ゴルフ肩は特定の病名ではなく日常的にゴルフを行うことにより引き起こされる「肩関節周囲組織の損傷」による症状をいいます。多くの場合スイングの際に前方に位置する肩に傷害が起きやすく、特に右利きのゴルファーの左肩が怪我をしやすいといわれています。
ゴルフ肩に含まれる具体的な疾患名、症候名として、「腱板損傷」、「腱板断裂」、「肩峰下インピンジメント」、「上腕二頭筋腱損傷」、「変形性関節症」「肩関節の不安定」などが挙げられます。
ゴルフは全身を使うスポーツですが、特にクラブを振り上げる動作では肩に負担がかかります。ゴルフ肩はこのスイング、特にテークバックに起因するトラブルです。
ゴルフのスイングではまず、クラブを構えテークバックする際に、左肩や肩甲骨についてる筋肉が引っ張られ引き伸ばされます。また、スイング時に頭を動かさないようにするため、上半身に対して首のねじれは強くなります。
クラブがトップから勢いよく振り下ろされると、先ほどまで引き伸ばされた左肩、肩甲骨周りの筋肉が急激に収縮を始め強い負荷を受けます。このようなスイング中の肩周りの筋肉が「伸長」と「収縮」といった強い負荷を受けます。
ゴルフのスイングを繰り返すということは、この動きを繰り返すことになります。例えばコースを一日中回ったり打ちっぱなしの練習をすると、少なくとも50~100回、初心者では100回以上スイング動作をしています。
その結果、徐々に左肩、肩甲骨周りの筋肉に疲労が蓄積され、ゴルフ肩になるのです。
また、非常に重量のあるクラブを振り回し、地面の抵抗なども加わることや、頻繁にゴルフを行うこと、長時間ゴルフをプレーすることもリスクと考えられています。
ゴルフ肩の症状は傷害される部位によって異なりますが、肩関節から肩甲骨周囲の痛みや腕にかけての痺れなどが一般的です。また、首のだるさ、肩甲骨周りの可動域制限などがあります。
あまりに酷くなると軟骨などの関節自体に損傷を起こすこともあるので注意が必要です。
①スイング自体が肩に負担のかかる打ち方になっている
ゴルフ肩になりやすい人はスイングが悪い人です。バランスの取れた無理のないスイングであれば、肩への負担も少ないですが、遠くに飛ばそうとトップの位置を高く上げ過ぎたり、グリップに力を入れすぎたりすると無理なスイングになって肩に大きな負担がかかります。
また、股関節が硬い人はスイング時に腰の回転がうまく使えないため肩に大きな負担がかかり、猫背など姿勢が悪い人もバランスのとれたスイングができずに肩に大きな負担がかかり、ゴルフ肩になりやすいです。
②肩周りの筋肉が硬い
肩周りの筋肉の柔軟性が低いと、スイングの際に無理に引き伸ばされることで過度のストレスがかかってしまい、その伸長ストレスが繰り返し加わると次第に痛みに繋がってしまいます。
特にこの伸長ストレスを受けやすいのが肩の後面、外側面に位置する棘下筋、大円筋、小円筋、三角筋、菱形筋、僧帽筋、広背筋になります。この筋肉の柔軟性を保つことが痛みの改善のために重要となってきます。
診断
ゴルフ肩(スイングショルダー)は病名ではなく、一連の状況が引き起こす症状の総称であるため、その診断は主に症状が発生すに至った経緯や症状の部位によりなされることが一般的です。
検査・治療
診察、レントゲン、関節超音波(エコー)、MRIなどの諸検査により診断します。疾患により治療法も異なりますが、主な治療法として保存療法(鎮痛剤や温熱療法、局所注射、運動療法など)で肩の痛みや運動障害が治らないときは、手術療法が行われることがあります。
中医学では肩関節や、筋肉の痛みは体の外から邪気を受けるため発症するものと中医学でいう「肝」と「腎」と「脾」が何らかの原因で損傷して働きが弱まって発症するものと考えられています。そういった原因で肩背部付近もしくは上肢の気血が滞り、それが痛みや痺れの原因となると考えられています。
またスポーツでの肩に負担のかかる動作繰り返しや長い間腕を上げながら作業していた時などに気血は滞り、それが肩背部付近であった場合に痛みや痺れを発症する可能性が高くなります。
また中医学でも冷えは、様々な症状をもたらすとわれており、肩周囲の痛みの場合でも肩を冷やしてしまった場合に発症確率が高くなると考えられています。
痛みの強い肩、肩甲骨周りやその周囲に鍼やお灸で刺激を与え、血液循環を良くすることで消炎効果を促し、鍼の刺激により痛みを感じる閾値を上げて痛みを感じにくくする作用を促します。
また、東洋医学的観点から、「肝」「腎」「脾」をはじめとした五臓六腑の機能を整えるツボを用います。
さらに、肩の痛みは局所のみならず、骨盤から上の上半身全体の動きの悪さが原因となっている可能性があるため、筋肉の伸張性や軸となる骨盤や背骨(胸椎、腰椎)のゆがみを判断し全身的に整えていきます。
当院の円形脱毛症に対する治療は、第一に頭部に鍼灸施術で刺激して血流を良くすることにより発毛活動の促進を促します。これが最終目標ですが、頭部ばかりの血流を施しても根本的な治療にはつながりません。
治療の手順
1.まずしっかり問診をして原因がどこにありそうなのか特定していきます。生活でストレスに感じていることなど、些細なことでもお伝えください。
2.自律神経測定器で自律神経の状態を計測します。自律神経の状態を把握することでその患者さんにとって最良の治療を選択していきます。
3.いよいよ治療に入ります。治療を受けやすいお着替えもご用意しておりますので、ご利用の際はお申し付けください。
4.まずは、仰向け治療で自律神経の状態を整えていきます。
5.次は、うつ伏せになっていただき首肩などの筋の緊張をとっていきます。首周りの筋肉が過緊張状態ですと、その下を通っている血管を圧迫して頭部に栄養ある言い血液が循環していきません。当院では、円形脱毛症の治療でも首肩の筋肉の緊張をしっかりととっていきます。
6.最後に頭部にはりやお灸を施します。はりに電気を通して当院独自の通電療法を施す場合もあります。それは、患者さんの状態を診て判断しますが、電気の刺激がどうしても苦手という方は、お申し付け下さい。
当院ではその方に合ったオーダーメイド療法を心掛けています。また治療を受ける時間や仕事帰りや休日といったことでも体は変化します。その日の体に合わせた治療を施します。
※円形脱毛症の鍼灸治療の研究
全日本鍼灸学会では、円形脱毛症の鍼灸治療についての研究結果が報告されています。
『円形脱毛症の治験』
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam1955/24/1/24_1_35/_article/-char/ja/
この研究では、交感神経の緊張は血管の収縮をまねいて毛髪の種子層細胞を退化させて脱毛現象を促進させて円形脱毛症の原因となると書かれています。また、内分泌系に関して脳下垂体後葉ホルモンやアドレナリンは血管を収縮させて脱毛傾向を促進させるとも言われています。
22の脱毛症例に対して脱毛部に梅花針やお灸治療、首肩背部への鍼灸治療を行った結果、良好および治癒が8例だったと報告されています。
円形脱毛症は東洋医学の「腎」と「肝」が大きな影響を与えていると考えられています。
腎の大きな役割として、「腎は精を蔵し、生長・発育・生殖をつかさどる」というものがあります。腎は、人体の生長・発育・生殖および生命活動を維持する精を貯蔵して監視するというものです。
この腎精が不足すると、骨格の発育不良・運動能力の発達不良・内分泌機能や栄養代謝の低下など様々な機能の低下が起きると考えられています。髪の毛の視点からしても腎精が不足すると脱毛に繋がります。
腎精は生まれつきに備わってる部分が大きく、年をとるとともに減少傾向をたどるのが正常ですが、異常を起こし若いうちに腎精が不足すると円形脱毛症になると考えられます。
また、肝の異常により肝血が不足すると、腎精がこれを補うので、肝と腎はとても深い関係にあります。
肝血が不足すると、栄養障害や視覚の異常、運動系の異常などをもたらしますが、同時に腎精不足で起きる症状も呈しやすくなり、円形脱毛症になると考えられます。
・症状
30代 女性
・仕事
医療事務
半年ほど前に美容院に行ったところ、右後頭部に2cmほどの楕円形の脱毛部分があると指摘された。指摘されてすぐ皮膚科を受診。ステロイド薬を処方されるが変化は見られなかった。脱毛部分は少しずつ広がっていき、500円玉程の大きさとなってしまったところで当院を受診されました。
問診では特に日常生活でストレス感じていない様子で、最近の生活の変化も見られなかった。
・治療
まず自律神経測定器を用いて自律神経の状態を把握したところ、問診では「日常生活でそこまでストレスを感じていない」とのことでしたが、交感神経の数値が高く、精神的ストレス指数も高い状態でした。
そこでまず仰向きで交感神経の活動を鎮めて副交感神経の活動を高めるような、自律神経調整療法を施しました。次にうつ伏せ状態で頸部から腰部を触診したところ、頸肩部の硬固がつよく、そういった反応点にはり灸施術を施しました。
身体の血液循環をよくしたところで最後に仰向けで脱毛部分にはりを刺していきました。
・治療経過
◆1回目◆
頭皮・脱毛部分に大きな変化見られず身体の感覚は少し良くなった。
◆2~4回目◆
頭皮・脱毛部分に大きな変化は見られないが、髪質に変化を感じ始めた。
◆5~9回目◆
脱毛部分の周りから少しずつ髪が生えてきて毛根を確認ができる。髪質も良好。
◆10回目◆
脱毛部分全体に毛根を確認でき、1cmほどの髪の毛の長さと、触った時のザラザラ感があり、髪質が変わってきた様子。
◆11~15回目◆
脱毛部分に生えてきた髪の毛が抒情に黒くしっかりとした髪質に生まれ変わってきて、脱毛部分がわからなくなってきた。
・考察
患者さん自身がストレスを感じていなくても、身体の反応として出たり、自律神経測定器の数値結果からもストレスを溜め込んでしまっている体の状態が把握できた。また喘息の既往歴もあり、体質や遺伝的素因と環境的要因との両方が円形脱毛症を引き起こしたと考えられる。体のメンテナンスとして1カ月に1~2回は、通院されています。
症例2
40代男性
半年ほど前から右側頭部に500円玉程くらいの大きさで髪の毛が抜けている部分があることに気づき、すぐに皮膚科を受診して飲み薬や注射などの治療を行ったが、あまり改善がみられず気づくと今度は左側に円形の脱毛が見られるようになった。このまま薬と注射にだけ頼るのは不安になってきたため東洋医学で何とかならないかと当院にご来院された。
治療
職場の移動や子供が生まれて家庭環境が変化してストレスの多い日々を送っていたとのこと。円形脱毛に気づく前にお風呂で髪を洗っている際に抜け毛が多いことが気になっていた。ストレスが自律神経の乱れにつながっている可能性が考えられるため、まず自律神経の状態を計測して施術に入りました。治療方針としまして、まず自律神経の状態を整えること、円形脱毛がある部分の血行改善を目的に半年ほどの治療期間を考えていただき、施術しました。
経過
◇1か月目◇
治療開始から数回は寝つきが良くなり、体調が過服していくことを実感。頭部の状態は変化なし。
◇2か月目◇
最初に脱毛が起きた右側頭部の脱毛部分に産毛が生えてきた。左側頭部は変化は見られない
◇3か月目◇
右側頭部分は髪も少しずつ伸びて傍から見ると脱毛に気づかない状態。左側頭部も少し産毛が生えてきている。
◇4か月目◇
右側頭部の脱毛部分は順調に髪の毛が伸びてきている。
◇5か月目◇
右脱毛部分の髪の毛は周りの毛とほぼ変わらない髪の毛の長さにまで成長。左の側頭部も周りの髪の毛と比べると3分の1程度
◇6か月目◇
左右側頭部ともに円形脱毛があった部分がわからない状態となった。
症例3
40代 男性
1か月前に頭頂部に500円玉ほどの円形脱毛部が出現した。
ストレスに関しては思い当たることはないが、3~4か月前に急激に仕事が忙しくなり、睡眠時間も短かったためそれが原因の1つと考えている。
長時間のデスクワークで肩こりを強く感じ、2週間に1回のペースでマッサージに行くが、あまり楽にならない。
施術
まず頭の状態を入念に確認しました。
頭皮は少し赤みが出ており全体的に硬めですが、円形脱毛部は局所的に浮腫みが強く、鬱血している様子でした。
脱毛部周辺の髪の毛は細く元気がなく今にも抜けそうな状態。
肩首の緊張も強く可動域が狭くなっています。
まずうつ伏せで、首肩の筋緊張を緩和し、頭部への血流を促す施術を行いました。
次に仰向けで、自律神経調節治療、直接頭部へ鍼で刺激し、血流を促進させ髪の毛の成長を促す施術を行いました。
経過
◇1回目◇
肩が楽になり、自然と力みが少なくなった
◇2回目◇
髪の毛はまだ変化がないが、緊張が取れよく眠れるようになってきた
◇3回目~5回目◇
まばらだが産毛が生え始めてきた。鬱血もなくなり頭皮の状態も整ってきた様子
◇6回目~7回目◇
産毛がさらに増えてきている
◇8回目~10回目◇
産毛が太くしっかりしてきている
◇11回目~12回目◇
外側はほぼ埋まってきて、円形部が小さくなってきている
◇13回目~15回目◇
円形部分はほぼすべて生えそろった
◇16回目◇
気にならないところまで改善
円形脱毛症は東洋医学の「腎」と「肝」が大きな影響を与えていると考えられています。
腎の大きな役割として、「腎は精を蔵し、生長・発育・生殖をつかさどる」というものがあります。腎は、人体の生長・発育・生殖および生命活動を維持する精を貯蔵して監視するというものです。
この腎精が不足すると、骨格の発育不良・運動能力の発達不良・内分泌機能や栄養代謝の低下など様々な機能の低下が起きると考えられています。髪の毛の視点からしても腎精が不足すると脱毛に繋がります。
腎精は生まれつきに備わってる部分が大きく、年をとるとともに減少傾向をたどるのが正常ですが、異常を起こし若いうちに腎精が不足すると円形脱毛症になると考えられます。
また、肝の異常により肝血が不足すると、腎精がこれを補うので、肝と腎はとても深い関係にあります。
肝血が不足すると、栄養障害や視覚の異常、運動系の異常などをもたらしますが、同時に腎精不足で起きる症状も呈しやすくなり、円形脱毛症になると考えられます。
円形脱毛症とは、その名の通り髪の毛が円形に抜けてしまう症状です。しかし、円形脱毛症と言いましても人によって小さい10円玉くらいのサイズの脱毛から症状が進行すると、頭髪がすべて抜けてしまったり、眉毛や腋毛などにも影響が出てしまう場合もあります。
発症しやすい年代は、10~40代で男女比はそれほど変わりないですが、若干女性の方が円形脱毛症になりやすいと言われています。ストレスを抱えることの多い現代の日本人では、100人に1~2人は、円形脱毛症にかかってしまっている状況です。
近年では、ストレスを抱える子供が増えているせいか、子供でも円形脱毛症にかかってしまうケースもあり注意が必要です。
円形脱毛症は、早期に治療することが重要となりますが、痛みや痒みもないので自分では気づかない場合もあり、周りの人や髪を切る際に指摘されることも多いようです。
こういった方は注意が必要です!
・最近、枕によく抜け毛がついている
・髪を洗った時に髪の毛がよく抜ける
・家庭や職場で多くのストレスを感じている
・爪に小さな凸凹ができている
・アトピー性疾患を患っている
・家族が円形脱毛症になったことがある
・抜けた髪の毛根が膨らんでいるのではなく、細くとがっている
・出産後3カ月以内の女性
円形脱毛症といいましても抜け方により様々な種類があります。また、髪の毛と爪の構造が類似しており、円形脱毛症の方は、爪が歪んでいたり、小さな凸凹ができる場合もあります。
・単発型
円形脱毛症で一番多く見られるのが単発型です。突然気付いたら、円形状の脱毛斑ができます。頭髪ばかりでなくまゆ毛や腋毛なども抜けて行ってしまう場合もありますが、比較的は予後は良好で、1年以内にほとんどの方が治癒するといわれています。
しかし、また再発する可能性もあり注意が必要です。
・多発型
単発型が進行すると、脱毛斑が2つ以上できてしまう多発型へ移行してしまいます。多発型は、単発型よりも治りも遅くなってしまいます。
・蛇行型
多発型で脱毛斑が隣接している時に、脱毛斑が合わさってさらに脱毛範囲がさらに拡がっていってしまう場合があります。蛇行型は、合わさった脱毛斑が後頭部から側頭部にかけて蛇のような形で拡がって行ってしまいます。
・全頭型
全頭型は、脱毛斑が進行していき、頭全体に拡がってしまいます。さらにまゆ毛やまつ毛、腋毛などすべての体毛に脱毛が拡大していく場合もあります。
そういった場合は、治療が長期にわたります。
・ストレスによる円形脱毛症
円形脱毛症の原因としてまず挙げられるのが、精神的ストレスです。過度な精神的ストレスが長い時間続いてしまうと、自律神経が乱れます。自律神経は自分の意識とは無関係に働いている神経で、心臓や腎臓などの内臓器をつかさどって血管や血液循環にも影響をもたらします。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、交感神経が活動的な神経で副交感神経がリラックス神経です。交感神経は心臓などの臓器を活動的にさせて、交感神経の長時間過緊張状態が続くと、血管を収縮させて全身の血流量を低下させてしまいます。それが頭皮に及ぶと、毛根へ栄養ある血液が送れなくなってしまい、脱毛につながるのです。
当院では自律神経測定器で現在の自律神経の状態を把握してから治療に入るため適切な方法で治療することが可能です。
・自己免疫疾患の円形脱毛症
円形脱毛症は、ストレスが主な原因と認知されがちですが、自己免疫疾患が原因で円形脱毛症になるケースも多いです。
自己免疫疾患とは、体の外部から入ってきた異物を攻撃して撃退するという本来の機能が異常をきたして、自分の細胞を攻撃してしまう疾患です。自己免疫疾患には、有名な所で言えば、関節リウマチ・全身性エリテマトーデス・バセドウ病などが挙げられます。
頭皮において自己免疫疾患が起こった場合、毛根を異物だと判断して攻撃してしまうのです。すると突然髪の毛が抜け落ちて新たな髪の毛さえ生えにくくなるのです。
自己免疫疾患は年々増加傾向にありますが、ストレスによる自律神経の乱れが影響しているとも考えられており、鍼灸治療で自律神経を整えることはとても重要です。
・アトピー素因による円形脱毛症
円形脱毛症で悩んでいる方の半数ほどは、アトピー性疾患を持っており、アトピー素因との関係が深いと考えられています。そして半数以上は家族にもアトピー性疾患を患っている方がいます。そいった方は、治癒しても再発する可能性が高くなります。
・遺伝的要因による円形脱毛症
研究結果でも円形脱毛症患者の家族にも同じような症状で悩んでいる方がいるという結果が出ており、遺伝的要因があるのではないかと考えられています。しかし、どういったものが遺伝すると円形性脱毛症となってしまうのかといった詳細なことはいまだわかっていない状態です。
・出産後女性ホルモンの減少による円形脱毛症
出産による女性ホルモンの減少が脱毛に繋がってしまうと考えられています。女性ホルモンはもともと発毛を促進させるという働きがあります。しかし出産後女性ホルモンが減少して髪の毛の質が細くなったり、ひどい場合だと髪の毛が抜けて円形脱毛症となってしまうのです。
円形脱毛症の原因は、科学的には厳密に解明されているわけではありません。
しかし、上述したように様々な要因が絡み合い起きているものだと考えられています。遺伝的要因やアトピー素因など先天的な体質も大きなウエイトを占めていることもありますが、食生活を中心とした生活習慣を見直していくことで円形脱毛症が改善されやすい体の状態に持っていくことはとても重要なことです。
食事は毎日できるだけ一日3食バランスの良い食事を同じ時間帯にとって、十分な睡眠と運動習慣は、治しやすい体に持っていくための基本です。
その中で髪や頭皮の健康につながる食べ物は科学的に解明されており、それらを積極的に摂っていく必要があります。
・タンパク質
髪の毛の大半はケラチンというタンパク質で構成されており、ケラチンが不足している状態ですと髪の毛が生えにくかったり、伸びにくい、切れやすいなど不健康な状態となってしまう危険性があります。
タンパク質が多く含まれている食材として赤身の肉や鶏肉、魚、大豆や納豆などが挙げられます。
・亜鉛
亜鉛も不足してしまうと髪の毛の成長が鈍り、不健康な状態となってしまうことが言われています。
亜鉛の多く含まれる食材として牡蠣や赤身の肉、豆類やナッツ類などが挙げられます。
・ビタミンB群
レバーや卵、大豆に多く含まれるビタミンB2は細胞の新陳代謝を促すとされています。カツオやサバに多く含まれるとされるビタミンB6、レバーやイワシなどに多く含まれるとされるビオチンはタンパク質の代謝、合成や分解を助けるとされ、積極的に摂っていくと健康的な髪の毛になりやすいとされています。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
年齢を重ねていくごとに仕事の疲れが取れない・育児や家事に追われて日に日に疲れが溜まってしまうそのようなお悩みで鍼灸治療を受けられる方も増えています。
身体の疲労感は、身体が送っているSOSです。体は私たちに休養を取りなさいと勧めてくれているのです。しかし、その疲れを放っておくとやがてツケとなって体に跳ね返ってきます。
一定量の疲労感が溜まって許容量をオーバーすると様々な疾患へとつながる危険性があるのです。
体の疲れ・疲労と言いましても様々な種類があります。単なる疲労感から疾患に繋がるサインの場合もあります。
慢性疲労
一般的に6ヶ月以上続く疲労感を慢性疲労
炎症性疾患による疲労
・自己免疫疾患(膠原病、血管炎など)・結晶起因性疾患(痛風、偽痛風など)
更年期障害による疲労
更年期を迎えると体内の卵子の数が極端に減り、急激にエストロゲン(卵巣から分泌される女性ホルモンの一つ)の分泌が急激に低下します。
エストロゲンの分泌は脳の視床下部という自律神経や体温調節などを行っている部位がコントロールしていますが、エストロゲンが低下すると視床下部は卵巣にもっと女性ホルモンを出すようにシグナルを送ります。しかしその際シグナルが不要な興奮を起こしてしまうことで、視床下部が混乱を起こし自律神経の乱れを引き起こすため、神経の調節不良や心身の不調が起こりやすい状態になるのです。
そのような症状は多かれ少なかれ生じますが、特に日常生活に支障をきたす場合を更年期障害と呼びます。
更年期障害は人によって症状が様々ですが、主な症状として肩こり、倦怠感、疲労感、のぼせ、ほてり、動悸、息切れ、腹痛、腰痛、不眠、イライラ、うつ状態、不安感、めまいなどが挙げられます。
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甲状腺異常による疲労
・甲状腺機能亢進症(バセドウ病)・甲状腺機能低下症(橋本病)など
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)では、甲状腺ホルモンが異常に分泌されてしまい、その結果として新陳代謝が上がるので激しいやせ、激しい発汗、イライラ、動悸、だるさ、眼の突出などの症状が現れます。
一方、甲状腺機能低下症(橋本病)では、甲状腺ホルモンの分泌が減ってしまい、その結果として新陳代謝が落ちるので皮膚のかさつき、体重増加、寒がり、だるさ、物忘れ、集中力のなさ、うつ症状、抜け毛などの症状が現れます。
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心疾患や貧血による疲労
・虚血性心疾患(狭心症、心筋梗塞など)
虚血性心疾患は心臓の筋肉(心筋)に栄養や酸素を送り届けている冠状動脈という血管の動脈硬化から起こります。
・心不全
心不全とは心臓のポンプの働きが低下して全身の臓器に必要な血液量を送れなくなった状態をいいます。心不全の症状として動悸や息切れ、呼吸困難、疲労感、むくみなどが挙げられます。
・貧血
貧血は赤血球数の低下、またはヘモグロビンの値の低下を来した状態で血液が不足した状態の総称です。貧血に陥ると酸素が体にうまく行き渡りにくくため新陳代謝が低下し結果として倦怠感や疲労感を引き起こします。
貧血の鍼灸治療について詳しくはこちら←
栄養不足による疲労
食事をしっかりとれずに栄養が摂取できていない状態ですと、疲労感が出やすい状態となります。
精神疾患による疲労
うつ病や自律神経失調症などの精神疾患では、疲労感を感じやすく、動くのも億劫な状態となることがあります。
疲労を感じる状態は主に身体的な疲労と『脳の疲労』というものがあります。脳疲労は、現代社会では疲労を感じる場合多くが脳が疲労している状態とも考えられています。
脳疲労は英語では、「brain fatigue」といい、近年注目を集めている概念であり九州大学の藤野武彦名誉教授が提唱した概念として知られています。脳疲労は、アメリカの「ウェルネス・リソース」のサイトに3つの主症状として挙げられており、「心の疲れ」「燃え尽き症候群」「疲労感」とがあります。
それが、自分自身では鬱々とした感覚としてとらえられる場合もあれば、ただ単に年を取ったかなと感じる時もあります。
この3つに共通して言えることは、知的作業において作業効率が悪く作業速度も遅いと感じることです。
それは、自分自身よりも先に周りの人がそれを感じ取ることが多いようです。
日常生活で他人からそのような指摘を受けた場合は脳疲労が溜まっているかもしれないのです。
脳疲労の原因はいまだ明らかに解明されてはいませんが、日常生活での過度なストレスや食生活、労働環境や学習環境の変化など環境的変化に適応できないなどの問題によって自律神経のバランスが悪くなったのだろうと考えられています。
脳疲労が溜まるとうつ病や自律神経失調症などの精神疾患にも悪化しかねないため注意が必要です。
うつ病の鍼灸治療ついて詳しくはこちら←
自律神経失調の鍼灸治療について詳しくはこちら←
などです。
このように疲労感と言いましても様々な種類があるためなかなか疲労が取れない場合には一度病院を受診して検査を受けてみることをおすすめします。
特にしっかりと休息・睡眠をとったのに疲労感が取れない場合は何らかの病気が隠れている場合もあります。
自律神経は、基本的に日中活動的な時間帯の朝から夕方までの時間帯では交感神経の活動が高くなり、副交感神経の活動は抑えられています。逆に夕方から夜にかけては副交感神経の活動が高まり、交感神経の活動が抑えられるのが正常な活動となります。
疲労回復に対する鍼灸治療では、自律神経の状態を整える自律神経調整治療を中心に東洋医学の『腎』を整える施術も行っていきます。
その他、疲労で出ている症状、首肩こりや腰痛、下肢の痛みやコリに対しても施術を行っていきます。
20代 男性
学生時代から疲労感が感じやすくなり、ここ一年ぐらいで全身的な疲れが著明に現れるようになった。また、やる気の低下や精神力もなくなり不安を感じやすい。
一日の睡眠時間は7~8時間寝ているがすっきり起きれず、日中の眠気も強い。
首や肩のコリ感もあり、頭痛も気になる。
当院の施術
問診で詳しくお話をお聞きしたところ、お仕事の関係で就寝時間が遅くなることもあり、海外出張も頻繁にあるため生活が不規則という事がわかりました。生活習慣や症状の特徴から自律神経の乱れが強い可能性があるため、まず自律神経測定器でお身体の状態を測定したのですが、夜の時間にもかかわらず交感神経と副交感神経の割合が9:1と交感神経が異常に高くなっており、自律神経の乱れが大きく出ていました。
また、触診において全身の張りとくに首肩の緊張の強さが目立っていました。
この患者様は睡眠の質が悪く寝ても疲れが取れない体質のため、まず副交感神経を高める治療から始めました。慢性疲労の多くが睡眠の質の低下によるものなので、体質改善をベースとして施術を行っていきます。
その後に、全身の筋緊張の解消を目的としたアプローチを行っていきます。
特に首が硬くなることにより、脳から放出される幸福ホルモンのセロトニンが
分泌できなくなり、やる気の低下を引き起こす原因になります。
1回目
あまり大きな変化はないが、体は軽くなった。
2回目
やる気の低下や精神的な調子は改善した。
疲れはまだ取れにくい。
3~7回目
徐々に疲労感は軽減してきているが、仕事で多忙の時など日によってまだ日中のだるさや眠気を強く感じることがある
8~12回目
首肩こりや頭痛・疲労感など身体的な不調は感じることがだいぶ少なくなってきた。精神的な不安感ややる気の低下は感じない時間も増えてきたが仕事量や出張によっても左右される。
精神状態を把握しつつ、症状が強く出そうであればその前に施術を受けてもらうようにアドバイスされていただきました。
症例2
34歳 男性
仕事が好きでプライベートも充実している。
勤務時間外もついつい長く働いてしまうため、疲れが蓄積して体が重だるい時があり、日々のパフォーマンスを高め生活の質の向上を目的に来院。
ストレスは全く感じていないが、肩こりや頭痛が起こることもある。
週に一回近所の整体で体のケアをしている。ゴルフとサーフィンが好きで、休日は仕事を忘れ思いっきり楽しんでいる。
施術
声に張りがあり、とても生き生きとしている。普段から運動をしているためか筋肉もしっかり付いていてとても健康的な反面、柔軟性が乏しくそのまま放置していたらいつかはケガをしてしまうような体つきをしている印象。
仕事に集中してしまうため睡眠時間が短くなる事もあるが、日中の眠たさはない。
自律神経測定器で測定した結果、問題は見当たらなかった。元々体調が崩れにくい体質な様子。
まずは、仰向けで頭痛に対する施術、さらなる自律神経の機能安定のために副交感神経を高める施術を行った。
次に、うつ伏せで首、肩、背中、腰の筋緊張緩和を目的とした施術を行った。
◇1回目◇
肩が軽くなり快適になった
◇2回目◇
よく眠れるようになり、疲れが取れた
◇3回目◇
疲労感がなく、気持ちよくゴルフをプレイできた
◇4回目◇
目の疲れがあるため、今回から眼精疲労の施術も合わせて行った
◇5回目◇
目の疲れも取れて、仕事もしやすくなった
◇6回目◇
疲労が感じにくくなり、肩こりや頭痛の頻度が減少した
適度な運動をしましょう
身体を動かすことで全身の血行が良くなり、自律神経のバランスも整いやすくなることから疲労回復に効果的な場合があります。特にウォーキングやジョギングなどの有酸素運動が有効です。
バランス良い食事と十分な睡眠をとりましょう
バランスの良い栄養の摂取と十分な睡眠は疲労回復の基本です。偏った栄養の食事は避けて肉類・野菜類・炭水化物類とバランスよく食べるようにしてなるべく食事する時間も毎日合わせると良いです。
休みの日でも早寝早起きの習慣
仕事がある日とお休みの日とで就寝・起床時間が著しく異なってしまいますと自律神経のバランスが崩れやすく、疲れが溜まりやすい体の状態となってしまいます。
自律神経のバランスを崩さないためにもお休みの日でも仕事のある日と同じように早寝早起きを心がけましょう。
胆石症は人により痛みの強さはそれぞれで、軽度なものだと重苦しい痛み、強いものだと七転八倒するような激しい苦痛の場合もあります。重度なものだと鍼灸の効果が出にくい場合があり、手術が必要になります。また、場合によっては重篤な病気に繋がることもあります。自己判断ではなくまずは病院で主治医の指示に従って下さい。
胆石症は胆道に胆汁に含まれる成分が結晶化し固まることでできる結石の総称です。
胆道の場所によって名称が変わり、胆嚢結石、胆管結石、肝内結石、に分類されます。
欧米では全人口の10%〜20%を占めており、日本でも食事の欧米化や高齢化社会により胆石症が増加しており今では欧米と比較して同様の数になっています。
胆汁にはコレステロール、ビリルビン、胆汁酸、レシチンなどが含まれており。胆汁が濃縮過程でこれらの成分のバランスが崩れることによって胆石が発生すると言われています。
胆汁成分のバランスが崩れる原因は、①肥満、②加齢、③過食、⓸不規則な食生活、⑤ストレスが上げられます。
また、胆石症の6割がコレステロール石と言われており、脂肪分の多い食べ物を好んで摂取している人は発症のリスクが高くなります。
胆汁はアルコールによって濃度が濃くなります。そのためアルコールの過剰摂取の方も注意が必要です。
それだけではなく女性ホルモンも関係しています。女性ホルモンはコレステロールが原料の一つであり、加齢により女性ホルモンの分泌が低下すると、それを補おうと血中コレステロールが増加し胆石が作られやすくなります。そのため中年以降の女性も発症することがあります。
胆石症の主な症状は胆道痛です。痛みが出る場所は、右肋骨の下、みずおち、右の背中、右肩で、食後に表れやすいことが特徴です。
腰やへその上あたりに合わせて痛みが出ることもあります。
痛みは常にあるわけではなく、痛みが続いた後数十分〜数時間の間落ち着きます。
夜間や食後、特に脂質が多い食事をした後は痛みが出現することが多いです。
また、白目の部分や皮膚が黄色くなる黄疸、茶色や黒色の尿が出るビリルビン尿があります。
一部分の人は胆嚢や胆管に炎症が起こり高熱、さらに細菌感染が加わると敗血症に発展することがあります。
胆石症の2~3割の人は、無症状胆石(サイレントストーン)といった症状がほとんどみられない場合もあります。
※吐き気や嘔吐、38度以上の高熱の症状もある場合は、胆嚢炎の可能性があります。
胆石が胆管に詰まったり、胆嚢の炎症が悪化し胆嚢が腫れると胆管が圧迫され肝機能障害や黄疸が出ることもあり、胆石症を放置していると場合によっては急性膵臓炎、胆嚢がんのリスクに繋がることもあります。
胆石症は東洋医学で「胆」と「肝」が大きく関係していると考えられています。「肝は謀慮(ぼうりょ)を主る」、「胆は決断主る」と精神的機能と大きく関わっています。
東洋医学の世界では昔から胆と肝は怒りを溜めこむ臓器と伝えれており、怒りや我慢が限界まで達しそれが続くとエネルギーが固まり石を作ってしまい、それが胆石症になります。
東洋医学ではストレスで疲れている肝と胆の働きや気の流れを調節する事で、胆石症の治療を行います。
胆石症の鍼灸治療は石を取り除くことではなく、痛みを軽減させ日常生活への支障を最低限まで抑えることが目的になります。
鍼でツボを刺激すると脳内モルヒネが分泌し鎮痛作用が働きます。そのような鍼特有の作用で痛みを軽減していきます。
痛みが強い場合は痛みの閾値を上げるために鍼通電法を行います。
また、自律神経調節治療も同時に行い自然治癒力を高め、「肝」や「胆」の機能を調節する東洋医学観点による施術も同時に行います。
治療頻度は最初の1か月は週2回、2か月目以降は週1回が理想で、症状の緩和など状態に合わせて少しずつ間隔を開けていきます。
無症状の場合は定期的な経過観察、痛みやその他の症状がある場合は手術が一般的です。
胆石症は胆石を取り除いても再発することがあるため胆嚢ごと摘出します。
他に内科的治療として胆石溶解剤による薬物治療、衝撃波で体外から石を砕く体外衝撃波胆石破砕療法などがあります。
卵、バター、魚卵、レバー、ドレッシング、マーガリン、洋菓子類など脂質やコレステロールが多いものは控え、栄養バランスが良い食生活を送りましょう。特に豆類やブロッコリー、人参、さつまいもといった水溶性のものやビタミン、食物繊維を意識的に摂りましょう。
また、規則正しい生活も重要です。
良く睡眠をとり、適度な運動を心がけましょう。
胆汁が出るタイミングが不規則になり、胆汁が溜まりやすくなると胆石ができます。
毎日決まった時間に食事をとる事で胆汁が規則正しく分泌されます。1日の3食をなるべく同じ時間にとるようにしましょう。
アトピー性皮膚炎は、かつて幼少期に発症して大人になると治っていくと言われていましたが、今は大人になっても治らない場合や治っていてもストレスなどで急に発症する場合が増えています。また、20歳以下の10人に1人はアトピー性皮膚炎にかかっていると言われており、増えている病気の一つです。まず当院で受けられたアトピー性皮膚炎の患者さんの症例をご紹介させていただきます。
中学3年生 男子
生後3か月からアトピー性皮膚炎の症状が出る。幼少期~小学生までは、ほとんどアトピー性皮膚炎の症状が出ていなかったが、中学校に入学してから症状が再発。受験を控えている影響と思春期という難しい時期が重なり、ここ3カ月は症状が強く出ている。
症状がひどくなってきてから皮膚科を受診して、内服薬として抗アレルギー剤と外用薬としてステロイド剤を処方された。
ステロイド剤を使うと一時的に症状は軽快するものの、痒みはあまりおさまらないという状態。顔まわりや首・肩周り、ひじ関節あたりの湿疹は特に強く出ている。普段から乾燥肌で冬になり空気が乾燥してさらに受験のストレスで赤みが強く出る時もある。思春期独特の悩みもある。
症例②
30代女性
子供の頃からアトピー性皮膚炎持ちだったが、2~3年前に症状が強く出て、皮膚炎やかゆみ症状が出て入院するほどになった。一度症状は落ち着くも当院ご来院2か月ほど前から症状がまた強く出るようになった。病院では入院治療を勧められたが、本人が断ったため入院はしなかった。ステロイドの塗り薬に頼るのは後々の副作用が怖いということで別の治療法を探していたところ友人の紹介で当院にご来院されました。
首肩の炎症が特にひどく、夜眠ることができないことがあって日中の仕事や家事にも影響を与えていました。また、かゆい部分を書き壊して浸出液が出ることも多かったとのこと。
当院の治療
まずしっかりと時間をかけて問診をして皮膚の状態を見てから自律神経測定器で自律神経の状態を計測していきました。特にかゆみで睡眠が阻害されることがつらく、自律神経の状態も交感神経が過亢進の状態でした。
交感神経の活動を下げて副交感神経を上げる自律神経調整治療と並行して、東洋医学的な熱を瀉す施術も行っていきました。お灸も積極的に使用して特に『肩井』『曲池』『血海』『腎兪』『肝兪』の経穴には強い刺激を入れていきました。
治療経過
◇1回目◇
治療後、少し眠ることができた。痒みが多少治まり、首の炎症も少しよくなった
◇2回目◇
よく眠れる日と眠れない日がはっきりしてきた。首肩の症状が治まってきたが全身に少し似たような症状が出てきた
◇3回目◇
顔に炎症が出るようになり、目が腫れぼったく感じる
◇4回目◇
全身のかゆみは治まり、また首肩の炎症が強く出るようになった
◇5回目◇
首肩の炎症が強く出てしょうがなく、ステロイドの塗り薬をぬった
◇6回目◇
薬で首肩の炎症が治まって、今はもう塗っていない。睡眠をよくとれる日は週の半分程度
◇7回目◇
前回治療後、かゆみが3日ほどよくかゆみをほぼ感じなかったが、4日目からは少しずつかゆみを感じる
◇8回目◇
治療後かゆみを感じない期間が伸びてきた。
◇9回目◇
首肩の炎症はほぼなくなったが、お風呂上りや体を動かした後はかゆみを少し感じる
症例③
30代男性
子供のころから乾燥肌で夏になると汗疹などができやすい体だった。高校を卒業して初めての一人暮らしで生活環境・食生活の変化により、アトピー性皮膚炎を発症した。最初は、そのままにしておいたがあまりにも痒みと湿疹がひどくなったため病院でステロイド剤の塗薬を処方してもらった。塗薬を塗るとすぐに痒みと湿疹は軽減された。
それから就職や転職などのストレスの多くかかる時期にアトピー性皮膚炎を発症していたが、塗薬で対応していた。ある時、仕事が忙しく徹夜続きで食事も夜遅くに外食という生活を続けていたところアトピー性皮膚炎を発症して今回も病院で塗薬をぬったが以前よりも効果が薄れてきた。痒みが治まっても睡眠中にひっかいてしまったりと湿疹はどんどんひどくなっていってしまった。
本でアトピー性皮膚炎には鍼灸がいいとみてご来院された。
当院の治療
自律神経測定器で自律神経の状態を計測。特に副交感神経の活動が高く、交感神経の活動が乱れている状態でしたので自律神経の状態を整えつつ、東洋医学的観点よりアトピーに効果のある経穴を用いて施術していきました。合わせて問診時に生活習慣特に食生活が乱れていることが分かったので食生活を特に見直していただくように生活の指導もさせていただきました。
経過
施術開始から1か月程度は週に2回ほどのペースで施術していきました。最初の方はあまり効果が見られず、痒みや湿疹は変わらない状態でしたが、1か月を過ぎるころには夜搔き壊すことがなくなり肌の状態がだんだんとよくなっていきました。
2か月目からは治療間隔を延ばしていき、週に1回ほどのペースで施術してきました。一番症状が出ていた肘当たりの湿疹が経過してきてステロイドの塗薬が必要ないくらいとなった。
3か月目も週に1回ほどのペースで施術。生活習慣・食生活も改善されて痒みもほぼ感じなくなった。また症状が出ると怖いということでステロイド薬を少量塗っていたがステロイドの使用も中止しました。
症例④
30代男性
アトピー性皮膚炎の症状は幼少期からあったが、全身にひどく目立ち始めたのは15年前に1人暮らしを始めてから。ここ数年は良い状態と悪い状態を繰り返している。痒みがひどいときはステロイドの塗薬を使っていたが、現在薬は使用していない。アトピー性皮膚炎の合併症として白内障になり、両目の手術後から眼精疲労、頸肩のコリも強くなった。ひどいときは腕に痺れが出る。
当院での治療
アトピー性皮膚炎の症状は、ストレスなどによる自律神経の乱れや免疫力の低下などで発症しやすくなります。鍼灸で身体の免疫力を向上させ、体質改善を目的として身体全体をみた治療を行いました。まずは自律神経測定器で身体の状態を診ていきました。交感神経が非常に高く、常に神経が緊張状態にありました。精神的なストレス数値も高くでたので、まずは仰向けで自律神経の調整をし、その後うつ伏せで頸肩の筋肉の緊張をとっていきました。最後にまた仰向けになってもらい、顔と頭にローラー鍼を用いて柔らかな刺激を加えました。
治療経過
一回目
全身の血流がよくなり少し痒みがでたが効いている感じがした。
体がぽかぽかし、頸肩は治療後すこし軽くなった。
二回目
前回治療後、顔に出ていたアトピーの湿疹が減った。今までは一週間の間に良い状態と悪い状態を繰り返していたが、鍼灸治療をして一週間はずっと良い状態が続いている。体のアトピーはまだ変化を感じない。頸肩の凝り感はまだ取れない。
三~五回目
顔、体ともに痒みが減った。以前にステロイドの塗薬を使用していたため皮膚が硬くなっていたが、硬さが少し減った気がする。
頸肩の症状はまだあるが、以前よりは楽になってきている。痺れはない。
六~八回目
だんだんとアトピーの症状が軽くなってきている。
首肩の凝りも大分良くなったが仕事が忙しくなると辛くなるので、今後もアトピー治療と一緒に続けていきたいとのこと。
症例⑤
30代男性
幼少期からアトピー症状があり、季節の変わり目や秋に症状が強くでる。全身にかゆみを感じるため睡眠時間が減り、身体の疲れもとれにくい。ステロイドなど薬はもともと服用していないため、薬を使わず改善していきたいとのことで当院を受診された。
当院での治療
炎症が強い部分のまわりにお灸を行い、顔はローラー鍼を用いて炎症を抑えるよう治療した。自律神経の乱れもアトピー症状の原因になるため自律神経の調整もあわせて行った。また、アトピーは東洋医学では肺機能の低下が原因とされるため、肺に関係するツボに鍼とお灸を行った。自覚がなかったが手足の冷えが強くみられたので、手足末端にも鍼を用いて全身の血流改善をはかった。
治療経過
1回目
身体がぽかぽかする感じがした。
施術後は身体も頭もすっきりとして疲れがとれた感じがした。
3回目
施術した当日はかゆみも少なくよく眠れるようになった。
皮膚の赤みも以前より減っている。
10回目
かゆくて眠れないことはなくなった。
乾燥が強いと症状がでるが、それ以外は特に問題はない。
身体のこりや疲労はまだあるので、今後も通院していきたい。
アトピー性皮膚炎の鍼灸の臨床研究につきまして明治鍼灸大学で45症例に対して臨床的効果を検証したものがあります。
この研究では、治療回数が10回~110回で皮膚所見の改善が77・8%見られ、搔痒感が改善されたのが51・1%であったと報告されています。毛中の好酸球数を見ても優位な低下がみられて炎症の軽減が見られたことを血液検査からも証明されたとしています。また、IgE値も低下した例が多く見られており、鍼灸治療がアレルギー疾患自体にも効果を発揮することがわかりました。
アトピー性皮膚炎は東洋医学的にみると「湿熱」の病変だと考えられています。
「湿熱」とは、「湿邪」と「熱邪」とが合わさった病変で、両方の性質をもった症状が現れます。
邪気とは飲食などの環境因子が身体に影響をもたらすもので、「風邪」「寒邪」「湿邪」「熱邪」「燥邪」「暑邪」の6つがあります。「邪」につきましてあまり聞き慣れない言葉かと思われますが、東洋医学では、陰陽バランスの乱れや五臓六腑の病変などの以外は、邪が原因で発病していると考えられています。
現代医学でとらえますとウィルスや病原菌などが東洋医学では外邪と捉えられるのです。アトピー性皮膚炎では、湿邪と熱邪が合わさったものと捉えられますが、湿邪の特徴としまして、体内に水分が溜まってしまい気血や臓腑の働きが悪くなってしまうことです。湿度の高いところにいると体が重たく感じ頭がボーっとすることがあるかと思いますが、これは湿邪によって引き起こされるととられます。湿邪は、他の邪と合わさって症状として出やすいことも特徴で、湿邪と合わさって症状が出てしまうと病気が快復しにくくなってしまいます。
湿熱の邪気は、炎症あるいは免疫異常や水分代謝異常などの疾患を起きやすくさせます。湿邪と熱邪と合わさるほかにも例えば風邪と合わさると「風湿」となり、関節リウマチ等でよくみられます。
熱邪に侵されてしまうと特に上半身に熱が上がり皮膚の炎症やインフルエンザ症状など身体に熱を持たせてしまうことが特徴です。熱邪がさらに進行すると「火邪」となり、熱症状がさらに悪化してしまいます。
湿邪は五臓六腑の機能を低下しがちですが、特に東洋医学でいう「肺」「脾」「腎」の機能低下を起こしやすくさせます。
アトピー性皮膚炎に関すると特に「肺」「脾」の機能低下がよく見られます。肺の状態は、鼻や肌にあらわれやすいとされています。脾の状態は、唇や上肢・下肢にあらわれやすとされています。
肺と脾
『肺は気を主り宣散・粛降を主り、脾は運化を主る』
肺と脾は、共同して気の生成に重要な役割をもっていて、津液(水分)を全身に送り届ける役割とそれらを外に出す役割をになっています。肺と脾の機能が低下してそれらの役割をこなせなくなってしまうと皮膚を保護する機能が低下してさらに皮膚は乾燥してアトピー性皮膚炎を起こしやすくなると考えられます。
アトピー性皮膚炎とは、痒みのある湿疹を主な症状として症状が軽快したり増悪したりを繰り返す疾患です。もともとアレルギー素因をもっていたり、皮膚が乾燥しやすく皮膚を守る機能が低下して皮膚が炎症を起こします。
日本アトピー協会ではアトピー性皮膚炎の診断基準を
1.痒み
2.特徴的湿疹の分布
3.慢性・反復性経過
と定めています
アトピー性皮膚炎で見られる特徴的な皮膚の状態として
などがあります。
アトピー性皮膚炎では年代別で様々な経過をたどっていきます。
幼少期では、はじめ顔や頭に湿疹ができて次第に全身に症状が広がっていきます。新しい食べ物を食べることで起きることもあります。自然と治る場合もありますが、2カ月以上湿疹が続き、アトピー性皮膚炎と診断される場合があります。
アトピー性皮膚炎が治まらずに成長していくと、皮膚が乾燥して痒みが強くなり掻き壊してしまい皮膚がただれたり厚くなったりして、単純ヘルペスや目の疾患などの合併症にかかってしまう可能性があります。
顔面部の痒みにより目を擦ったりすることが多くなることで合併症が出ることがあります
アトピー性皮膚炎の原因ははっきりと分かっていませんが、遺伝などによるアトピー素因を持っていることと環境が関係していると考えられています。
遺伝による体質に、環境などが強く関係して発病すると考えられます。それぞれにはアレルギーに関係するものと、それ以外のものがあります。これらは、発病のきっかけになると同時に、症状を悪化させる原因にもなります。
アトピー素因とは
・家族歴
家族にアトピーの人がいる
・既往歴
以前に気管支喘息・アレルギー性鼻炎・アレルギー性結膜炎などに罹ったことがある
これらの素因を持っているとアトピー素因を持っていると言われます。しかし、これらの素因を持っていてもアトピー性皮膚炎を発症しない人もいます。
また乾燥肌もアトピー性皮膚炎にかかってしまう一つの大きな要因です。肌が乾燥していて肌を保護する機能が低下しているので、アレルギー原因となる異物から肌を守ることができなく、汗やタオル、化粧品の刺激などにも敏感に反応してしまいます。一度反応が出るとかゆみを伴うので掻き壊してしまいさらに異物が侵入しやすい環境を作り出してしまい炎症をさらに悪化させてしまうという負のスパイラルに陥る危険性があるのです。
アトピー性皮膚炎と自律神経の乱れはとても深い関係にあると言われています。人間には、自分の意志で動かす働きのある体性神経と自分の神経とは無意識に働く自律神経の大きく分けて2つの神経が存在しています。そして自律神経には活動的な神経である交感神経と体を休める神経である副交感神経とがあります。
自律神経系は内臓の働きを主っており、血流の調整や免疫系もつかさどっているのです。外的環境から体を守る仕組みとしてこの自律神経系を介した働きと内分泌系による働きがバランスよく働いていることにより機能しています。アトピー性皮膚炎は、外的素因に対して過剰に体が反応しているということが考えられますので何かしらの原因により自律神経のバランスの乱れが体の免疫に影響を与えてアレルギー反応を起こしていると考えられているのです。
特にアトピー性皮膚炎では副交感神経が優位の状態が多くみられます。副交感神経が優位となり自律神経のバランスが崩れて体の免疫が異常をきたすことでアトピー性皮膚炎となってしまっているのです。
また皮膚の炎症を抑えるためにステロイドを使い続けていた場合は交感神経が優位の状態が多く見受けられます。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
膝の内側には。もも裏の筋肉(ハムストリング)や内転筋などの筋肉に繋がる腱が集中しており、膝を曲げたり回内する筋肉である縫工筋、薄筋、半腱様筋の腱が扇状に広がりながら脛骨に付着し、その部分が鳥の足のような形をしていることから鵞足(がそく)と呼ばれています。
鵞足炎はこの鵞足周囲の筋腱や鵞足包(鵞足と内側側副靭帯との間にある滑液包)がオーバーユース(使いすぎ)などにより慢性的な緊張にさらされることで膝の内側の骨と腱、または腱同士で摩擦が生じ炎症を起こす疾患です。
スポーツでは陸上競技やサッカー、水泳などに多くみられ、これは足を後ろにけり出す動作や、キックで蹴りだした足を減速させる時などに鵞足に過度に負荷かかりやすいためです。
膝を伸ばしたときの痛みや、鵞足部の圧痛や腫れ、膝下の内側(鵞足部)に運動後の痛みが生じます。重症になると激痛を伴い安静時にも痛みが出現し、日常生活に支障をきたします。特に階段の昇り降りで支障をきたすことが多いのが特徴です。
・過度なスポーツや運動
・運動前のウォーミングアップ、運動後のクールダウンの不足
・運動フォーム(ランニングフォーム、キックフォーム)の異常
・足に合っていない靴や安定しない足元での運動
・鵞足を構成する筋肉の柔軟性の低下
・外反膝(X脚)、回内足などのアライメント異常
・外傷
などが挙げられます。
鵞足炎になってしまったら
走行中や走行後に痛みがあるがスピードには影響しない程度の症状の軽い時には十分なストレッチ(鵞足を構成する筋肉である大腿の内側、後面、前面のストレッチ)と運動後のアイシングが有効です。
痛みの為に走る距離やスピードに支障が出る場合や歩行時でも痛い場合はランニングや練習を中止して安静にし、湿布や軟膏を用い炎症を抑える事が重要になります。ストレッチやアイシングも有効です。
鵞足炎や鵞足滑液包炎は上記の症状の他、同部位を押さえることにより痛みが生じるため診断は比較的容易です。その他超音波検査によって膝の状態を明らかにすることも診断や治療方針の決定に役立ちます。
また、レントゲン撮影により鵞足炎以外の問題がないかの確認や症状が強い場合MRI撮影を行い疲労骨折の有無を確認する場合があります。
①消炎剤、鎮痛剤の内服
②湿布などの外用剤の併用、局所への痛み止め注射
③物理療法、運動療法
④テーピング、足底板の作成(シューズの内側を高くするなど)
東洋医学では関節の痛み、しびれ、だるさなどの病態を「痺証」として捉えます。
「痺(ひ)」という文字は通じない、塞がるといった意味を持ち、生体の弱りに乗じて風、寒、湿、熱などの外邪の侵入などにより気血や水の巡りが障害されることで起こると考えられています。
鵞足を構成する筋である縫工筋、薄筋、半腱様筋に鍼やお灸で刺激を与え、筋肉の緊張を緩和し血液循環を促進することで炎症を抑える作用や、膝の内側との摩擦や筋肉の付着部の緊張を除くことで膝への負担を軽減し、症状の緩和を図ります。
また、必要であれば痛みの強い部分に鍼に微弱な電気を流すことで痛みの閾値を上げ鎮痛効果を促します。鍼治療だけでも鎮痛効果がありますが、刺した鍼に電気を流すことで鎮痛効果の増大が期待できます。
東洋医学的観点からもアプローチをしていきます。鵞足炎の原因である筋肉の走行上には、膝の内側を通る経絡である腎経、肝経、脾経の経絡が通ります。その経絡の気血が滞ってしまうと痛みとして感じやすくなっていまいます。気血の流れを整える経穴にも鍼やお灸を施します。
鵞足炎は骨盤と膝の連動性も重要となるため、腰部、臀部、下肢のツボを用いて関節のバランスを整える治療も合わせて行います。
40代男性
体重増加が気になり始めてダイエット目的で3か月ほど前からランニングを始めた。毎日6キロほど走るようになって体重も減少していき8㎏痩せて結果が出てきた。
ある日夏のサンダルで出かけてショッピングをしていたらふとした時に右膝の内側に痛みを感じるようになってしまった。
毎日のランニングにも支障が出てしまうこともあって走っている途中で痛みが出ることもある。サポーターを膝に巻いているといくらか痛みが和らぐ。
病院では変形性膝関節症と診断を受けたが、ランニング後にひざ下が熱感を持つこともあっておかしいと思って別の整形外科で診てもらったところ変形性膝関節症と鵞足炎を診断を受けた。
特に湿布などの保存療法のみを提案されたので鍼灸治療を受けてみたいということで当院にご来院されました。
当院の治療
触診時でも右膝下あたり鵞足部に熱感を持っている状態。右臀部から大腿内側・外側部の筋緊張もみられました。
まずうつ伏せ施術で腰部や臀部・下肢後面部を鍼やお灸施術で筋緊張の緩和を目的に施術をしていきます。
次に仰向けの施術に移ります。患部周りに鍼をさして電気を流す周囲鍼通電治療をもちいて鎮痛効果・抗炎症効果を目的に施術をしていきます。
お灸も患部の周囲に少し集めのお灸を施すことで抗炎症効果を促します。
大腿部や下腿にもお灸を施して筋緊張の緩和をはかります。
施術経過
一回目の施術後から痛みが半減した感覚。ランニングは炎症が起きていることもあって1週間はしないようにしていただきました。
施術のペースは3~5日に一回ほどで4回受けていただき、それからは2週間に1回という形で治療間隔を延ばしていきます。
施術開始2週間目からはランニングを再開。最初はランニングの距離を短めで2キロからスタートしていただき、3週間目からは4キロと徐々に距離を延ばして鵞足炎の状態を診ていきます。
4週間目くらいからはランニング中・ランニング後でもひざ下の痛みをほぼ感じなくなりました。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
中耳炎は、耳の中の中耳と呼ばれる部分で炎症が起きて膿が溜まる病気です。中耳は鼓膜の内側に位置する場所で、鼓膜でキャッチした音を脳に伝える働きをしています。
中耳炎になると、耳がこもった感じがしたり、耳の痛みを感じたりといった症状がみられることが特徴です。中耳炎にはいくつか種類がありますが、子どもの中耳炎というと多いのは急性中耳炎です。
子どもの耳管(耳と鼻をつなぐ管)大人に比べて太く短いため、鼻やのどの細菌やウイルスが中耳腔に入りやすいという特徴があります。
そのため、中耳炎は割と子供に多い病気とされています。好発年齢は生後6カ月~2歳頃とされ、2歳を過ぎると罹患率は減り、小学校入学の7歳頃までに60~70%の子が一度はかかると言われています。
中耳炎は、中耳に入り込んだウイルスや細菌が原因であることがほとんどです。見鼻と耳は耳管と呼ばれる管で繋がっており、風邪をひいたり長期間鼻水がたまっていたりすると耳管を通ってウイルスや細菌が中耳に侵入します。
このウイルスや細菌が中耳の中で炎症を起こすことで中耳炎を引き起こします。
子どもはどうして中耳炎になりやすいのか
大人の耳管に比べて子どもの耳管は、太くて短いことと、咽頭までの傾斜が水平になっていて細菌やウイルスが侵入しやすい構造になっているために、子どもは中耳炎にかかりやすいと考えられています。子供は成長するにしたがって大人の時間の長さや形に近づくので中耳炎を起こしにくくなります。
子どもの中耳炎の症状は、発熱や鼻水、耳の痛みなどが主な症状です。風邪をきっかけに中耳炎を発症することが多いため、風邪に似通った症状でなかなか見分けがつきません。
・なかなか熱が下がらない、熱が夜によくでる
・しきりに耳を触ったり、手を当てたりしている
・耳を触ると嫌がる
・声をかけても反応がない、テレビの音を大きくしたり、テレビに近づいてみる
・ぐずったり不機嫌がずっと続く
・泣き出したら止まらない
急性中耳炎の治療は、基本的に抗生剤の内服治療を行います。また、鼻水が溜まった状態が続くと治りが悪くなるため、こまめに鼻水吸引をして鼻の通りを良くしておくことも大切です。
急性中耳炎が長引いたり、治りきらないうちに治療をやめてしまうと滲出性中耳炎や慢性中耳炎に移行してしまうことがあり注意が必要です。
滲出性中耳炎は中耳に液体がたまり、鼓膜の振動が悪くなって聞こえが悪くなってしまう病気です。風邪、副鼻腔炎、急性中耳炎などの後に、中耳の内圧が下がってしまい浸出液がたまってしまいます。アレルギー性鼻炎を併発していることもあります。アデノイドが増大する乳幼児期に多いことも特徴です。
東洋医学では、耳と五臓六腑の「腎」は深い関わりがあるといわれています。東洋医学の腎は西洋医学でのそれとは違いますが、内分泌系・泌尿生殖器系・免疫監視機能など少し似ている部分もあります。
その中で腎は耳に開竅すると言われ、先天的に身体に備わられている腎精というものが十分に満たされていない状態ですと、生殖能力や脳の活動にも影響を与えて聴力も低下すると言われています。
そして腎の陰液不足の状態になると陽気の相対的亢進に伴って熱証となってしまい、炎症症状が出やすい状態となってしまうのです。
これを腎陰虚の病態といいますが、東洋医学では腎と肝は『肝腎同源』と言われ、相互に依存した状態で、腎陰虚の状態が出ると合わせて肝陰虚という状態になりやすくなります。
肝陰虚は肝の陰液が不足した状態ですがその状態となってしまうと陽気は体の上へと昇りやすく耳や目の症状として現れやすくなってしまい、中耳炎の原因となります。
当院の鍼灸施術では、東洋医学的観点により五臓六腑の『肝』や『腎』の働きを正常に戻すようなツボを用いて鍼灸施術を施したり、自律神経のバランスを整えることで体の免疫力の向上や自然治癒力を上げる施術を行っていきます。
小児鍼は、一般的な鍼とは違い、鍼を体に刺さず、専用の鍼具で皮膚をさする、あるいは皮膚にトントンと当てるだけの手法です。不安なお子さんにはお母さんに抱いて頂いたままで施術を行うこともできますし、親御さんの治療室への同席も可能です。
腕や足、腹部や背部などに存在する自律神経のバランスを調整するツボへ鍼やお灸で刺激し、免疫機能や内臓機能を整え体をリラックスさせることにより自然治癒力を高めます。
東洋医学的観点から腎、肝などの五臓六腑の機能を整えるツボを取り入れていきます。
さらに、耳の周囲のツボに刺激を与え、中耳炎を起こしている中耳、さらに耳全体の血流を改善し、消炎効果を高め、免疫機能を増強し症状の緩和を図ります。
背中の痛みに対する当院の治療は、背中に鍼を刺して場合によってその鍼に通電療法を用いることで痛みを鎮静化させます。
鍼の効果として痛みを抑制する鎮痛効果が挙げられます。刺した鍼に電気を流すことでその鎮痛効果がさらに高まることが期待できます。
当院ではお灸療法も並行して行っていきます。お灸は筋肉が暖まることで弛緩しやすくなり、老廃物質や発痛物質を流してくれる効果が期待できます。
東洋医学的に診ると痛みは、気血の滞りや外邪の侵入などが考えられます。それらを流してあげたり、体外に排出する東洋医学的観点からの施術も行っていきます。また背中には背部兪穴といって五臓六腑の重要なツボが分布しています。痛みの部位とツボの位置を照らし合わせることでどの臓腑が異常をきたしているか特定してその臓腑のツボも用いた施術も並行して行うことで高い施術効果が期待できます。
その他問診時に自律神経の乱れも関与していると考えられた場合には、自律神経測定器で自律神経の状態も把握したうえで施術を行っていきます。背中の痛みが強く出ている部分の施術と自律神経の状態も整えることで根本的な解決を目指します。
背中の痛みの鍼灸治療症例報告
40代男性
2週間程前から左の肩甲骨の下辺りの痛みに悩まされている。デスクワークで主にパソコンを使う仕事の為、腕を上に挙げる動作が辛い。
最近は残業が多く、睡眠時間も十分にとれていなかったため疲労の蓄積と元々の姿勢が猫背気味なのが関係しているかもしれないとの事。
当院での治療
自律神経測定器の結果、交感神経が過亢進状態で自律神経のバランスに大きく乱れが見られました。そのため、まず仰向けで自律神経の調整を行いました。その後うつ伏せで触診を行ったところ、肩甲骨下部に硬結が見られ押すと圧痛がありましたので、痛みの強い
部分や頸と頚肩部、背部の筋緊張の見られる箇所へ鍼や灸で刺激を与え筋緊張を緩和する施術を行いました。
一回目
鍼の後は痛みが半減していたが、翌日から徐々に元の状態へ戻った。
二回目
痛みが弱くなった気がするが、長時間仕事をしていると痛みが出てくる。
三回目
徐々に良くなっているが、週に二回程痛みが出た時があった。
四回目
痛みはほとんど感じなくなったが、張りは残っている。
五回目
張りは若干あるが痛みは消失した。日常生活支障ない程度になったため、少し治療間隔を空けてみる。
六回目
筋肉の張りも和らいできた。長時間仕事をすると筋肉が緊張する感覚はあるものの、身体を休めれば治る程度まで落ち着いた。
20代 女性
安静時は痛みはなく、動き始めが一番痛い。
仕事はネイリストで、一日中下を向く体勢や背中を丸くしていることが多い。そのため肩や首まわりのコリ感や重だるさが常にある。尚且細かい作業なため集中力を持続していなければならないため精神的ストレスもある。
まず、触診にて首や肩、背中などの筋肉の状態や、背骨の歪みのチェックを行いました。
背骨の歪みは見られなかったが、ストレートネックになっており、全体的に筋緊張が非常に強い状態でした。とくに肩甲骨内側の僧帽筋、菱形筋の柔軟性が低下しており、そこが痛みの原因になっていました。
炎症反応は見られなかったため、背中の患部に刺鍼し筋緊張緩和と沈痛を目的とした鍼通電療法を行いました。
また首や肩、頭周りの硬さも非常に強く背中の柔軟性に関連していると考え、首肩頭部の硬結に対しても鍼で刺激をしていきました。
この方は長時間労働で休みも少ない、夜も不眠気味という事から自律神経の乱れもみられたため、自律神経調節治療も並行して行いました。
1回目
痛みが軽くなった。
施術後はかなり楽になったが、またしばらくすると元に戻ってきた
2回目
まだ痛みがあるが、以前よりは改善した
3回目
だいぶ楽になってきた
施術後の痛みが軽減した状態が長くなってきた
4回目
痛みが気にならなくなってきた
忙しいと辛くなってくる
5回目
ほとんど気にならない
現在も定期的にメンテナンスとして通院中
背中の痛みの痛みには様々な原因があり、一概には言えません。ぎっくり腰のような症状が背中にあらわれているものもあれば、内臓の疾患が隠れている場合もあり、注意が必要です。
背中の痛みの原因は軽度のものから内臓疾患などの重度の病気が隠れている場合がります。運動など背中に負荷をかけていないのに痛み時や2週間以上背中に強い痛みを感じていたり、どの姿勢をとっても背中に痛みが出る場合は一度病院で検査を受ける方が良いでしょう。
・筋疲労や筋肉の損傷
背中の筋肉には僧帽筋や肩甲挙筋、菱形筋などの様々な筋肉が走行しています。それらの筋肉のおかげで姿勢を保持したり体幹を曲げたり捻ったりとあらゆる動作を行うことが可能です。それは、それらの筋肉に負荷が相当かかっていることも意味しています。力仕事などの方はもちろんのこと長時間のデスクワークで同じ姿勢を長時間続けていると筋肉は気づかないうちに疲労して疲労物質が溜まってしまい痛みの原因となってしまうのです。
また、普段運動習慣のない方が急に運動して体を捻ったりすると筋肉が損傷して炎症を起こして痛みの原因となってしまいます。
・ヘルニア
頸椎の椎間板の突出して神経を圧迫することで肩甲骨周囲の痛みが生じる場合があります。椎間板は椎骨と椎骨との間にある圧力を緩和させるクッションのような役割がありますが、椎間板ヘルニアでは、その椎間板が強い圧力や加齢に伴って弾力性の低下が起こり、飛び出してしまう状態となります。肩甲骨周りだけではなく、首周辺の痛みを感じている場合頚椎椎間板ヘルニアの可能性もあります。
・内臓疾患
背中の右側が痛む場合
背中の右側、右肩甲骨周囲に痛みが出る場合は、肝臓や胆のうの病気が隠れている可能性もあります。身体の右側に肝臓や胆のうはあり、右肩甲骨周囲の筋肉は肝臓や胆のうと繋がっており、異常が出ると右肩甲骨周囲の筋肉にも影響を及ぼすことがあります。
具体的には、肝臓がんや肝炎、胆石症、胆嚢炎が挙げられます。それらの疾患の場合、背中の痛みの他にも発熱や腹部の不快感・痛みなども現れます。
背中の左側が痛む場合
背中の左側が痛む場合は膵臓や心臓、胃の疾患が隠れている場合があります。特に心筋梗塞は早急な対応が生死の分かれ目となります。背中のみだり側の痛みの他に胸部の激痛、吐き気や意識障害が見られます。
膵臓の疾患の場合は背中の痛みの他に腹部の痛みや食欲不振や全身の倦怠感などが現れます・
・肋間神経痛
肋間神経とは肋骨の間を肋骨に沿って走行している神経で人間では12対あります。肋間神経は肋間筋などの筋支配と胸壁や側面の皮膚に分布して感覚を主っています。その肋間神経が何らかの原因によって痛みを生じさせます。痛みが出る範囲は、主にわき腹や胸部となりますが、肩甲骨に近い部分も感覚をつかさどっているため肋間神経痛でも背部の痛みを感じる場合があります。肋間神経痛は、明確な原因が特定されない場合が多く、単純な疲労の蓄積や運動不足であったり、ストレスからくる自律神経の乱れなども考えられています。
・自律神経の乱れから生じる背中の痛み
自律神経は、自分の意志とは無関係に働いている神経で心臓などの内臓の働きをつかさどり、血流にも影響をあたえています。過度なストレスや睡眠不足、飲食の不摂生などは自律神経を乱して血流の悪化をまねきます。すると、疲労物質や発痛物質は流されずにそこに滞留しやすくなります。その部位が背中に起きてしまった場合に自律神経の乱れによって背中の痛みを感じてしまうのです。
内臓の疾患を除いて背中の痛みを感じる人には姿勢や生活習慣の乱れの特徴があります。
・姿勢
特に猫背をなっている方は、背中の痛みを生じやすいとされます。背中が丸まってしまうと頸部は前傾姿勢となっています。すると背中が頭部の重みをうまく分散できないためある一定の部分に負担が言ってしまい背中の痛みの原因となってしまうのです。パソコン作業では、腕は前方に出しているためどうしても背中は丸まり猫背姿勢となりがちです。長時間のパソコン作業の際は細目に休憩をとって背中のストレッチなどで伸ばすことが重要です。
・運動不足
運動不足の人は筋力が低下している場合が多く、背部の筋肉も例外ではありません。背部の筋肉の筋力低下が起きていて許容範囲を超えてしまうと痛みが生じます。また筋肉は動かさないと柔軟性が低下してしまう性質があり、その状態で過度な負担や急に動かしてしまうことで痛みの原因となってしまうのです。
・乱れた生活習慣やストレス
睡眠不足や飲食の不摂生は、体の疲労を蓄積してしまい負担のかかっている筋肉に痛みを生じさせます。その他、精神的緊張状態などが長く続いてしまって交感神経が高ぶっている状態ですと筋肉は固まりやすくなってしまい、血流も悪化します。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
パソコン作業やスマートフォン操作など目を酷使する機会の多い現代社会では、目にまつわる様々なトラブルが拝見されます。
目の上の痛みもその一つで、主に眼精疲労によって目の周りの筋肉が疲労して知覚神経である三叉神経に刺激が加わってしまうことで目の上の痛みの原因となってしまうのです。
目の痛みに対する当院の治療は、第一に目の周りの経穴に鍼を刺して鍼の効果の一つである鎮痛効果で目の痛みを抑えます。
また、刺した鍼に電極をつないで微弱な電気を流すことで鍼の鎮痛効果をより一層高める施術も場合によっては行っていきます。
また、眼精疲労などで目の周りの筋肉が過緊張状態で痛みの物質が滞ってしまっている場合は目の周りにお灸の施術も積極的に取り入れていきます。目の周りにお灸をすると言いましても火傷するような熱いお灸ではなくほど良い温かさで筋肉を弛緩させていきます。
その他、全身の調整治療としまして東洋医学的観点より五臓六腑の肝や腎の経穴を用いたり、自律神経の乱れも整える施術も行っていきます。
痛みは交感神経の活動を高め常に緊張状態となってしまいがちです。それはさらに血管や筋肉を収縮させて痛みを増幅させてしまう悪循環を招いてしまう危険性もあります。
局所的な目の周りの施術と合わせて身体全体の調子も整えることで鍼灸の施術効果をより一層高めてくれるのです。
30代男性
PC作業が主な仕事に従事しており、一か月ほど前から頻繁に左目の上の痛みがある。合わせて頭が締め付けられるような頭痛も伴うことがある。痛みは寝ると良くなるが仕事に行くと夕方から夜にかけて痛みが出現してくる。また、慢性的な首肩こりがある。
当院での治療
自律神経測定の結果交感神経が過亢進状態でバランスに乱れがみられました。まずうつ伏せで、首肩、背部の筋緊張を緩め、仰向けで目周囲、頭部のツボを用いて筋緊張の緩和と血液循環を促進させ疲労物質の代謝を促す治療を行いました。合わせて自律神経のバランス調整を行っていきました。
一回目
施術後は目がすっきりとした感覚があり、翌日まで調子が良かった。しかし施術後二日後からまた痛みが出てきた。首肩こりはまだ大きな変化はない。
二回目
目の上の痛みの頻度は変わらないが痛みの強さは弱くなってきている。首肩こりは初回よりは良い状態だが、左の首の付け根が常に固まっている。
三回目
最近は残業が多かったせいもあるのか、前回から大きな変化はない。
四回目
目の上の痛み頻度、強さ共に改善傾向にある。左の首の付け根はコリがあるものの、少しずつ柔らかくなってきていると思う。
五回目
以前まで週の半分ほどは痛みがあったが最近は週に一回から、二回になっている。首の可動域が広がり、頭痛も最近は起こっていない。
六回目
週に一回だけ目の上の痛みがあったが、痛みの強さは以前と比べれば半分程度。頭痛は伴わなかった。首肩は左右差ほぼなくなったが、部分的にこっている。
七回目
最近は目の上の痛み、頭痛は出ていない。左の首の付け根のコリほぼ消失した。肩上部がこっているが、以前と比べればだいぶ筋肉が柔らかくなった。
症例2
30代 女性
眼精疲労が以前からあり、最近になって疲れがひどくなってきた。それに伴って目の周囲、特に眉の上のコリ感が強く感じるようになり、酷い時は痛むことがある。
普段はデスクワークで、パソコンに向き合う時間が1日8時間以上、プライベートではスマートフォンを頻繁に使用するため目をかなり酷使している。
目の痛みが続くと頭痛にまで発展し、頭痛薬を使用するが効かないこともあり、つらくて夜も眠れない。
肩こりもひどくストレッチをするようにしているが、最近はあまり効果がない。
当院の施術
まず、うつ伏せで首肩や背中の筋緊張の緩和を目的とした施術を行いました。
3回目以降は鍼が慣れてきたため電気を流し刺激量を上げていきました。
次に仰向けになり、自律神経調節治療、目の周囲に鍼を打ち、そこに電気を流して血流の促進、痛みの緩和を目的とした施術を行いました。
治療間隔は最初の1か月は週に2回、2か月目からは改善速度に合わせて週に1回のペース。
経過
1回目
あまり変化はない。鍼の副作用のため身体が重だるくなった。
2回目
少し目の痛みが軽くなってきた。
3回目
首肩、頭、目の周りの緊張が緩んできたような気がする。
4回目
肩が軽い。目の痛みが緩和。
5回目
目の疲れが取れた。頭もスッキリして軽い。
6回目
ここ最近忙しかっため、また少し目の上の筋肉が痛くなってきた。
7回目
前回からあまり変わらず
8回目
少し楽になったが、まだ痛みがある。
9回目
だいぶ楽になってきた。肩も軽い。
10回目
ほとんど気にならない
東洋医学では、五臓六腑の『肝』が目と深く関係しているとされています。東洋医学では、肝の病変が目にあらわれやすいとされているのです。東洋医学でいう『肝』と西洋医学の肝臓とは機能的に少し異なる部分もありますが、似ている部分もあり実際にご来院される方の中では、目の症状と肝臓の数値が悪いと健康診断で診断されたと言われる方が多くいらっしゃいます。
また、東洋医学では『肝』と『腎』は相互に関係しており、肝が弱っているということは腎も弱っていると判断されます。
施術では、全身的な施術として肝や腎の機能を補ったり逆に機能が亢進している場合はそれを抑えるツボも用いて施術していきます。
眼精疲労とは、パソコン作業やスマートフォン操作、読書、車の運転等で目を使う作業を続けることで目の周囲の痛みや目の奥の痛み、かすみ目や充血などの目の症状が主に現れることでです。眼精疲労の特徴は、目の症状ばかりでなく様々な症状が起こることです。首肩コリやそれに伴う筋緊張の頭痛、自律神経の乱れに伴う吐き気や全身の倦怠感など全身症状も呈してしまいます。
視覚情報というのは、人間にとってとても重要な情報であり、人間が外部から得る情報の中の8割をも占めるともいわれています。その視覚情報の重要な器官である目が不調となってしまうとそれにまつわる筋肉の過緊張状態や自律神経を乱してしまうのです。
眼精疲労の目の症状でよく見られるのが目の上の痛みや目の奥の痛みです。痛みの種類としてはズキッとした鋭い痛みではなくなんとなく重痛いことが多いです。
目の痛みには、目の表面的な痛みと目の奥の痛み、目の周りの痛みに大きく分類されます。
目の表面的な痛み
ドライアイ
ドライアイとは涙の分泌量や質の低下によって目の表面を潤すことができなくなって、目の表面が傷ついてしまうことによって痛みや不快感、物がかすんで見えるなどの症状を呈することです。涙はもともと目の表面を潤すことで外部からの異物から目を守ったり、角膜に栄養素を送り届ける役割もあります。そのほか、涙には角膜を薄い膜のように覆ってものをはっきりと見せるという役割もあります。
それら多くの役割を持つ涙の量や質が低下することによって上記のような症状があらわれるのです。
逆さまつげ
まつげは、普通目の外側を向いてゴミなどを目に直接入らないように目を守っていますが、逆さまつげの場合、内側を向いてしまうことで常にまつげが、眼球にあたってしまうため目の表面的な痛みを生じさせてしまいます。あまりに症状がひどい場合は、手術が行われます。
アレルギー性結膜炎
アレルギー性結膜炎は、スギ花粉やブタクサ、ハウスダスト、ペットの抜け毛など本来は体には無害なアレルゲンに反応して目の痛みや異物感、涙などが出たりします。外界と直接接触してしまう目の臓器はアレルギー反応を起こしてしまいやすい臓器の一つです。年々、スギ花粉の増加などに伴いアレルギー性結膜炎は増加傾向にあります。
目の奥の痛み
眼精疲労
目の奥の痛みで代表的なものに眼精疲労があります。目の検査などで異常が見られない場合ほとんどが眼精疲労による目の奥の痛みといっても過言ではありません。近年、目を酷使することの多い現代社会の中では眼精疲労による目の奥の痛みで悩まされている方が増えています。
副鼻腔炎
副鼻腔炎は、副鼻腔という鼻周辺に広がる空洞のことでその部分が炎症を起こしてしまうことで顔面部の痛みや目の奥の痛み、頭痛や嗅覚の異常をていします。症状が慢性化しやすく慢性副鼻腔炎となることもありますので、注意が必要です。
ブドウ膜炎
ブドウ膜炎とは目の中のブドウ膜という部分に炎症をきたす疾患です。ブドウ膜炎では目の奥の痛みのほかに、視界がかすんで見えたり、視力低下等も起こすことがあり、状態によっては失明にまで至るこわい疾患です。
強膜炎
強膜炎は目の奥のうずくような痛みが主な症状となります。30代~50代の女性に多く発症する自己免疫疾患の一つです。強膜とは、眼球を覆う一番外側の膜でその部分が炎症を起こすことで強い痛みや充血、光がいつもよりも眩しく感じるなどの症状が出ます。
群発頭痛
群発頭痛の原因はよくわかっていません。目の症状としましては、目の奥に激しい痛みが襲い、それが前頭部や側頭部に波及します。多くは、1~2時間程度で自然と痛みは治まってきます。しかし、痛みが起きている間は何もできず、また起きたらどうしようと不安障害などを発症する危険性があるなどとても強い精神的ストレスを受ける方も少なくありません。
脳腫瘍
脳腫瘍など脳の疾患でも目の奥の痛みを感じることがあります。目の奥の痛みの他に吐き気や痺れ症状、麻痺症状、ろれつが回らない、ひどいめまいなどの症状が併発した場合はすぐに病院を受診する必要があります。
ものもらい
ものもらいは、上まぶたや下まぶたが炎症して腫れてしまうことで痛みや腫れ、ゴロゴロとした異物感を呈することを言います。ものもらいには、黄色ブドウ球菌が繁殖化膿した麦粒腫と皮脂腺が詰まってしまい分泌物が溜まってしまうことで細菌感染する霰粒腫とがあります。
目の周囲の痛み
三叉神経痛
三叉神経とは、顔面部の感覚を脳に伝える神経で脳から出て顔面部に出る時は3つの枝に枝分かれするため三叉神経と呼ばれています。三叉神経の第一枝はおでこの方へ伸びているため三叉神経痛で目の周囲に痛みを生じることがあります。
帯状疱疹後神経痛
帯状疱疹とは、水痘ウィルス感染によって神経痛や水ぼうそうなどの症状が起きてしまうことです。水ぼうそうや炎症が治まっても神経は傷ついてしまっているため、痛みが長引いてしまうことがあります。帯状疱疹後神経痛は主に脇下や背部などに起こりますがまれに顔面部、目の周囲にも起こる場合もあります。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
東洋医学では動悸を「心悸」(しんき)と呼び、外部からの刺激を受けたり、驚愕、激怒、恐れや情緒変動、疲労を覚えた際に発症しやすいとされています。心悸は主に心の臓の失調により起こります。心は血液の循環をコントロールする働きと脳の意識活動の機能を持ち合わせています。
つまり、動悸はこの血液の循環をコントロールする働きに問題があると発症すると考えられています。心の働きを維持するためには、気と血が大きく関係しており瘀血(おけつ)(血行不良)や過度なストレスや疲労などで気血の流れが悪かったり、気血が失調することで血液の循環をコントロールする働きが弱くなってしまうと考えられています。
また、腎は心臓の働きを制御していると考えられており、過労や加齢により腎の働きが低下することで心臓の働きが制御できず、動悸が発生するとも考えられています。
当院では、まず最初に自律神経測定器で血管の状態や自律神経のバランスを診させて頂き、治療を行っていきます。心拍や血圧を調整している自律神経のバランスを、鍼やお灸を用いて整えていきます。
自律神経が整うことで免疫力やホルモンバランス、精神の安定、内臓の働きのバランスを整え、人の本来持つ自然治癒力を高める効果が期待できます。また、鍼や灸の持つ血管拡張作用や、筋肉の緊張を緩和することで全身の血流改善と、東洋医学の観点から心や腎のツボも取り入れ治療を行っていきます。
40代女性
二ヶ月ほど前から、日常的に脈が乱れたり早く大きく感じるような動悸を感じるようになり病院で検査をしたものの、特に循環器に異常はないとの診断を受けた。動悸以外にも以前から頭痛、胃腸の不調、緊張感、首肩こりなどの不定愁訴が頻繁に起こる。
半年ほど前から親の介護や仕事で多忙を極め肉体的にも精神的にも疲労を感じている。
当院での治療
自律神経側的の結果、交感神経が過亢進状態で副交感神経の働きが低下しており、精神的ストレス、疲労度が非常に高い状態でした。心拍の調整や血液循環、内臓機能などを司る自律神経のバランスを整える施術を軸に、年齢的にホルモンバランスの乱れの関与も考えられるため、ホルモンバランスの調整、東洋医学的観点から心経、腎経のツボも取り入れ、首肩や背部の筋の緊張を緩める治療も行いました。副交感神経の活性化を促すため鍼、灸共に刺激量は調整し全体的にリラックス出来るような施術を行いました。
一回目
まだ大きな変化はないが、前回施術後少し身体の緊張が緩和したような感覚があり、頭痛は最近起こっていない。
二回目
施術後二日間ほどは動悸感じなかったが、徐々に状態戻ってしまった。しかし不定愁訴は来院前よりも良いと感じる。
三回目
動悸の頻度は減ってきたが、夕方から夜にかけて疲労が溜まると動悸感じることがまだ頻繁にある。
四回目
最近は仕事が忙しかったためか、前回来院時よりは動悸感じることがあった。首肩こりが強かった日に久しぶりに頭痛が出た。
五回目
前回施術後から動悸の頻度少し減少している。
不定愁訴も最近はあまり感じていない。
六回目
身体の疲れが以前よりも楽になった。動悸も以前より頻度半減した。
動悸の持続時間も短くなっているように感じる。
七回目
最近は動悸ほとんど感じなくなってきている。不定愁訴は疲れた時は感じることもあるが以前ほどではない。
八回目
この一週間は動悸感じたのは一度だけだった。身体の調子も悪くない。
九回目
二週間動悸出現していない。疲れると肩がこったりたまに頭痛もたまにあるが、以前よりは体調が安定しているため一度様子を見る。また症状が出ることがあったら来院したいとのこと。
症例2
40代 男性
1か月前から動悸が気になり始め、病院で心臓、甲状腺ホルモン、感染症などの検査したが特に問題はなかった。
動いている時は気にならないが、じっとしていると動悸を感じる。特に就寝前が1番気になる。初診来院時の1分間の平均心拍数は90回。
自律神経失調症も患っており、耳鳴り、めまい、不眠の症状がある。
仕事が忙しく、休日も返上して仕事していた。肉体的、精神的ストレスが強く心身の不調で日常生活に支障が出てきたため現在休職している。
当院の施術
心臓や甲状腺ホルモンの異常や感染症がみられない場合は交感神経の上昇によって動悸は起こります。
この患者様は以前から自律神経失調症を患っており、日頃の生活もストレスを強く受けており、交感神経の強い高まりが原因と考えられます。
そのため第一に自律神経調節治療を中心に行いました。
また、背中や肩首の筋緊張の緩和、東洋医学に基づいた心や腎の経絡治療も同時に行いました。
施術経過
◇1回目◇
施術後の夜はゆっくり寝れた。
動悸はまだ変わらず。
◇2回目◇
全身がリラックスできている。
◇3回目◇
疲れが取れてきた。
動悸も気にならない日が増えてきた。
◇4回目◇
忙しい日はまだ動悸を感じるが、それ以外は気にならない。
◇5回目◇
アドバイス通り生活習慣を見直したら一気に良くなった。
◇6回目◇
良く寝れないときは少し動悸を感じるが、だいぶ良い。
◇7回目◇
ほとんど気にならない。
動悸とは突然ドキドキと心臓の動きが速くなる、ドクンと大きな拍動(はくどう/収縮運動)が起きるなど、自分の心臓の動きを感じることを指します。動悸は狭心症や心筋梗塞、大動脈瘤など心臓病の初期症状にあたる可能性があるとされています。
しかし、動悸は必ずしも疾患があって起こるものとは限りません。ストレスや不安から起きる精神的なもの、睡眠不足や過労から生じるもの、女性の場合には貧血や更年期に起こるホルモンバランスの乱れから生じるものもあります。人には個人差があり、日常生活や生活環境が違うため感受性が異なります。
・心臓の拍動が速くなる
・心臓の拍動を強く感じる
・突然、脈拍が激しく乱れる
動悸は大きく分けて「一時的な動悸」と「断続的に続く動悸」の二つがあります。一時的な動悸は「緊張や、不安を感じて生理現象で起こる動悸」と「飲酒など本人がとった行動が原因となって誘発される動悸」があります。「断続的に続く動悸」は心臓の疾患や精神疾患、内分泌系などの病気の可能性が高くなります。
緊張したり飲酒をしたりして動悸の症状が出るのは、外部から受けた刺激で身体が興奮して交感神経が優位になるからといわれています。人間には緊張状態の時に働く交感神経と、リラックスしている時にはたらく副交感神経という二つの神経によって支配される「自律神経」があり、バランスが崩れると身体に不調をきたします。
交感神経が優位になると、強い外部刺激から身体を守るために、防御反応が出ます。心臓も自律神経の働きがつかさどっているためその反応の1つが一時的な動悸「洞頻脈」の症状として身体にあらわれるのです。
洞頻脈は心拍数が一分間に100回以上の頻脈で心臓の異常ではなく、他の原因によって引き起こされる頻脈の事をいいます。洞頻脈が生じやすい行為や状態は、不安、緊張、興奮、羞恥、発熱、飲酒、カフェインの摂取、喫煙、睡眠不足、運動不足などです。
また、女性は閉経前後の5年間、一般的に40代半ばから50代半ばほどの期間を更年期といいますが、更年期障害の症状の一つとして動悸が現れる事があり、これは女性ホルモンの減少に伴う自律神経の乱れが原因とされています。
・更年期障害の鍼灸治療について
また、過度なストレスやプレッシャーを受ける事でストレスホルモン「コルチゾール」が増加すると、同時に身体の運動機能が高まり、血圧が上がったり心拍数が増えたりした状態が続くと動悸が起こりやすくなります。ストレスにより動悸や震えの症状が顕著に現れる障害としてはパニック障害が有名ですが、パニック障害にはうつ病が併発している事が多いといわれています。
パニック障害の発作を繰り返す事によって、不安要素が大きくなってうつが発症するケースもあります。うつ病の初期症状として動悸が現れると激しい運動をしたわけでなくても突如発作が頻発し、さらに不安になってストレスが溜まってしまいます。
これは悪循環となり、どんどん気落ちしていく原因になります。
動悸の原因となる病気の種類は心臓の疾患や甲状腺の異常などがあります。
心臓弁膜症(しんぞうべんまくしょう)
心臓にある弁が故障してその開閉がスムーズにいかなくなり、血液の循環が悪くなってしまう病気です。初期では無症状ですが、次第に階段を上るなどすると動悸や息切れが起こり、進行すると少し体を動かすだけでも呼吸困難やチアノーゼ(唇や皮膚などが紫色になる)が出てきます。
頻脈性不整脈(ひんみゃくせいふせいみゃく)
「不整脈」とは、脈拍の回数が多かったり少なかったりし、乱れている病気です。自律神経の乱れや虚血性心疾患などの心臓の病気によって心臓を構成する筋肉「心筋」の電気系統に異常が生じる事が原因です。頻脈性不整脈は不整脈の病気の種類で、拍動が速くなる病気です。1分間の脈拍が120回以上、多い時には300回を超えることもあります。
拍動が速くなると心臓が血液を十分に送り出せなくなり、動悸や息切れ、めまいなどの症状も現れます。
徐脈性不整脈(じょみゃくせいふせいみゃく)
頻脈性不整脈が拍動が速くなることに対し、徐脈性不整脈は拍動が乱れ、1分間に60回未満と遅くなる不整脈です。1分間に30~40回しか心臓が動かないという症状が出る事もあり、自分の鼓動をゆっくりと感じます。拍動が遅いと心臓から全身に送られる血液量が減り、脳や臓器に酸素が行き渡らなくなるため、めまいや息切れが起こり酷い時には失神してしまうこともあります。
徐脈性頻脈(じょみゃくせいひんみゃく)
徐脈性頻脈は拍動が速くなる頻脈の直後に、拍動が遅くなる徐脈が起こり続いてめまいが起き、失神する場合もある病気です。症状が長引くことで呼吸困難を引き起こすケースもあります。心臓の右心房の「洞結節」や心房の壁が加齢などによって固く厚くなる(線維化)ことで、誤作動することが原因と言われています。
甲状腺機能亢進症(こうじょうせんきのうこうしんしょう)
甲状腺は、首の前側、のどぼとけのすぐ下にある臓器です。食べ物に含まれるヨウ素を材料にして甲状腺ホルモンを作り、血液中に分泌します。甲状腺ホルモンは身体の発育を促進し、新陳代謝を盛んにする働きをしています。甲状腺ホルモンの分泌が多すぎると、疲れやすさやだるさが出たり、動悸やほてりが出たりする甲状腺機能亢進症という病気になります。詳細な原因は明らかになっていませんが、遺伝的な要素があるといわれています。
パニック障害
不安は多かれ少なかれ誰にでもありますが、特別な理由もなく突然強い不安に襲われる状態をパニック障害といいます。動悸や頻脈、胸が苦しい、震え、冷や汗、めまい、吐き気などを伴ない今にも死ぬのではないかという恐怖にとりつかれます。最初の発作のほとんどは長くは続きませんが、一度発作を経験すると、また起こるのではないかという更に不安が高まり、今度はすぐには病院に行けないような場所などで発作が起こるようになり次第に外出や乗り物に乗ることが出来ないような状態に陥ります。
心療内科や精神科での治療が必要になります。
パニック障害の鍼灸治療について
貧血
貧血とは、酸素を運ぶ赤血球か、赤血球の中で酸素と結合するヘモグロビンが少ないため体内が酸素不足になった状態のことをいいます。体を動かすと、動悸や息切れを起こすことがありますが、これは、貧血によって酸素不足になっている体を動かそうとするときに血液の酸素を運ぶ量が少ないので、それをカバーするために、心臓が血液をもっと多く送ろうとして、動悸・息切れが起きてしまうといわれています。
貧血症状の鍼灸治療について
他にも、心不全や狭心症など、重大な心臓の病気が原因で動悸が引き起こされている場合があります。心配な場合は、早めに病院を受診しましょう。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院