神経性(心因性)嘔吐症の鍼灸治療

2019年2月13日

神経性(心因性)嘔吐症東洋医学的考え方

東洋医学で神経性嘔吐症は吐き気、嘔吐は主に気滞(きたい)により生じる消化に関係する臓腑である「脾」「胃」「肝」の機能低下により、「胃」の気が下に降りられず上逆することによって生じると考えられています。

消化吸収は胃が食物を受け取り、揉み砕いて細かくし、小腸へ送る働きがあり、脾が食物の消化吸収を行います。

肝は気の流れの調節(疏泄作用)、胆汁の分泌と排泄により消化を助けるなどの働きがあります。

「気」は身体内を巡る生命エネルギーのような存在として捉えられていますが、脾胃を含めた臓腑はこの「気」の力により正常に働いています。

精神的ストレス(仕事の重圧、近所や家庭、職場などの人間関係、人によっては寒暖や湿度といった自然環境や騒音、日照りなどの生活環境が原因になることもあります。)などによって五臓六腑の「肝」の働きが低下し、「肝」の持つ疏泄作用(気を全身へ巡らす作用)が低下すると「気滞」に陥りやすくなります。「気滞」の他に「気の不足(気虚)」も気の流れが滞ってしまう原因になり、そうすると臓腑も十分にその力を発揮できなくなると考えられています。

気滞によって起こる典型的な消化器系症状としては吐き気、嘔吐、ゲップ、胃痛、食欲不振、下腹部痛、腹部の張り、ガス溜まり、下痢、軟便などが挙げられ、消化器系以外の症状としては胸のつかえ、喉のつまり、生理不順、イライラ感、気分の落ち込み、不眠症などが挙げられます。

 

 

神経性(心因性)嘔吐症に対する当院の治療

当院ではまず、自律神経測定器にて測定を行い患者様のお身体の状態を把握した上で治療に移ります。

 

腹部、手足、背部などに存在する自律神経のバランスを整えるツボに鍼やお灸で刺激を与えることで、消化器系を含む内臓機能の調整、免疫力の向上、全身的な血行を促進し自然治癒力を高めていきます。

神経性(心因性)嘔吐症の鍼灸治療

また、自律神経系の調整を行うことで嘔吐中枢の興奮を抑え、吐き気や嘔吐の症状を和らげる効果が期待できます。

さらに、東洋医学的観点から脾、胃、肝の働きを調整するツボや気の流れを整えるツボを選択します。

神経性(心因性)嘔吐症の背部兪穴の治療

 

 

神経性(心因性)嘔吐症とは

神経性嘔吐症とは、嘔吐の原因となる身体的な異常が見られず、心理社会的ストレスが誘発、原因となり、頻繁に吐き気や嘔吐をに悩まされる病気です

常にむかむかするだけで実際の嘔吐を伴わない場合や、実際に何度も続けて嘔吐してしまうものや、食事した後など決まったタイミングで嘔吐する習慣的なものまで様々です。

神経性嘔吐症はストレス耐性が低く脳の発達が完全でない子供に多い症状ですが、成人にも見られる病気です。

 

原因

神経性嘔吐症の原因ははっきりとは解明されていませんが、精神的なストレスが深く関係しているのではないかと考えられています。

 

ストレスと吐き気の関係

吐き気を感じるということは、脳幹内にある嘔吐中枢が刺激されているという事を意味します。嘔吐中枢は自律神経などによって大脳皮質や咽頭、心臓、消化管などの各器官とつながっています。

ストレスを認知したり評価したり判断したりするのは大脳の仕事ですが、その際ストレスに対して適切な受け止めができず上手に処理できない場合に、不快な感情、不安、恐怖、怒りなどが神経を介して延髄にある嘔吐中枢を刺激して症状が引き起こされると考えられています。

また、過度なストレスにさらされる状態が続くと自律神経の乱れを引き起こしやすくなります。その自律神経の興奮が嘔吐中枢を刺激することも神経性嘔吐症の症状を引き起こす原因になると考えられています。

 

神経性嘔吐症を発症しやすい性格

何事にもまじめに取り組む几帳面な性格、細かいことが気になる神経質な性格、人からの頼みごとを断れずストレスを溜めやすい性格などが発症しやすい可能性があります。

また、集団生活や状況の変化が苦手意識のある方も発症しやすいといえるでしょう。

 

症状

中心的な症状は吐き気と嘔吐になります。しかし、神経性嘔吐症を患っていても必ずしも嘔吐するわけではなく乾嘔(からえずき)を伴う吐き気や胃の不快感が主訴となるケースも多くみられます。

症状には波があり、何も感じない時もあれば、吐き気のために学校や職場へ行けなくなってしまう事もあります。

嘔吐が習慣的に繰り返されると胃酸の逆流により、胃と食道の境の粘膜が炎症を起こし、胸の中心あたりに痛みを感じることがあります。

また、歯のエナメル質が溶け出し虫歯になりやすいことも分かっています。

 

西洋医学的治療

神経性嘔吐症の診断は、まず嘔吐の原因となる他の疾患がないかを確認します。血液、尿、便の検査、内視鏡や腹部エコーなどを行います。

そこで胃炎などの嘔吐の原因となる疾患が無いことを確認してから、症状の発現に心理的なストレスが関係していると判断された場合に診断されます。

治療法として基本的には薬物療法やカウンセリング、自己訓練法などが用いられます。薬物療法では、制吐薬や抗不安薬などが使用されます。

 


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸整骨院|眼精疲労 at 16:29 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)

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