医学では目のかゆみは「脾」「胃」の弱りから体内の水分のバランス異常(水滞、水毒)が関与している他、五臓六腑の「肝」や「肝」の働きを補う「腎」の弱りと考えられています。
目のかゆみに対する当院での鍼灸治療
自律神経測定器にて自律神経のバランスを計測し、お身体の状態を把握した上で治療へ移ります。
目の周囲のツボに鍼やお灸で刺激を与えることで血液循環を促進し、結膜の炎症物質の代謝を促すとともに、自律神経のバランスを整えるツボや内臓機能調整のツボを用い免疫機能を整えることで、症状の緩和を図ります。
また、目の不調がある方には首や肩の筋が緊張されている場合が多く、顔面部の血行を促進する意味でも首肩の施術も合わせて行います。
また、東洋医学的観点から「脾、胃、肺、肝、腎」の機能調整をバランスよく行うことによって目のかゆみに対してアプローチを行っていきます。
目のかゆみは主にまぶたや結膜(白目)についた異物の刺激や、異物に対するアレルギー反応、まぶたや結膜の炎症反応として起こります。
結膜炎の原因としてはアレルギー性、非アレルギー性のものがあります。
・アレルギー性結膜炎
外部からのアレルゲン(アレルギーを引き起こす物質)により炎症が起こる症状です。
①季節性アレルギー性結膜炎
一年の特定の時期だけにある決まった植物の花粉が原因となって発症します。日本では2月~5月に多く飛散するスギやヒノキの花粉が主な原因です。
アレルギー性結膜炎の患者は推計約2000万人いるとされ、その約85%は花粉が原因といわれています。アレルギー性結膜炎の場合目のかゆみの他に充血、目やに、涙、異物感、まぶたの腫れなどの症状が起こります。
・アトピー性結膜炎・春季カタル
アトピー性皮膚炎を伴うアレルギー性の結膜炎をアトピー性結膜炎と呼びます。アレルギー性結膜炎と同様の症状が出る上にまぶたの皮膚が厚くなったり感染を起こしたりするので、まばたきや涙の角膜保護作用が低下し、点状表層角膜症や角膜びらんなどといった角膜上皮障害を伴う場合があります。
また、季節の変わり目、特に春から夏にかけて起こる重度のアトピー性結膜炎を「春季カタル」と呼びますが、「春季カタル」の患者の実に70%以上がアトピー性皮膚炎が見られるといわれています。
病名にある「カタル」とは粘膜に炎症が起きて多量の粘液を分泌する状態です。春季カタルは結膜に炎症が起こり、かゆみの他白っぽい糸を引くような目やにが出たり、まぶたの裏側の結膜に隆起(石垣状乳頭)が出来てゴロゴロしたり、涙があふれる、点状表層角膜症、角膜びらん、角膜の混濁、血管侵入などの重い角膜症状を合併して視力にも影響を及ぼします。
②通年性アレルギー性結膜炎
一年中存在するアレルゲンが原因となり炎症を起こす病気です。ハウスダスト、ダニなどが主な要因となって発症します。コンタクトレンズの汚れ、ペットの毛、フケ、カビなども原因となることがあります。自覚症状として目のかゆみが特徴です。症状が軽い場合他の症状が無いことも多いのですが、炎症がひどくなると結膜や白目の充血、涙、目やにが出るなどの症状起こってきます。
※アレルギー性結膜炎で目のかゆみが起こる仕組み
開いている眼は飛んできたアレルゲンが入り込みやすく、またアレルギー反応を引き起こす免疫細胞がたくさんあるのでアレルギー症状が起こりやすい部位です。
同じく外部から病原体が入り込みやすい口や鼻などは粘膜で覆われており、同じく目も異物から守るために「結膜」という粘膜で覆われていますが、この粘膜には異物から体を守るために作り出される「抗体」を作ることができる細胞が多く存在しており、この「抗体」によって異物を的確に、かつ効率よく排除できる免疫システムによって私たちの身体は守られているのです。
アレルギーはこの免疫システムが過剰に働いてしまった結果起こる症状です。通常であれば害のないはずの花粉やハウスダストに身体が反応してしまい、これらの物質を排除するために抗体を作ってしまうのです。作られた抗体が血液や粘膜内にある「肥満細胞」の表面にくっつくとかゆみを引き起こす「ヒスタミン」という物質が分泌されます。この「ヒスタミン」が知覚細胞を刺激して脳に「かゆい」という情報を伝えるためかゆみが起こります。
・感染性結膜炎
感染性結膜炎は「細菌性結膜炎」、「ウイルス性結膜炎」に分けられますが、特にアデノウイルスが原因となるウイルス性結膜炎は「はやり目」とも呼ばれ、非常に感染力が強く注意が必要です。症状として目がゴロゴロする、涙が出る、充血、目やにが出るなどが挙げられます。
③その他目のかゆみを生じる原因
ものもらい(麦粒腫)
まぶたの縁に黄色ブドウ球菌が感染することで起こり、痛みやかゆみを伴う病気です。
ドライアイ
長時間のパソコンでの作業などが原因で引き起こされるドライアイは涙の量が減って目が乾燥するだけでなく、痛みやかゆみを感じることがあります。また、ドライアイとアレルギー性結膜炎を同時に患う方も少なくありません。
アレルギー性結膜炎
抗アレルギー点眼薬、症状がひどい場合はステロイドの点眼薬の処方が一般的です。アトピー性結膜炎、春季カタルも同様ですが、目の表面の治療と共にまぶたの皮膚炎の治療も合わせて行います。症状が重い場合、ステロイド懸濁液を結膜下に注射したり、免疫抑制剤の併用や乳頭外科的切除、角膜掻爬を行うこともあります。
感染性結膜炎
細菌性結膜炎の場合は病原菌に対して有効とされる抗生物質、抗菌剤の点眼薬の処方により症状が改善しますが、ウイルス性結膜炎の場合、現在特効薬はありませんが、炎症を抑えるための非ステロイド性抗炎症点眼薬などが使用されます。感染したウイルスに免疫ができて自然に治るのを待つしかないのです。ウイルス性結膜炎では感染してから抗体ができ、ウイルスを排除するまで時間がかかるので治癒までは2~3週間程度といわれています。
ものもらい(麦粒腫)
抗生物質(点眼薬、内服薬、塗り薬)などによる保存療法が一般的ですが、保存療法で治らない場合、切開排膿により膿を排泄することもあります。
ドライアイ
症状が軽い場合は点眼薬の処方が一般的ですが、点眼薬では改善されない場合、涙点プラグという涙の出口の腺に栓をすることで涙の排出を抑制して目の表面の涙の量を増やすことで症状を改善させる方法が選択される場合があります。
もともと花粉症で春先になると鼻水や目の痒みがつらかったが、今年はさらに状態がつよくでてしまい、特に目の痒みが辛くて充血もしていた。
朝目覚めると目やにが出ていて上まぶたと下まぶたがくっついてしまうような状態でした。
目薬をするとある程度治まりますが、緑内障も患っておりあまり強いステロイドの目薬をすると眼圧が上がってしまうということを医師に言われたためあまり点眼をしたくないということで当院にご来院されました。
施術
花粉症などのひどいアレルギー反応は体に免疫異常が起こっている可能性も考えられますので体の免疫機能を主っている自律神経の状態も整えていく必要があります。
初診時に自律神経測定器で自律神経の状態を測定して自律神経のバランスを整える施術も行っていきました。
そのほか主に目や鼻周りのツボを用いて目の痒みや鼻水に対してアプローチを行っていきました。
施術後は鼻の通りが良くなりましたが一回の治療ではまだ目の症状に変化が見られなかったため一週間ごとに3回ほど施術を行い、徐々に効果が表れ始めて目の充血がなくなってきました。
目の痒みもひどいころに比べると半減して朝の目やにもなくなり、だいぶ日常生活も楽に過ごせるようになりました。
症例2
40代 男性
学生の頃からの花粉症で眼のかゆみが花粉の時期になると酷くなっていたが、ここ2週間前から花粉の時期ではないのに眼がかゆくなってきた。
市販の目薬で誤魔化しながら仕事をしていたが、どんどん症状が辛くなり病院に行ったが、異常なしとのことで特に何もしてくれなかった。
仕事での書類やパソコン作業に支障をきたしはじめてきたので、なるべく早く治したい。
当院の治療
症状のお話をうかがうと、どうやら花粉以外にデスクワークからくるドライアイが原因で眼に負荷がかかっているようでした。
そのため、目の周りの血流改善と筋緊張の緩和を花粉症の体質改善治療とともに行いました。
鍼は学生時代にスポーツをしていて、その時に通っていたことがあり電気の鍼も経験があるとのことでした。
ですが、何十年も前のことなので、最初はソフトな治療からはじめ、様子を見て刺激量を増やしていきます。
治療経過
◇1~3回目◇
特に変化は見られなかったが、治療後は身体が軽くなる感覚はある。
◇4回目◇
気が付いたら眼のかゆみが少し落ち着いてきた。
目薬を使う回数が減った。
◇5~10回目◇
治療回数が増えるごとに、眼のかゆみが減ってかなり仕事の資料の文字が見えやすくなった。
◇11~13回目◇
日によっては辛い時もあるが、日常生活に支障がなくなった。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
当院の高眼圧症に対する施術は、第一に目の周辺のツボにハリやお灸の刺激をすることのより目の血行状態をよくします。高眼圧症は目の周りの筋疲労や血液の循環障害ということも言われていますので、目の周りを刺激することでそれらの改善を図ります。
またさらに刺激が必要の場合は、鍼通電療法も用います。
高眼圧症は五臓六腑の肝と腎が深く関係していると考えられていますので、肝や腎の特に重要なツボも用いてハリやお灸の刺激をしていきます。
眼圧は、寒い冬や午前中に高くなることから交感神経の活発なときに眼圧も高くなることが考えられています。当院では、自律神経測定器を用いて自律神経の状態を把握することで自律神経調整療法を施します。
鍼灸の効果として交感神経の活動を抑制して副交感神経を活発にすることが挙げられます。交感神経の活動を抑制することで眼圧を下げる効果が期待できます。
東洋医学では五臓六腑の『肝は目に開竅する』といわれており、目の疾患は肝機能の障害が深く影響していると考えられています。肝血が不足してしまうと視覚の異常や運動系の異常などがみられます。また、東洋医学の肝は、腎との関係が深く、『肝腎同源』といって相互に依存している関係です。
よって腎が弱ってきても肝に影響を与えて目の症状として出ることがあります。腎の精気は歳を重ねるごとに減少傾向にあり、歳と共に腎の機能は低下しやすいです。それに伴って目にも様々な症状を呈します。
症例 1
40代女性
パソコンのお仕事や家事などで多忙な日々を過ごしており、目のかすみや視力の低下が少し気になるということで眼科を受診したところ眼圧が31mmHgとなっており、緑内障の予備軍である高眼圧症と診断された。視野が欠けることや実際の数値の視力低下は見られなかった。
眼科では、眼圧を下げる薬を処方されて点眼しているが、それだけでは効果があまり見られなかったため鍼灸治療も併用して受けていきたいということで当院を受診されました。
当院の治療
この方は、お仕事や仕事も忙しく、運動習慣もなく睡眠不足や寝つきの悪さなども続いていたため、自律神経測定器で自律神経の状態も測定しました。結果、交感神経が高い状態で副交感神経は低く、体の緊張状態が抜け切れていない状態でした。
まず自律神経調整療法で自律神経の状態を整えて首や肩の凝りもつらい状況でしたので、それらの調子を整えてから目の周りの施術を施しました。
◇1回目◇
治療後目の痛みや目のかすみが軽減されたように感じた。
◇2回目◇
一回目の治療後体が少し重だるく感じたが、次の日には軽快。前日パソコン作業を長くしていたため、首肩のハリがつよい。
◇3~6回目◇
鍼の刺激にも慣れてきたため、刺激量を増やして治療効果を高めていきました。
◇7回目◇
眼科で眼圧を測定したところ、23mmHgにまで下がっていた。
◇8~9回目◇
からだの調子が良くなり、寝つきもよい。
◇10回目◇
眼科で眼圧を測定したところ、18mmHgにまで下がった。
症例 2
10代 女性
1年前、眼科の検査の結果、眼圧が左右ともに30mmHg後半と判明。後頭部の痛みや目の疲れに悩まされている。眼科では、眼圧と頭痛は関係がないと診断された。
眼圧を下げる目薬を3ヶ月用いて、眼圧は20mmHgにまで下がった。目薬以外での眼圧を下げる方法を探し、当院へご来院された。
施術
全身の筋緊張緩和や血流改善のため、自律神経調整施術を行いました。
後頚部には目の筋肉と連動して動く筋肉もあり、目の疲れや長時間の勉強などで首や肩に負担がかかり、後頭部の痛みにつながっていると考えられる。
触診したところ、首肩の筋緊張がみられたため、筋緊張緩和のため首肩周りの筋肉にはしっかりと刺激をいれていきました。
そして、目周りの筋緊張緩和や血流改善を目的に、目周りのツボに鍼やお灸を行っていきました。
来院頻度は1週間に1回。
一回目
施術後は目が軽くなった。
二回目〜六回目
眼精疲労がとれてきた。目が開きやすくなった。
七回目
眼圧が18mmHgに下がった。
八回目
眼圧が15mmHgまで下がった。点眼薬も1種類減った。
九~二八回目
頭痛はたまにあるが、以前よりは気にならない。
二九~三二回目
点眼薬の使用は終えた。
眼圧は16〜18mmHgの状態を維持できている。
頭痛はほとんど起こることがなくなった。
目の疲れは以前よりずいぶん楽になったが、長時間勉強していると感じるときがある。
正常眼圧を維持するため、来院頻度を下げ、ご来院中。
高眼圧症とは、房水の作り出す機能と排出する機能に障害があり、慢性的に眼圧が高い状態をいいます。
眼圧とは、眼球内を満たしている房水という眼球内液の圧力を示します。この房水の生産や排出に異常をきたすと眼圧が高くなってしまいます。この眼圧が正常範囲を超えて30mmHg以上になってしまうと、視神経が圧迫されて萎縮することで、視野欠損などに繋がります。
そういった症状が出た場合は、高眼圧の緑内障と診断されますが、人によっては症状が出ない場合もあります。その場合は、高眼圧症とされるのです。言わば、緑内障の予備軍です。
高眼圧症の症状としましては、
などが挙げられます。
眼圧は、日時によっても変化してそれにより症状が出ます。
眼圧を高くなる原因は
などが挙げられます。
また、眼圧が視神経に与える影響にも個人差があり、眼圧が高くても視神経に影響が出にくい方もいれば、正常の眼圧の範囲でも視神経に影響が出る方もいます。日本人の中で緑内障が一番多いのは正常眼圧緑内障でもあります。
生まれつき視神経が弱い方、老化や目の使いすぎによる目の疲労が原因で正常の眼圧範囲内でも緑内障の症状が出ると言われています。
また眼圧が高くなる原因として、血液循環が関与しているとも言われています。
生活習慣を見直していくことで眼圧の上昇をある程度抑えることが可能だと言われています。
基本的には血液や体液の巡りをよくすることが挙げられます。実際に眼圧に関係している眼の硝子体には血管はありませんが、その周りには細い血管が張り巡らされており、目の周りの血液や体液の巡りが悪い状態となっていますと、眼球内の防水の流れも悪くなってしまうために眼圧が上昇しやすい状態になってしまうのです。
また、目の周囲の血流が悪い状態が続いてしまいますと、眼圧が上がりやすくなるばかりでなく、視神経にうまく栄養が行き渡らない状態となってしまうために視神経にも悪影響を及ぼしかねません。
その他、低血圧の方は眼圧の変動が大きくなってしまい緑内障へと進行するリスクが高くなることがわかってします。高血圧の方も動脈硬化によって血管がもろい状態となり眼の毛細血管に悪影響がでます。
普段から運動習慣や血圧や血糖値を意識した食生活を行うことである程度は眼圧の上昇を抑えられるのです。
睡眠では、寝る姿勢が眼圧上昇にとっては重要です。
目の位置が身体に対して低くなればなるほど重力の関係で眼のほうへ体液が溜まりやすく眼圧が高くなりがちです。
ある研究では、座った状態で眼圧を計測するのと横向きで眼圧を計測した状態とでは、眼圧が3~4mmHgも変化するという報告もあります。
特にうつ伏せで寝る方は注意が必要です。眼圧を測定した時点では正常の範囲内であっても夜間にうつ伏せで寝ていることで眼圧が上昇してしまう時間が長くなり視神経を圧迫して緑内障に進行してしまう危険性があります。
眼圧上昇を抑えるために一番いい寝る姿勢は仰向け姿勢と言われています。
アメリカの研究ではさらに頭を30度ほど上げて寝るとと眼圧が下がったという研究結果が報告されています。
その他、腰から上半身にかけてなだらかに上げていくようなくさび枕を用いると韓国の研究では枕無し睡眠に比べて眼圧が3mmHg低下したという研究結果も出ています。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好医院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
当院の腸脛靭帯炎の治療はまず第一に炎症部位を特定してその部分に鍼やお灸を施すことによって炎症を早く抑える治療を施します。
また、痛みが強く出ている場合は鍼に電極をつないで電気を流す鍼通電療法を行う場合もあります。鍼通電療法は炎症を抑えてなおかつ痛みを抑制するのに効果的です。
また、腸脛靭帯炎は大腿筋膜張筋と大殿筋の柔軟性も重要です。腸脛靭帯炎で悩まされている方の多くは、この大腿筋膜張筋と大殿筋にコリや過緊張状態が見られます。その部分に鍼やお灸、マッサージやストレッチ療法を用いていることで弛緩させます。
2つの筋肉の緊張度が高いと腸脛靭帯炎の治りは遅くなってしまうのです。その他もも前の筋肉である大腿四頭筋が張っている場合でも膝蓋骨の可動性が悪く、膝に負担がかかってしまってそれと連動して大腿筋膜張筋が過緊張状態を引き起こしてしまっているケースもあります。
そういった場合は、大腿四頭筋の筋緊張も取り除いていく必要があります。
腸脛靭帯炎で痛みが慢性化していて痛みを我慢してランニングをしている方も多く見受けられます。その場合は、痛みをかばいながら走るためふくらはぎ・アキレス腱や前脛骨筋などの下腿全面の筋肉に負担がいってしまいその部分の筋緊張が強く出ている場合もあります。症状が出ている逆の足にも負担が行っている場合もあり、総合的バランスを見て治療していく必要があります。
腸脛靭帯炎は、一回の治療ですぐに治る場合もありますが、多くは慢性化していて慢性化している場合はそれだけ施術期間はかかってしまいます。
膝の痛みや桃の外側に違和感を感じたらすぐに専門機関で診てもらい治療を開始する必要があります。
腸脛靭帯とは太ももの外側にある靱帯です。腸脛靭帯は大腿筋膜張筋の延長線上にある靱帯であり、大腿筋膜張筋は腰骨から始まり腸脛靭帯に付着します。最終的には足のすね部分の大きな骨である脛骨に腸脛靭帯は付着します。
大腿筋膜張筋の働きとして股関節を体感に向けて曲げる・外側に開く・足先を外側に向けるなどの動作があります。 よって大腿筋膜張筋は歩行やランニングの際によく使われる筋肉であり、歩きすぎや走りすぎなどのオーバーユースによって痛めることの多い組織です。走りを伴う競技を行っている人の約20人に1人は腸脛靭帯炎で悩まされているともいいます。
また、大腿筋膜張筋はお尻の筋肉である大殿筋とも連動しており、大殿筋の筋収縮が起こると一緒に引っ張られます。大殿筋も股関節の動き、ももを背中側に伸ばす・足先を内側に向ける作用があるために歩行時や走る時によく使われる筋肉です。お尻の筋肉は主に大殿筋・中殿筋・小殿筋とがあり、その名の通り大殿筋が一番大きな筋肉で表層にあります。
腸脛靭帯炎の痛みが出る箇所は、膝外側によく現れます。腸脛靭帯はももの骨の大腿骨の外側に位置しており、膝の曲げ伸ばしにより大腿骨の前方や後方に移動します。その際に大腿骨外側の部分に擦れて摩擦が生じてしまい、それが腸脛靭帯炎の痛みにつながってしまうのです。
腸脛靭帯炎の症状 前述したとおり腸脛靭帯炎の一番痛みが出る部分は膝上の外側部分です。その他にもまれに股関節付近にも痛みが出る場合があります。
・歩行時や走っている際にだんだんと膝の上外側が痛くなってくる
・連動して股関節も痛くなってくる。 ・階段の上り下りで膝の痛みを感じる
・膝の曲げ伸ばしでも痛みを感じる
このような場合、腸脛靭帯炎の可能性があります。しかし、腸脛靭帯炎はレントゲンでは診断できず、MRIを使ってもわからない場合もあります。
腸脛靭帯炎の痛みの症状の初めは、走り出して少し膝の違和感を感じる程度が多いです。そして、だんだんと痛くなってきて走ることがままならくなってきます。痛みをこらえてランニングなどを続けていると炎症がどんどんとまして痛みが強くなってくる場合も多く、症状が進行すると日常生活の歩行などで支障が出てくる場合もあるので注意が必要です。
腸脛靭帯炎の原因は、主に歩行のし過ぎや走りすぎなどのオーバーユース、運動前のストレッチ不足です。運動前にしっかり大腿筋膜張筋を伸ばしておかないと筋肉の柔軟性が損なわれてしまい、大腿骨外側との摩擦が生じやすくなってしまうのです。このことから長距離ランナーなどの陸上部の学生などが腸脛靭帯炎で悩まされている場合が多いです。
その他にも近年の健康ブームにより初心者ランナーにも最近多くみられる症状のうちの一つです。走る筋力がまだあまりついておらず、靱帯への負担が大きくなっているパターンです。
その他、O脚の人や靴底の外側がよく擦り減ってしまうという方も腸脛靭帯炎になりやすいといわれています。それは、O脚や足が内反していることで大腿部分から下腿部分にかけて外側の筋肉や靱帯が外側に引っ張られやすいためです。そのため、大腿骨外側との摩擦が生じやすくなってしまうのです。
またO脚の方の多くは、変形性膝関節症も患っている場合があります。変形性膝関節症は、よく膝の内側の軟骨が擦り減ってしまい関節のクッションの役割が十分に果たせないために膝を動かすときの痛みとなったり、炎症が起きて膝に漿液が溜まってしまうのです。
腸脛靭帯炎の一般的治療 腸脛靭帯炎の一般的治療は、オーバーユースが原因で発症していた場合、練習を中止して絶対安静が基本です。運動後痛みが出た場合は炎症を早く消失させるために氷水で冷やします。医療機関で行われる処置は、消炎鎮痛薬のシップや内服薬が処方されたり、電気療法や温熱療法などが行われます。ごく稀ではありますが、ステロイド注射や手術が行われる場合もあるようです。
また、大腿筋膜張筋・腸脛靭帯の部分をストレッチで柔軟性を保つのも腸脛靭帯炎を予防・回復させるためには重要です。特に運動前と後に入念に大腿筋膜張筋と腸脛靭帯を伸ばすことは予防のの観点で大切です。
その他よく見られるスポーツ疾患
症例
20代 男性
大学で陸上の長距離をやっていて、2週間前から膝から太ももの外側にかけて鈍痛が気になり始めた。病院で診察を受けたところ骨に異常はなく、腸脛靭帯炎と診断された。
最初は練習後に痛みが出現する程度だったが、徐々に痛みが強くなり、今は安静時でも痛みが続くようになってきた。階段の上り下りや、立ち上がり動作、しゃがむ動作で痛みが生じる。
特に痛いのは膝の外側で、圧痛や熱を感じる。
少しでも早く競技に復帰したいと思い、当院を受診した。
当院の施術
患部の状態を確認し、炎症の度合いに適した施術を行いました。
患部には施灸、患部周辺には刺鍼を行い抗炎症を促します。
また、腸脛靭帯やそれに繋がる大腿筋膜張筋、大殿筋にも刺鍼し、そこに電極をつないで電気を流す低周波鍼通電を行い筋緊張を緩めていきました。
通院間隔は週に1~2回ペース。
経過
1回目~2回目
まだ変化はない。
3回目~4回目
以前より鈍痛が軽減してきた。
熱感も引いてきたのが分かる。
5回目
安静時には痛みは気にならない。
階段を上ったり、立ち上がりに痛む。
6回目
階段の上り下りやしゃがみ立ち上がり、歩行といった日常生活ではあまり気にならなくなってきた。
7回目
日常生活では痛みはない。
軽く走ってみたらまだ少し鈍痛が出るが、確実に良くなっている。
走りたい気持ちを抑えてまだ練習は中止している。
8回目~9回目
400mだけゆっくり走ってみたら、痛くなかった。
徐々に距離を伸ばしていく予定。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
頭痛の鍼灸治療はWHO(世界保健機構)に適応疾患として定義されています。
頭痛で悩まれている方は日々増加傾向にあります。ストレス社会といわれる現代社会では、ストレスによって頭痛に悩まされている方が多いです。
当院の緊張性頭痛に対する施術は、第一に頸肩部周辺の経穴に鍼をさして刺激することにより頸肩部周辺の筋肉の血行状態をよくします。
頸肩部周囲の筋肉への治療ツボとして僧帽筋や頭半棘筋部の「天柱」「風池」、胸鎖乳突筋や頭板状筋の停止部の「完骨」、肩甲上部では僧帽筋上部線維上の「肩井」、肩甲間部では各筋が交差する「膏肓」などの経穴を主に使用します。
また緊張性頭痛は東洋医学的に診ると「腎」「肝」「脾」の不調により気血水がうまく身体に回らないことが原因で発症すると考えられているので、上肢や下肢にあるツボを用いて鍼灸治療を施すことで「腎」の機能を活性化させたり、「肝」の機能低下・過亢進を抑えます。
東洋医学では局所的に診るのではなく、全体的に診ることが特徴のひとつであり、全身治療を行うことにより自然治癒力を高めます。
過度な身体的・精神的ストレスは、自律神経を乱して交感神経が優位に働くことで緊張性頭痛の原因となります。そこで当院では自律神経測定器を使い、自律神経の状態を把握した上で施術することで他にはない施術効果が期待できます。
また東洋医学の特徴である全身を診て治療することにより全身をリラックス状態へと導き、交感神経の過亢進を抑制して過度なストレスを和らげます。それは、緊張性頭痛の治療になるばかりではなく、身体全体の調子が上がっていくことが期待できます。実際に当院でも頭痛の治療で「目が疲れなくなった」「便秘が解消した」「ゆっくりと体が休められ、熟睡できた」などといった声が数多く聞かれます。
当院の緊張性頭痛に対する施術目的は、緊張性頭痛の回復程度を高め、回復を速めることです。また西洋医学とは違う東洋医学の観点により少しでも緊張性頭痛が回復できる機会を提供することです。それにより、患者さんの仕事の質の向上や生活の質の向上が期待できます。
緊張性頭痛は、痛くてもなんとか仕事をすることができる程ですので、症状が起きても放っておく方が多いのが現状です。しかし、放っておいた時間が長いと症状がなかなか取れません。
痛みが慢性化する場合も多くあるので、早めの治療をお勧めします。
頭痛における鍼灸治療の効果についての研究は国内外で行われています。その中で全日本鍼灸学会の報告で
『頭痛に対する鍼灸治療の効果と現状』
鍼灸治療が緊張性頭痛や片頭痛の鎮痛効果や痛み発作を抑制する可能性があると示唆しれています。
また、ある研究では、緊張性頭痛の発症機序や鍼治療の作用機序について、サーモグラフィーを用いて行ったものがあります。
その研究では、頭痛の発症機序は頭周りの筋肉よりも首の後ろの筋肉や、肩甲骨の上または肩甲骨の間の筋肉が過緊張状態が引き起こしている可能性が高いことが示唆され、鍼治療ではこのような筋肉にアプローチすることで筋緊張の緩和や循環を正常に戻すことが結果として出ています。
また、鍼治療では脳の核や中心灰白質に影響を及ぼすことも示唆されています。
埼玉医大東洋医学科の臨床研究では、神経内科等から薬物療法では効果が期待できない難治性の筋緊張性頭痛患者に対して鍼治療を行ったところ鍼治療の有効率は、82.3%だったという高い有効率が出ています。その臨床研究では、鍼治療を行うことで頭痛の改善や首肩部のコリの改善、施術後の患者さんの満足度も上がるという事が示唆されています。
※参考文献
『鍼灸臨床 最新科学』 医歯薬出版株式会社
緊張性頭痛は、東洋医学では「太陽経頭痛」といわれ、後頭部辺りの痛みや肩甲骨周辺の筋肉の痛みを伴います。また、頭痛の症状ばかりでなくイライラ感・不眠・精神不安・目の疲れ・耳鳴りなども併発します。
東洋医学では、痛みは常に「不通即痛」あるいは「不栄即痛」によって起こると考えられています。つまり、痛みはどこであろうと「気血水が何らかの影響で滞ると痛みが生じ、さらに進行すると栄養不足となりさらに痛みが加速する」ということです。
頭痛の場合もその過程が当てはまり、頭部を通る経絡の不通と頭部への栄養不足が原因と考えられます。
では、何によって気血水が滞らせるというと大きく二つの原因が挙げられます。
まず一つは気温・天候や飲食物などの体外環境によるものです。気温が低い・湿度が高い・冷たい飲食物の過多摂取による頭痛がこれにあてはまります。
二つ目は、東洋医学でいう「肝」「腎」「脾」の病変により気血津が体にうまく回らず、頭部の経絡の流れが障害されて起こる頭痛です。この3つの臓器は、気血水を循環させるのにとても重要な役割があり、緊張性頭痛の場合は「肝」が大きく影響します。
ストレス過多といわれる現代では、日常生活の中でストレスを感じる機会が増えており激しい怒りや不安などを感じる場面が増えています。そういったストレスは特に「肝」に悪影響を及ぼします。
「肝」の疏泄を主るという機能が低下すると体全体の気血水の流れが悪くなり、肩や頸部周囲の気血水の流れも悪くります。すると筋肉への血行が悪化し、筋肉が十分に栄養されません。そのため頸肩部の筋肉にこりや痛みが生じて、脳への血流が低下します。脳へ行く血管は必ず頸肩部を通過するため、頸肩部のこりや痛みによる血管収縮は、頭部への気血水の滞りや栄養不足に繋がり、緊張性頭痛を引き起こします。
症例1
40代 女性
30代後半ごろから慢性的な頭痛に悩まされてきた。仕事はデスクワークで首肩コリの症状が強く出るのと連動して後頭部から側頭部にかけて締め付けられるような頭痛やズキズキと痛む頭痛などが出てその都度市販されている頭痛薬で抑えていた。
しかし、最近頭痛が起こって頭痛薬を服用してもあまり効果が出ずに症状がひどいと吐き気も催すようになってしまった。
病院で検査したところ特に異常は見られずに痛み止めを処方されて服用したが、少し痛みは軽減するもののすっきりと症状が消えないためにほかの対処法はないかと探していたところ知人の紹介で当院にご来院されました。
治療
問診時に自律神経測定器を用いて自律神経の状態を測定したところ交感神経の活動が高い状態で自律神経の乱れがありました。また、後頭部から耳裏にかけての筋緊張が強くそれが筋緊張性の頭痛となって症状が出ていると考えられたため、それらの筋緊張を取り除くような施術を行っていきました。
まず上向きとなり腹部や手足の経穴を用いて自律神経調整施術と頸部の筋緊張の緩和のため頸部の前部、後頭部の横に刺鍼していき、次にうつ伏せとなり、頸部や肩部、背部の筋緊張緩和のための刺鍼やお灸を行っていきました。
治療経過としまして、一回目の施術後は疲れが体の表面に出てきた感じで次の午前中くらいまで倦怠感が出ていたが夕方程からは体や頭がすっきりして頭痛症状が軽減されたとのことでした。2回目以降も同様の施術を行っていき、4回目の施術後にはほぼ頭痛を感じることがなくなりました。
症例2
30代 女性
頭痛は慢性的で社会人になった20代前半から悩まされているが、ここ最近頭痛の頻度が増えてきたため来院した。
また、今まで悪化に伴い痛み止めの薬を服用してきたが、薬に頼る事を控えたいという思いもある。
普段はデスクワークのため首肩コリや眼精疲労もひどく、疲労が溜まりすぎると頭痛がひどくなる。
こめかみが強く締め付けられる感覚があり、痛くて仕事に集中できないこともある。
触診を行うと側頭部だけではなく、前頭部、頭頂部の方さも強く、広範囲にコリが拡がっていることが分かった。
当院の治療
この頭痛の原因は肩こりによる緊張性頭痛のため、うつ伏せで首肩の筋緊張の緩和を目的とした施術を行いました。
その後は、仰向けの態勢で自律神経調節治療と側頭筋、前頭筋、頭頂筋に直接鍼を刺し、そこに電気を流す低周波鍼療法を行いました。
1回目
治療直後は頭が軽くなったが、また次の日から締めつけるような痛みが出た。
2回目
首肩の方さが軽減。頭の硬さも取れてきた。
3回目
最近よく寝れるようになり、疲れが残りにくくなってきた。
4回目
治療直後、頭痛が消えた。週末になるとまた少し出てくる。
5回目
最近痛みが気にならなくなってきた。
現在、月2回のペースでメンテナンスを行っています。
症例3
40代 男性
数年前から慢性的な頭痛に悩まされていたが、ここ数日で悪化したため来院した。
特に痛くなる患部は側頭部周辺で、首肩コリがひどいと後頭部も痛くなる。
念のため病院にも受診し検査を受けたが、特に問題がなかった。
毎回天気が崩れるとひどくなる。
仕事は営業で、デスクワークと外回りが中心の業務。
仕事柄、精神的ストレスが溜まりやすく、寝ても熟睡できている感覚がなく、朝起床すると体が重だるい。
首肩コリも慢性的で、マッサージを定期的に受けていて、直後は軽くなるがすぐに元に戻る。
当院の施術
精神ストレスが溜まりやすいという事でしたので、まずは自律神経測定器で現在の自律神経の状態を測定していきました。
測定の結果、交感神経が過剰に働いており、リラックスに必要な副交感神経の働きが弱い状態でした。
交感神経は血管や筋肉を収縮させる作用があり、この状態が長く続く事で筋肉の慢性的な硬さの原因になってしまいます。
そのため、まずは自律神経のバランスを整える施術を行いました。
次に頭部や首肩の筋緊張を緩め、頭痛を抑えるために低周波鍼通電法を行っていきました。
経過
1回目
頭痛が軽減した。首肩も軽い。
2回目
痛みが出にくくなっている。
3回目
かなり楽になったが、天気が崩れると痛み出す。
4回目
痛みはほとんど気にならなくなった。
現在もメンテナンスのため通院中。
症例 4
40代 男性
約10年前に群発頭痛を発症した。発作は数年に1度、2ヶ月程続く。頭痛が起こると、激しい痛みや片眼奥の痛みに悩まされている。頭痛による首肩のこりや痛みがあり、症状緩和のため当院にご来院された。
施術
触診したところ、全身的な筋緊張がみられた。特に首肩や頭部の筋緊張が強い。筋緊張緩和のため、首肩頭部に鍼通電を行いました。
また、頭痛発作によるストレスや、不安感による入眠困難など自律神経症状改善のため、自律神経調整施術も行っていきました。
来院頻度は1週間に1回。
一回目
頭痛の最高の痛みを10とすると、8にまで下がった。
二回目
痛みの程度は5にまで下がった。頭痛の頻度も減っている。
三回目
毎日あった頭痛が2日に1回に減り、痛みも軽減。首肩のこりがだいぶとれて楽に感じる。
四回目
頭痛の発作は起きていない。
緊張性頭痛とは、頭痛の7~8割ほどを占めていて日本では成人のおよそ22%がこの疾患に悩まされており、5人に1人が緊張性の頭痛持ちであるといえます。
症状の特徴として鋭い頭の痛みではなく、なんか頭が重たいと感じたり、頭が鉢巻で締め付けられているような何となくダラダラと続く痛みがあります。運動などでの日常生活動作による症状の増悪はなく、頭痛が30分から7日間続く場合や一カ月に15日以上を三カ月以上にわたり続く慢性の場合もあります。
寝込んでしまうような激しい痛みではないので日常生活に支障はきたすことはなく、仕事もなんとか我慢して続けられます。
緊張性頭痛はほぼ男女差がなく、女性にも男性にもみられるが中年以降の方に多いようです。
頭痛は一般的に一次性頭痛と二次性頭痛とに分けられます。一次性頭痛とは、身体にこれといった異常がないのに頭痛を感じる疾患で、二次性疼痛は脳腫瘍やくも膜下出血などの脳や身体に異常があるために起こる頭痛で命の危険にもさらされる危険性のある疾患です。
ⅰ)一次性頭痛
一次性頭痛の中でよく知られている疾患としては、肩首のこりなどが原因で起こる緊張性頭痛や数時間・数日間、ズキンズキンと拍動とともに痛みが続くという片頭痛、転げ回るほどの痛みを感じる群発頭痛などがあります。
いわゆる「頭痛持ち」の方の頭痛で命に差し支えることはありません。
片頭痛はとにかく女性に多い頭痛の一種です。男性の約4倍もの人がこの片頭痛で悩まされているともいわれています。
片頭痛の痛みの特徴として頭部の片側あるいは両側がズキズキと痛むことが挙げられます。まれに緊張性ずつのような後頭部に痛みを伴う事もありますが、おもに側頭部への痛みが片頭痛と言われるものです。痛みが起きる頻度としましては、1か月に数回の方もいれば1年に数回程度しか片頭痛が現れない方もいます。
この片頭痛は緊張性頭痛と違い、日常生活に多大な影響を与えてしまうことも特徴です。痛みのために寝込んでしまい仕事や学校に行けなくなるほどの方もいます。片頭痛は筋緊張性の頭痛とは違い、脳の視床下部が何らかの理由により興奮すると脳内の血管が拡張して血管のまわりにある三叉神経を刺激して痛みを感じることが痛みの原因となります。
よって片頭痛が起きている時に過度な運動や飲酒、入浴は血管を拡張させて痛みを増幅させる危険性もあるので注意してください。その他、光や音などの外界の刺激にも敏感になっている場合もあり、それが引き金となって痛みを増長させることもあります。
群発性頭痛もひどい頭痛に悩まされます。頭痛の中でも群発頭痛はごく少数ですが、発症してしまうとのたうち回る程の痛みが襲い、痛みが顔面部までに及ぶこともあります。痛みにより睡眠の妨げとなり、睡眠障害や自律神経失調症なども併発する危険性もあり、注意が必要です。
ⅱ)二次性頭痛
二次性頭痛は、脳腫瘍やくも膜下出血など脳内に異常があって起こる頭痛や癌や免疫不全・精神疾患など身体が原因で起こる頭痛があります。二次性頭痛は命の危険がある場合があり、発症したら出来るだけ早く脳神経外科や神経内科などにかかる必要があります。
二次性頭痛を疑うのは、
・突然の頭痛
・今までに経験したことのないような頭痛
・50歳以降に初発の頭痛
・癌や免疫不全の疾患を患っている方
・精神症状を患っている方
・発熱・項部硬直などを訴える方
・悪心・嘔吐・意識障害
などがあります。
緊張性頭痛は、後頭部周りの筋肉の緊張によって血管が収縮し、血液の流れが滞ることによって起こると考えられています。筋肉の過緊張は、筋肉内部の血流が悪化し、老廃物である乳酸やピルビン酸が溜まってしまいます。この老廃物が、痛みの神経を刺激して頭全体を締め付けるような頭痛を引き起こすのです。
目の周囲にある眼輪筋や眼瞼挙筋や頸肩部にある僧帽筋などは、頭を覆う前頭筋や後頭筋にも影響を与えるため肩こりや疲れ目は緊張性頭痛の原因にもなります。例えば、悪い姿勢や一定の姿勢を続け、パソコンなどを長時間行い目を酷使すると緊張性頭痛になりやすくなります。
またその他に身体的・精神的ストレスも緊張性頭痛の大きな原因になります。枕の高さが合わない・常に頸肩部が緊張状態にある・頸部の筋肉が弱く頭部をうまく支えられないなどといった身体的ストレスや不安感の強い人・うつ状態の人などによる精神的ストレスが原因となる場合が多くあります。精神的・社会的ストレスは、大脳辺縁系に作用して痛みを感じやすくさせ、頭痛が誘発させるといわれています。
過度なストレスは、自律神経系を乱して主に交感神経が優位になることにより、血管の収縮が起こってしまい老廃物を溜めこみやすくします。また筋肉に栄養を送れなくなり、痛みがさらに強くなる場合があります。その痛みを身体がストレスと感じてしまい、また痛みを誘発するといった「痛みの悪循環」となってしまうのです。
女性に多い頭痛の一つとして挙げられるのがダイエットなどによる過度な食事制限です。過度な食事制限は低血糖状態となってしまうため頭痛の症状が起きてしまうのです。人間生きていくためには、必要最低限のエネルギーが必要となってきます。エネルギー不足は必要な栄養の代謝活動が悪くなるために血行が悪くなります。血行が悪くなると、新陳代謝が悪くなり、痛みを発生させる発痛物質や老廃物質が留まりやすくなるため痛みの原因やコリの原因となってしまうのです。
また、身体は冷えて肩こりや頭痛の原因となってしまうのです。そういったことが起きないような無理な食事制限は控えてバランスよく食事をとって有酸素運動で体の脂肪を落とすような運動をしたり、筋力トレーニングなどで筋力をつけるようにして基礎代謝を上げる運動をおりまぜることが健康的に痩せる第一歩となります。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
突発性難聴と似ており難聴を引き起こす病気ですが、低音部の音が聞こえにくくなることに特徴があり、難聴の程度も比較的軽い傾向があります。
耳閉感(耳がふさがった、耳がこもった、水が入ったような感じなど)で気がつくことが多く、反復することが多く、女性(20~40代くらい)に多い病気です。比較的若い世代に多いと言われていた低音性難聴ですが、近年では50代や60代のかたの低音性難聴も増えています。
また、将来めまいや耳鳴りもともなうようになり、メニエール症候群になっていくこともあります。
※メニエール病とは
体の平衡感覚を司る耳の奥の内耳のリンパ液が溜まることで生じる病気のことです。30~50歳代で発症することが多く、症状として耳閉感や聴力低下、回転性のめまい、耳鳴りなどの症状を引き起こします。
発症後1~2年で軽快することが多いですが、数年にわたって続くこともあります。発作を繰り返すことで慢性化したり、難聴が進むこともあります。
メニエール病の鍼灸治療について詳しくはコチラ⇨https://alfashinkyu-tokyo.com/column/index-494.html
内耳の内リンパ水腫(内耳の内リンパ腔に水ぶくれのようにリンパ液が溜まってしまう)が起こることにより、特に低音が聞こえにくくなる障害が起こるという説が考えられています。
では、なぜリンパ液が溜まってしまうのかというと、内耳のリンパ液の状態を正常に保っているのは自律神経ですが、自律神経は細かい血管を介してリンパ液を供給、排泄の調整を行っています。
しかし、何らかの原因で自律神経系の機能が低下すると内耳のリンパ液の調整ができなくなってしまいリンパ液が溜まってしまうことが起こるのではないかといわれています。自律神経の機能低下を起こす要因として次のようなことが挙げられます。
(要因)
・ストレス
・疲労
・睡眠不足
・気圧の変化
・風邪などによる体調不良
これらの要因はメニエール病とほぼ同じです。
低音性難聴は内耳の音を聞く器官である蝸牛という場所で起こるため「蝸牛型メニエール」と呼ばれることもあります。
その他、同じような自律神経の乱れで内耳の血流の流れが悪くなることによっても内耳の音を聞く細胞の働きが低下してしまうことによって低音性難聴が起きてしまうこともあります。
主に「耳が詰まった感じがする」「低い音の耳鳴りがする」「自分の声が大きく聞こえる」という症状を訴える方が多いです。
通常の会話や生活で急激に聴き取れなくなることはないので、気付かないうちに進行してしまう人も多いといわれています。
似たような症状を起こす病気としてメニエール病がありますが、こちらは耳鳴りだけでなくめまいも引き起こします。
聴力検査で低音部(1,000Hz以下)の難聴が見られるのが特徴で、片側や両側のこともあります。
治療法は薬物療法が中心となります。突発性難聴と同じ、循環改善薬、ビタミンB12などの他に、内耳のむくみをとるため、利尿剤を使用します。緊張やストレスを和らげるため、安定剤を使用することもあります。
多くの場合、入院は必要ありませんが、難聴が高度である場合や、治療しているにもかかわらず、難聴が進行する場合は入院が必要になることもあります。
治療期間は1~2週間程度が多いです。数時間や2、3日での自然治癒もあります。治っていれば聴力検査も元に戻ります。
(注意)
自然治癒もありといえ完治するのは6~7割といわれています。治っても再発が多いこと、メニエール病に移行した場合にめまいと難聴の進行を招いたりすることもあることを考えておかねばならないでしょう。
東洋医学で難聴、耳鳴りなどの症状は、耳と関係する臓器である「腎」の気の不足や、「肝」の気のたかぶりによるものと捉えます。
腎の気の不足を腎虚(じんきょ)といいますが、腎虚に陥ると血液循環が悪くなり、体内に余分な水分や老廃物が溜まる「むくみ体質」になります。
腎虚となるとむくみ体質となるために耳の機能が衰え何らかの異常が起こることは珍しくありません。耳鳴りや難聴、めまいなどのトラブルは腎虚の典型的な症状です。腎虚の原因として、加齢、ストレス、過労などが考えられています。
また、「肝」は情緒、ストレスを司り自律神経のバランスと深い関わりがあります。肝の働きが過度なストレスや緊張で乱れると、自律神経の緊張が高まり、難聴や耳鳴りを引き起こす原因となると考えられています。
また、生命活動に欠かせない気・血・水のバランスを整えるツボや、経絡的に耳を栄養していると考えられている小陽胆経の流れを整るツボなども用いて治療を行います。
当院では、リンパの循環、血液循環、内臓機能、免疫機能などを主る自律神経のバランスを機械で測定し、お身体の状態を把握した上で治療へ移ります。
まず、うつ伏せで首や肩周りの筋緊張を和らげ耳周りの血行を促進し、次に仰向けで耳周りのツボに鍼やお灸で刺激を与えます。
また、東洋医学的観点から「腎」「肝」をはじめとした五臓六腑の機能調整のツボや気・血・水を補うツボなどを取り入れます。
さらに、自律神経の調整施術を行うことで内耳リンパ液の循環を促進し、全身的な血行促進と内臓機能や免疫機能を整え、症状が治癒しやすいお体の状態へ整えていきます。
低音性難聴ではストレスとの関係が指摘されていますので、あまりストレスをためないようにしましょう。
そのためには、睡眠はしっかりとり、不摂生な食事を控え、適度な運動を行いましょう。
また、脱水症状は症状を悪化させる原因にもなりますので、水分補給はこまめにしましょう。
症例 1
50代女性
当院にご来院される3週間前に左耳が聞こえづらくなって耳鼻科を受診したところ低音性難聴と診断を受けた。左耳のみで聴力の低下と耳が詰まっている感覚が顕著に出ている。
発症当初は、頭痛やめまいがあったが、行きつけの整体でほぐしてもらったところ頭痛は軽減されたが、めまいや耳の症状は改善されなかったため鍼灸治療も難聴には効果的と知人から知って当院にご来院された。
病院でも、ステロイド薬と血流促進剤が処方されており服用しているが全く改善がみられなかった。
鍼灸施術
低音性難聴では自律神経の状態や首肩周りの筋緊張の状態・耳周りや側頭部の血液循環も重要になってきます。
まず問診時に自律神経の状態が乱されるようなストレスが最近あったか、睡眠状態や食欲・仕事や家庭での事情などを聞いていきます。自律神経測定器でも自律神経の状態を把握して施術に入ります。
触診では首肩周りの状態や頬部や側頭部周囲のこりを診たり、全身のむくみの状態も触診していきます。
この方は、自律神経測定器の結果、交感神経の活動が高く常に身体が緊張状態にあってなかなか心身ともに休めていない状態だと推察されます。
首肩周りや背中のコリもつよく、側頭部のむくみもあるような状態でした。
施術としましてはまずうつ伏せ施術で首肩周りの筋緊張の緩和や背部兪穴を使って低音性難聴と関連の深い五臓六腑の肺・肝・腎等のツボを用いて状態を整えていきます。鍼やお灸を併用してマッサージ等でも軽くほぐします。
その後仰向けとなり、耳周りのツボに低周波鍼通電治療を行っていきます。また手足やお腹周りにのツボを使用することで自律神経の乱れも整えていきます。
経過
3~4日に1回程度で鍼灸施術を受けていただきました。
4回の施術期間中は症状に波がかなりあって調子のいい日は耳のこもる感覚はあまりなく、耳の聞こえも順調。めまいもほぼなし。
しかし、天候の悪い日など体調が悪く、耳の状態も悪い日はピアノの音などがダブって聞こえてしまう時もある。
4回目の施術後に病院にて聴力検査をうけてもらったところ数値的には改善傾向がみられました。医師にも回復傾向なのでもう少しで完治するかもと言われたとのこと。
その後3回程施術を受けたあとにほぼ聞こえ方が安定してきて音がこもって聞こえることがもなくなった。聴力検査の数値も右耳とほぼ遜色ない数値にまで回復しました。
症例 2
50代男性
3〜4週間前から左耳の聞こえが悪くなってしまって病院を受診したところ低音性難聴と診断を受けた。耳鳴りも多少あるが、日常生活では特に支障なく過ごすことができている。
日常的には音が割れて聞こえたり、テレビを見ていると少し聞き取りづらい部分がある。
受診した耳鼻科ではステロイドでの治療をして少し聴力が回復したが、ここ1週間は聴力検査をしても変化が見られなかったとのことです。
以前にも突発性難聴を患ったことがあったが、その時は1〜2週間で軽快したのでそのような感じで治っていくと思っていたらあまり変化が見られなかったため鍼灸治療も試してみたいと当院にご来院されました。
施術経過
自律神経の状態を測定する自律神経測定器では、その際は特に異常は見られなかったが、お酒を毎晩飲んでおり、特に深酒をしてしまった翌朝は特に耳の状態が悪いことが多かったとのことで施術したあとは飲酒を控えてもらった。
触診では、頸部の筋の過緊張状態や側頭部あたりのむくみが見られ、それらが難聴の原因となっている可能性もあるためそれらを改善させるツボなどを用いまして施術を行っていきます。
また、背部の筋緊張の緩和や耳周りのツボに直接鍼を刺して電気を流す鍼通電治療を用いて刺激を入れていきました。
施術後は、翌日までは聞き取りやすく、音が割れないことが多くなったが、その日によってまだ耳の状態が悪いと感じるときがある。
施術10回ほどまでは症状は一進一退といった感じで、聴力検査をしても多少改善傾向にあるがそこまで大きな変化は見られませんでした。
16回目を過ぎたころに急に以前のような耳のつまりや聞き取りづらさ、音が割れる感じが改善されていった。実際に病院で聴力検査を行ったところ聴力はほぼ正常値に戻るまでに改善された。
症例 3
40代 女性
1ヶ月ほど前に低音障害型難聴を発症した。耳鼻科での検査の結果、低音の聴力低下がみられた。耳閉感や自声強調、耳鳴り症状もみられる。慢性的な首肩こり、側頭部痛にも悩まされており、週に1回は頭痛薬を服用している。症状が出始める以前は、半年ほど仕事が忙しく、休みがあまり取れていない状況だった。耳鼻科で処方されたステロイドとビタミン剤を服用している。
施術
自律神経測定器の結果、交感神経が過剰に優位な状態であった。過労による慢性的な疲労で自律神経が乱れ、内耳の血流の悪さが起こっていると考えられる。デスクワークによる慢性的な首肩こり、それにともなう頭部の筋緊張がみられた。
全身の血液循環の改善、ストレス緩和のため副交感神経を働かせるように自律神経調整施術を行いました。そして、内耳の循環を良くするために、耳周りのツボを用いました。首肩の筋緊張は自律神経を乱すだけでなく頭部の血流にも重要なため、首肩や頭の筋緊張緩和を目的に首肩周りに鍼通電を行いました。
来院頻度は1週間に1回。
一回目
首肩こりが軽くなった。
二回目
耳閉感や自声強調、耳鳴りが改善し気にならなくなった。
三回目
8割ほど聴力は改善し、耳鼻科の通院を終えた。耳閉感や自声強調、耳鳴りはほとんど感じていない。
頭痛も起こる頻度が減ってきた。
以降メンテナンスとしてご来院。
リモートワークによるデスクワークの増加によって普段起こらない体の不調で悩まされている方が増えています。
それは、まず自宅が長時間仕事をする環境にない方が多いことが第一の原因です。普段から家で仕事をすることがない人にとっては、椅子やデスクなどが十分に揃っておらず苦労されている方も多いかと思います。家で使用する作業用のパソコンもデスクトップのパソコンではなくノートパソコンを使っている人だと首肩に余計に負担をかかります。
その他、運動不足も一つの原因となり得ます。普段出勤されている方ですと歩く機会が急激に減少して特に腰回りの筋肉が張りやすくなります。
普段会社ではデスクトップパソコンを使用しているが、家ではノートパソコンを使用して作業をしている方は特に首肩回りに負担が大きくかかっています。
また机や椅子の高さも重要で家では作業用に向いていない物を使用している場合も多いです。
・ストレートネック
ストレートネックとはその名の通り頸部がまっすぐになってしまっている状態です。頸部は本来生理的湾曲といいまして30~40度前傾にカーブしています。
しかし、長時間のデスクワークで頭を前に倒した状態になっていると頸椎やその周りの組織の疲労によって生理的湾曲がなくなってしまいます。ストレートネックになっている方の特徴は、胸鎖乳突筋や斜角筋群の筋緊張が強いことです。
ストレートネックとなってしまいますと生理的湾曲で頭の重さが分散されていたのが、頸部がまっすぐになっていることによって頭の重さを直に頸部が受け止めないといけないため、慢性的な首肩の痛みやコリ、頸椎ヘルニアなどの症状が出る場合があります。
・頸椎ヘルニア
頸椎の間には上肢や肩に向かう神経が通っています。頸椎ヘルニアでは頸椎にストレートネックなどにより過度な負荷がかかってしまうことによって椎間板と頸椎のクッションの役割のある組織が破壊されてしまいます。その破壊された椎間板が神経を圧迫してしまうことによって上肢のしびれや痛みを起こしてしまいます。
その他にも背中の痛みや頭痛・めまいなど症状は多岐に渡ります。
・背部の痛み
背中周りの神経は、頸部から伸びているものもあるため頸部の状態は背中の痛みを引き起こすこともあります。
またパソコンでタイピングを行う姿勢は腕を前に出しているため肩甲骨内側の筋肉は引き伸ばされた状態が続くためその部分の筋肉が傷みやすくなります。
・ぎっくり腰
ぎっくり腰は正式には急性腰痛と言います。重労働の仕事で重い物を持った際に起こる印象が強いかと思いますが、長時間のデスクワークでぎっくり腰となるケースも多のが現状です。
どうしてぎっくり腰が起こってしまうかは、はっきりとした原因は解明されていません。
しかし、腰回りの筋肉の柔軟性の欠如や筋力の低下によって引き起こされやすいということは明らかです。
腰回りの筋肉には姿勢を保持する筋肉が存在します。長時間のデスクワークによってそれらの筋肉が疲労して柔軟性が失われて何か物を取ろうと腰を曲げたり捻ったりしたちょっとした際にぎっくり腰となってしまう危険性が高くなります。
また、なかなか運動する機会が減っていることも一つの原因となります。
・腰椎椎間板ヘルニア
腰部の椎間板に過度な負担がかかることで椎間板の一部が飛び出して神経を圧迫させてしまうことによって腰や臀部の痛み、下肢にかけてしびれや痛みが起こります。症状がひどいと下肢の感覚が鈍くなり力が入りづらい状態にもなってしまいます。
原因としましては座る時間が長く腰部組織への負担が大きくかかっていることが考えられます。
・坐骨神経痛
坐骨神経とは腰部から起こって臀部から下肢後面にかけて走っている神経です。坐骨神経がいずれかの箇所で圧迫されてその走行上に痛みが出るのが坐骨神経痛の特徴です。
坐骨神経が圧迫される個所は、腰部や臀部が多いです。坐骨神経痛を起こす疾患として腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、梨状筋症候群などが挙げられます。
主に痛みや筋肉の過緊張状態にある部分を中心に鍼やお灸の施術を行っていきます。
痛みが強く出ていたりあまりに頑固なコリがある場合には鍼通電治療も用いて施術を行っていきます。
鍼やお灸をすることで筋肉を緩めて血流を良くし疲労物質や発痛物質を流したり、痛みを抑制する鎮痛効果が期待できます。
その他にも東洋医学的観点であったり自律神経の状態もふまえて全身的な調整施術を行っていきます。部分的に診るというばかりでなく全身的に診るというのは東洋医学の基本であり、それをすることで根本的な解決をはかります。
・1時間に一回は立って体を休ませましょう!
ずっと座った姿勢ですとどうしても一定の部分に負担が集中してしまいます。1時間に一回は休憩時間を設けて立つことによって負担の集中を分散させ筋緊張を緩めることができます。
・ストレッチをして筋肉を緩めましょう
首を縦後ろ左右にゆっくり倒していた気持ちいいと思う部分で10秒ほど止めてください。ここでのポイントは反動をつけて行わないことです。頸部はデリケートな箇所で頭部の重たさもありますので反動をつけてしまいますと容易に筋肉や関節を痛めてしまいます。
・姿勢に注意しましょう
座っている時の姿勢が悪いと腰に負担が大きくかかってしまいます。立っている時よりも座っている時の方が腰部の椎間板に負担がかかることがわかっています。
まず少し前がかかりにお尻を突き出すイメージで深く座ります。そして90度ほどになるように上体を起こしていきます。猫背でも反り腰でもいけません。
頭部も前傾姿勢となると頚椎や頸部周りの筋肉に負担が大きくかかってしまいますので注意してください。
症例
40代 男性
コロナの時期からリモートワークが始まり、そこから数年ほぼ自宅で仕事をしている。1日に10時間以上パソコンかスマホの画面を見て仕事しているため、肩こりと腰痛は慢性的に気になっていたが、日数が経つにつれて酷くなっている。
妻がこちらの鍼灸院に前にお世話になっていたとのことで、妻に紹介してもらい来院。
当院の治療
上半身は筋肉が緊張し固くなっており、下半身は運動不足の影響もありむくみが酷い状態でした。
全身の血流改善、筋緊張の緩和、自律神経の調節をメインで治療を行いました。
治療経過
◇1回目◇
肩が軽くなった感じがする。
◇2回目◇
治療後はいいが、すぐに痛みが戻って来る。
◇3〜8回目◇
肩の動きがスムーズになっている気がする。
◇9〜12回目◇
パソコンに向う時間が長くても痛みが少なくなってきた。
◇13〜20回目◇
回数を重ねるごとに常に重く感じていた肩と腰が軽くなってきた。そのおかげか、日課の愛犬との散歩がより楽しくなった。
当院の頻尿に対する治療の目的は、第一に膀胱・腎に関するツボに鍼やお灸で気血の流れをよくします。
また湿熱の邪気によって頻尿が引き起こされている場合は、それらを体外に出す治療が必要になってきます。また腎精を補う治療も行います。
頻尿は部分的に原因がある場合ばかりではなく、全身性の衰えや気血の滞りが原因の場合もあるので全身を診て治療していきます。それは東洋医学の特徴でもあります。全身治療を行うことにより人間が本来もっている自然治癒力を高めます。頻尿の鍼灸治療は中国では有効とされています。
また、過度なストレスによる精神的なストレスも頻尿と深いかかわりがあると考えられます。普段でも緊張する場面、重要な会議の前やプレゼンテーションをする前などでトイレの回数が増えることがあります。それは、緊張状態により自律神経の状態が交感神経が優位の状態となっているからです。
日常生活でも交感神経が優位の状態が長く続いてしまうとトイレに行く回数が増えてしまうということです。そこで当院では、自律神経の状態を自律神経測定器で計測していき施術をしていきます。特に夜間頻尿によって睡眠時間が減っていたり、浅い睡眠となってしまっている場合は悪循環でさらに自律神経のバランスが乱れていることが予想されます。当院では、頻尿に対する施術でも自律神経調整治療で自律神経の状態も整えることも重要だと考えております。
また、膀胱も筋肉でできているため冷えている状態ですと筋肉が縮こまりやすくなってしまい、膀胱が蓄えることができる尿の量が減ってしまいます。そこで当院では、下腹部辺りの経穴にお灸をして温めることで膀胱が縮こまってしまう状態を防ぎます。
基本的にまず仰向けとなり、自律神経調整治療や下腹部を温めるお灸を施して次にうつ伏せとなり、背中にある東洋医学の「腎」や「膀胱」に関する経穴を刺激していきます。
当院の頻尿の治療目的は、トイレに行く回数を正常に戻して、日常生活への負担を少しでも減らすことです。また西洋医学とは違う東洋医学の観点により少しでも頻尿が回復できる機会を提供することです。それにより、患者さんの仕事の質の向上や生活の質の向上が期待できます。
東洋医学では頻尿は主に五臓六腑の膀胱と腎の障害で起きると考えられています。
ⅰ)膀胱湿熱
外からの湿熱の邪気や飲食の不摂生、辛い食べ物を多く食べたりすることにより体内で湿熱を生み、それらが膀胱に至り、尿を貯留して適宜排泄するという膀胱の機能が障害されます。そうすると頻尿や排尿痛、残尿感、ときには血尿があらわれます。
ⅱ)腎気不固
腎気不固は腎精が不足し、腎気の汗や尿が排出過多ならないようにする機能が減退した病態で主に泌尿生殖器系の異常があらわれます。腎精とは人体の成長・発育・成熟・老化などを司り、青壮年期には最も充実して維持されるが、中年以降からは次第に衰えていきます。よって中年以降は年を重ねるごとに腎気不固の病態になりやすく、特に夜間頻尿になりやすいといえます。
70代 男性
一晩に2回から多いと4回も起きてトイレに行くとのこと。病院で検査したが前立腺肥大など器質的な原因は見つからずに何か治す方法はないかと鍼灸に興味を持ちご来院されました。
日中起きている時間も頻繁にトイレに行く。だいたい夜は11時に寝て朝6時に起床。よく夜中2時と4時ごろにトイレに行きたくなる。夜中起きてしまうため睡眠の質も低下。日中頭がさえないことも多い
治療
自律神経測定器で初診時に自律神経の状態を測定してそれを踏まえて治療を行っていきました。
膀胱経のツボやお腹周りの自律神経調整と頻尿に効果的とされるツボを用いて治療していきました。うつ伏せ時には、背部兪穴の膀胱兪と腎兪、肝兪、脾兪などを使用、下肢後面の膀胱経のツボも多く使用して治療していきました。
また、お腹が冷えてしまうと膀胱の容量が小さくなりがちなので緩い腹巻を寝る際につけてお腹をできるだけ冷やさないように指導しました。
5回目の治療後辺りから徐々に夜中トイレに行く回数が減り始め睡眠の質も向上していきました。
10回目の治療後には、一回も夜中トイレに行かない日も出てきました。
60代 男性
数年前から就寝中にトイレに起きる頻度が増え始め、少しずつ回数が増加してきた。
ここ最近では、尿意が切迫し我慢ができない程悪化している。
病院で検査してもらったが、前立腺肥大など異常はみられなかった。
もともと不眠症でもあり、布団に入ると仕事や他の事が気になり、気が高ぶってしまい眠れないことが多々ある。仕事でのストレスも強く感じる。
夜間トイレに起きる回数は5回、6回ぐらいで、トイレに行っても少量しか出ない。
ひどい時は、2時間程度しか眠れない時もある。
当院の施術
自律神経の乱れの乱れの疑いがあったため、自律神経測定器で現在の状態を確認していきました。
測定の結果、夜の時間にもかかわらず交感神経が強く働いており、逆に副交感神経の働きが弱い状態でした。
また、血管年齢も高く出て、足の冷えもあるという事なので、血流が悪いのも要因の一つと考えました。
まずは、自律神経を整える施術、血流を促して足の冷えを改善する施術を行いました。
次に、腰や臀部周り、お腹、足にある頻尿に効果的なツボに鍼で刺激をしていきました。
経過
1回目
施術した夜は1回しか目覚める事がなく、熟睡できた。
2日目以降はまた少しづつ戻ってしまった。
2回目
トイレに行く回数が減ってきた。
3回目
夜間トイレに行く回数が3回程度に改善してきた。
4回目
お酒を飲むとトイレに起きる回数が少し増えるが、それ以外は落ち着いている。
5回目
気温が低下して、またトイレに起きる回数が増え始めた。
6回目
トイレに起きる回数がまた減ってきて、よく眠れるようになってきた。
7回目
夜間にトイレに行く回数が1回~2回と安定している。
頻尿とは正常よりもトイレが近く尿の回数が多いことをいいます。膀胱の容量は成人で700mlの尿を蓄えることができ、排尿回数は4~7回、排尿量は1000ml~2000mlが正常とされています。
しかし、水を大量に飲めばそれだけトイレの回数も量も増えていきます。さらに老人になれば、腎臓の尿濃縮力が低下するので尿の回数は多くなりがちで特に夜間にトイレに行く回数が増えてきます。
よって頻尿は自分の普段の状態と比べて回数が多いか少ないかで判断しますが、目安として昼間に8回以上、夜間睡眠時に3回以上合計で8~10回以上トイレに行く状態は頻尿といえるでしょう。厳密にいうと尿量も排尿回数も多い場合は頻尿ではなく多尿と言われ、尿崩症や糖尿病、慢性腎不全などが疑われます。頻尿というのは、尿量自体は普通ですが、排尿回数が増える場合です。頻尿の症状に加え、残尿感や尿意亢進(尿が少し溜まってもトイレに行きたくなる)などが表れる場合もあります。
頻尿の起こる原因として膀胱や前立腺など泌尿器系の臓器に原因がある場合と精神的ストレスで起こる場合とがあります。尿の回数が多くなる時に、他の自覚症状を伴うかどうかが原因の手掛かりになります。
排尿時に痛みや不快感、残尿感を伴うようであれば膀胱炎や前立腺炎が疑われます。また中高年の男性で尿が出るまでに時間がかかったり、尿が出ても少しずつしか出てこない時には前立腺肥大症が考えられます。
何らかの精神的な緊張が原因となって頻尿となる場合もあります。これは高齢者には割と少なく、中年から若い人、子供に多い疾患です。
ⅰ)膀胱炎による頻尿
頻尿患者数で一番多いのが膀胱炎です。頻尿以外に排尿時の痛み、残尿感、血尿が特徴的です。腎臓で造られた尿は、膀胱に送られる間にほとんどが再吸収され、尿管を通り、膀胱に蓄えられます。尿を体外に出す際に通る管を尿道といい、男女で著しく異なります。女性の尿道は短く、男性の6分の1程度であるため、体外からの細菌が膀胱に達しやすく女性は膀胱炎を患いやすいといえます。
ⅱ)前立腺肥大症による頻尿
前立腺とは膀胱の出口付近から尿道を取り囲むようにあるクルミ大の実質臓器です。男性にしか存在しません。前立腺は乳白色の液を分泌するが、この液は射精の際に精巣から来た精子を薄めるとともに精子の運動を活発にする役割を果たしています。前立腺は尿道を取り囲むようにあるので前立腺が何らかの原因で肥大すると頻尿(特に夜間頻尿)や尿道を圧迫して尿が少しずつしか出なかったり、排尿しようと構えてから実際に尿が出るまでに時間がかかったりします。
ⅲ)神経性頻尿
誰でも緊張すると尿意が起こってきますが、過度に尿意を気にするようになると少し膀胱に尿が溜まっただけでも尿意を感じるようになってしまいます。神経性頻尿は精神的ストレスや緊張のために何度もトイレに行きたくなった経験や電車などでトイレを我慢した経験をきっかけに尿意に対する恐怖感が植え付けられてしまった結果、何度もトイレに行くようになります。神経性頻尿は比較的女性に多く、頻尿の他に残尿感や排尿時の不快感や痛みなど膀胱炎とそっくりの症状が起こってきますが検査しても尿の異常は認められません。
中医学では頻尿は主に五臓六腑の膀胱と腎の障害で起きると考えられています。
ⅰ)膀胱湿熱
外からの湿熱の邪気や飲食の不摂生、辛い食べ物を多く食べたりすることにより体内で湿熱を生み、それらが膀胱に至り、尿を貯留して適宜排泄するという膀胱の機能が障害されます。そうすると頻尿や排尿痛、残尿感、ときには血尿があらわれます。
ⅱ)腎気不固
腎気不固は腎精が不足し、腎気の汗や尿が排出過多ならないようにする機能が減退した病態で主に泌尿生殖器系の異常があらわれます。腎精とは人体の成長・発育・成熟・老化などを司り、青壮年期には最も充実して維持されるが、中年以降からは次第に衰えていきます。よって中年以降は年を重ねるごとに腎気不固の病態になりやすく、特に夜間頻尿になりやすいといえます。
後鼻漏とは過剰に分泌された鼻水が喉の方へと流れ落ちてくる状態をいいます。
後鼻漏はいくら鼻をかんでも鼻水が前方から出ず、絶えず喉に流れ込んでしまいます。その結果、鼻水を口から吐き出し続けるか、飲み込み続けるしかありません。
後鼻漏は鼻の不快感を生じさせるだけでなく、咳・痰の原因になったり、重症化すると食事や睡眠などの日常生活まで支障をきたすこともあります。
鼻腔、副鼻腔から分泌される鼻水は、一日に2~4リットルと言われており、分泌される鼻水は通常では違和感なく喉に流れていきます。
また、鼻腔内には「線毛機能」があり、粘液に付着した異物(花粉、ハウスダスト、細菌、ウイルス等)を排除する働きがあります。
ところが、鼻腔内の粘液が少なく乾燥したり、線毛機能が低下すると、細菌やウイルス感染を起こしやすくなるため、花粉などの異物に対しても過敏になってしまうのです。
後鼻漏は喉の異常として自覚されることが多いようですが、実際には鼻の問題が多くみられます。鼻水が鼻腔の構造により喉の奥へと流れ込むことで起こります。後鼻漏の原因となる疾患としては以下のようなものが挙げられます。
・副鼻腔炎
顔や頭の骨の中に形成された副鼻腔と呼ばれる空洞に生じる炎症です。副鼻腔内に粘り気のある鼻水がたまり、喉へと鼻水が流れます。
副鼻腔炎に対する鍼灸治療について
・アレルギー性鼻炎
花粉やハウスダストなどのアレルギーの原因物質に対する反応によって鼻水が多くなり、喉へ流れる鼻水の量も増えます。
アレルギー性鼻炎の鍼灸治療について
・風邪症候群
風邪のウイルスに感染し、鼻やのどの粘膜に炎症が起きると、鼻水の量が増え、喉にもたくさんの鼻水が落ちるようになります。発症時、透明でサラサラしていた鼻水は、時間の経過とともに粘り気のある鼻水に変わり、喉の奥ではりついて、痰の絡んだ咳が出るようになります。また、風邪を引いた後に後鼻漏が続く方もいます。そのような場合は慢性上咽頭炎の可能性があります。
風邪に対する鍼灸治療
・上咽頭炎
鼻の奥にある上咽頭で炎症が起こった状態です。細菌やウイルス感染などで起こり、後鼻漏の原因となります。
・鼻水が喉へ流れ込んでくる
・咳き込み・咳払い
・痰がからむ
・痰の吐き出し
・喉の引っかかり
・喉の違和感・不快感
・声がれ
・食事への支障
・睡眠障害
などが挙げられます。
診断
後鼻漏の原因を特定するために内視鏡検査で、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎、あるいは上咽頭炎がないかを確認します。必要に応じて副鼻腔CT検査やアレルギー検査を行います。
後鼻漏の治療方法は鼻水を発生させている原因を治療することが第一です。
治療
◇アレルギー性鼻炎が原因の場合
・抗アレルギー薬の内服
・点鼻薬
・レーザー治療あるいは日帰り手術
・舌下免疫療法
など
◇副鼻腔炎が原因の場合
・抗菌薬などの内服
・ネブライザー治療
など
◇上咽頭炎が原因の場合
・消炎剤や抗菌薬の内服
・ネブライザー治療
・Bスポット療法(上咽頭擦過治療:EAT療法)
・漢方薬の処方
など
乾燥を防ぐため、マスクや加湿器で鼻やのどの保湿をしましょう。ウイルスや細菌感染の予防には、免疫力を高めておくことが大切ですから日ごろからバランスの良い食事と適度な運動を心がけ、十分な睡眠をとりましょう。
また、アルコールやカフェインなどの脱水症状を引き起こす物質や、たばこや急激な温度変化もできるだけ避けた方が良いでしょう。口呼吸は喉の乾燥につながるため、鼻で呼吸を行うことも大切です。
さらに、後鼻漏の原因となるアレルギー性鼻炎・副鼻腔炎・上咽頭炎などの諸疾患に対して鼻うがい(鼻洗浄)は予防、症状緩和の効果が期待できると言われています。
東洋医学では後鼻漏は「胃腸の弱り」が大きな原因として考えられています。東洋医学では痰や鼻水のような病理産物は胃腸で作られると考えています。胃腸の弱りには先天的なものと後天的なものがあり、胃腸が弱いことを自覚されていない方も多くいらっしゃいます。
胃腸には消化吸収することと、体に必要なもの・不必要なものを分ける2つの大きな仕事がありますが、胃腸が弱ってしまうと不必要なものを排泄する力も弱ってしまいます。その不必要なものの代表的なものが病理産物である「痰飲(たんいん)」です。
痰飲とは、人体の基本的な構成成分の一つである津液(しんえき:生命活動に必要な水液)が、水分代謝の失調などにより異常な水液と化したものです。痰飲が鼻の奥や喉に停滞すると、後鼻漏が生じると考えられています。
また、五臓の「肺」は呼吸をつかさどる臓腑ですが、「皮毛をつかさどる」機能もあり、皮膚や粘膜と深い関係にあります。また、「脾(胃腸)」は食物を消化し、「気血を生む源」である臓器です。五行学説では「脾は肺を生む」とされ母子関係にあたります。つまり、胃腸のエネルギー不足が肺のエネルギー不足を呼び、肺の機能が崩れ、そこから邪気の侵入を許すことで、鼻症状を引き起こします。
その他、「肝」機能低下による熱の上昇が肺の潤いを損傷することや、「腎」の機能低下が呼吸機能や水分代謝を低下させることも関与していると考えられています。
当院では、免疫機能や内臓機能、全身の血流などに大きく関与する自律神経のバランスを機械で測定し、患者様のお体の状態を把握したうえで治療へ移ります。
自律神経系のバランスを整えるツボに鍼やお灸で刺激を与え、免疫力を高め、症状が治癒しやすいお体の状態へと整えます。
東洋医学的観点から、五臓六腑の機能を整えるツボや水分代謝を改善するツボ、冷えを除くツボなどを用います。
また、慢性的な後鼻漏のある方は背骨のゆがみや首(頸椎)に異常があることが多く、背骨に配置されている自律神経の乱れが後鼻漏の症状を悪化させたり、首を流れる血管は顔面にも繋がっているため、首の血流が低下することで鼻の血流も同時に低下させてしまうため、後鼻漏の症状を悪化させる原因になります。
そのため、骨盤から背骨の歪みを整え、首肩周りの筋緊張を緩和し、仰向けで鼻周囲のツボに施術を行うことにより自律神経の働きを整え、顔面部、鼻粘膜への血流を促進し鼻の機能を整えていきます。
症例 1
50代 男性
1ヶ月前に風邪を患い、副鼻腔炎になった。2週間前から後鼻漏の症状が出るようになり、当院にご来院された。日中には黄緑色の鼻水が出たり、痰が絡んだ咳が出る。就寝中、後鼻漏の症状で寝苦しく、睡眠の質が悪い。慢性的な手足の冷えや倦怠感、首肩の凝りにも悩まされている。
施術
1年前から職場が変わり、忙しくなり睡眠時間は4時間と短く、慢性的に疲労を感じていた。慢性的な心身のストレスがあり、自律神経のバランスが乱れている状態であった。自律神経の乱れにより、手足の冷えや首肩コリ、免疫力が低下といった症状がでていたため、自律神経調整の施術を行っていきました。また、鼻の炎症を抑え血流改善のため、鼻周りのツボを用いました。
強い刺激は苦手であったため、浅めの鍼とお灸で施術を行いました。
来院頻度は1週間に1回。
一回目
施術後は身体が温まり、全身の力が抜けリラックスできた。
二回目
首肩こりが以前より軽くなった。
後鼻漏の症状が減り、就寝中に後鼻漏の症状で起きるのが1回だけになった。
三回目
後鼻漏の症状は治まった。
結膜とは上下のまぶたの裏側と、白目(強膜)の表面を覆っている半透明の膜で皮膚に似た構造をしています。
細かい血管が豊富に存在し、リンパ組織という免疫反応(体が異物に対して反応すること)を起こす組織があります。また、目の表面は涙によって常に潤されており粘膜としての性質があります。
結膜は直接外界と接しているので、様々な病原物質にさらされやすい環境にあります。結膜炎には感染で起こる細菌性結膜炎、ウイルス性結膜炎、アレルギーで起こるアレルギー性結膜炎など様々な種類があります。
・細菌性結膜炎
原因
原因となる細菌には、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、肺炎球菌、インフルエンザ菌、レンサ球菌、淋菌(りんきん)緑膿菌(りょくのうきん)など、様々なものがあります。
症状
細菌の種類によって多少異なりますが、粘性の黄色みがかった目やにが多く出て、流涙が起こります。重篤な場合には、細菌性角膜潰瘍(さいきんせいかくまくかいよう)が出来て激しい眼痛を起こしたり、菌血症(きんけつしょう)や髄膜炎(ずいまくえん)などの全身の病気に至るものもあります。
・ウイルス性結膜炎
原因
アデノウイルス、エンテロウイルスなどのウイルス感染で起こり、様々な種類の結膜炎があります。
・流行性結膜炎(はやり目)
感染力が強く、昔から一般的に「はやり目」と呼ばれているものです。アデノウイルス(8型、19型、37型、54型など)の感染で起こり、感染してから1~2週間遅れて症状が現れます。突然目に何か入ってるいるかのようにゴロゴロしたり、充血、まぶたの腫れ、たくさんの目やにや涙が出て眼痛を伴うこともあります。10日ほどしてから角膜に炎症が起こり目がかすむこともあります。
・咽頭結膜炎(プール熱)
アデノウイルス(3型、4型、7型など)の感染で起こります。夏かぜとして流行することがあり、プールなどで広まることが多いためプール熱とも呼ばれています。
白目の充血や目やにといった目の症状は流行性結膜炎より弱い反面、のどの痛みや39度前後の発熱などの呼吸器系の症状がみられます。
・急性出血性結膜炎
エンテロウイルス(70型)やコクサッキーウイルス(A24変異型)などエンテロウイルスの仲間による感染で起こります。感染から一日で症状が現れ、充血、目やに、異物感などが出現し、結膜下出血が起きると白目が真っ赤になるためこの病名が付いています。
・アレルギー性結膜炎
アレルギーとはある特定の物質に対して過敏に体が反応することをいい、原因となる物質が体に入ると、かゆみや充血、眼の異物感、目やにや涙が出るなどの症状が起こってきます。
最近の報告によれば、日本では全人口の約15~20%がアレルギー性結膜炎を有していると推定されています。アレルギー性結膜炎は一年を通して起こる場合(通年性)と、ある季節にだけ起こる場合(季節性)があります。
原因
通年性のもので多いのはダニやカビ、ハウスダストです。その他イヌやネコの抜け毛やフケなどがあります。また、季節性の原因の代表はスギ、ヒノキ、ブタクサ、イネなどによる花粉が主です。
細菌性結膜炎の場合
病状から、炎症の原因となっている菌を推定して適応した薬剤が用いられますが、通常は色々な種類の細菌に有効な抗生物質の点眼薬や軟膏が用いられます。
抗生物質使用の際は点眼薬を用いるのが基本ですが、淋病やクラミジアが原因になっている場合は内服薬の追加が必要です。
ウイルス性結膜炎の場合
ウイルス性結膜炎の場合、結膜の細胞のウイルスを効果的に排除する薬剤は有りませんが、不快な症状を和らげるために炎症を鎮める効果のある非ステロイド性抗炎症点眼薬やステロイド点眼薬が用いられます。
また、抵抗力が落ちている結膜に細菌が感染しないように予防的に抗菌点眼薬、抗生物質の点眼薬が使用されることがあります。
アレルギー性結膜炎の場合
アレルギー性結膜炎の治療は基本的に薬物療法になります。治療には抗アレルギー点眼薬(抗ヒスタミン薬、メディカルエディエータ遊離抑制薬)が主に使われます。
重症の場合にはステロイド点眼薬や免疫抑制点眼薬を使用する場合もあります。また、目薬だけで症状が改善しない場合抗アレルギー薬を内服することもあります。
疲労やストレス、生活習慣の乱れなどで自律神経のバランスが乱れていると、免疫力が低下して細菌やウイルス感染を起こしやすくなったり、症状が長引いたり、免疫機能が乱れてアレルギー症状が起こりやすくなります。
そのため、当院では最初に自律神経測定器にて自律神経のバランスを測定し、お身体の状態を把握した上で治療へ移ります。
内臓機能や全身の血液循環、免疫機能などを司る自律神経系の調整施術を行うことで、自然治癒力を高め症状が治癒しやすいお身体の状態を整えます。
また、目へと続く動脈が圧迫を受けやすい首や肩周囲の筋緊張の緩和と、目の周囲の重要なツボに鍼やお灸で刺激を与え、血液の循環を促進し抗炎症作用を促すことで、結膜炎の症状を和らげ、治癒を促進する作用を促します。
症例
50代 男性
2週間前から両眼がゴロゴロした痛みが出はじめ、充血が酷くなってきた。
眼科に受診し結膜炎と診断され、点眼薬の治療を行っているが完治まで少し時間がかかっているため、いち早く完全に治したいと思い当院を受診した。
初めの頃よりは少しづつ改善し、目ヤニは出なくなったが、まだ目の痛みや充血が治まっていない。
普段はパソコン作業が多く、目を良く酷使している。また夜遅くまで仕事をすることもあるため寝不足になりやすい。
首肩コリは触ると硬いとよく言われるが、あまり自覚がないため今までケアをした事がない。
当院の施術
寝不足が原因で免疫力や自然治癒力が低下していると判断し、それらに関係する自律神経測定器で現在の自律神経の状態を確認しました。
夜20時に測定したにも関わらず、免疫力や自然治癒力を担う副交感神経の働きが非常に低下していました。
そのため、まずは自律神経の調節、とくに副交感神経を高める施術を行いました。
次に眼の血流を促進するため首肩の筋緊張を緩める施術、眼の周囲に刺鍼し鎮痛を促し、お灸を同時に行うことで炎症を抑える施術も行っていきました。
経過
1回目
眼の痛みが少し軽減したような気がする。
2回目
眼の痛みが楽になってきた。
3回目
眼の痛みはだいぶ楽になり、気になる頻度も減ってきた。
充血はまだ残っている。
4回目
痛みは少し残っているが、ほとんど気にならなくなってきた。
充血も少し引いてきた。
5回目
痛みは完全に消えた。
充血も少し残っているが、あと少しでなくなりそう。
6回目
痛み、充血共に完全に消失した。
生体は何らかのストレスを受け、常にストレス状態にあると考えられます。
つまり、ストレスのない人などはいなく、ストレスの強度が重要な意味を持つ
といえます。
適度なストレスは人間の活動性を高め生活を豊かにしてくれます。
一方でストレスレベルが過剰な状態では、上記にあげた身体的症状や精神的症状
が出現し、最終的に度をこすと疾病という形で現れるのです。
適度なストレスがあり心身ともに健康な状態が理想的な状態といえます。
そのうえで過度なストレスを抱えている人に鍼灸施術を行うと以下の変化がみられます・
鍼灸施術後、多くの患者の気分は全般的に陽性気分(いい気分・爽快・心地よい)に傾く研究結果が出ています。
鍼灸治療の特徴は、経絡経穴(ツボ)を用いて、マイルドな物理的刺激を生体に作用させることによって全身の機能を調整していきます。鍼による置鍼刺激やお灸の温熱刺激・適度な刺激量の鍼通電刺激を行うと、脳波のα波が増大します。
α波は閉眼時に発生する脳波でリラクゼーション状態を誘導する一つの指標になります。
鍼灸治療および鍼通電刺激は、快ストレスとしての作用が期待できます。
仕事や日常生活を送るうえで、ストレスは一種、体のバロメーターてきなものであると
私は考えます。
過度なストレスは病気の原因や心身の不定愁訴の原因になりますが、
ストレスが何もない・・という環境もすこし問題といえますね。
現代の鍼灸治療は体感的なアプローチをとっていますが、身体的な感覚だけでなく
精神的反応も取り込んでいるといえそうです。
ストレスで心身共に疲れた時は鍼灸施術も効果がありますので一つの手段と考えて頂けたらと思います。
現代社会ではストレスを多く抱えている人はかなり多いです。ストレス社会といわれ、職場や家庭でのストレスを発散せずに溜め込んでしまって様々な悪影響が身体に出ます。
当院でも『ストレス』から起因する症状で来院される方も少なくありません。
当院では、ほとんどの患者様に対して初診時に自律神経測定器を用いて『ストレス指数』をチェックしていきます。驚くのは自分では日々の生活の中で全くストレスに感じていない場合でもストレス指数が高く出る場合が多々ある事です。
ストレス指数が高い人ほど、症状が強くでていたり、複数あったりすることは多いです。
東洋医学の予防医学の観点からしますと
このストレスをいかに処理するか(発散させるか)、もしくはストレスに対して強い体質をいかにつくるか(ストレス対処能力の向上)がとても重要になってきます。
ストレスが溜まって起きてしまう精神疾患の代表としてうつ病が挙げられます。うつ病患者はこの10年の間に50万人から100万人に倍増したと言われています。
産業精神医学の分野では90年代以降に『ストレスが原因でうつになる』という考え方が定着してきました。
かつてうつ病は仕事のしすぎや、仕事のプレッシャーなどでおしつぶされるケースが多かったように思えます。しかし今の若い世代のうつ病の症状は承認欲求がみたされないことや、コミュニケーションで承認を得ることができないことなどのことからくるケースが多いです。
承認欲求が満たされない⇒ストレス⇒うつ病・不定愁訴という構図ができている
といえます。このストレスを取り除くことで、身体におこる各症状を改善していくわけです。
しかし、承認欲求が満たされないと、先ほどの流れを繰り返してしまいますから、生活習慣や職場環境なども変えていく必要があるといえます。
『ストレス』は、もともと物理学用語で物体に力が加わった時に生じる
『ひずみ』のことさします。
丸いボールがあり、ボールを指で押すとへこみます。
このへこみの状態をストレス(ストレス反応)といい、押した指のことをストレッサーと言います。
これをカナダの医学博士のセリエが医学領域で用いたことにより、浸透していきました。
普段はストレスの原因となるストレッサーのことを『ストレス』と呼んでします。
ストレスが限度を超えて加わると身体や心に様々な症状が出ます。
身体的症状
・吐き気
・頭痛
・下痢
・便秘
・不眠
・蕁麻疹
・アトピー
・生理不順
・腰痛
・肩こり
精神的症状
・イライラする
・落ち着きがない
・不安感
・やる気がでない
・集中できない
・怒りやすい
身体的症状や精神的症状以外にもストレスに起因する症状はたくさんあると言われています。その代表的な疾患としましては自律神経失調症や頭痛・神経痛、過食症や拒食症などが挙げられます。
自律神経失調症
ストレスが加わると、頭痛・耳鳴り・めまい感・嘔吐・睡眠障害・食欲不振などの自律神経失調症の症状が出ます。自律神経失調症の場合ですと、長時間のストレス環境下にいることやストレスに対して抵抗力が落ちていてる状態の時、ストレスが強いものであったりする場合におこりやすいです。
頭痛・神経痛
ストレスが加わると体内のストレスホルモンが分泌され、頭痛の症状をきたすことは多いです。
過食症・拒食症
過食症の原因のひとつとしてストレスが挙げられます。
過食症は簡単に言うと、食べすぎてします症状です。
ストレスを感じることにより、欲求不満を食べることによって解消しようとしてなることがおおいです。
拒食症も大きな原因としてストレスが挙げられます。
拒食症は神経性食欲不振症とも呼ばれ、対人関係のトラブルからくるストレスや
過去のトラウマが影響している場合もあります。
精神的・身体的な過度なストレスによって発症する危険性の高いうつ病に鍼治療などでのツボの刺激が効果的とされる研究結果が出ています。
イギリスのヨーク大学の研究で2013年にうつ病患者755人を対象にした研究が行われています。
鍼治療を取り入れたグループとそうでないグループとに分けて3か月後の心身の健康スコアを比べたところ鍼治療を受けていた群のほうが大きくスコアの改善が見られたとのことです。
ツボ押しはご自身でもできますので、最近ストレスが溜まっていると思われる方はぜひ実践してみてください。
『百会』のツボ押し
百会は頭頂部に位置するツボで「百」もの経絡がそこで「合」うということから「百会」と名付けられています。とても重要なツボで様々な疾患に対して刺激されるツボです。
自律神経の働きにも良い影響を与えて自律神経の活動を整えてリラックス効果が期待できます。また気分がなんとなく落ち込んだりといった軽いうつ状態にある際にも有効です。
ツボの押し方は、両耳の上端に親指を押して中指を頭頂部に持っていき両手の中指が交わったところで押していた気持ちいい箇所を探します。
その部分をゆっくりと深呼吸しながら押すようにしてください。
症例
30代 女性
職場の部署が変わり、一気にストレスが増えた。そのせいか、睡眠や食欲にも影響がでていて1ヶ月で3キロ体重が減った。
原因は忙しさと人間関係と両方で感じており、転職を考えている。
今はとにかく生活リズムを元に戻したいと思い来院。
鍼は初めてだが、効果があるなら多少の痛みは我慢する覚悟をしてきた。
当院の治療
治療の前に自律神経測定器で今の状態を測定したところ、ストレスと疲労の値がかなり高く、自律神経の調節機能が低下している結果がでました。
問診時にストレスが身体の症状に深く関係している事と、それが原因で自律神経の乱れに繋がっている事を説明し、自律神経の調節治療をメインで行っていきました。
治療経過
◇1回目◇
思ったほど痛みがなくて安心した。
◇2回目~7回目◇
治療後は眠れるが、すぐに戻ってしまう。食欲に変化はない。
◇8~13回目◇
まとまった睡眠時間がとれる日が増えた。食欲も前に比べて食べられるようになった。
◇14回目◇
もとの生活リズムが取り戻せてきた。