神経症(ノイローゼ)の鍼灸治療

2019年5月13日

神経症(ノイローゼ)の東洋医学

 

東洋医学ではもともと心(精神)と身体は別々ではなく互いに関係していると考えられてきました。中医学では古くから喜・怒・憂・思・悲・恐・驚という七つの感情(七情)が体調に大きく影響すると考えられており、七情により五臓の機能が失調することや、気が虚する(不足する)、気の流れが滞ることより抑うつ、不安や無気力などの精神症状が現れると考えられています。

特に五臓の「肝」は感情をコントロールしているといわれておりストレスの影響を受けやすい臓器です。この肝の失調が起こる肝の持つ疏泄作用(気を全身に巡らす作用)が低下する事により気が上に上りやすく、憂鬱、イライラしやすい、不眠、背中の痛み、だるさ、足の冷え、のぼせなどが起こりやすくなります。肝の失調は他の臓腑へも影響し心・腎・脾などの機能も低下しやすくなります。

心血虚

動悸、息切れ、頻脈、不整脈、不安感、不眠症など

腎虚

マイナス思考、足腰のだるさ、手足の冷え、手足のほてり、忘れしやすい、集中力の低下、頻尿、めまい、耳鳴りなど

脾虚

疲れやすい、食欲がない、もたれやすい、気力の低下、下痢など

気虚

身体の重だるさ、気力の低下、食欲不振、動悸、めまい、日中の眠気、下痢や軟便、病気への抵抗力の低下など

気滞

怒りっぽい、イライラしやすい、憂鬱感、お腹や頭のつかえ感や膨満感、頭痛、耳鳴りなど

 

神経症(ノイローゼ)に対する当院での治療

当院では、まず自律神経測定器にて血管の状態と自律神経のバランスを測定した後、治療に移ります。神経症の方は自律神経のバランスに乱れがあることが多く、その乱れが精神や身体の症状として現れていると考えられるため自律神経のバランスを整えるツボに鍼やお灸で刺激を与えます。

神経症(ノイローゼ)の自律神経調整鍼灸治療

また、東洋医学的観点から五臓六腑の肝、心、腎、脾を中心とした機能調整と気や血を補うツボを選穴していきます。

 

不安症(ノイローゼ)の鍼灸治療

 

神経症の方の多くは、刺激にも敏感である場合が多く、その方に合わせた鍼の深さや太さ、お灸の熱さ等を調整して細心の注意を払って施術しております。

 

 

神経症(ノイローゼ)とは

 

神経症とは強い不安などを原因とする不適応障害のことです。自分の住む社会にうまく適応できず、日常生活に制限が起こったり心身に様々な症状が現れます。以前はノイローゼと呼ばれていましたが、最近では不安障害とも呼ばれています。

神経症は心の病の中でも最も頻度の高いもので、人口の約10%を超えるともいわれており10代後半から40代までに発症するのが一般的です。

 

 

神経症の種類とその症状

 

神経症には様々な種類があります。その中でも代表的なものを挙げていきます。

 

・社会恐怖症(対人恐怖症、SAD)

人前で発言したり、字を書くときに手が震えるなど他人から注目され、批判されたり恥ずかしい思いをするのではないかというような恐れによってパニックを起こしてしまう状態です。社会恐怖はその症状から視線恐怖、表情恐怖、赤面恐怖など種々の状態により恐怖する内容が異なります。また、地震や雷、閉所、暗所、血液、蛇やクモなど特定の対象による恐怖もあります。

 

 

・パニック障害(不安発作、PD)

パニック発作の反復を特徴とし、「このまま死んでしまうのではないか」「気を失って倒れてしまうのではないか」など強い不安や恐怖と共に、動悸、胸痛、発汗、吐き気、めまい、呼吸困難など種々の自律神経症状が突然出現し、その状態が数分から数十分持続するものです。原因は未だはっきりとは解明されていませんが、心理的なものではなく脳機能の異常によるとされる説が有力です。過労や睡眠不足、風邪などの身体的な悪条件、日常生活上のストレスなども発症や発作のきっかけになるといわれています。
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・強迫性障害(OCD)

反復する強迫観念や強迫行為を主な症状とし、心に浮かぶ不快な考えやイメージで本人はそれが無意味であったり、過剰であるとわかっていてもそれを打ち消すことはできず、せきたてられるのが特徴です。強迫行為は、強迫観念に伴う不安を打ち消すため行う行動であり、例えば執拗な手洗いや入浴、鍵やガスの元栓を閉め忘れていないかなど何度もしつこく確認する、縁起等を何度も確認するなど、このような強迫症状が続いて日常生活、あるいは仕事不自由や支障をきたすような場合強迫性障害と診断されます。

 

 

・全般性不安障害

ある特定の状況の限定されない理由のない不安、心配が長期間続き、絶えず何か悪いことが起こるのではないか、失敗するのではないか、などという考えが浮かび常に緊張してリラックス出来ず、筋肉の緊張、頭痛、発汗、めまい、口の渇き、頭のふらつきなど多彩な身体症状を伴います。そのため慢性的に憂鬱になったり、億劫になったりすることがあります。
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・気分変調症(気分変調障害、抑うつ神経症、神経症性うつ病)

不安や恐怖など一般的な神経質症状とともに憂鬱な気分や心が晴れないなどの軽いうつ症状が続きます。社会や家庭への不適応感や罪責感、様々な刺激への過敏性、社会からの引きこもり、疲れやすさや活力の欠如などが特徴的です。うつ病との違いをうつの程度と持続期間に区分され、気分変調症の場合「二年以上に及ぶ慢性の軽うつ状態を示す」状態を呼びます。
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・解離性障害(転換性障害、ヒステリー)

心のまとまりや連続性に支障をきたす障害です。ある時の出来事がごっそりと抜けて思い出せなくなってしまう、予期せぬ場所へ記憶がないまま行ってしまうなどの症状がみられます。原因は様々で幼少期の外傷体験、衝撃的な出来事や事故、災害などの体験や目撃などの極度のストレスなどが引き金となって突発的に発症すると考えられています。

 

・心気症(ヒポコンドリー)

自分の健康状態や体の調子に異常にこだわり、重大な病気にかかっているのではないか、今後かかるのではないかなどと心配する病気です。医学的な検査や診察では明らかな器質的異常が無いのにも関わらず、過度な不安や恐怖にとらわれてしまいます。症状は様々で疲れやすさや睡眠障害などの全身症状、身体の痛みやしびれ、熱感、頭痛、めまい、動悸、呼吸困難、食欲不振、胃痛などが挙げられます。

 

・離人症性障害(離人症、現実感消失症候群)

自分が見たり感じたりする実感が薄れる障害です。具体的には見たり聞いたりしている周りの世界に対する生き生きとした実感が薄れ、自分自身に対して現実感が無くなり景色がベールを通して見えるような感じや、味やにおいが分からない、皮膚を触っても実感がないなどの症状が挙げられます。原因は未だはっきりと解明されていませんが、遺伝的な要素に環境要因が加わって発症すると考えられています。

 

 

 

 

神経症(ノイローゼ)の原因

神経症の原因は災害や近親者の死去、病気などの急激な精神的衝撃、環境の変化、仕事の悩み、学校でのいじめ、受験など毎日の生活環境の中で取り除くことができないような慢性的なストレス、夫婦関係、家族関係がぎくしゃくしていることによる精神的葛藤、生まれ持った素因、幼少期まで遡る環境の中で徐々に形成された性格の偏りなど人によって様々です。

 

神経症になりやすいといわれている性格

・感受性が強い          ・自己中心的

・内向的、理知的、過敏症的な性格 ・潔癖症

・心配性             ・こだわりが強い

・完全主義            ・面倒見がいい

・自分に自信がない        ・執着性が強い

・引っ込み思案     

 

などが挙げられます。

 

神経症(ノイローゼ)の症状

神経症には不安感、イライラ、緊張感、恐怖感などの精神症状と、易疲労感、動悸、息苦しさ、不眠、めまい、頻尿、吐き気、食欲低下、頭痛などの身体症状があります。

神経症(ノイローゼ)にならないために

神経症(ノイローゼ)は、誰にでも患ってしまう疾患です。自分とは無関係と思っていても突然のアクシデントなど度重なるストレスの蓄積で精神症状は誰にでも出てしまう可能性があるのです。

自分の心身と対話をしてストレスの状態を把握していくことはとても重要です。

神経症(ノイローゼ)で悩まされている方の多くは、この自分の心身と向き合うことを忘れて自分のキャパをオーバーしてしまうほどに耐えてしまうことで発症します。

まず、ストレスを感じ取り時にはそのストレスから逃げてしまうことも重要です。仕事で多くのストレスを抱えているなら環境を変えたり、人間関係でストレスを抱えているのならその人から少し距離を取ってみるといった具合にです。どうしても変えられない場合は趣味や運動習慣などを取り組んだりして生活にオンとオフのメリハリを付けましょう。

その他、しっかりと時間を取った休息や睡眠時間栄養バランスのとれた食生活も不安症(ノイローゼ)にならないためにやはり重要となります。

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸整骨院|眼精疲労 at 22:59 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)

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