当院のばね指に対する施術は、第一に手指付近のツボや関節周囲にはりやお灸の刺激を施し、抗炎症作用を促します。
またそういった刺激により痛みの閾値を上げる鎮痛効果も期待できます。
ばね指は五臓六腑の「肝」と「腎」に深く関係しているので肝と腎に関するツボを用いて肝血や腎気を補うことや手指の気血の流れをよくします。
当院でいくら施術をしても普段と変わらずに手指を使っていては効果は半減してしまいます。そこで当院では、生活上の注意点なども指導させていただき、早期回復へ導きます。
東洋医学では、症状のある部分だけ診るのではなく、全体を診て治療をするという考えがあります。その東洋医学の観点よりばね指といっても全身の施術をしていきます。
そうすることでばね指の改善はもちろんのこと体全体の施術効果が期待できます。
お悩みの方はぜひ一度ご相談ください。
中医学ではばね指は、手首付近の気血の運行がスムーズにいかずに気血が滞り、それが痛みやしびれの原因となると考えられています。
長い間手指を使う仕事やスポーツをした時などに気血は滞り、それが手指付近であった場合にばね指を発症する可能性が高くなります。
また中医学でいう「肝」と「腎」の機能が弱ると全身的に血や体液が不足し、筋肉などの様々な器官に栄養を送ることができず、さらに上記の条件が加わるとばね指がおこりやすくなります。両者の関係は深いので「肝腎同源」とも言われており、「肝」と「腎」の症候が同時にあらわれることが多いです。
ばね指は、重症化するとなかなか予後がよくありません。手指を使う機会が多いという方は、特に注意が必要です。少しでも違和感が出たらすぐ対処しましょう!
60代 男性
一年半ほど前に左手の薬指にばね指を発症。ステロイド注射をして一度は軽快したが、3か月後にまた発症した。医師からは手術を勧められたがご本人としては手術はしたくないということで当院にご来院された。
左手薬指の腫れがひどく終始曲げづらい状態。腫れのひどい部分に負荷がかかると痛みも出る。
当院の治療
触診から左首から左腕にかけても筋肉のはりが強く、それが循環障害や手指にさらに負担をかけている可能性もあるのでそういった部分も筋肉をほぐす施術をしました。また、脈診の結果、『肝』『腎』が弱っている状態だったのでそれらの調整をしてから指の腫れをひかせるような鍼灸施術をしていきました。
◇1回目◇
左肩は少し楽だが、左指の痛み・腫れは変わらない
◇2回目◇
治療後特に変化なし。整形外科でこれ以上悪くなったら手術を考えてくださいと言われたとのこと
◇3回目◇
左の指が以前より少し曲げられるようになった
◇4回目◇
1日1~2回程、左指に強い痛みが走るようになった
◇5回目◇
曲がりは少しずつ良くなっているように感じるがたまに強い痛み感じる
◇6~9回目◇
段々と腫れが引いてきて痛みも少しずつ引いてきた
◇10回目◇
朝に左手薬指にこわばりを感じるが、日中は感じなくなってきた。
◇11回目◇
ご本人の自覚としては8割程度痛みや腫れがよくなり、日常生活中に気になることが少なくなった。
◇12回目◇
以前は左手でバックや袋などを持つのがこわかったが、少しずつ力も入るようになってきてこわさもなくなってきた。
◇13~15回目◇
左の症状はほぼ感じなくなり、治療を終了した。
ばね指とは、手の指で起こる一種の腱鞘炎であり、指を曲げる動作や伸ばす動作の際に指の付け根のところで屈筋腱がひっかかるために指を曲げたままで伸びなくなったり、力を入れるとカックンという感触とともに急に指が伸びたり曲がったりする状態のことです。
腱はその周囲を滑膜性腱鞘と呼ばれる軟らかい袋状の膜で覆われています。その袋状の中にはごくわずかな量の滑液という物質を含んでおり、腱のスムーズな滑走や腱に栄養を送り込む役割を担っています。この袋状の滑膜性腱鞘の外側を靭帯性腱鞘というより強固な組織が部分的にトンネルのように覆っています。靭帯性腱鞘は、筋が収縮した時に腱の浮き上がりを防ぐ言わば腱の固定に役立っています。
ばね指とは、様々な原因により滑膜性腱鞘の内面を覆う滑膜という組織の炎症や靭帯性腱鞘が炎症で肥厚して腱の通り道が狭くなることで指の曲げ伸ばしの際にひっかかる感じがします。
ばね指の症状として、
痛み
・指を動かしたり触ったりすると指の付け根が慢性的に痛みます。
腫れ
・腱鞘炎の症状の一つとして指全体が腫れます。
弾発現象
・指を動かした時に指がひっかかる感覚があった次にばねに弾かれた様な感覚におそわれます。
ばね指は中年以降の女性や妊娠から出産後と1~2歳の幼少児に多く発症して、親指・中指・薬指・人さし指・小指の順に発症しやすいです。その他手指によくみられる腱鞘炎としまして親指に症状が現れるドゥケルバン症候群や手指中央3本に症状が現れる手根管症候群などがあります。
ばね指の原因は、成人ではスポーツや仕事などの作業で手指の使い過ぎとされているが、真の原因はいまだ不明です。スポーツでは、テニスやゴルフなどグリップを強く握るスポーツでよく見られます。
またばね指は、中年以降の女性や妊娠から出産後の時期に好発するので、ホルモンバランスの崩れなどとも関係していると考えられています。
小児のばね指は、先天性に腱鞘が狭くなっているあるいは、腱自体の肥厚であるという説がありますが、明らかではありません。
ばね指の一般的治療は手指の安静を基本として、消炎鎮痛剤やビタミン剤などの飲み薬、湿布薬などの保存療法が施されます。
保存療法の効果があまりない時には、手術療法も施されます。また幼少児では自然に治ることもあるので、5~6歳までは手術を待つべきであるというのが一般的です。
Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸院|眼精疲労 at 17:09 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)