痛風の鍼灸治療

痛風の東洋医学的考え方

東洋医学では痛風は痺証の一種として捉えられており、疼痛が比較的激しいところから痛痺、また痛みが走り定まらないところから風痺。「風湿熱痺(ふうしつねつひ)」と捉えられ、体質として脾虚(消化器系が弱く、身体に湿を溜めやすい)、湿熱の方がなりやすい傾向があります。

痛風に対する当院の鍼灸治療

まず、自律神測定器にて血管の状態や自律神経のバランスを測定し、お身体の状態を把握した上で治療に移ります。疲労やストレス、生活習慣の乱れなどから自律神経のバランスが乱れると全身の血液循環が悪くなったり、内臓機能や免疫力が低下することにより尿酸の代謝が低下する原因の一つになるためです。

痛風に対する内臓への治療

自律神経のバランスを整えるツボに鍼やお灸で刺激を与え、内臓機能や免疫機能を活性化し、自然治癒力を高め、身体のバランスを整えることで炎症の治癒を促進させ、尿酸の代謝や排泄を促すとともに、炎症部位の周囲のツボや経絡に関連のあるツボを用い、鍼やお灸を施すことで血行を促進し余分な熱を除き消炎作用を促します。

 

痛風の鍼灸治療

痛風とは

尿酸が身体の中にたまり、それが結晶になり関節炎を伴う症状を引き起こす病気です。

現在日本では痛風患者は約60万~70万人で、痛風の前段階である高尿酸値血症の人は約600万~650万人と推定されています。

これは、約成人男性の5人に1人は痛風予備軍といわれるほど増えており、しかも従来は中高年の男性に多かった病気ですが、最近は食生活の変化に従って20~30代の若い男性にも増えているといわれています。10~15%に遺伝要因が見られ、大酒家や肉類を多く摂取する人に好発します。

 

尿酸は体の正常な営みによりできる老廃物の一つで、どんな人の身体の中にも一定量あり、血液などの体液に溶けて循環し、尿の中にこし取られて排出されます。

ところが、何らかの原因により体内の尿酸量が増えてしまうと高尿酸血症になります。高尿酸血症になると血液中に溶けきれない尿酸が結晶となって関節に付着し痛風発作を起こします。

しかし、高尿酸血症からすぐに痛風発作に結びつくのではなく、発作が起きるまでには少なくとも8年以上は経過しているといわれています。

 

痛風はなぜ男性が多いのか

痛風は男性100人に対して女性1~2人という割合で、圧倒的に男性に多い病気です。その理由は女性ホルモンのエストロゲンには尿酸の排泄を促す作用があるためといわれています。

そのため、女性でも女性ホルモンが減少する更年期以降は痛風を発症するリスクが高まるため注意が必要です。

 

痛風の症状

 

急性の関節炎が主な症状です。

発作の約70%が足の親指の付け根に起きますが、足首、膝、肘、手関節などのどこの関節にも起こる可能性があります。なぜ関節部に炎症が起こりやすいのかというと関節の部位は体の中心部より遠く体温も3~4度低いため、体温が下がると尿酸が結晶化しやすいことや、足の親指には関節に体重がかかるため関節内に結晶ができやすく、また、体重がかかる刺激により沈着した尿塩酸が剥がれやすくなるためと考えられています。

痛みは発症してから24時間ほどでピークを迎え、その後2時間ほどかけてゆっくりと鎮静していきます。人によっては発作が起こる12時間ほど前に、足がピリピリしたり違和感を覚えたりすることがあります。痛風性関節炎の激しい痛みは通常7日~10日以内に収まります。

痛風発作は炎症を抑える薬で比較的早く治ることが多いですが、多くの場合一年以内に同様の発作が発生すると言われており、繰り返しているうちに足首や膝の関節まで腫れが拡がり、発作の間隔も次第に短くなっていく怖い病気です。

また、痛風は合併症も多く、高脂血症、動脈硬化、肥満は特に危険因子といわれています。

 

痛風の多様な病態

 

痛風は激しい関節の痛み以外にも痛風結石や尿路結石と呼ばれる症状があります。痛風結石とは痛風発作を治療せずに放置しておくと体内の尿酸が異常に多い状態が続き、手足の関節付近や耳などに尿酸の塊が沈着してくることをいいます。

また、尿の通り道に尿酸結晶が固まって結石ができると尿路結石になります。腎臓に尿酸の結晶が蓄積されると腎不全を引き起こす事もあり注意が必要です。

 

 

原因

・食生活の問題

食事内容は尿酸値に影響します。プリン体が多い魚卵、肉類、レバー類などの摂り過ぎは注意が必要です。しかし、プリン体は上記の食品に限らず、多くの食品に含まれています。そのため特定の食品にだけ注意するのではなく、普段の食事の慢性的な食べ過ぎも注意が必要です。

 

・飲酒の影響

アルコール飲料を飲むと尿酸値は一時的に上がります。アルコールが体内で分解される時に尿酸が作られること、その際に出来る乳酸が体内に尿酸を蓄積すること、一部のアルコール飲料に含まれるプリン体が多く含まれていることなどが原因として挙げられます。

お酒の種類によってもプリン体の量はかなり違いがあります。プリン体はビールに最も多く含まれ、ウイスキー、ブランデー、焼酎などの蒸留酒はあまり含まれていません。

どんな種類のお酒でも尿酸値や痛風には影響するため、節酒または禁酒をすることが望ましいでしょう。

 

 

・脱水による尿酸の血中濃度の変動

夏場の汗が多い時期やスポーツ後、飲酒後などに体内の水分量が少なくなると相対的に血中の尿酸の濃度が上昇します。そうすると体内で尿酸が結晶となって析出しやすくなり、痛風発作が起こりやすくなります。

 

・ストレスの多い生活

ストレスを多い生活を送っていたり疲労が蓄積したりすると、ホルモンの分泌に悪影響を与え、尿酸の排出が妨げられたり、血管を収縮させ腎臓の働きを低下させるため、結果的に尿酸値が高くなります。

 

・利尿剤などの薬剤の副作用

 

 

西洋医学的治療

痛風の治療は関節炎の治療とその背景にある高尿酸血症の治療の2つに分類されます。痛風関節炎には原則的に薬物療法が中心となり非ステロイド抗炎症薬やコルヒチンという薬を服用します。重度の場合には副腎皮質ステロイド薬を使用することもあります。

高尿酸血症の治療においても薬物療法が中心となり血液中の尿酸値を正常域に下げるために尿酸産生抑制薬や尿酸排泄促進薬が用いられます。

 


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸院|眼精疲労 at 01:09 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)

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