当院の肋間神経痛に対する鍼灸治療は、まず第一に痛みの強い部分に鍼とお灸の刺激を与えて、鎮痛効果を促します。
必要であれば、鍼に電極を繋げて電気を流すことでより効く鎮痛効果の治療を施します。
また、肋間神経痛は東洋医学的に診れば、『肝気鬱結』という病態が多いので肝経を中心としたツボを刺激し、治療していきます。
肋間神経痛は身体の疲れやストレスが溜まっている時に症状が悪化する傾向にあるので治療の前に自律神経測定器でお身体の状態を把握したうえで施術していきます。また激しい痛みは交感神経の活動を活発にして、長期にわたると自律神経も乱しかねません。
当院では自律神経測定器を用いてその日の患者様のお体の自律神経の状態を把握したうえでその方にあったオーダーメイドの治療を施しております。
全身の調整治療(自律神経調整治療)
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『肝気鬱結』を治す治療(東洋医学的所見からの治療)
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疼痛の強い肋骨部周辺への鍼通電療法(鎮痛作用)
これらの治療を合わせて行っていくことで高い治療効果に繋がるのです。
肋間神経痛は東洋医学では、『肝』が深くかかわっていると考えられています。
『肝』の機能として代表的なものとして
・肝は疏泄を主る
気を全身に行き渡らせて、全身の機能を安定的に保つ役割があります。精神状態や自律神経を介した内臓機能が正常に働かせます。
・肝は血を蔵する
肝が血を貯蔵して、必要に応じて各機能に供給します。また、自律神経を介して血管を伸縮させることで体内の血流量を調整します。
・肝は筋を主る
血を供給することで筋の運動を安定的に保ちます。また筋膜や腱を制御することで関節運動も調整します。
このように東洋医学では『肝』は全身の機能を調整するためにとても重要な臓器といえます。また経絡の走行を見ると、足の親指から起こり下肢の内側を通って肋骨部分にまで至ります。『肝』の不調はこの走行部分にあらわれやすくなります。
肋間神経痛の代表的なものとして『肝気鬱結』というものがあります。
『肝気鬱結』
主に精神的ストレスや病邪の感染、自律神経の異常によって気が停滞することによって起こります。肋間神経痛の主な症状であるわき腹や胸のあたりの痛みに加えて、イライラ感や頭痛、不眠などの症状もあらわれます。
生活の不摂生や精神的ストレスで症状が強く出ることが多いです。
肋間神経痛の症状は、その名の通り肋骨に沿って走行している肋間神経が何らかの原因により痛みが発生する疾患です。
肋間神経は、胸椎の間から出る神経で肋骨の間を添って胸骨に向かう左右12対ある神経です。肋間神経は、運動神経と感覚神経を併せ持っており、運動神経は脊柱起立筋をはじめとした姿勢を保持する筋肉と肋間筋など呼吸をする際に重要な筋肉を支配しています。それらの感覚神経も支配しています。
また、肋間神経は自律神経の一部も支配しているため、血管や内臓の働きもつかさどっています。よって内臓の異常が肋間神経支配領域に痛みや違和感を出させることもあります。
肋間神経痛となると、胸やわき腹の部分に瞬間的な鋭い痛みが出ます。胸が痛くなることも多いため、心臓の病気ではないかと不安に感じる人も多いです。
肋間神経痛といいましても肋間神経は肋骨の間を通るようにして走行しているため広範囲にわたって伸びています。よって肋間神経痛となっても人によって様々な部分に痛みが出るのです。具体的には、背中・あばら部分・わき腹・胸部・脇下・上腹部などです。
このように人によって痛みが出る部分や痛みの感覚は違いますが、体をひねるなどのちょっとした動きやくしゃみなどによっても痛みが出ることが多いようです。肋間神経痛となると多くは左右の片側や体の中心部分のみにおこります。
多くの部分で痛みが放散している場合その他の体の異変によって起きている可能性があるので注意が必要です。また、肋間神経痛では痛みはあるものの耐えられるほどの痛みが多く、耐え切れないほどの激痛が胸部やわき腹などに起きた場合は狭心症や心筋梗塞などの内臓系の病気が隠れている場合があるのですぐに専門機関を受診する必要があります。
肋間神経痛は、決して病名というわけでなく症状の一種です。原因がわからないことが多いですが、骨折や椎間板ヘルニア、ヘルペスウィルスなどの感染、心臓などの内臓の病気の可能性もあるので、自分で判断せずに病院で一度診てもらうことが重要です。
それでもレントゲンなど様々な検査をしても原因がわからないことが多いようです。
その場合は、ストレスや疲労の蓄積、運動不足など検査ではわからないことが原因に挙げられます。
ストレスによる肋間神経痛
肋間神経は、自律神経もつかさどっているためストレスなどで自律神経が乱れると肋間神経痛となってあらわれることがあります。
疲労の蓄積
肋間神経は脊柱起立筋など姿勢を保持する筋肉を主っているため、ずっと同じ姿勢などして疲労が蓄積すると肋間神経痛の原因となることがあります。デスクワークで常に同じ姿勢で脊柱起立筋や腹横筋などが疲労するとその間を肋間神経が走行しているために神経が圧迫されて痛みが誘発されることがあります。
またスポーツ時に無理な姿勢を取ったり、オーバーユースによる筋疲労でも肋間神経痛となることがあります。
運動不足
運動をせずに筋肉を動かさないでいると次第に筋肉は硬直してきます。そして、急に体を捻ったり、くしゃみをした時でさえ呼吸筋が急に伸縮するため筋肉や神経が傷つき、肋間神経痛となってあらわれます。特に高齢になればなるほど、筋肉も硬直しやすく神経も傷つきやすくなるので注意が必要です。
帯状疱疹
帯状疱疹後の神経痛として肋間神経痛があらわれることが多いです。帯状疱疹の原因となるヘルペスウイルスは神経細胞に潜伏していて免疫力が低下した時に表面化してきて神経細胞を傷つけて強い痛みが引き起こされます。
内臓疾患
肋骨は心臓や肺、胃や肝臓などを覆っており外部の衝撃から守る役割があります。よってこれらの臓器の不調は肋骨の間を走行している肋間神経にも影響を与えて痛みを誘発することがあります。
肋間神経痛を起こしている原因によって治療法は様々です。肋間神経痛だと思っていても狭心症などの心疾患によって肋間部辺りの痛みを起こすこともあるので、痛みを感じた場合早期に診断を受ける必要があります。
狭心症などの心疾患と診断された場合早期に適切な処置を受ける必要がありますし、肋骨の骨折や椎間板ヘルニアが原因で肋間神経痛を起こしている場合も原因によって処置は変わってきます。
しかし、多くの場合は原因不明の場合が多く、そういった場合はブロック注射や湿布薬などで痛みを緩和させる処置をされます。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸院|眼精疲労 at 13:29 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)