イライラを鎮める鍼灸治療

イライラとは

イライラとは、一般的には物事が自分の思うようにならなかったり、不快なことがあったりして神経が高ぶり、いら立っている状態を指します。

医学的には、些細なことで不機嫌になることを「易刺激性(いしげきせい)」、怒りっぽいことを「易怒性(いどせい)」と呼びます。

これは、日常茶飯事誰にでもあることですが、程度が過ぎると日常生活に支障をきたすこととなります。

 

 

イライラの原因

イライラの原因は、まず、ストレスが挙げられます。また、ホルモンバランスの乱れや病気などが関係していることもあります。

ストレスとは外からの刺激に対して緊張した状態を指します。

 

具体的には恋人や友人、上司、妻、夫などとの人間関係がうまくいかない場合や、仕事でやることが多すぎたり、予定通りに仕事がうまくいかない場合、職場の環境に慣れない場合、人生のいろいろなことに不安があり眠れない場合などの心理的、社会生活によるストレスや、気温、騒音、天気などの環境による刺激疲労睡眠不足、病気などの身体が受けた影響、クラス替えや進学、転職、結婚や出産、引っ越しなど喜ばしいと思われる出来事も含まれ、これらもストレスを引き起こす原因になります。

ホルモンバランスによるイライラは本人の意思とは無関係にイライラする場合で、ホルモンバランスが崩れていることが原因で起こります。

具体的には生理前になると普段気にならないことでもカッとなったりイライラする「月経前緊張症(PMS)」と閉経前の女性に起こる、加齢に伴う卵巣機能の低下により女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が減少し、そのため様々な不定愁訴が出現する「更年期障害」があります。また、男性も加齢に伴い男性ホルモンの分泌が低下して起こる「男性更年期障害」によってイライラが起こることがあります。

 

 

月経前緊張症(PMS)の鍼灸治療について
更年期障害の鍼灸治療について
・男性更年期障害の鍼灸治療について

 

 

同様に20~40歳の場合でも、ストレスや不規則な生活リズムで睡眠不足が続いていたり、忙しくて食事ができない、あるいは極端なダイエットをしたために栄養不足が女性ホルモンの分泌にも影響することがあり、更年期障害と同じような症状が現れることがあります。

また、妊娠中もホルモンバランスが不安定なため、自分では気が付かないうちにイライラして人に当たったりして対人関係がうまくいかなかったりすることがあります。また、すぐにイライラして子供を叱りつけたり、日常生活に不安を感じたりします。

このようなストレスやホルモンバランスの乱れは全身の器官やホルモン分泌を調整する神経である自律神経のバランスを崩す原因となり、心身に様々な不調が現れやすくなります。

病気との関連では、心の病気(双極性障害、統合失調症、依存症など)のほとんどはイライラを引き起こしやすいことが知られています。また、脳の病気(脳卒中、低酸素脳症、脳炎、認知症、発達障害など)や怪我による高次脳機能障害もイライラの原因となることがあります。特に認知症は攻撃的な発言をしたり、すぐに怒鳴ったりという初期症状が出ることがあります。認知症の周辺症状の一つで性格、人格の変化として現れることもあります。

 

 

どんな人・どんなときに現れるか

 

精神的なストレスによるイライラは老若男女を問いません。多くの場合は何かしらのストレスを抱えていて、その解決、納得がしにくいときに起こります。その状態が長かったり、程度がひどかったりすると生活に支障をきたしかねません。また、これといった精神的ストレスや病気がなくても、生活の乱れによってリラックスする時間が取れないとイライラしやすくなります。

例えば、睡眠不足が続いている、忙しくて疲労がたまっている、運動不足、コミュニケーション不足などが挙げられます。

 

 

東洋医学的考え方

東洋医学ではストレスを七情といって「怒」「喜」「思」「憂」「驚」「恐」の七つに分類していますが、イライラの原因はこの中の「怒」になります。

 

ストレスは「気」の流れを停滞させる「気滞(きたい)」や気が本来の巡り方と逆行させる「気逆(きぎゃく)」血の滞りである「瘀血(おけつ)」を起こす原因になります。また、五臓の「肝」に影響しその機能を失調させます。

「気滞」になると気分が落ち込む、イライラ、不眠、頭が重い、ボーっとする、喉のつまり感、胸のつまり感、お腹の膨満感、ガスが多いといった症状が現れます。

「気逆」はのぼせや動悸、頭痛、めまいなど上半身に症状があり、足が冷えます。

「瘀血」は緊張性の頭痛、胸、腹部の張り、痛み、イライラ、情緒不安定などの症状が現れます。女性の場合、月経前に最も症状が出やすくなります。

「肝」が失調するとイライラ、不眠、目の充血、筋肉痛や筋肉のコリ、耳鳴り、末端の冷え、ゲップやガスが出やすい、便秘、胸や脇が張る、生理周期の乱れ、生理痛、肌荒れ、など様々な症状を呈します。

 

 

当院の鍼灸治療

 

イライラを鎮める鍼灸治療

 

 

当院では、自律神経測定器で計測を行いお身体の状態を把握したうえで治療へ移ります。ストレス、疲労の蓄積、生活習慣の乱れなどで自律神経のバランスが乱れるとイライラ、情緒不安定などの精神症状が現れやすくなるためです。

自律神経を整えるツボに鍼やお灸で刺激を与え、内臓機能や免疫力を高め、全身的な血流を良くし自己治癒力を高めていきます。また、東洋医学的観点から気の巡りや血の巡りを整えるツボや「肝」をはじめとした五臓六腑の機能を整えるツボを選択していきます。

イライラ、怒りっぽい症状がみられる場合、身体的な緊張もみられることがほとんどです。身体的な緊張があると気や血の巡りも悪くなります。

特にストレスを感じると防御反応として首や肩周りに筋緊張が現れやすいため、首肩周りの施術も行っていきます。

また、問診や触診により精神症状の他にも不定愁訴や、緊張の強い部位、冷えのある部位を確認しそれに合わせて施術を行います。

 

西洋医学的治療

心の症状が強く出ている場合には心療内科、精神科、メンタルクリニック、ホルモンバランスの崩れから起こるイライラは婦人科、産婦人科などを受診することをお勧めします。

産婦人科的な病気、内科の病気、薬物の関与が疑われれば、そちらに対する精密検査と治療が必要です。これらがない場合は、ストレスの有無を確認し、ストレス源がある場合は環境を調整するようなアドバイスをします。また、カウンセリングや行動認知療法などで心の整理を行うことで安定が得られる場合もあります。

明らかなうつ病、適応障害などの精神疾患と判断できる場合や薬を使わないケアだけでは日常生活の障害が解消しない場合は、抗うつ薬や抗不安薬などの薬物療法が有効です。

ホルモンバランスの崩れによるイライラの治療法はその原因となっている病気の治療を行うことが第一です。更年期障害のホルモン補充療法や、月経前緊張症のホルモン療法、漢方薬療法などがあります。また、カウンセラーに相談する精神療法、抗うつ薬や抗不安薬、睡眠薬などが処方される薬物療法などがあります。

 


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸院|眼精疲労 at 10:17 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)

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