ゴルフ肩(スイングショルダー)の鍼灸治療

ゴルフ肩とは

ゴルフ肩は特定の病名ではなく日常的にゴルフを行うことにより引き起こされる「肩関節周囲組織の損傷」による症状をいいます。多くの場合スイングの際に前方に位置する肩に傷害が起きやすく、特に右利きのゴルファーの左肩が怪我をしやすいといわれています。

ゴルフ肩に含まれる具体的な疾患名、症候名として、「腱板損傷」、「腱板断裂」、「肩峰下インピンジメント」、「上腕二頭筋腱損傷」、「変形性関節症」「肩関節の不安定」などが挙げられます。

ゴルフスイング

 

 

ゴルフ肩になる主な原因

ゴルフは全身を使うスポーツですが、特にクラブを振り上げる動作では肩に負担がかかります。ゴルフ肩はこのスイング、特にテークバックに起因するトラブルです。

ゴルフのスイングではまず、クラブを構えテークバックする際に、左肩や肩甲骨についてる筋肉が引っ張られ引き伸ばされます。また、スイング時に頭を動かさないようにするため、上半身に対して首のねじれは強くなります。

クラブがトップから勢いよく振り下ろされると、先ほどまで引き伸ばされた左肩、肩甲骨周りの筋肉が急激に収縮を始め強い負荷を受けます。このようなスイング中の肩周りの筋肉が「伸長」と「収縮」といった強い負荷を受けます。

ゴルフのスイングを繰り返すということは、この動きを繰り返すことになります。例えばコースを一日中回ったり打ちっぱなしの練習をすると、少なくとも50~100回、初心者では100回以上スイング動作をしています。

その結果、徐々に左肩、肩甲骨周りの筋肉に疲労が蓄積され、ゴルフ肩になるのです。

また、非常に重量のあるクラブを振り回し、地面の抵抗なども加わることや、頻繁にゴルフを行うこと、長時間ゴルフをプレーすることもリスクと考えられています。

 

ゴルフ肩の症状

 

ゴルフ肩の症状

 

ゴルフ肩の症状は傷害される部位によって異なりますが、肩関節から肩甲骨周囲の痛みや腕にかけての痺れなどが一般的です。また、首のだるさ、肩甲骨周りの可動域制限などがあります。

あまりに酷くなると軟骨などの関節自体に損傷を起こすこともあるので注意が必要です。

 

ゴルフ肩になりやすい人

①スイング自体が肩に負担のかかる打ち方になっている

ゴルフ肩になりやすい人はスイングが悪い人です。バランスの取れた無理のないスイングであれば、肩への負担も少ないですが、遠くに飛ばそうとトップの位置を高く上げ過ぎたり、グリップに力を入れすぎたりすると無理なスイングになって肩に大きな負担がかかります。

また、股関節が硬い人はスイング時に腰の回転がうまく使えないため肩に大きな負担がかかり、猫背など姿勢が悪い人もバランスのとれたスイングができずに肩に大きな負担がかかり、ゴルフ肩になりやすいです。

②肩周りの筋肉が硬い

肩周りの筋肉の柔軟性が低いと、スイングの際に無理に引き伸ばされることで過度のストレスがかかってしまい、その伸長ストレスが繰り返し加わると次第に痛みに繋がってしまいます。

特にこの伸長ストレスを受けやすいのが肩の後面、外側面に位置する棘下筋、大円筋、小円筋、三角筋、菱形筋、僧帽筋、広背筋になります。この筋肉の柔軟性を保つことが痛みの改善のために重要となってきます。

西洋医学的治療

診断

ゴルフ肩(スイングショルダー)は病名ではなく、一連の状況が引き起こす症状の総称であるため、その診断は主に症状が発生すに至った経緯や症状の部位によりなされることが一般的です。

検査・治療

診察、レントゲン、関節超音波(エコー)、MRIなどの諸検査により診断します。疾患により治療法も異なりますが、主な治療法として保存療法(鎮痛剤や温熱療法、局所注射、運動療法など)で肩の痛みや運動障害が治らないときは、手術療法が行われることがあります。

 

ゴルフ肩に対する東洋医学的考え方

中医学では肩関節や、筋肉の痛みは体の外から邪気を受けるため発症するものと中医学でいう「肝」と「腎」と「脾」が何らかの原因で損傷して働きが弱まって発症するものと考えられています。そういった原因で肩背部付近もしくは上肢の気血が滞り、それが痛みや痺れの原因となると考えられています。

またスポーツでの肩に負担のかかる動作繰り返しや長い間腕を上げながら作業していた時などに気血は滞り、それが肩背部付近であった場合に痛みや痺れを発症する可能性が高くなります。
また中医学でも冷えは、様々な症状をもたらすとわれており、肩周囲の痛みの場合でも肩を冷やしてしまった場合に発症確率が高くなると考えられています。

 

 

当院のゴルフ肩に対する鍼灸治療

 

痛みの強い肩、肩甲骨周りやその周囲に鍼やお灸で刺激を与え、血液循環を良くすることで消炎効果を促し、鍼の刺激により痛みを感じる閾値を上げて痛みを感じにくくする作用を促します。

ゴルフ肩に対する鍼通電治療

また、東洋医学的観点から、「肝」「腎」「脾」をはじめとした五臓六腑の機能を整えるツボを用います。

さらに、肩の痛みは局所のみならず、骨盤から上の上半身全体の動きの悪さが原因となっている可能性があるため、筋肉の伸張性や軸となる骨盤や背骨(胸椎、腰椎)のゆがみを判断し全身的に整えていきます。

 


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸院|眼精疲労 at 13:29 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)

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