胃下垂の事を東洋医学では「脾虚下陥(ひきょげかん)」、または「中気下陥(ちゅうきげかん)」といいます。
東洋医学でいう五臓六腑の脾と胃は密接な関係があり、脾の機能が低下することにより胃を支えている筋肉や骨盤まわりの筋力が低下し胃下垂になると言われています。
まず、問診や自律神経測定器を使用し自律神経の状態を調べていきます。今の自律神経の状態を把握し、それに応じた自律神経の調節治療を行っていきます。
また、腹部の筋肉が硬くなることで筋力が低下し胃下垂を引き起こしてしまうので、腹部や背部、腰部に鍼を打ち、筋肉の柔軟性を高める施術を行っていきます。
それ以外にも、東洋医学的観点の「脾」の機能を高める治療も同時に行っていきます。
2、暴飲暴食を避ける
3、ストレスを溜め込まない
4、香辛料、刺激物、脂っこいものといった胃の負担になるような食べ物を避ける
5、胃の消化を助けるために、よく噛んで食べる
もし、普段運動をあまりしていなくて、いきなり腹筋や背筋のトレーニングするのが辛いという方は、ウォーキングやランニングから初めてもいいかもしれません。ウォーキングやランニングも少量ですが体幹を使っているので胃下垂や胃アトニーの効果はあります。運動に慣れてきたら少しずつ体幹運動も組み入れていきましょう。
また、上記以外にもお腹を温める事も胃下垂・胃アトニーに効果的です。
お灸はなかなか自宅ではできないので、使い捨てのカイロをおへそ周りにあてるのがおススメです。
胃下垂は一筋縄では改善されません。治療以外にも、日常生活での見直しを重視しなければなりません。
胃の上部にある食道と胃の境目を噴門と言い、下部の十二指腸と胃の境目を幽門と言います。身体の正面からみて、胃の右側部分が内側に大きくくびれている壁を小弯と言い、左側の外に膨れている壁を大湾と言います。さらに小弯と幽門の間にある胃角という切込みがあります。
胃下垂とは、胃の位置が本来ある位置よりも垂れ下がっている状態のことで、本来第12胸椎から第1腰椎付近(おへその上あたり)に位置する胃角部が、おへそより下の位置や、悪化すると骨盤の位置まで落ちてしまう事をいいます。分かりやすく言えば、胸のあたりから腰の下まで広がっている状態の事を指します。
胃アトニーは胃下垂が原因で胃そのものの筋肉が伸びてしまい、胃の機能が低下する状態をいいます。胃の筋肉が伸びてしまうことにより、胃の柔軟性が低下し動きを悪くしてしまいまい、消化不良を引き起こします。そのため、消化を促進させようと胃液が過剰に分泌してしまい胃の中の環境バランスが崩れてしまいます。
胃下垂の特徴的な症状は下腹部がポコッと膨れることですが、
その他の症状としましては、
等があります。
中には無症状の場合もあり、胃下垂でも本人が気がついていない事もあります。
また、胃下垂や胃アトニーの引き起こすリスクとして、不妊になりやすいということがあります。胃が骨盤内まで垂れ下がる事により、小腸や大腸だけではなくその下の子宮や子宮周りの臓器にまで圧迫が加わり妊娠の妨げになります。
他にも、胃が筋肉や脂肪が薄い下腹部まで垂れ下がるため、その影響で胃腸が冷えてしまいます。胃腸は熱を作り出す大切な器官であり、その胃腸が冷えると熱が生み出せなくなり、全身が冷えやすくなります。そのため免疫力の低下や、子宮や膀胱に冷えが伝わり不妊や排尿障害の原因にも繋がります。
胃下垂になりやすい人は、痩せ型に多い人ことや急激に痩せたり太ったりを繰り返している人に多いという特徴があります。
瘦せている人すべてが胃下垂になるということではないですが、脂肪や腹筋(腹直筋、腹横筋、外腹斜筋、内腹斜筋)の筋肉不足や筋肉の柔軟性の低下により胃を持ち上げる力が弱くなるのと同時に上からの圧力を支えきれなくなり胃が垂れ下がりやすくなると言われています。また、猫背のような前傾姿勢が続くと上半身の重さが腹部を圧迫してしまい胃下垂の助長となってしまいます。また、姿勢不良により側弯症になると曲がった背骨が胃を圧迫してしまい胃下垂を引き起こす原因となってしまうことがあります。
他にも暴飲暴食や早食いの習慣がある人も食べ物の重さにより胃が垂れ下がる原因になったり、ストレスによる自律神経の乱れによっても胃下垂になりやすいことがあります。
胃などの消化器系の内臓は自律神経がコントロールしています。自律神経が乱れると胃の消化活動が低下してしまい食べ物が胃の中に蓄積されてしまい胃が重くなり下垂を起こします。
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年 鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年 おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年 中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年 渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年 三軒茶屋α鍼灸院を開院
Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸院|眼精疲労 at 13:46 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)