強膜炎の自律神経調整鍼灸

 

 

②強膜炎の東洋医学的考え

 

東洋医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能障害が深く影響していると考えられています。

肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。また肝の陰陽のバランスが崩れてしまい肝の陽気の過亢進がおきると次第に陰液を消耗して肝陽が頭の方へ上がっていきます。
すると強膜炎などのさまざまな目の疾患・高血圧頭痛自律神経失調症などを引き起こします。また外からの風熱の邪気が体に侵入すると目は侵されやすく、強膜炎を引き起こす原因にもなります。

 

 

③強膜炎の鍼灸治療症例

症例1

50代 女性

当院にご来院される半年ほど前から強膜炎を発症し、眼科でステロイド薬の点眼薬を処方してもらったが、なかなか症状が改善されず当院にご来院された。眼科では、強膜炎になった原因は特定されなかったが、既往歴に自己免疫疾患があり、ストレスなどと深く関係しているのではないかとご本人とおっしゃっていました。

強膜炎の症状として目の痛みはなく視力の低下や目の充血、日中太陽の光をあびるととてもまぶしく感じるとのこと。また、症状に対するストレスなどにより睡眠が浅く、朝の目覚めがすっきりしない。

 

・当院の治療
まず、自律神経測定器で自律神経の状態を計測してから治療に入りました。まず、仰向けで自律神経調整療法を行い、自律神経の状態を整えてうつ伏せで首や肩の筋緊張をとっていきます。
そして再度仰向けになっていただき目の周りの施術をしました。

 

・経過
1回目 
自律神経測定器の結果、交感神経が過度に亢進している状態でしたので、交感神経を下げて副交感神経の働きを上げるような柔らかなお灸と鍼の刺激を施していきました。

2回目
1回目の治療後ステロイドの薬を以前は1日2回点眼していたが、1日1回で済むようになった。首肩部の筋の緊張はまだ緩和されていない

3回目
1回目の施術後のように点眼薬を1日1回ですんでいる。

4回目
眼科を受診したところ残りの目薬を使い切って、その後目に異常が出なかったらステロイドの点眼薬をもうしなくて良いと言われた

5回目
点眼薬をしなくても目の症状は落ち着いている。

 

 

 

症例2

40代女性
一年ほど前に目に強い痛みや視力低下が出たため病院を受診したところ、右目の強膜炎と診断された。左側頭部や左目周囲の痛みが強かったため鎮痛剤とステロイド剤を処方された。少しして症状が軽減したが、また仕事や家事が忙しくなると再発して薬を処方してもらうというサイクルを繰り返していた。
しかし、一か月前に症状が出て薬を飲んでもあまり効き目がなく痛みで睡眠もうまくとれなくなってきて当院にご来院された。

 

当院の治療
仕事も立ち仕事で特に目を酷使しているわけではないが、身体が疲労してくると症状が出るということで自律神経測定器で自律神経の状態を計測してから施術にはいりました。痛みも強い状態、検査結果から自律神経も乱れている状態だったので自律神経を整えて首肩の筋緊張をとってから電気鍼療法で鎮痛効果をねらい施術しました。

 

経過
1回目
治療後、左目・左側頭部の痛みは軽減した。2日ほどたったらまた痛みが少し戻ったとのこと。

2回目
側頭部の痛みはほぼ感じなくなったが目の痛みはまだ少し感じる。夕方疲れてくると視界のぼやけを感じる

3~6回目
症状が少し強くなったり、全く感じなかったりを繰り返す

7回目
左目・左側頭部の痛みはまったく感じなくなった。薬の服用も中止

8回目以降
2週間に1度のペースで治療。以前は一か月周期で左目が痛くなっていたが3か月経っても今のところ症状が出ていないでいる

 

 

 

症例3

50代女性
5年ほど前に目の痛みと赤みの症状が出て眼科を受診したところ強膜炎と診断された。ステロイドの点眼薬と痛み止めの注射をして痛みは治まったが、赤みは常にある状態が続いていた。痛み止めをすると1か月かけて徐々に痛みは治まるが、2~3か月後にまた痛くなり、注射をうつという状態が続いていた。視力は昔から悪く左右共に0.01ほど。
当院にご来院される1か月前に痛み止めの注射を打ってもらったが、痛みが続いて目の赤み症状も強く出ていた。何とかこの痛みだけでも解消したいと当院にご来院された。

 

当院の治療
痛みが出始めるきっかけは本人としてもわからず、特に体に疲労が溜まっている時や目を酷使した時などに発症するというわけではなくイレギュラーに痛みが出てくるので本人としても対策のしようがないとのこと。しかし、痛くなる前は必ずと言っていいほど首肩がこって痛くなるとのことで、自律神経の状態・首肩の筋緊張も整える形で治療していきました。

 

治療経過
1回目
両目ともに痛みや赤みが見られたが、左目の方が症状が強く出ていたのでまず左目を中心に治療していきました。

2回目
前回治療後、痛みが軽減。違和感程度になった。赤みはまだ消えていない

3回目
左目は痛みというよりも違和感程度になった。赤みも軽くなってきて左目の内側だけまだ赤い

4回目
左目が良くなったことで右目が気になるようになってきたとのことで右目中心に治療

5回目
右目の違和感はなくなった

6回目
全体的に赤みもだいぶ減ってきて、1日のうちでたまに痛みが走る時がある

7回目
ステロイドの点眼薬を少しずつ減らしている。赤みが消えて眼科の先生にも驚かれたと嬉しそうにおっしゃっていた

 

 

症例4

30代 女性

産後にいきなり目の痛みと充血に襲われて病院を受診したところ強膜炎と診断を受けた。ステロイド点眼薬と服用薬を処方されて最初の目の痛みと充血が2週間くらいかけて軽減していった。

その後体調が悪いせいか、強膜炎を繰り返し起こすようになってしまった。

その度に比較的強いステロイド剤で炎症を抑えて時間が経つとまた発症するの繰り返し。

昔から漢方薬を服用するなど東洋医学に興味があり、鍼灸治療でどうにか回復しないかと当院にご来院されました。

 

経過

ご来院された3日ほど前から強膜炎が発症。目の痛みと充血のほかに痛みが強いせいか頭痛やめまいも感じるとのこと。明るい日差しで視界が真っ白、視力も低下。

また、育児と仕事の両立で身体は疲弊しきっている。仕事もパソコン等のデスクワークが中心で日常的に眼精疲労も感じやすい。

最近痛みのせいか睡眠不足もあるため自律神経の状態も乱れていないか診るために自律神経の状態も測定していきました。

 

治療間隔は5回ほどを3日〜5日の間隔で鍼灸治療を行っていきました。その後治療間隔を延ばしていき、2週間に1回ほど。

治療効果は出やすく、1回目のあとから目の痛みや充血は引いていった。病院でもステロイド剤の強さがワンランク下がったとのこと。

痛みがたまに出て痛みが出るとめまいにつながる感覚。

治療5回目までは症状に波がある日が多かったです。痛みが出るときもあるが痛みの程度はだいぶマシになっていった。

視力が元々悪く病院でも普段メガネをかけることを勧められていたがコンタクトレンズをつけてもいいとのことで強膜炎の状態はかなり改善されてきた。

8回目の施術後、病院でステロイド剤が処方されてず、炎症もだいぶ引いたとのこと。視力・羞明感も回復。

 

 

 

 

④強膜炎とは

 

強膜炎の症状

 

強膜炎とは、眼球の外側を覆っている強膜という部分に炎症がおこることを言います。強膜は眼球の外壁の後ろ6分の5の白い不透明な組織です。また眼球の外壁の前6分の1は透明で角膜という組織です。

これらは厚くて強靭な密性結合組織から成り、眼球の形を保ち保護します。角膜周囲の強膜の上には、半透明の結膜が張っており、この強膜あるいはその表面に炎症を起こした状態が強膜炎です。

強膜炎は30代~50代の成人に多く見られて、男性よりも女性に多く発症します。患者の3分の1で両眼に発症します。強膜炎は関節リウマチ全身性エリテマトーデスなどの自己免疫疾患を伴うことがあります。

強膜炎の症状として目の充血痛み視力障害などの症状があらわれます。強膜炎は病巣が深いので痛みも強くて充血の範囲も広くあらわれます。突き刺すような目の激しい痛みがあり、あまりの痛さに眠れなかったり、食欲が落ちることがしばしばあります。

そのほか目の圧痛・涙の量の増加・明るい光に対して過敏になるといった症状が出ます。強膜炎が重症の場合は強膜に穴があいたり、薄くなったりします。眼の奥の方にも炎症が起こると視神経に異常が出る場合があるので、眼底検査で確認する必要があります。網膜剥離を起こして視力が低下する場合もあります。

また強膜は、内側でぶどう膜と前方で角膜と接していることから強膜炎となるとそれらにまで炎症が及ぶことがあり、ぶどう膜炎や角膜炎を合併してしまい視力低下や眼痛の症状が一層強く出てしまう危険性があります。

 

⑤強膜炎の原因

強膜炎のほとんどは原因が不明ですが、挙げられる原因として自己の組織を攻撃する自己免疫疾患やさまざまな炎症性疾患などがあります。
慢性関節リウマチ結節性動脈周囲炎全身性エリテマトーデスサルコイドーシス痛風結核梅毒なども強膜炎の原因に挙げられますが、それらの疾患の存在が確定されるケースはそれほど多くはありません。

強膜炎は、発症場所や炎症の性質によって分類されます。

上強膜炎
上強膜炎では強膜の表面部に炎症が起こります。上強膜炎では強膜の表面部分が炎症していることで充血が強くみられますが、それ以外の視力低下や痛みなどの症状は比較的軽いです。上強膜炎は原因がはっきりと特定されておらず、自己免疫疾患などが疑われており症状がなくなっても再発を繰り返すと言われていますが、症状が重症化することは比較的稀です。発症する年代は青年期が多く、男性よりも女性にかかりやすいとされています。

前部強膜炎
前部強膜炎は強膜の深部に炎症が起こっていることを指し、強膜炎というと一般的にこの前部強膜炎のことをいいます。前部強膜炎のなかでも広範囲に炎症が及ぶものをびまん性前部強膜炎、強膜にしこりのようなできものができるものを結節性前部強膜炎、強膜が壊死して溶けてしまうものを壊死性前部強膜炎といいます。

後部強膜炎
後部強膜炎は眼球の後部にまで炎症が進行して炎症が広範囲に広がっていることを指します。後部強膜炎で炎症が広範囲にわたってしまうと脈絡膜にまで炎症が及んで網膜に浮腫ができて網膜が剥離することがあり、視力が著しく低下する危険性があります。

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

線維筋痛症の鍼灸治療

金曜日, 9月 10th, 2021

①線維筋痛症に対する当院の鍼灸治療

 

線維筋痛症の鍼灸治療方針

 

当院の線維筋痛症に対する施術は、第一にはりやお灸を施すことにより全身の調整を図り、自律神経のバランスを整えます。慢性的な痛みやその他全身症状は、特に自律神経を乱すと考えられています。線維筋痛症は、全身的な疼痛もあることから特に自律神経を乱しやすいといえます。実際に自律神経失調症の症状も多く併発します。

線維筋痛症の自律神経調整鍼灸
当院では、自律神経測定器を用いてその日の自律神経の状態を把握して上で施術していきます。線維筋痛症では、慢性的痛みにより交感神経過亢進の状態が多いため、はりやお灸などの刺激の中でも心地よい刺激を用いて、リラックス神経である副交感神経優位の体にもっていきます。

また東洋医学では、局所的に診るのではなく、全体的に診るという考えがあり、全身施術を行うことにより自然治癒力を高めます。
線維筋痛症は東洋医学的に見ると「」と「」の作用不足により発症すると考えられているので、鍼灸治療を用いてツボを刺激することで「気血」の作用を正常に戻すように促します。

当院の鍼灸治療による線維筋痛症の施術目的は、線維筋痛症の回復程度を高め、回復を速めることです。また西洋医学とは違う東洋医学の観点により少しでも線維筋痛症が回復できる機会を提供することです。お悩みの方はぜひ一度ご相談ください。

 

その他、さした鍼に電気を通す鍼通電療法も行っていく場合があります。鍼刺激と同時に電気を流すことにより更なる鎮痛効果が望むことが出来ます。

線維筋痛症の鍼通電治療

 

 

 

②線維筋痛症の東洋医学的考え

 

線維筋痛症は東洋医学でいう「気虚」(気の作用不足による症候)と「血虚」(血の持つ栄養を巡らす作用不足による症候)、またはそれら二つが同時に起こる「気血両虚」が原因で発症すると考えられます。

ⅰ)気虚
「気」の作用不足による症候で、臓腑の機能低下・免疫力の低下などがあらわれます。
また慢性疾患などでよく見られ、元気がない・疲れやすい・無力感・息切れ・風邪をひきやすいなどの全身的な虚弱の症候があらわれます。

「気」の機能

椎動作用
成長・発育・生理的機能・代謝の推進

温煦作用
椎動の維持及び体温の維持・調節

防御作用
病邪の防御・排除

固摂作用
漏れや排泄過多の統制・臓器の定位

気化作用
物質転化

 

ⅱ)血虚
「血」の持つ全身に栄養を巡らす作用の低下であり、循環血液量の不足に相当します。症状としては、顔色が悪い・皮膚につやがない・目がかすむ・頭痛・動悸・四肢の痺れ感や筋のひきつれなどがあらわれます。「血虚」の種類として「肝血虚」と「心血虚」などがあるが、「肝血虚」が中心となります。

肝血虚
「肝血虚」とは中医学でいう「肝」が血を貯蔵して必要に応じて供給・消費する機能と自律神経系の作用を通じて血管を収縮あるいは弛緩させ、体内各部の血流量を調整する機能が異常をおこして発症します。
筋のけいれん・手足のしびれ・目の乾燥感や女性では、月経のおくれ・月経血の過少・無月経などがみられることが特徴です。

 

ⅲ)気血両虚
「気」は「血」による栄養を受けて機能し、「血」は「気」の転化作用によって生成されるので、「気」と「血」はとても深い関係にあり、「気血両虚」の状況がよくあらわれます。

また中医学でいう「肝」と「腎」の機能が弱ると全身的に血や体液が不足し、筋肉などの様々な器官に栄養を送ることができず、さらに上記の条件が加わると線維筋痛症がおこりやすくなります。両者の関係は深いので「肝腎同源」とも言われており、「肝」と「腎」の症候が同時にあらわれることが多いです。

 

 

③線維筋痛症とは

 

線維筋痛症の主な症状pptx

線維筋痛症は体の広い範囲の慢性的な耐えがたい痛みを主な症状として全身の重度の疲労や様々な症状をともなう疾患です。しかし、血液検査や画像検査などには異常がないため、線維筋痛症という診断がつかなかったり、あるいは別の病気と診断されたりする事が少なくありません。

それまで受診した医療機関の診察によっては、変形性脊椎症腰椎椎間板ヘルニア更年期障害自律神経失調症心因性疼痛うつ病などと診断される場合もあるようです。

 

線維筋痛症では、全身に痛みがあり、また体の様々な部位がとくに痛む場合もあります。痛みの質や程度には個人差があり、患者さんによっては「死んだほうがまだマシな程の痛み」と表現されるように激しい痛みが生じる場合があります。

接触軽い圧迫など通常では痛みを起こさないような刺激によっても強い刺激が引き起こされる場合があり、感覚過敏といった感覚異常がみられる場合があります。
症状は一般的に季節の変わり目にしばしば悪化して夏より冬のほうが痛みの強い人が多いようです。
また線維筋痛症の症状は、痛みだけではなく、痺れこわばりなどの症状が体のさまざまな場所にあらわれます。そのほか患者さんによっては、不眠疲労感下痢便秘不安感憂うつ感など、多くの身体症状や精神症状がみられます。

 

 

■線維筋痛症の痛み以外のさまざまな症状■

◇疲労感
しばしば慢性疲労症候群を合併する。痛みに加えて疲労感が加わると就労できない場合がある。

◇不眠
睡眠の質が悪くて起床時に爽快感が少なく、疲れが取れにくい。強い痛みが不眠に深くかかわっていると考えられる。

◇刺激に対する感受性の増大
音や光、温度、におい、圧迫などの刺激に対して敏感。

◇記憶力や認知機能の障害
記憶力、集中力、作業効率、判断力などが低下。

◇乾燥症状
目の渇きや口の渇きなどの乾燥症状。

◇関節可動域の増大
女性の場合では、関節の動く範囲が健常な女性よりも大きい。

◇消化器症状や排便・排尿の異常
胃酸の逆流や腹部膨満感、嘔吐の症状が多く見られ、排便異常として下痢や便秘などを訴える。また排尿回数が多く、しばしば膀胱炎を合併する。

◇精神状態
うつ病や不安障害などの精神疾患も頻繁に合併する。

◇運動機能の異常
健常な人よりもバランス能力が低く、転倒の回数が多い。

◇手足のむくみ
手の甲や足の甲がむくむ。

線維筋痛症の診断基準としてアメリカリウマチ学会が作成した基準があり、それが参考となります。

ⅰ)広範囲な痛みの既往
左半身の痛み、右半身の痛み、腰より上の痛み、腰より下の痛みに加えて体幹部の痛みがすべてなければならない。

ⅱ)指による触診で定められた18か所の圧痛点のうち11か所に痛みがある
定められた18か所のうち11か所以上に疼痛を感じると陽性と判断され、また押す力は4㎏と定められている。

日本には約200万人の線筋痛症の患者さんがいると推定されており、患者さんの7~9割が女性です。線維筋痛症は子供にもみられ、年齢とともに有病率は増加しますが、50~80歳を境に有病率は逆に低下します。

 

②線維筋痛症の原因

 

線維筋痛症の原因は、さまざまな説が提唱されていますが、はっきりとした原因は分かっていません。しかし、脳に何らかの変性が起こっているのではないかと推測されます。
現在、線維筋痛症は精神疾患ではなく、脳や脊髄などの中枢神経系の機能障害と考えられており、中枢神経の過敏化が線維筋痛症の発症や維持にとても大きな影響を与えていることが定説になっています。
中枢神経の過敏化などといった異常が起こると身体にさまざまな異常をもたらし、それらは脳の部位の違いによって精神症状・運動機能異常・痛みといった異なる症状がおこると考えられます。例えば、何らかの理由により脳の異常が起こる部位が少し変化することで痛みが変化したり、脳の異常が精神機能を制御している場所に及べば、うつ病不安障害を合併したりします。

また精神的ストレス・社会的ストレス・肉体的ストレス・交通事故などは、線維筋痛症になりやすい危険因子でそれらによって脳のどこかが変性してしまい中枢神経の過敏化が起こると考えられています。

 

 

症例

 

40代 女性

 

2か月前から突然背中の痛みが出た。最初は、腰痛持ちだったのでそれと同じ類のことかなと思い気に留めないようにしていたが段々痛みが強くなり、少し服が触れただけでも痛みが走るようになった。

 

子育てと仕事で忙しく睡眠時間も少なかったせいで身体の疲れもたまっていたかもと思い少し休みをとって休んでも状態はよくならず、日に日に痛みが増していった。

 

痛む場所も変わっていき、背中や足、手の関節、頭痛など多岐にわたる。どうしようもなくなり、近くの病院で診てもらったところ原因がわからなかったため大学病院を紹介されて受診したところ線維筋痛症の診断を受けた。

 

全身の痛みのほかに筋肉のこわばりや痛みによる睡眠障害、うつ傾向もでているとのこと。家事や出かけることも億劫うになってしまい気持ちも塞ぎがち。

 

病院では薬と麻酔の注射を打って何とか痛みを和らげる処置をしてもたっているが、効果は多少あるといった感じだったので知人に鍼灸治療を紹介されて当院にご来院された。

 

治療経過

その日の痛みの箇所に合わせてその部分に鍼や鍼通電治療を用いて鎮痛効果を高める鍼治療を行っていきました。

また、痛みによる不眠症状やうつ傾向も出ていたので自律神経のバランス調整施術も同時に行っていき症状改善をはかっていきました。

病院での治療も並行して鍼灸治療を受けていただき、治療開始3週間目から少しずつ痛みの程度が弱くなっていきました。治療のペースは週に2回ほどで2か月目以降は治療の間隔を延ばしていきました。

痛みは3か月でかなり改善が見られてきたが不眠症状がまだ残る。

自律神経のバランス調整と不眠症状に対する鍼灸治療に重点を置いて施術をして行き、治療開始6か月ほどで不眠症状も改善されてきたので治療を終了した。

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む

2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院

肩こりと頭痛がつらい方へ

水曜日, 9月 8th, 2021

こんにちは。
院長の清水です。梅雨から夏にかけての食中毒に注意!

台風の季節が来ましたね。最近は突発的なゲリラ豪雨も多く、以前と比べても湿度が高いジメジメとして日が増えてきているように感じます。ジメジメと暑い日は苦手な方が多いかと思います。
しかし、私はそこまで嫌いではありません。気温が高くなってきて、夏を感じるとどこか気持ちがウキウキと高まります。雨の日は空気が澄んでいるように感じ、寝つきと朝の目覚めがいいように感じます。

ジメジメとしたこの季節は食中毒に注意です!

気温が高くジメジメする夏の時期に気を付けなければいけないのが、食中毒です‼気温が高くなってくるこの季節は、細菌やウィルスが繁殖しやすく、飲食店でよく集団食中毒が起きたと話題になりますが、家庭内でも気を付けなければなりません。

家庭内での食中毒は報道されることがまずなく、明るみに出ないため軽視しがちですが、料理を作る時などは細心の注が必要なのです‼
家庭でできる簡単な食中毒対策として

①しっかりと手洗いした後、手をアルコール消毒する

②ふきんやスポンジは使い終わったらしっかりと洗い、乾燥させる

③一週間に一度はふきんやスポンジを煮沸して殺菌する

④肉・魚・野菜でまな板と包丁は、使い分けて使用後は熱湯で殺菌する

当たり前のことかと思いますが、この季節は、こういったことを忘れずに行うことが重要です。

 

肩コリと頭痛でお悩みの方へ

肩こりと頭痛の症状二つでご来院される方が、とても多いです。
それは、肩の筋肉(僧帽筋・肩甲挙筋・板上筋など)の多くが後頭部に付いており、肩の筋肉が疲れて過緊張状態になると頭部にまで悪影響をもたらすからです。
また、肩こりといいましてもその他に出る症状によっては、怖い病気が潜んでいる場合もあり、病院で詳しく検査を受けないといけない場合もございます。

こういった場合は注意が必要です

①.特に首や肩をを動かしたわけではなく安静時に発症した肩こり・肩の痛み
⇒胆石や大動脈解離、くも膜下出血などの場合があります

②.安静にしていても肩の痛みが徐々に強くなってくる
⇒悪性腫瘍や線維筋痛症などの場合があります。

③.階段を上り下りするときにも肩が痛む
⇒狭心症や心筋梗塞などの場合があります。

④肩こりの他に上肢にしびれや麻痺の症状が出る
頸椎椎間板ヘルニアや胸郭出口症候群などの場合があります。

当院では、上記の症状が出ていた場合はすぐに病院の方で検査していただき、重い病気でないとわかった時点で施術させていただいております。当院の都合で無理な施術は致しませんのでご安心ください。
当院で施術している首肩の痛みは、

五十肩・四十肩
頚腕症候群
頚椎症
胸郭出口症候群
線維筋痛症     etc

などです。

肩こりと頭痛との関係

 

肩こりと頭痛の関係

 

肩こりと頭痛が併発して起こる原因としまして緊張性頭痛が挙げられます。緊張性頭痛とは、精神的または身体的ストレスによって頭を支える頸部や肩部の筋肉が過緊張状態に陥ってしまい、筋肉の伸縮性が損なわれて側頭部や後頭部などに締め付けられる痛みを発症します。

今は仕事でのパソコン作業時間の増加やスマートフォンの普及により特にうつむき姿勢を長時間することが多くなり、頸肩部に負担が多くかかってしまう方が多いです。そのような長時間の頸肩への負担により、緊張性頭痛をまねいている方がとても多いのです。そのような方の多くは首肩こりと後頭部や側頭部の頭痛を併発しています。

また抑うつ感や睡眠不足などの精神的ストレスによっても緊張性頭痛になるといわれています。

緊張性頭痛が慢性化してしまうと症状が数か月にわたる慢性緊張性頭痛となってしまう危険性もあります。そのような状態に陥ると痛みがさらに体にストレスとなり、自律神経が乱れることで血行不良で疲労物質が溜まりやすくなったり、さらなる筋肉のコリと原因となってしまうのです。

そうなる前に早期治療や生活習慣の改善が必要になります。パソコン作業やスマホ操作などの際のうつむき姿勢は長時間避けて休み時間の時はストレッチや温めたタオルを頸肩に巻いたりすることで筋緊張を緩和しましょう。

当院の施術

当院の肩こり・肩の痛みに対する施術は、肩ばかりでなく、自律神経のバランスを整えて体の全体調子を上げていくことが特徴です。
まずお腹から鍼灸で刺激することにより内臓の働きを活性化し、身体の治ろうとする自然治癒力を引き出します。よく患者さんに肩が痛いのにお腹から施術するのですかと聞かれますが、お腹から施術したほうが、痛み緩和の効果が引き出せます。

肩こり・肩の痛みの自律神経調整鍼灸

 

身体全体を診て施術して、自律神経を整えることで血液循環も改善されて肩部に溜まっている老廃物や発痛物質を流して痛みを軽減させます。

当院では、肩こりや肩の痛みに対する施術も積極的に行っており、なかなか改善されない頑固な肩こり肩の痛み五十肩でお困りの方はお気軽にご相談ください。

肩こり・肩の痛みに対する鍼灸治療

 

 

五十肩に対する鍼灸治療

 

症例

 

40代女性

 

以前から慢性的な肩こりに悩まされていたが、2週間前から肩と首に痛みが生じるようになった。それに伴って、頭痛が発生し夜も寝れないほどつらい。頭痛は後頭部から側頭部にかけての重い痛い感覚。ひどい場合では脈打つように痛みが出る場合もあるとのこと。

普段からパソコン作業が多く、視力も低下している。前かがみになって視線を下に向ける時間が長く姿勢が悪いこともご自身で自覚されている。

首が硬直しており左右に向けない状態。振り向く動作が出来ず、今は身体ごと向けている感じ。

 

 

 

当院の治療

首肩の痛みは筋肉の過緊張が原因とみて筋緊張の緩和を目的としたトリガーポイント治療、低周波鍼通電療法を行った。

首肩コリや頭痛の直接的な原因は姿勢の悪さで、眼精疲労による視力低下が直接的な原因とみて、眼と頭にも低周波鍼通電療法を行った。

 

 

 

治療経過

 

◇1回目◇

首肩の痛み、頭痛が軽減した。10段階で5くらいの感覚まで回復。

コリ感は少し残っているが、痛みはほとんど気にならない。

可動域も広がって首が動かしやすくなった。

 

 

◇2回目以降◇

段々と頭痛・首肩の症状が改善。仕事が忙しくなるとどうしても症状が出てきてしまうので1か月に1回程度メンテナンスとして施術を受けて頂いています。

 

40代女性

以前より頚肩こりを自覚しており、放っておくと頭痛が出現するようになる。頭痛が出現すると頭痛鎮痛剤を服用するがあまり効果は得られない。

仕事上、PCでの業務が多いのに加え、ストレスが多く、溜まってくると症状は増悪する。

 

当院の治療

頭板状筋や僧帽筋、菱形筋など頚から背中にかけての筋肉に緊張と圧痛がみられた為、まずは頚肩こりの症状を緩和するよう低周波鍼通電療法を行った。

仰向けでの治療ではストレスを緩和するような鍼とお灸の治療を行った。

 

治療経過

 

◇1回目◇

初診のうつ伏せの治療後、仰向けになってもらった際、すでに頭痛は消失。首肩こりも改善し、首がスムーズに動くようになった。

 

◇2回目以降◇

症状は改善傾向にあるが、仕事の忙しさやストレスに比例し、症状が出現してしまうので、2週間に1回程度、メンテナンスとして来療している。

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

めまいの鍼灸治療

火曜日, 9月 7th, 2021

めまいに対する当院の鍼灸治療

 

めまいの鍼灸治療方針

 

当院のめまいに対する施術は、第一にハリやお灸を施すことにより全身の調整を図り、とで自律神経のバランスを整えることです。鍼灸治療は、交感神経を抑制し副交感神経の働きを促すばかりでなく、双方の神経の活動量を高めて自律神経のバランスを整えることが研究結果でも出ています

めまいの鍼灸治療

また内耳の血流不足を改善するという点から頸肩部周辺や耳周辺の経穴に鍼を刺します。頸肩部周囲の筋肉への治療穴として僧帽筋や頭半棘筋部の「天柱」「風池」、胸鎖乳突筋や頭板状筋の停止部の「完骨」、耳周辺の治療穴として「翳風」「耳門」「聴会」「聴宮」などを用います。
めまいは東洋医学的に診ると「腎」や「肝」の不調が原因で発症すると考えられているので、鍼灸治療を用いてツボを刺激することで「腎」の機能を活性化させたり、「肝」の機能低下・過亢進を抑えます。

めまいに対する首肩鍼

 

過度な身体的・精神的ストレスは、自律神経を乱してめまいの原因となります。よって当院では自律神経測定器で自律神経の状態を知った上で施術することで的確な施術が可能になりました。
また東洋医学の特徴である全身を診て治療することにより全身をリラックス状態へと導き、交感神経の過亢進を抑制して過度なストレスを和らげます

身体全体の調子が上がっていくことも期待でき、実際に当院でもめまいの治療で「目が疲れなくなった」「便秘が解消した」「ゆっくりと体が休められ、熟睡できた」などといった声が数多く聞かれます。東洋医学では局所的に診るのではなく、全体的に診ることで自然治癒力を高めるといわれ、様々な効果が期待できます。

当院の施術目的は、めまいの回復程度を高め、回復を速めることです。また西洋医学とは違う東洋医学の観点により少しでもめまいが回復できる機会を提供することです。それにより、患者さんの仕事の質の向上や生活の質の向上が期待できます。

めまいは、程度にもよりますが激しいめまいの場合は、仕事が手に着かずにストレスを溜め込んだり、症状がいつ起こるかわからないといった不安がストレスとなり、更に症状を悪化させかねません。

症状が慢性化する前に病院で診断を受けた上で早期の治療をお勧めします。

 

※めまいの予防
めまいはストレスや自律神経のバランスの乱れが深くかかわっている場合が多く、治療を受けていもそれらの問題を解決していかなければ長期的に改善が難しくなってきます。めまいが起きた場合はこれまでおくってきた生活習慣を改善するいい機会だと思って取り組んで行く必要があります。

生活習慣の基本はやはり規則正しい生活になります。その中でも食事・運動・睡眠というのはとても重要となってきます。

食事に関しまして栄養のバランスよく摂取することはもちろんでさらにめまい症状に対しましては鉄分とビタミンを意識的に摂取することが重要です。鉄分の多く含まれる食材としましてレバーやほうれん草や小松菜があります。その他にもカツオやマグロなどの魚類にも含まれていますのでバランスよく摂取していきましょう。ビタミンでは、ピーマンやブロッコリーなどの緑黄色野菜を意識的に摂取して不足しているビタミンを摂取していきましょう!その他、飲み物で注意しなければならないのはコーヒーや緑茶などのカフェインを多く含む飲料です。カフェインは神経の興奮を亢進させてめまいを増幅させてしまう原因にもなりかねません。

運動では、主に軽いジョギングやウォーキングなどの有酸素運動が重要です。それらの有酸素運動が、副交感神経優位の状態に持っていくことができて血流の改善や耳にある三半規管に運動による刺激を与えることによってめまい症状の予防となります。

そして十分な睡眠をとって体の疲労をためないこともやはりめまいを予防するうえで重要となってきます。

 

めまいに対する東洋医学的考え

 

40代女性  普段は眼精疲労で通っているが、最近疲れがひどいせいかめまいが気になる。 以前も回転性のめまいを発症したことがあり、今回もそれに似た歩行時や体を動かすと目が回るような感覚に襲われる。 吐き気や難聴はないが、ストレスを感じると耳鳴りがする。 仕事は一日中パソコンを使用し、常に納期に追われていて精神的、肉体的ストレスが強い。 特に仕事が忙しいと症状がひどくなり、仕事に集中できなきないためさらにストレスが溜まる。 また、デスクワークのせいか首肩のコリがかなり強い。運動はあまりしなくて、休みも週一。 疲労が蓄積している印象。   当院の治療  以前測定した自律神経は交感神経が過剰に働いており、今回もストレスからくる自律神経の乱れが原因と考え、自律神経の調節治療をベースとして行いました。 また、回転性のめまいは内耳に異常をきたしているため、耳周りのツボに刺鍼し、低周波電気鍼療法を行いました。 また、首肩のコリが強いと耳の血流も低下していまうので、首肩のコリに対する刺鍼を行いました。   経過 1回目 普段は眼の治療は行っているが、耳周りの刺鍼は初めてなので、初回はソフトな低刺激で行いました。  2回目 あまり変化はないが、よく眠れるようになってきた。前回より少し刺激を強くしました。  3回目 ふらつく頻度が減ってきた。  4回目 疲れるとまだめまいが感じるが、あまり気にならなくなってきた。  5回目 今はほとんど気にならない

 

めまいは東洋医学では「水毒」といわれ、生体内を循環している津液が寒さや湿度などの外因の影響を受けたり、東洋医学での「」や「」などの内因の影響を受けて停滞して起こると考えられています。特に停滞している部分が耳である場合にめまいの症状としてあらわれます。

「津液」とは
津液とは、体内の生理的水液を意味して、例えば細胞内外の液・唾液・胃液・関節内腔・涙・リンパ液などすべてを含めた組織液に相当します。津液は、飲食物から脾胃で生成され、大部分は三焦という通路を運航して全身に送られます。この過程で、「肝の疏泄をつかさどる」という機能と「腎の水をつかさどるという機能」が重要になってきます。

肝は疏泄をつかさどる
肝の疏泄をつかさどるという機能は、すみずみまで機能を通行させるということを意味し、津液を全身に送る場合にも一役かっています。またその他に情緒を安定させ、精神状態を快適に保つ機能や自律神経機能によって全身の各機能が円滑に行われる機能にも影響を与えています。
よって過度な精神的ストレスや自律神経の不調は、肝の疏泄をつかさどるという機能にも影響を与え、めまいの原因となります。

腎は水をつかさどる
体液の代謝全般に対し、腎が根本的な調節作用を行うことを示しています。有用な津液を蒸気のように変えて三焦を通して全身に巡らせ、身体の水分代謝に供給すると同時に、不要な廃液を尿として適宜排泄するという機能を腎が担っているのです。
また東洋医学では、腎は耳と関係が深いと考えられ、腎の不調は耳の症状に反映されやすいといわれています。
腎の機能異常は、全身に津液を停滞させ、特に耳に停滞しやすく、内耳にリンパ液が溜まることで起きるめまいや耳鳴り・難聴を引き起こします。

「腎」と「肝」との関係
東洋医学では「腎」と「肝」との関係は密接と言われており、両者の症状は同時にあらわれることが多く、「肝腎同源」ともいわれています。
「肝腎同源」は、めまいの治療を行う場合でもとても重要な考えであり、双方の観点から治療していく必要があります。

 

めまいの鍼灸治療症例

 

70代女性
一か月ほど前に買い物帰りに歩いていると突然くらっとめまいがした。足元もおぼつかなかったため、近くに座って休憩した。しばらくするとめまいも取れてきたと感じたので再び歩き始めると先ほどよりは少しは楽だがめまい・ふらつきをいくらか感じてやっとのことで帰宅した。耳鼻科や脳外科などで様々な検査を受けたもののはっきりとした原因はわからずに処方された薬や自分で買ったサプリメントなどを摂るようにして対応したが症状はよくならなかった。
実は二年ほど前にも同じようなことがあって、一週間ほどでよくなったので今回も同じようだろうと思っていたが、一週間を過ぎても症状は改善されずに軽いめまいとふらつきを常に感じるような状態が一か月ほど続いている。週に2回ほどパートのお仕事をしているが、仕事や家事が忙しいと症状が強く出る。

 

治療
まずしっかり問診したうえで自律神経測定器で自律神経の状態を計測しました。

結果は、交感神経が活発に活動している状態で副交感神経が抑制されている状態でした。身体全体の治療で自律神経を整えてその後に首肩の筋緊張も見られたのでその部分を重点的にほぐすように鍼灸施術を施しました。

経過
◇1回目◇
鍼灸施術に慣れており、最初から比較的強い刺激で治療しました。治療後、重かった首肩が軽く感じ、それに伴い身体全体も軽くなったように感じたとのこと

◇2回目◇
前回治療後少し気怠さが出たが、横になって休憩するとけだるさは取れた。めまい・ふらつきは若干良くなったように感じた

◇3回目◇
前回治療後、足は軽くなって歩行などが楽になってめまい・ふらつきもだいぶ楽になったが上半身が非常に重く感じて上下のバランスが取れなくてたまにふらつく。

◇4回目◇
背中・首肩を中心に治療。

◇5回目◇
上下のバランスもよくなってきた感じ、めまい・ふらつきもほぼ感じなくなった。

 

 

症例2

40代女性

 

普段は眼精疲労で通っているが、最近疲れがひどいせいかめまいが気になる。

以前も回転性のめまいを発症したことがあり、今回もそれに似た歩行時や体を動かすと目が回るような感覚に襲われる。

吐き気や難聴はないが、ストレスを感じると耳鳴りがする。

仕事は一日中パソコンを使用し、常に納期に追われていて精神的、肉体的ストレスが強い。

特に仕事が忙しいと症状がひどくなり、仕事に集中できなきないためさらにストレスが溜まる。

また、デスクワークのせいか首肩のコリがかなり強い。運動はあまりしなくて、休みも週一。

疲労が蓄積している印象。

 

当院の治療

 

以前測定した自律神経は交感神経が過剰に働いており、今回もストレスからくる自律神経の乱れが原因と考え、自律神経の調節治療をベースとして行いました。

また、回転性のめまいは内耳に異常をきたしているため、耳周りのツボに刺鍼し、低周波電気鍼療法を行いました。

また、首肩のコリが強いと耳の血流も低下していまうので、首肩のコリに対する刺鍼を行いました。

 

経過

1回目

普段は眼の治療は行っているが、耳周りの刺鍼は初めてなので、初回はソフトな低刺激で行いました。

 

2回目

あまり変化はないが、よく眠れるようになってきた。前回より少し刺激を強くしました。

 

3回目

ふらつく頻度が減ってきた。

 

4回目

疲れるとまだめまいが感じるが、あまり気にならなくなってきた。

 

5回目

今はほとんど気にならない

 

 

めまいの原因

 

 

めまいには、平衡感覚をつかさどる内耳の障害が原因で起こる「末梢性めまい」と、脳の病気が原因で起こる「中枢性めまい」とがあります。
人間の体はバランスを保つために目や耳、手足から入ってくる情報を脳で統合し、姿勢や動きを微妙に調節しています。
この仕組みに不具合を生じると自分は動いていないのにも関わらずにまるで動いているかのような錯覚を起こしてしまい、めまいとして感じるのです。

 

「末梢性めまい」
耳は、音を聞くための聴覚器官であり、なおかつ体のバランスを保つための平衡器官でもあります。めまいは耳の中でも聴覚や平衡感覚をつかさどる「内耳」という部分と関係が深いです。内耳は、カタツムリのような形をした蝸牛という器官が聴覚をつかさどり、前庭(三半規管と耳石器)という器官が平衡感覚をつかさどっています。
三半規管の内側は、リンパ液で満たされており、体や頭の動きによりリンパ液に流れが生じて前庭神経がそれを察知して脳幹に伝えます。
また、三半規管の根元には耳石器という器官があり、水平・垂直方向の動きと速さ、体の傾きといった動きを感知しています。こうした情報が脳に届けられてすばやく目や耳や手足が反応することで体のバランスが保たれているのです。
しかしこういった一連のネットワークが障害されると「末梢性めまい」として感じられます。たとえば、疲労ストレスにより交感神経が過亢進して三半規管に栄養を送っている血管が収縮すると三半規管の働きは弱くなり、誤った情報が小脳に送られめまいを感じます。
また、何らかの原因でリンパ液が必要以上に生産されたり、ウィルス感染などにより内耳炎前庭神経炎などが起こった場合にもめまいを感じます。

「中枢性めまい」
めまいを生じさせるもう一つ大きな原因は小脳の働きの低下です。
内耳などの知覚器官から集められた情報は、脳幹を経て小脳に伝えられます。脳幹は、運動神経や感覚神経の通り道で生命を維持するための神経が集中している器官で小脳は、知覚器官から得た情報を統合し、体のバランスを保つために全身に指示を出す役割をしています。こういった過程が障害されると「中枢性めまい」症状を呈します。
小脳働きが悪くなる主な原因は、脳の血流不足といわれています。ストレス・体調不良や動脈硬化などによって脳に栄養を送っている血管が収縮すると、血流が一時的に悪くなり、小脳の働きが低下してしまいます。
また、脳梗塞や脳出血、脳腫瘍で脳の働きが障害されてめまいの症状が現れる場合があります。こういった場合は、早急に病院で受診する必要があります。

 

 

めまい

 

めまいと自律神経との関係

内耳の障害でめまい耳鳴り難聴などが起きると同時に吐き気嘔吐動悸冷や汗などの自律神経症状を多く呈します。また反対に自律神経失調症の症状の一つとしてめまいや耳鳴り、難聴などが現れる場合も多くあります。
それは、内耳と自律神経との関係が非常に密接であるとのことのあらわれであり、実際に日常生活で一番よく起こるめまいの原因は自律神経の乱れと考えられています。
自律神経とは、血管、リンパ腺、内臓などに分布しており無意識のうちに循環器系・呼吸器系・消化器系の身体機能を調節して自分の意志とは無関係に作用します。環境や状況に適応して生命活動の維持や調節を行い、絶えず活動している神経です。

自律神経は交感神経と副交感神経から成り立っており、互いに絶妙なバランスをとって協力し合っています。自律神経は過剰なストレスによりバランスを崩しやすく、特に交感神経が過亢進してしまいます。
交感神経の過亢進は身体に様々な影響を与えます。内耳に影響がでた場合は、内耳の血流低下免疫低下によるウィルス活動の活発化炎症性疾患内耳のむくみなどがみられて、めまいや耳鳴り、難聴、メニエール病、内耳炎などの症状としてあらわれやすくなります。

 

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

外転神経麻痺の鍼灸治療

金曜日, 9月 3rd, 2021

①外転神経麻痺に対する当院の鍼灸治療

外転神経の鍼灸治療

 

当院の外転神経麻痺に対する施術は、目の周辺の重要なツボにハリを刺して微電流を流すことで麻痺した神経にアプローチします。

外転神経麻痺の鍼灸治療

 

また外転神経麻痺は五臓六腑の肝に深く関係しているので肝に関する経穴を用いて肝血を補うことや肝気の巡りをよくします。

東洋医学の診断方法に基づき全身の調整施術も行っていきます。東洋医学では、症状が出ている場所ばかりに注目するのではなく、その裏に隠された内臓であったり、下肢などの気血になにか問題がある部分に注目して治療していきます。
例えば人間の体は、出血しても時間がたてば塞がれますし、骨が折れても固定しておけばくっつきます。人間は本来、すごい力の自然治癒力を持っています。はり灸はその自然治癒力を呼び覚ますとても有効な施術法です。

当院にご来院される方は、特に外転神経麻痺にかかってしまった前後に仕事などで多くのストレスを感じていたり、多忙な生活を送って体調を崩してしまって発症される方がほとんどです。全体の体調を整えていくこと、自律神経の状態を整えていくことも治癒への大事な一歩となります。問診や自律神経測定器で現在のお身体の調子を把握して、生活習慣なども見直していく必要があります。

自律神経調整治療

当院のはり灸施術の目的は、外転神経麻痺の回復程度を高めて、回復を速めることです。また西洋医学とは違う東洋医学の観点により少しでも外転神経麻痺が回復できる機会を提供することです。それにより、少しでも患者さんのお役にたちたいという思いで施術しております。

 

 

②外転神経麻痺の東洋医学的考え

中医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能の障害が深く影響していると考えられています。肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。そのほか肝は運動神経系の調節に関係があると考えられています。

外転神経麻痺は、外側直筋を麻痺させるので、そのことからも外転神経麻痺は肝に深く関係していることがわかります。

③外転神経麻痺の鍼灸治療症例

30代 男性
朝起きると急に物が二重に見えていることに気づいた。少し時間を置けば良くなるだろうと思い、そのままにしておいたが、逆に二重の幅が広くなっていることに気づき会社を早退して眼科を受診した。右目が内側によっている斜視と診断されてその日のうちに脳神経外科を紹介されてCT・MRIの検査を受けた。特に原因特定されずに外転神経麻痺と診断された。仕事はそれから休んでいる。
当院には発症して一か月後に来院。少しずつ複視の幅が狭くなってきたがここ1週間ほどは停滞している。

当院の治療
複視の症状が出る前までは仕事が忙しく、夜遅くまで残業していることが多かった。仕事は主にパソコン仕事で目を酷使する生活が続いていた。複視になる前日に身体の疲れや右目の腫れぼったさや違和感を感じていたとのこと。当院の治療方針として
1.自律神経の調整治療
2.首肩の筋緊張の緩和
3.右目周囲を中心に鍼を刺して電気を流して神経及び筋肉に刺激を与える

治療経過

◇1回目◇
治療後、複視の幅は変わらなかったが体は楽になっている。

◇2~4回目◇
4回目の治療後、通勤時に電車の中の風景にダブりが少なくなっていることに気づいた。

◇5~8回目◇
調子の良い時はダブりが少なくなってきたが、週に半分くらいはまだ調子が悪い。

◇9回目◇
だんだん週の半分以上は目の調子が良くなってきた。

◇10回目◇
複視の症状が消えて身体の調子も良くなった。仕事などたまに忙しくなると少し物が二重に見えることがあるため月に1~2回ほどのペースで治療を受けている。

 

 

症例2

40代女性
当院にご来院される2カ月半ほど前に物が二重に見える複視の症状が出た。最初は目の疲れで視力が落ちて物がダブって見えているだけと思い、何もしなかったが徐々に複視の幅が広くなって日常生活を送るのも不自由となってしまった。眼科を受診したところ特に異常は見られずに脳神経外科を紹介されてそこで外転神経麻痺と診断された。しかし、特に脳の異常もみられなかったので経過観察で特に治療はされなかったとのこと。
日常生活では常に眼帯をしていないと物が二重に見えて生活できないため、常にどちらかの目に眼帯をして生活していた。医師によるとどちらの目も外転神経麻痺を起こしているとの診断でした。

 

当院の治療
仕事は主にデスクワークで頸肩のコリは強く出ていたため、初めに首肩を施術して筋緊張をとった後に目の周りの施術と自律神経調整治療も行っていきました。施術前に自律神経測定器で自律神経のバランスを計測したところ自律神経が乱れている状態でした。
首肩と目の周りは共に鍼を刺した後通電して筋や神経に刺激を与えていきました。

◇1回目◇
特に複視の変化は見られなかった。

◇2回目◇
治療後、若干複視の幅が狭くなったように感じたが、眼帯なしでの生活は送れない

◇3回目◇
朝に手を伸ばした先位の距離はぼやくなくなった。遠くを見るとまだ依然として二重に見える。特に目が疲れてくる夕方以降は調子が悪い

◇4回目◇
日中、家の中だと眼帯を外して生活できるようになった。近くはダブりが少ない

◇5回目◇
近くはいいが、遠くに視点を持っていくと複視になる。特に人混みの中だとつらい

◇6回目◇
段々と遠くに視点を合わせてもダブらなくなってきた。ぼやける程度

◇7回目◇
6回目の施術以降、ほとんど眼帯をせずに生活できるようになってきた。仕事で目を酷使した夜などは眼帯をつけることもある

◇8回目◇
真っ直ぐをみているとほぼ問題なく見える。左右に視点を移すとぼやけることがあるため自然と目線だけでなく、顔も横を向けるようになっているとのこと

◇9回目◇
横のダブりもだいぶ少なくなった。夕方以降でも複視の状態にならない。日常生活ではほぼ支障なく生活できる

 

症例3

60代 男性

経過

夕方仕事の時に物がぼやけて見えるようになった。最初は目の疲れだと思い、気にせず作業をしていたが次の日の朝にテレビを見ていたら物が二つに見えることに気が付いた。

だんだんと二つに見える幅が離れていったため、こわくなって病院をすぐ受診。脳の検査など行っていったが原因は特にわからずに外転神経麻痺と診断された。

6ヶ月くらいかけて治っていく場合があるから様子見でどうしてもつらかったらプリズム眼鏡を処方するが、6か月間は症状の変動が見られることが多いため基本そのままで対処すると言われた。

以前から漢方治療など東洋医学にも興味があったため外転神経麻痺を治せるところがないかとインターネットで検索して当院にたどり着いたとのこと。

 

治療

主に目の周り特に眼球の外側に強めの鍼通電治療を行って筋肉や神経に刺激を与えていくことで改善をはかっていきました。

複視症状のほか物が二重に見えるため階段の上り下り時などにめまいやパソコン作業時の目の疲労感も強く感じるとのことでそれらの症状にもアプローチしていきました。

首肩周りの筋緊張の緩和、背中やお腹の経穴を用いた自律神経のバランスも整えて治癒しやすいお身体の状態にしていきます。

 

経過

来院当初は、複視で歩行が困難なため片目に眼帯をして複視症状をおさえてご来院されていたが、4回目の施術後に眼帯を外しても怖さを感じにくくなったためほぼ眼帯を外して生活。だんだんと複視の幅が狭くなっていった。

治療開始1か月後8回目の治療後には、階段上り下りもそつなく行えるようになってきて日常生活もだいぶ楽に。近くのものパソコン作業時などはほぼ一つに見えるとのこと。まだ遠くの景色は二重に見える。

2か月目以降は治療間隔を週に2回から1回に延ばしていきました。

2か月終了時には、複視症状がほぼ消失したため治療も終了。

 

④外転神経麻痺とは

 

外転神経麻痺の症状

 

外転神経麻痺は脳底の動脈瘤腫瘍髄膜血管梅毒糖尿病外傷などで起こり、眼筋麻痺のなかでもっとも頻度が高い疾患です。外転神経は橋の後縁から出て上眼窩裂を通って眼窩に入り、外側直筋を支配します。

そして、外側直筋を収縮させて眼球を外側に向かって水平に動かします。よって外転神経が麻痺すると眼球は外転できなくなり、正常よりも内側を向くようになります。すると両眼の視線が見たい場所で交わらなくなり、ものが二つに見えたりします(複視)。眼球運動にかかわる神経は外転神経以外に動眼神経滑車神経があります。

 

外側直筋
眼球の奥の総腱輪から出て眼球の外側に停止する筋肉です。外側直筋の主な役割は、眼球を外側に向ける役割があります。外転神経が支配しています。
外側直筋は眼科の中にあるため、触ることができない筋肉です。この筋肉が何らかの原因で機能しないと、目を外側に向けることができなくなり、正視していても内側に向いてしまうより目の状態となってしまいます。
外側直筋が機能しないと目のピントを合わせる能力が低下して焦点が合わなくなり、二重に物が見える状態・複視の状態となってしまいます。

複視

 

 

⑤外転神経麻痺の原因

 

外転神経麻痺を突き止めるのは容易ですが、原因を突き止めるのは容易ではありません。CT検査やMRI検査で腫瘍があるか判断したり、脊髄搾刺では頭外内圧が上昇していないか診断されます。
原因が判明しない場合は、神経に血液を運ぶ動脈の閉塞や一過性脳虚血発作による神経の障害が考えられます。

これらの異常は、高血圧糖尿病アテローム動脈硬化がある患者に多く見られます。

当院にご来院される多くの方は、外転神経麻痺と眼科などで診断されたもののその原因が精密な検査を重ねてもわからないという方がほとんどです。原因がわからないと西洋医学では対処が難しく具体的な治療は施されません。当院ではそのような方々でも東洋医学の観点から施術することで複視の状態が改善していったという方が多くいらっしゃいます。

 

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院

手根管症候群の治療

水曜日, 9月 1st, 2021

①手根管症候群に対する当院の鍼灸治療

 

手根管症候群の鍼灸治療ポイント

 

当院の手根管症候群に対する治療の目的は、第一に手首付近のツボや痛みの強い部位に鍼をさして微電流を流すことにより血行を良くします。手のひらは痛点が多く存在するためはり施術に伴う痛みを感じやすく、お灸刺激で対応する場合が多いです。

橈側手根屈筋の腱は手根管を通るので橈側手根屈筋に圧痛が出る場合が多く橈側手根屈筋をねらって鍼をさします。また鍼を刺すことにより痛みを感じる閾値を上げて痛みを感じにくくする作用を促します。

手根管症候群は五臓六腑の「」と「」に深く関係しているので肝と腎に関するツボを用いて肝血や腎気を補うことや手首の気血の流れをよくします。

また「風寒」や「湿」の邪気によって引き起こされる場合はそれらを体外に出す治療が必要になります。

手根管症候群を患っている方は、仕事や家事を多く抱えており、過度な精神的なストレスを抱えている方がほとんどです。また、50歳代女性では、親の介護が加わったり、女性ホルモンの変化により自律神経が乱れやすくなっています。

そこで当院では、自律神経測定器で自律神経の状態を測定して患者さんに合った的確な施術が可能です。他にはない効果が生み出せるのです。

手根管症候群の鍼灸治療

 

②手根管症候群の東洋医学的考え

 

中医学では手根管症候群は、手首付近の気血の運行がスムーズにいかずに気血が滞り、それが痛みやしびれの原因となると考えられています。
寒く風のあたる場所にいた際に「風寒の邪気」を受けた時や湿度の高い場所にいて「湿邪」を受けた時、長い間手首を使う仕事をした時などに気血は滞り、それが手根管付近であった場合に手根管症候群を発症する可能性が高くなります。

また中医学でいう「肝」と「腎」の機能が弱ると全身的に血や体液が不足し、筋肉などの様々な器官に栄養を送ることができず、さらに上記の条件が加わると手根管症候群がおこりやすくなります。

両者の関係は深いので「肝腎同源」とも言われており、「肝」と「腎」の症候が同時にあらわれることが多いです。

 

■肝血虚
肝血虚とは中医学でいう「肝」が血を貯蔵して必要に応じて供給・消費する機能と自律神経系の作用を通じて血管を収縮あるいは弛緩させ、体内各部の血流量を調整する機能が異常をおこして発症します。
筋のけいれん・手足のしびれ・目の乾燥感や女性では、月経のおくれ・月経血の過少・無月経などがみられることが特徴です。

 

 

 

③手根管症候群の鍼灸治療症例

 

症例1

50代 女性
数日前から右手の親指から人差し指にかけて痺れを感じるようになってきた。常に痺れるというわけではなく、パートでのパソコン作業や介護でのちょっとした動作で痺れと痛みを感じる。朝起きてから30分ほどしびれが強く感じる。整形外科を受診したところ手根管症候群と診断され、湿布薬と飲み薬を処方されたが、改善されずに当院にご来院されました。 最近、パートでの仕事と母の介護が加わり、とても多忙な生活を送っていたことが一つの原因と考えられるとのこと。

 

当院の治療
自律神経測定器の結果自律神経の乱れ・特に交感神経の過亢進状態でしたので最初に自律神経を整える施術をしてから頸部・肩部・右手首を中心に施術いたしました。親指のしびれが特に強い状態でしたが、首や肩のこりも症状として強く出ており、そちらのほうのアプローチも重要だと感じました。

また、仕事や介護でストレスが溜まり、体の回復力も低下しており、本題の治療に入る前に自律神経を調整する施術を行ってからの方が治療効果が上がると考えます。

 

治療経過
◇1回目◇
治療後手のしびれは、さほど症状に変化がなく、逆に少ししびれを強く感じた。血流が良くなった好転反応と考えられる。

◇2回目◇
前回と同様の体が起こった。

◇3回目◇
首や肩のこりを感じにくくなった。痺れもいくらか落ち着いてきた様子。

◇4回目◇
体に元気がとり戻ってきた自分自身感じ、手のしびれもそこまで気にならない。

◇5回目◇
日常生活でほぼ支障なく生活できる。

◇6回目◇
前回の状況とは変わって、気温低下とストレスによって痺れ症状が強く出た。

◇7回目◇
痺れの辛い症状は治療後すぐに消えてきて、体が軽くなった。

◇8回目◇
日常生活でほぼしびれを感じなくなった。首・肩こりも楽になった。

 

症例2

30代女性

妊娠6か月でのご来院。ホルモンバランスの変化やむくみやすくなっているせいか右手首の痛みや指先のしびれを感じるようになって整形外科を受診したところ手根管症候群の診断を受けた。

妊娠中のため薬は処方されることなかったため、インターネットで鍼治療で良くなることがあるとのことで当院で鍼治療を受けにご来院されました。

午前中に一番症状が強く、痺れや痛みで日常生活でも支障が出てしまう。

治療

仕事や家事で右手首をよく使う・手首をかばって作業をしているせいか肘周りや肩周りもコリを感じて痛む時があるとのことで右上側臥位でまず首肩回りや肩甲骨周りの筋緊張を緩和させていきました。

鍼治療が初めてということもあり、刺激量は抑えつつ治療回数を重ねるごとに段々と鍼通電療法などを使うなどして刺激量をあげていきました。

一回目の治療後、首肩回りなどが軽くなり、なんとなく身体が楽に。しかしまだ右手首は変化がみられない状態。

2回目・3回目も身体は楽になるが手首の変化はまだ見られませんでした。

4回目以降、手首の鍼通電治療なども用いて刺激の量を上げていき、徐々に右手首の痛みが緩和。痛みが取れてきて段々と痺れ症状も良くなっていきました。

最後指先だけ少し痺れが残りましたが日常生活では全然気にならなくなってとのことで治療を終了。

 

 

④手根管症候群とは?

 

手根管症候群の主な症状

手根管症候群とは、手首を通っている正中神経が手根管という部位で炎症・骨折・奇形・腫瘍などにより圧迫されて痛みを生じる病気です。
正中神経は、上腕動脈とともに上腕の深い所を通って前腕を経て手根管に入って、手に至ります。手首を曲げる動作や腕を内側に捻る動作、手指を曲げる動作の筋肉を支配して、皮膚感覚としては手のひらで薬指を境として親指側を支配しています。

手根管とは、手首の手のひら側で、骨と靭帯に囲まれたトンネル状の部位のことをいいます。手首の骨は凹のアーチ形に並んでおり、その表面を幅2~3cmの屈筋支帯という靭帯が橋渡しをして、その下に手根管をつくります。

その手根管の中を手首を曲げたり親指側に倒す橈側手根屈筋の腱や親指を曲げる長母指屈筋の腱と親指以外の指を曲げる浅・深指屈筋の腱が通ります。手根管の中を走る腱は摩擦が少なく円滑に動くことができるように滑液鞘で包まれています。

また手根管の狭い管内を多くの腱とともに神経(正中神経)が通過します。主に手根管症候群とはこの正中神経が何らかの理由で圧迫されて発症する神経障害の一種です。

症状としては知覚障害運動障害などがあります。
手根管症候群

知覚障害
初期には人差し指や中指がしびれて痛みがでて、最終的には親指から薬指の親指側半面の3本がしびれます。症状は明け方強く、目を覚ますと手がしびれ痛みがありますが手を振ったり指を曲げ伸ばしすると楽になります。

運動障害
進行すると親指の付け根の母指球筋という筋肉が痩せてきて、細かい作業が困難になります。母指球があることでできていた親指が他の指と向き合う運動(対立運動)ができにくくなり、鉛筆を落としたり、OKサインのような指の形などもできにくくなります。またつまみ動作がしにくい、ボタンをかけにくい、箸が扱いにくいなどの細かい作業もできにくくなり、日常生活に支障が出てきます。

通常、手根管症候群は利き腕の片側性に発症しますが、50%の方には両側性にも同疾患があり、発症年齢は20~90歳代にわたります。50歳代の女性に一番発症しやすく、女性ホルモンの乱れが原因とも考えられています。
簡単な診断法として手根管症候群の方は手首を打鍵器などでたたくとしびれや痛みが指先にひびきます。また手首を直角に曲げて手の甲を合わせて保持し、1分間以内にしびれや痛みがが出るかどうか見ます。

 

 

⑤手根管症候群の原因

手根管症候群は特別な原因が見当たらないことが多いのですが、手の使い過ぎや肥満、妊娠などの他に糖尿病、甲状腺機能低下症、痛風、それに慢性関節リウマチなどの全身疾患が原因と考えられています。近年では、長期血液透析に伴う患者が増えています。

ⅰ)手の過度の使用による手根管症候群:手を酷使する人の腱消炎
ⅱ)むくみなどによる手根管症候群:妊娠や肥満
ⅲ)圧迫による手根管症候群:骨折や腫瘍による手根管の圧迫
ⅳ)アミロイド沈着による手根管症候群:血液透析によるアミロイドという物質の沈着

 

日常生活上での注意点

手根管症候群で炎症症状が強く出ている場合はまず安静にして炎症を引かせることが重要です。さらに炎症が強い急性期の場合では、氷水で炎症部位を冷やしてアイシング治療を行うことも早く炎症を冷やすのに効果的です。何もしてなくても手首が痛む場合や夜間痛がひどい場合では炎症が強く出ている危険性があるのでアイシング治療が有効です。

痛みの強く出る急性期が過ぎたら手指や腕にかけての筋肉をほぐしていきましょう。ストレッチや軽く自分で筋肉をもみほぐすことで手根管内の圧力を軽減させる効果が期待できます。注意点としまして痛みが出ない程度に行うことで、痛みの出ている周囲の筋肉をほぐすことです。

 

あまり過度に揉んだりストレッチでほぐしたりしてしまうと周りの組織が傷ついてしまい、炎症が起きる危険性があります。

その他日常生活では手根管に負担をあまりかけないように心がけましょう。手首にサポーターを巻いたり、片手で重いものを持たないようにしましょう。それに加え現代はパソコン作業による手首への負担で手根管症候群かかる人も多いです。パソコンの打ち込み作業では、手首の下に丸めたタオルをかませて手首をまっすぐにするようにすると手首への負担が軽減されます。

 

 

眼瞼下垂の鍼灸治療

月曜日, 8月 30th, 2021

①眼瞼下垂に対する鍼灸治療

 

眼瞼下垂の鍼灸治療ポイント

 

当院の眼瞼下垂に対する施術は、第一に目の周辺のツボにハリやお灸を施すことにより鍼目周囲の血行状態をよくします。また眼瞼下垂は五臓六腑の肝に深く関係しているので肝に関する経穴を用いて肝血を補うことや肝気の巡りをよくします。先天性眼瞼下垂の場合は腎に関する経穴に鍼をさして腎気を補います

 

眼瞼下垂の方は、全身の倦怠感や不安感・頭痛・肩こりを感じている方が少なくありません。当院では、東洋医学の診断法に基づき、それらを解消するように全身を施術致します。

首肩の鍼灸治療

また、眼瞼下垂は自律神経系の活動とも関連が深いため、当院では自律神経測定器を用いて自律神経の状態を知った上で施術にあたります。それは、上記でもありますが、瞼をあげる筋肉には、動眼神経支配の筋肉と自律神経支配の神経があるからです。この自律神経支配であるミュラー筋は眼瞼を上げる上眼瞼挙筋の補助的な役割がありますが、自律神経が著しく乱れているうつ病や自律神経失調症と診断を受けている方でも瞼が下がっているという方が多くいらっしゃいます。

うつ病や自律神経失調症などの方でも自律神経を徐々に整えていくことで瞼の下がりが改善されたり、視界が明るくなったといわれる方がいらっしゃいます。眼瞼下垂の方でも自律神経を測定して今の状態を正確に把握して、目ばかりでなく体の状態を整えることで他にはない施術効果が期待できるのです。

その他、眼瞼下垂の方には、夕方以降になるとまぶたの垂れ下がりが気になるという方が多くいらっしゃいます。その方々は、パソコン作業などの細かい作業に従事されている方が多く、常に目の周りの筋肉が緊張状態にあり、目の周囲の筋肉の疲労から眼瞼下垂が起きています。

そのような方の場合は、仕事終わりなど目の周囲の疲労が溜まっている状態の時に施術を受けて頂くことがベストです。疲労が溜まっている状態で受けて頂くと鍼灸治療の効果がより実感でき、疲労が明日に持ち越されないことで症状の持続的な緩和がされやすくなります。

 

眼瞼下垂の鍼灸治療

 

②眼瞼下垂についての東洋医学的考え

 

中医学では五臓六腑の肝は目に開竅するといわれており、眼の疾患は肝の機能の障害が深く影響していると考えられています。肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。
そのほか肝は運動神経系の調節に関係があると考えられています。眼瞼下垂は、眼瞼挙筋の瞼の開閉のコントロール異常と考えられるので、そのことからも眼瞼下垂は肝に深く関係していることがわかります。
また、肝は精神情緒の安定、自律神経系を介した機能調節もおこなっており、それらの機能低下は眼瞼下垂を引き起こすとも考えられます。先天性眼瞼下垂は五臓六腑の腎と深く関係しています。

 

③眼瞼下垂の鍼灸治療症例

 

50代 女性

当院にご来院される一年ほど前から周囲の人からいつも眠たそうな目をしているということでまぶたの重みを意識し始めた。長時間パソコンやスマホをすると、特に顕著に感じるようになり病院を受診した。検査の結果、はっきりとした原因はわからなかった。医者からは手術を勧められたが、手術による副作用もあることからご本人としては、手術せずに治したいとのことで当院のご来院されました。

 

当院の治療

眼瞼下垂は、日々の生活の中に原因のある場合も多く、時間をかけて問診させていただく必要があります。この方の場合、下垂が朝はまだ比較的良いが、夕方にしたがってひどくなるとのことでした。パソコンの仕事に加えて、スマホ―トフォンもよく見ることから眼の酷使も考えられました。また、メークをとる時にまぶたを強くこすってしまうこともあるとのことで、軽く拭く程度にしていただきました。

次に自律神経測定器で自律神経の状態を把握した上で治療に移りました。午前11時ごろに計測したのにもかかわらず副交感神経の活動が高い状態で自律神経の乱れがありました。夜はなかなか寝付けられないこともあり、夜に交感神経の活動が高くなっている可能性もありました。

治療方針としまして

①全身の調整治療で自律神経を整える

②首肩の筋緊張を緩和させる

③目の周りの鍼灸施術により、疲労の緩和・血流改善

この3点を重点的に行いました。

治療経過

◇1回目◇
眼の感覚はあまり変化がみられなかったが、夜ぐっすり眠ることができた。

◇2回目◇
治療後、眼の疲れを感じにくくなった。

◇3回目◇
前回治療後、3日経つとまた目の疲れを感じた。

◇4~6回目◇
以前は夕方4時ごろになるとまぶたの重みを顕著に感じていたが、今は夜になると少し感じる程度になってきた

◇7~9回目◇
眼の疲れを感じにくくなり、眼の重たさもあまり感じにくくなった。仕事が忙しくなると夜に感じる時もある。

◇10回目◇
周囲の人から眠たそうに見えると言われなくなった。目を酷使しないように心がけているとほぼまぶたの重み・目の開けづらさを感じない

 

症例2

40代女性

当院にご来院二か月ほど前から目の重たさを感じるようになった。資格試験のため長時間勉強していて目が疲れてくると特に感じる。症状がひどくなると、目の周りや奥に痛みを感じるようになり頭痛や肩こりの症状も頻繁に出るようになってしまうとのこと。

市販の目の疲れに効くとされていた目薬を点眼したがあまり効果が感じられずに当院を受診された。

当院の治療
まだ一度も病院を受診されていないということで、念のためにかかりつけの病院で検査などをしていただきました。目の重たさや目の奥の痛み・頭痛は、脳の病気など重い病気の可能性もあるのでそれらを発見できないのが一番怖いことです。この患者さんの場合は特にそういった原因が検査をしても見つからなかったため、当院での治療を開始しました。

問診・自律神経測定器で測定したうえで上記の症例①の方と同じ治療方針で治療していきました。

◇1回目◇
治療後、目の周りがすっきりした感じ・目の前が明るくなった感じがした。

◇2回目◇
目の奥の痛み・頭痛が軽減して日常的に気になることが少なくなった。

◇3回目◇
目の重たさが消えて体も軽くなった感じがする

 

集中的に3日おきに治療を行い症状がだいぶ軽減したとのことで生活上の注意を気を付けていただき、治療を終了しました。その後、体と目のメンテナンスのため一か月に一回ほど通院されています。

 

症例3

20代 女性

約5年ほど前に二重瞼にする埋没法手術をした後から目が開けにくく、まぶたが重く感じることが出てきた。同時に首肩こりも感じるようになりひどい時は頭痛も出て、日常生活でも辛さを感じるようになった。子供の頃から視力もあまりよくなく、視力0.4程で乱視もあると眼科医から指摘されていた。脳の検査など様々な検査をしたがまぶたの重たさの原因はわからなかった。

最近仕事でもパソコンを使うようになり、さらに目の開けづらさやまぶたの重さを感じるようになってきた。筋肉をほぐしてもらおうとマッサージをうけたが、症状はあまり変わらなかったとのことで当院にご来院された。

当院の治療
触診してみると頸部の生理的な湾曲が少なく、ストレートネックになっていたので、まず頸部周辺の筋肉を緩めていきました。また肩こりもひどいということでお灸などを行い、肩部の疲労も取っていきました。うつ伏せでの施術の次は仰向けでお腹・手足のツボを用いて全体の調整施術と目の周りを中心に治療していきました。目にも程よい熱さのお灸をして血流改善をはかります。

◇1回目◇
治療後、少し全身の気怠さが出たとのことだが、その気怠さが取れたら目もすっきりして以前よりも目を開けやすくなった

◇2回目◇
一週間程は目の調子が良かったがそれ以降は以前ほどではないが目の症状が気になるようになった。特に2回目の施術の時は右目が気になるとのこと

◇3回目◇
仕事が忙しく、パソコンを長時間行っていたため首肩がつらい。治療後軽快。今回は右目は特に気にならない

◇4回目◇
まぶたの重たさやか開けづらさは日常の生活であまり目を酷使しなければ、感じないようになってきた

◇5回目◇
まぶたの重たさや開けづらさは、多少仕事で無理をしても感じないようになった。少し目や身体が疲れてきたなと感じたら、早めに休憩を入れるよう心掛けているとのこと。

症例4

40代 男性

経過

以前からお酒を飲みすぎた次の日などにまぶたのむくみや重たさを感じることがあったがその日のうちに消えていた。

最近、まぶたのむくみや重たさが残るようになってきて特に夕方から夜にかけてはパソコンやスマホをよく使うせいかまぶたの重たさが強く出て目を開けづらく感じる。

状態がひどいときは、なんとなく視界が暗く感じて物もタブって見えることがある。

眼科や神経内科を受診して診てもらったが特に原因は特定されたなかった。

眼科で眼精疲労とドライアイということで目薬を処方してもらい点眼しているがほとんど効果を感じられず他に手立てはないかと当院に来院されました。

施術

新型コロナの影響で最近はほとんど家でデスクワークをしていて仕事中の姿勢も悪く、首の筋緊張が強く出ていました。

最近、そういった環境の変化からストレスも多く感じており、家でお酒を飲む頻度と量も増えてから目の状態も悪くなっていったとのこと。

首と目の周りの鍼灸施術を中心に背部兪穴や腹部の経穴なども用いて自律神経の状態も診ていきました。

日常生活でも以前は通勤などで歩いたり、階段の上り下りをすることが多かったが最近はそういったこともなくなってい待ったということで朝と晩に30分ずつウォーキングする時間を作っていただき実行していただきました。

食事も緑黄色野菜をボール一杯を1日に食べていただくようにしていただき、お酒を飲む前に必ず野菜を食べいただくことで飲酒量も自然と減少しました。

経過

1回目の施術後の朝は顔やまぶたがスッキリしてむくみが軽減。まぶたの重たさも久しぶりに感じなかった感覚。しかし、まだ効果はもって半日程度。

2回目以降は症状の波はあるものの段々とまぶたの重たさを感じる時間が減っていき、治療開始3週間ほどは週に2回ほどの治療間隔で鍼灸施術を受けていただいていたが、4周目以降は段々と治療間隔を延ばしていきました。

2ヶ月ほどでトータルの施術が終わり、まぶたの重たさやむくみは軽減。仕事で目ばかり使っているとどうしても夕方以降多少重たさや疲れを感じるが以前よりもかなり楽な状態になったとのこと。

 

④眼瞼下垂とは

 

眼瞼下垂とは正面視にて上まぶたが病的に下垂して瞳孔領域まで覆う病態を総称します。眼瞼下垂は、先天性または後天性理由により上眼瞼の機能障害が生じてまぶたが開きにくくなる疾患のひとつです。重度の下垂となると上眼瞼縁が瞳孔中心線より下になって視野がかなり狭くなります。

眼瞼下垂になりますと視界が制限されてしまうため無理に視野を確保しようとします。眉毛を挙上してまぶたを開こうとするため、あるいは下顎を挙上するために頭痛肩こりを併発することがあります。眼瞼挙筋の収縮で目の開閉がコントロールされています。筋肉の動きが弱かったり、ほとんど機能していない状態の多くは先天性眼瞼下垂と呼ばれています。また眼瞼挙筋にはミュラー筋と呼ばれる小さな筋肉が付随しており、上眼瞼挙筋は随意神経である動眼神経支配でミュラー筋は自律神経である交感神経が支配しています。交感神経が緊張することでミュラー筋が縮んで、まぶたを持ち上げる動作の補助をします。動眼神経麻痺について)

眼瞼下垂になると、それまで以上にミュラー筋を収縮させてしまうために、交感神経が常に興奮してしまうことがあります。そのために動悸がしたり、体を支える起立筋が過緊張するため首筋や肩の筋肉が凝ります。
また不安感疲労感を感じやすくなるなど眼瞼下垂になると自律神経失調症状が現れることもあります。

 

眼瞼下垂の鍼灸治療

 

 

眼瞼下垂が自律神経を乱す原因に

前述した通り、まぶたを上げる働きを補助するミュラー筋は交感神経の活動で動いています。年を重ねるとどうしても筋力が低下しますが目の筋肉も例外ではありません。加齢による筋力低下はミュラー筋を過度に緊張させる原因になり、交感神経の過緊張状態を作り出してしまうのです。

すると、高齢者の抑うつ感・不眠・肩こりなどの不定愁訴に繋がります。また、まぶたを上げる筋肉が低下することでおでこにある前頭筋やあごをあげることでそれをカバーしようとするため前頭筋や頸部の筋は物を見るために常に緊張状態となってしまいます。

すると、筋緊張性の頭痛や首の痛みに繋がってしまい、その痛みがさらに自律神経を乱して悪循環に陥ってしまう危険性もあります。その悪循環に陥ってしまうと、治療を開始して治っていく過程も長くなっていってしまいます。早期に治療を開始することが重要なのです。

☑最近まぶたの重みを感じる
☑昔の写真などと見比べても鏡に映った自分の瞼が下がっているように感じる
☑最近、常にまぶたが落ちて眠たそうと言われる
☑おでこに常にしわが寄っていて老けたと言われるようになってしまった。
☑夕方ごろとなると視界が狭くなり、物が見えづらくなった。

 

 

⑤眼瞼下垂についての種類

 

眼瞼下垂生まれた時から筋肉や神経に何らかの障害を伴った先天性眼瞼下垂と筋肉や皮膚の弛緩によって生じる後天性眼瞼下垂と偽眼瞼下垂に分けることができます。

 

ⅰ)先天性眼瞼下垂

生後一年以内に上眼瞼が垂れ下がった状態が先天性眼瞼下垂です。眼瞼挙筋の形成不全などで起こります。
片眼性のことが多く、遺伝的な問題も指摘されています。眼瞼下垂の約8割は先天性眼瞼下垂で眼瞼挙筋の局部の筋原性発生障害に起因します。先天性眼瞼下垂に合併する斜視は約15%程度と高頻度に発生します。
先天性眼瞼下垂の場合は完全な視野障害を生じることは少ないですが、数日から数週にわたる視野障害がある場合は弱視に至ることがあります。

 

 

ⅱ)後天性眼瞼下垂

後天性眼瞼下垂は筋力がないということでなくて加齢による筋力の低下皮膚の弛緩などでおこります。最近では目を酷使するパソコンの長時間使用などの行為やアトピーなどのアレルギー疾患によってまぶたを擦ったり、過剰なメイクにより目を擦る行為によって著しく皮膚が弛緩してしまいます。
そうすることにより瞼板と挙筋腱膜とがはずれてしまうことによって開瞼状態が悪くなります。しかし体には視野が妨げられると自然に眉を持ち上げたり、顎軽く上げたりしてそれを補おうとする作用が働くため判断が難しくなります。
片側の眼瞼下垂の場合は比較的簡単に判断できますが、両側性の場合で形成的な異常が伴わない場合は判断が困難な場合もあります。

また頭部外傷などで腫瘍ができて動眼神経麻痺が起こることで眼瞼下垂が起こることもあります。

今眼瞼下垂で悩まれている方に多い原因としてコンタクトレンズの着用が挙げられます。コンタクトレンズ特にハードレンズを長時間使っている方に多いのですが、ハードレンズを使っていると眼瞼が上に上がっているとレンズの位置もずれてきてしまいます。またレンズが外れそうになるのを防ぐために眼瞼は下がり気味に自然となってくるのです。さらに、コンタクトレンズの度重なる刺激がまぶたの裏側に炎症を起こしてしまう危険性もあります。この炎症が上眼瞼挙筋に波及してしまうと上眼瞼挙筋は正常に機能するのは難しくなってしまい、眼瞼下垂となってしまうのです。
その他、毎日のコンタクトレンズの着用・取り外し動作によっても眼瞼下垂になってしまうとも言われています。コンタクトレンズの着用・取り外しの際にどうしてもまぶたを上に引っ張り上げます。その動作により上眼瞼挙筋の炎症や微細な断裂が起きる危険性があるのです。
ハードレンズばかりでなく、ソフトレンズの場合でも着用・取り外し動作により眼瞼下垂となってしまったり、目に合わないコンタクトレンズを着用していると瞼裏や上眼瞼挙筋に炎症が起きる危険性もあるので注意が必要です。眼瞼下垂が気になり始めたら眼科医と相談の上、コンタクトレンズの着用を控えた方がいいかと思います。

 

 

ⅲ)偽眼瞼下垂

顔面神経麻痺などによって前頭筋が麻痺すると眉毛が下がって上眼瞼が下垂してみえることがあります。また高齢者の眼瞼はしばしば皮膚弛緩および筋肉や結合組織の脆弱化のために特に弛んだ上眼瞼が重力で垂れ下がるため視野障害、眼瞼下垂、や眼瞼炎を引き起こしやすくなります。

 

眼瞼下垂を悪化させないために

眼瞼下垂が進行して悪化した状態となってしまいますと回復するのに時間がかかったりまたは手術でしか改善しなくなってしまうこともあります。

瞼の垂れ下がりを感じ始めたらすぐにまぶたに刺激を与えない・目を酷使しないなどの生活習慣の見直しが重要です。

 

まぶたへの強い刺激は避ける

眼瞼下垂の原因で最も多いのが、日常的にまぶたに強い刺激を与えてしまってまぶたを上げるのを支える腱膜が伸びてしまうタイプです。
花粉症などで目がかゆい場合に目を強くこすらない、コンタクトレンズを装着する場合強く引っ張らないなどが特に重要です。
その他、女性ではアイメイクを落とす際に強く拭かない・つけまつげを付ける際にも強く引っ張らないなど化粧時には十分に注意する必要があります。

 

目を酷使しない

パソコンやスマートフォンなどの画面を長時間集中的に診る行為は目の筋肉にとても負担となります。まぶたを上げる筋肉にもそれは例外ではなく、疲労がどんどんと蓄積されていってしまいます。
こまめに目を休める休憩を取って目を数分閉じたり遠くのものにピントを合わせるようにしましょう。

 

十分な睡眠

まぶたを上げる筋肉であるミュラー筋は、自律神経支配の筋肉であり、特に睡眠時間が少ない場合機能不全を起こします。すると上眼瞼挙筋に大きな負担となり、眼瞼下垂を加速させます。

お問い合わせはこちらから
ここをタッチするとすぐにお電話が出来ます
メールでのお問い合わせはこちらから