脛骨神経麻痺の鍼灸治療

2018年10月22日

神経麻痺の治療は、WHO(世界保健機関)でもその効果が認められている疾患のうちの一つです。脛骨神経麻痺の治療においても神経が絞扼されている部分に施術をしたり、脛骨神経が支配している筋肉にアプローチすることで改善が期待できます。また、脛骨神経は坐骨神経より分枝されているため坐骨神経の障害でも脛骨神経麻痺の症状が現れることもあるため坐骨神経への施術も行っていきます。

 

脛骨神経麻痺の東洋医学

 

脛骨神経麻痺は東洋医学では、五臓六腑の『膀胱』と『』が深く関わっていることが考えられています。膀胱経は顔面部より起こって背中を通って下肢の後面を走行する経絡です。

下肢部分の走行は、神経でいうと坐骨神経や脛骨神経と似ている部分があり、膀胱経の経絡の滞りは坐骨神経の障害脛骨神経麻痺の原因となりうる危険性があります。

また、肝に関しましては肝は筋や疏泄を主ると考えられており、肝に貯蔵された血は筋肉に供給されて栄養を与えられて正常な活動ができるようになっています。

しかし、肝の働きが鈍くなってしまっていると栄養がちゃんと筋肉に行き渡らない状態となり、筋肉の麻痺や痺れの原因となってしまうのです。

 

脛骨神経麻痺に対する当院の鍼灸治療

脛骨神経麻痺に対する当院の治療はまず第一に神経の圧迫されている部分を取り除くことです。

 

そのため、症状の出ていないくても足根部や臀部などにも鍼やお灸、ストレッチなどの施術を行っていきます。

脛骨神経麻痺の臀部への鍼灸治療

 

 

また、腓腹筋やヒラメ筋が作用していない場合は、その筋肉に鍼を刺して電気を流す鍼通電療法などを用いて筋肉の働きを促します。

脛骨神経麻痺の鍼通電療法

 

そのほか、東洋医学的観点より五臓六腑の『膀胱』や『肝』に関する重要な経穴も用いて膀胱経の滞りを改善をしたり、肝の機能を改善していきます。

脛骨神経麻痺の下肢への鍼灸治療

 

 

脛骨神経とは

 

脛骨神経は、坐骨神経から膝裏の膝窩部という部分で枝分かれしてふくらはぎ部分を通って下降していきます。脛骨神経は下腿部分で内側腓腹皮神経に枝分かれして下腿上半分内側の皮膚の知覚をつかさどっています。そして脛骨神経は膝窩動静脈の内側に沿って走行して腓腹筋・ヒラメ筋に下腿から足部に付着する筋では後脛骨筋・長母指屈筋・長趾屈筋に分布して筋肉の動きをつかさどっています。その他、下腿の筋肉を支配する神経は腓骨神経があり、足首や足の指を持ち上げる動作を行う筋肉を支配しています。(腓骨神経麻痺の鍼灸治療について

 

・腓腹筋
腓腹筋は、大腿骨の内側上顆と外側上顆から始まりアキレス腱という腱に変わってかかと部分に付着するふくらはぎの筋肉を形成します。腓腹筋の主な働きは、足関節を伸ばす働きと膝関節を曲げる働きがあります。腓腹筋の足関節の働きでは、膝を伸ばした状態では足関節を伸ばす力を入れることが可能ですが、膝を曲げたままの状態ですと足関節を伸ばす力は弱くなってしまうことが特徴です。
また腓腹筋の下にはヒラメ筋という筋肉が存在してこの二つの筋肉でふくらはぎに力を入れた時の筋肉の隆起を形成しています。

 

・ヒラメ筋
ヒラメ筋の主な働きは、足関節を伸ばすことです。腓腹筋は膝関節を曲げる働きと足関節を伸ばす働きがあるのに対してヒラメ筋は足関節を伸ばすだけの働きであるため足関節を伸ばす力に関しては腓腹筋よりも強力な力を発揮します。膝関節を曲げている状態で足関節を伸ばす動きの際にはヒラメ筋が主に作用しています。

 

・後脛骨筋
後脛骨筋の働きは足関節を伸ばす動きに加えて足関節を内側に曲げる働きがあります。後脛骨筋は脛骨と腓骨の後側から始まって足関節の舟状骨等に付着します。後脛骨筋はかかとの内側、アキレス腱付近を走行するため炎症が起きた時の反応としてアキレス腱炎などのアキレス腱の痛みと勘違いしやすい筋肉です。

 

・長母趾屈筋
長母指屈筋は、脛骨後面の下方から始まり、足の親指の底に付着します。働きに関しましてはその名の通り足の親指を底側に曲げる働きがあります。その他短母趾屈筋も親指を底側に曲げる働きがあり、筋肉が付着する部位の違いにより曲げる関節の役割も違ってきます。
また脛骨神経でも腰椎の5番の神経と仙骨の1番の神経から起こる神経のためその動きによって腰部の疾患の特定に用いられることもあります。

 

・長趾屈筋
長趾屈筋は、足の親指を除く指を曲げる働きがあります。脛骨後面の中央部から起こり、動きが多岐にわたるため、親指を除くすべての足の指に付着します。この筋肉は腓腹筋やヒラメ筋の下を通る深部の筋肉であるため体表からは触っても確認することができません。

さらに脛骨神経は末梢部で足部のうちくるぶしにある屈筋支帯という部分を通過して内側足底神経と外側足底神経に枝分かれをしています。それらの神経が圧迫されると足底が痺れたり、痛みの原因となり、足底筋膜炎と似た症状を呈します。(足底筋膜炎の鍼灸治療について

 

・内側足底神経
内側足底神経は、足底の大部分の知覚神経をつかさどっている神経です。足の親指から薬指の半分までを支配してかかと部分の大半をこの内側足底神経が知覚を支配しています。

 

・外側足底神経
外側足底神経は足底の薬指半分と小指の部分をつかさどっている主に足の外側の知覚を支配している神経です。足の外側かかと部分は、腓腹神経が知覚を支配強いるため外側足底神経が足底を支配している領域はそこまで広くはありません。

 

脛骨神経麻痺の症状

 

脛骨神経麻痺の症状は、脛骨神経が支配している筋肉と知覚の異常です。

・筋肉の異常
脛骨神経は、腓腹筋やヒラメ筋に代表されるように足関節を伸ばす働きを担っているため脛骨神経麻痺となってしまうとその働きができません。すると、歩行の際に足関節を伸ばすことが出来ないためにかかとで歩くような踵足歩行となってしまいます。するとバランスを取ろうとして股関節や大腿部の筋肉にも悪影響が出てきます。

・知覚の異常
脛骨神経麻痺では、脛骨神経支配である知覚領域に異常をきたします。よく見られる症状として足の裏の感覚が鈍くなって分厚いに皮に足そこが覆われているような感覚が見られることがあります。その他足裏の痺れを訴える場合もありますが、その場合は脛骨神経麻痺よりも坐骨神経の障害や下肢の血流障害の場合が多く、注意が必要です。

 

 

執筆者

清水大地

眼精疲労専門の鍼灸師

資格
はり師
きゅう師

2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む

2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立

2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院

2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院

2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸整骨院|眼精疲労 at 18:52 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)

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