テレワークでも集中力を持続させる方法とは

緊急事態宣言による外出自粛で多くの企業が在宅ワークとなっています。

その環境の中で多くの人が職場よりも仕事が捗らない・集中力が続かないという悩みを抱えています。

 

なぜ集中力が続かないのか

集中力は生まれ持った才能や遺伝によって左右されると思いこまれている方も多いかもしれません。
しかし、集中力が続かない原因は環境であったり、習慣によって左右されるものだということが研究などからわかってきています。

逆を言えば集中力は生まれ持ったものでもなく集中力が続かないという方は、環境や習慣を変えれば集中力は獲得できるのです。

まず集中力を作り出す部分は、脳の前頭葉というおでこ辺りの部分がつかさどっています。

前頭葉は前頭前野という部分が大半を占めており、特に人間は他の動物と比べてこの前頭前野という部分が発達しています。

前頭前野には
・考える
・集中
・記憶
・感情のコントロール
・判断
・応用
・アイデアを出す

など、とても人間にとって重要な役割を担っています。前頭前野は人間の進化の過程で他の動物と比べて大きく進化していったということがわかっています。
この前頭前野が疲弊したり衰えてしまいますと

・集中力が続かない
・感情をコントロールできない
・物忘れが増える
・判断力が鈍る
・やる気が起きない

などの状態になってしまいます。

不眠症

人間の脳は多くのエネルギーを使うといわれ、エネルギー不足に陥れやすい部分でもあります。しかし、脳が疲れたとは自覚的に感じられずに集中力の低下やイライラしたりといった反応として身体にサインを出すのです。

前頭葉の思考や感情をコントロールしている力を「ウィルパワー」と呼びます。このウィルパワーの研究は大学でも研究されており、筑波大学教授の櫻井氏によりますとウィルパワーは高い意志力と定義され、ウィルパワーの失調はやる気の低下やうつ、引きこもりの原因になると考えられています。http://willdynamics.com/area/

 

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ウィルパワーは前頭葉における体力のようなものと捉えると考えやすいかもしれません。

ウィルパワーには、一定量があり集中力を使ったり物事を選択する際などに消費すると考えられています。したがって集中力を持続させるにはこのウィルパワーの消耗・枯渇を防ぐことがカギとなります。
仕事の際中にあれこれと考え込んだり、どうしても決めないといけない重要な選択をしたあとに気疲れして仕事が手につかないという経験をされたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
それは、このウィルパワーを消耗してしまって集中力や判断力が鈍ってしまった結果だと考えられます。

ウィルパワーを節約するには

ウィルパワーの出どころは、前頭葉ただ一つだけです。しかし、ウィルパワーを消耗してしまう部分は仕事以外にも数多くあります。
友人や家族との関係であったり、食事の選択などの日常生活での決定もウィルパワーを消費してしまいます。
これは、例えば家族や友人と喧嘩して考え込んでしまったり、趣味のスポーツでいい成績が上がらずに少し落ち込んだりして仕事に集中できないといったことです。仕事とプライベートを一緒にするなと思われるかもしれませんが、脳の構造上それは仕方の無いことなのです。

選択する機会を減らす

仕事でウィルパワーを発揮するためにまずは日常生活で「無駄な選択」を減らすことを心がけるが一番手っ取り早い方法です。いきなり家族関係を良くしようとかは無理な話かと思います。
しかし、何気ない日常生活での選択もウィルパワーを消耗することがわかっており、まずはその部分を減らしていくことが先決です。

前頭葉には、何かをやるやらないといった選択やなにを望むといった決断を担う領域があり、日常の些細の選択や決断でもウィルパワーは消費されていきます。

例えば、毎日着る服や食事です。出かける時に服を選ぶときにもウィルパワーは使われますし、今日何を食べるかという決断を下す際にもウィルパワーは使われます。
よく知られたことですが、元apple社のスティーブ・ジョブズは、毎日黒のタートルネックとジーンズにスニーカーという服装をしていました。あれはただ単にスティーブ・ジョブズがファッションに無頓着だったということではなく、意識的に余計な選択を避けていたからだと言われています。

食事に関しましても元プロ野球選手のイチローさんは、現役時代毎日奥様が作った同じカレーを食べていたという話があります。これは食事の選択を避けて余計な考えを避けることでウィルパワーの消耗を抑えてより試合に集中するためだったのです。

このお二人の話は、少し極端かもしれませんがその他スポーツ選手でもゲン担ぎで試合前は同じ食事を食べたり、試合の日は同じものを身に付けたりする話はよく聞きます。

これらは、同じルーティーンをすることで無駄な選択・決断を避けてウィルパワーを溜めて試合に集中力を発揮するためだと考えられます。

これを生かし日常生活でも季節によって一週間曜日で服装を決めたり、毎日同じものを食べると栄養が偏るので1週間単位で食事を決めることでウィルパワーの消耗を抑えることができるかと思います。

在宅ワークで選択・決断を減らして集中力を高める

在宅ワークでは、普段の職場よりもより自由度が増す方が多いかと思います。
自由度が高いということは、普段職場で仕事をしている時よりもより選択と決断する機会が増える可能性が高くなります。

例えば、職場で休憩する時は休憩する内容が限られてきますが、家ではテレビで息抜きや少し買い物したり、休憩の間に家事をしたりと選択肢が増えます。

仕事中も誰にも見られていないということで読みかけの本や漫画目が行ったり、スマートフォン、テレビやパソコンでのネットサーフィンなど集中をそらすものが視界に入ります。そういった環境で余程意志が強い人以外では、意志が仕事以外にそれても不思議ではありませんし、何をするかしないかの選択を迫られることでウィルパワーを消耗して集中力がそがれてしまう危険性が高くなります。

まずは在宅ワークでもルーティーンを決めることをお勧めします。朝は決まった時間に起床して食事をとり、出勤と気と同じように着替えて外を歩いて帰ってきて仕事に入る・休憩時間や食事内容もある程度決めて在宅ワークでのルーティーンをつくりましょう。

また、仕事スペースには仕事以外のものを置かないようにして仕事をしている時には、視界に仕事以外の物が入らないようにしましょう。できれば仕事部屋を設けてそこには仕事以外の物を持ち込まず集中できる環境づくりがベストです。物が少ない環境の方が仕事の集中力が増すという研究結果も出ています。

集中力を持続させることができる人は、なるべく余計なことにウィルパワーを消耗せずにより重要な仕事にウィルパワーを集中させてテレワークでも成果を上げているのです。


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸院|眼精疲労 at 01:09 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)

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