オスグットの場合、大腿四頭筋の柔軟性を出すよういわれますが、この部分だけ筋緊張を緩めてもまたすぐに緊張状態となりやすく根本治療にはなりません。大腿四頭筋が緊張する原因が股関節、骨盤、足関節のバランス、可動域が問題になっていることがあります。
特に猫背など背中が丸くなると骨盤が傾き、結果的に膝にストレスがかかり痛みが発症しやすくなります。
そのため、まずうつ伏せで背部、腰臀部、大腿四頭筋の拮抗筋であるハムストリング、下肢のツボを用い、身体のバランスを調整し膝関節の運動性を高めます。
その後仰向けで大腿部四頭筋や前脛骨筋、腓骨筋など膝の周囲の筋肉の緊張を和らげ、膝関節へかかる負担を減らし血行を促進することで、疲労物質や炎症物質の代謝を促し治癒を促進させる効果が期待できます。
また、痛みや炎症が強い場合はアイシングや鍼に微弱な電気を流すことで消炎、鎮痛作用を促していきます。
中医学では関節痛は「痺症」と呼ばれ、風、寒、湿、熱邪などの侵入(外因)により経絡の気血の運行を阻害した場合や、体質、飲食の不摂生、生活習慣、過労、ストレス、運動不足、外傷、気候変化、加齢、慢性疾患(内因)などが原因で、血の巡りが悪い(瘀血)、津液の巡りが悪い(水滞)等により、気血水が停滞し「不通則痛(ふつうそくつう)」(エネルギー物質の運行障害)、「不栄則痛(ふえいそくつう)」(栄養不足による運行障害)に陥ることが原因として考えられています。
オスグット・シュラッター病とは
小学校高学年から中学の発育期の成長期に好発するオーバーユース(使いすぎ)に起因するスポーツ障害の一つです。
成長期には急激に骨が軟骨から成長する時期で、骨の成長に筋腱の伸長が追い付かず、一時的に骨に対し筋の長さが短くなり筋肉の緊張が高くなる時期です。膝関節を伸ばす筋肉である大腿四頭筋は成長軟骨のある脛骨粗面に付着しており、この部分は軟骨が多く弱いため大腿四頭筋の伸長が追い付かず筋の緊張が高くなり、繰り返し引っ張られることで脛骨粗面への負担が大きくなると、骨や軟骨の一部が剥離してしまうことがあるのです。運動をすると痛みを生じ、休むと痛みは和らぎますが運動を再開するとまた痛みを生じます。
ジャンプ、ランニング、キックの多いスポーツ(バスケットボール、サッカー、バドミントン、陸上競技、剣道、バレーボールなど)をしている子供に多いといわれています。
変形が強くなり骨が引っ張られたままだと大人になってからも痛みを残すことがあるため適切な治療を受けることが重要です。
膝に慢性的な運動負荷がかかることにより発症します。急激な身長の増加、柔軟性不足、筋肉の慢性的な疲労、不十分なウォーミングアップ、間違ったフォーム、姿勢の悪さ、偏平足や回内足、猫背など身体の歪みによるバランスの崩れなどが挙げられます。
筋肉の柔軟性を保つことと、オーバーユース(使いすぎ)を防ぐことが基本になります。
疲れや筋肉の硬さを翌日に残さないようにストレッチウォーミングアップ、クールダウンを徹底し筋肉の柔軟性を保つ工夫が必要です。ストレッチは大腿四頭筋やハムストリングスなどを優しく時間をかけて伸ばすことが重要です。
・膝の下の痛み(活動時、階段昇降時などの動作で増悪する)
・しゃがめない
・膝を曲げようとすると痛い
・膝の下が膨隆する
・膝の下の骨の出っ張った部分の圧痛
・熱感、腫れがある
などが主な症状です。
X線撮影やエコー、MRI撮影などにより診断されます。治療に関しては保存療法が基本となります。患部の炎症が強い場合にはアイシングや電気治療などにより炎症を抑えます。
運動の休止と患部の安静を原則として、大腿部のストレッチ、消炎鎮痛薬(外用内服)や超音波、レーザー治療、低周波などの物理療法、専用サポーターの装着などがあります。通常、対処療法で十分ですが、激しい痛みや炎症症状が考えられる時には局所への局麻剤とステロイドの注射を行うことがあります。
まれに治りが悪く脛骨結節部の変形が強い場合は、手術療法として骨片摘出術や骨穿孔術などが行われる場合もあります。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸院|眼精疲労 at 21:49 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)