虚弱体質の医学的な定義はありませんが、特定の基礎疾患があるわけでもないにも関わらず、体に何らかの不調が常にある状態と表現することができます。
疾患ではないため「体質」と表現することしかできませんが、疲れやすい、元気がないと感じることが多い方は、虚弱体質かもしれません。
また、虚弱体質の方は、すぐに風邪をひく、軽い運動でも疲れてしまう、冷え性、夏バテしやすいなどの特徴があります。
基本的には
・顔色が悪
・動作が緩慢
・疲れやすい
・暑さや寒さに弱い
・風邪などの病気が治りにくく再発しやすい
といった特徴がみられます。
また、食欲不振、胃もたれ、胃痛や腹痛、吐き気や嘔吐、下痢や軟便などの消化器症状もしばしば伴います。他にも顔色の悪さ、めまい、立ちくらみ、動機や息切れ、気力の低下などがしばしば挙げられる症状といえます。
・お腹が弱いタイプ
食が細い、お腹がすぐに痛くなる、嘔吐や下痢をしやすい、食べ過ぎると腹痛、下痢をしやすい、体重が増えない
・発熱・風邪をひきやすいタイプ
熱がすぐに出る、扁桃腺、リンパが腫れやすい、風邪をひきやすく治りにくい
・神経過敏タイプ
感情の起伏が激しい、夜泣きをする、眠りが浅い
原因ははっきりとはしていませんが、体質面と環境面の両方によってもたらされると考えられています。
体質面では食欲不振や消化不良といった消化器系のトラブルにより、栄養素をうまく身体に取り込めていないケースが多いです。アレルギー体質の関与も考えられています。その他何らかの病気をきっかけに体調を崩し、虚弱体質へ移行してしまうこともあります。
環境面では、長時間労働による肉体的・精神的ストレスの蓄積、偏食などの食生活の乱れ、運動不足や睡眠不足といった体力消耗と体力回復の問題などが挙げられます。
・慢性疲労症候群
身体を動かせないほどの疲労が6か月以上異常の長期間にわたり続き、日常生活に支障をきたすほどになる病気です。
・本態性自律神経失調症
遺伝や生まれつきの体質に原因があり、自律神経のバランスが乱れやすいタイプです。虚弱体質や低血圧の人に多いと言われています。
西洋医学的に見て疲労感を引き起こしている病気があるならば、その病気の治療が虚弱体質の改善につながります。
代表的なものとして身体に活力を与えるホルモンである甲状腺ホルモンの低下が挙げられます。橋本病といった甲状腺ホルモン量の低下が起こる病気では、疲労感、冷え性、むくみ、気力の低下などの症状が現れます。この場合は甲状腺ホルモン製剤を服用することで諸症状の改善が見込めます。
また、アトピー性皮膚炎や小児喘息などの実際に起きた症状に対しての対症療法が行われます。
東洋医学では五臓(肝・心・脾・肺・腎)の機能低下が虚弱体質に大きな影響を与えると考えられています。虚弱体質に関りが強いのは、主に肺と脾です。つまり肺と脾の機能を向上させることが虚弱体質の改善につながります。
また、子供の虚弱体質とと関連が深いのは腎です。腎は成長・発育の中心的な臓器と考えらえています。
・食が細いタイプの虚弱体質
食べるのに時間がかかる、すぐに満腹なり沢山食べられないなど、食が細いタイプです。これは東洋医学的に考えると脾臓の元気がない「脾虚(ひきょ)」タイプです。
脾臓は主に、食べ物の消化吸収や肌、筋肉の生成に関係している種、その機能が低下すると食に大きな影響を与えます。食が細いタイプの虚弱体質に痩せている方が多いのはこのためです。
・風邪になりやすいタイプの虚弱体質
風邪をひきやすい、疲れやすい、すぐにお腹を壊すなどの症状が思い当たる方は「肺虚(はいきょ)」タイプです。このタイプはストレスにも影響を受けやすく、ふくよかな割に食べている量は少ないといった方が多い傾向にあります。
東洋医学では「気・血・水」の3つが身体を巡ることで心身の健康が保たれていると考えられています。虚弱体質はこの3つのうちの「気」が不足している状態です。
気が不足すると免疫機能が弱くなったり、疲れ、だるさが出やすくなったりすることが多くなります。
気が不足する原因として、一つは気を作り出す力が弱いためです。気は脾がしっかり機能していれば作ることが出来るため、脾を元気にして消化吸収がスムーズになるように働きかけることが重要です。また、気を全身に送る力が弱いことも挙げられます。気を全身に運搬するには肺の力が必要不可欠です。
当院では、治療の前に内臓の働きや免疫力などを主る自律神経の状態を機械で測定し、お体の状態を把握したうえで治療へ移ります。
東洋医学的観点から五臓の肺、脾の機能を整えるツボや血を補うツボなどを選穴して治療を行います。また、虚弱体質の方にはお灸が相性が良いため、お腹や背中を中心にお灸を多めに施術します。
さらに、自律神経のバランス調整施術を行い全身的な血流を良くし、内臓機能や免疫力を高めて本来お身体が持つ自己治癒力を高め症状の改善につなげていきます。
Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸院|眼精疲労 at 16:50 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)