肘部管症候群の治療

2018年9月29日

肘部管症候群に対する当院の鍼灸治療

 

当院の肘部管症候群に対する施術は、第一に肘関節付近のツボや痛みの強い部位または萎縮している筋にはりやお灸の刺激を施し、血行を良くします。必要であれば、その鍼に電極をつないで微電流を流します。

また痛みの強い方に関しては、鍼やお灸の刺激により痛みを感じる閾値を上げて痛みを感じにくくする作用を促します。

手根管症候群は五臓六腑の「小腸」と「」「」に深く関係しているので、小腸や肝と腎に関するツボを用いて小腸の機能を正常に戻すこと、または肝血と腎気を補うことや肘関節の気血の流れをよくします。また「風寒」や「湿」の邪気によって引き起こされる場合はそれらを体外に出す治療が必要になります。

東洋医学の診断方法に基づき全身の調整治療も行っていきます。東洋医学では、局所ばかりを診るのではなく体全体を診るという考えがあります。肘部管症候群では、症状が強く出ている上腕部ばかりでなく、全身性の疲労や気血の滞りが原因と考えるのです。
結局最後に症状を治すのは、自分自身です。当院では人間が本来持っている自然治癒力を高め、症状回復のお手伝いを致します。
お悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

 

肘部管症候群の鍼灸治療

 

肘部管症候群の鍼灸治療症例

 

40代 男性
主にパソコンを使ってのデスクワークが仕事で一日10時間以上はキーボードをうつ動作をしている生活を20年ほど続けていた。半年前からパソコン作業中に肘をついていた際に左手の薬指と小指に痺れを感じるようになってきた。また、最近身体全体が疲れやすく、目も疲れていて仕事をすることがとてもつらいとのこと。睡眠時間も4時間程度とあまり取れておらず、忙しさのため運動などもできていない。

治療・経過
ご本人の自覚としては、手の痺れが一番気になるとのことでしたが、問診や自律神経測定器の結果などから身体全体の調整施術も重要だと判断し、患者さんに説明の上最初は、身体全体の調子を整える治療を3回ほど行いました。1回目の治療後は身体がとてもだるくなり、翌朝体がすっきりしたとのことだった。治療後は、少し痺れが強く出たが翌日には痛みの程度は戻っていた。2・3回目も同様体が徐々に良くなっていくのが実感できた。しかしまだ手指の痺れの改善はあまり見られなかった。

4回目からは、本格的に痺れに対する治療をしたところ、痺れが徐々に感じられなくなり、8回目の治療でほぼ痺れを感じなくなった。

 

肘部管症候群の鍼治療

 

 

肘部管症候群の東洋医学的考え

東洋医学で肘部管症候群は、肘付近の気血の運行がスムーズにいかずに気血が滞り、それが痛みやしびれの原因となると考えられています。寒く風のあたる場所にいた際に「風寒の邪気」を受けた時や湿度の高い場所にいて「湿邪」を受けた時、長い間肘を酷使する仕事やスポーツをした時などに気血は滞り、それが肘内側付近であった場合に肘部管症候群を発症する可能性が高くなります。

 

肘部管症候群と関係が深い尺骨神経の肘下の走行は、東洋医学の「小腸」の経絡の走行と類似しており、小腸にもなにかしらの不調があると考えられます。
また手の痺れの症状から肝血虚という病態も疑われます。

肝血虚
肝血虚とは中医学でいう「肝」が血を貯蔵して必要に応じて供給・消費する機能と自律神経系の作用を通じて血管を収縮あるいは弛緩させ、体内各部の血流量を調整する機能が異常をおこして発症します。
筋のけいれん・手足のしびれ・目の乾燥感や女性では、月経のおくれ・月経血の過少・無月経などがみられることが特徴です。

 

 

 

肘部管症候群とは?

肘部管症候群とは、肘の内側の肘部管と呼ばれる部位で、尺骨神経が圧迫されて起こる疾患です。尺骨神経は肘上内側で筋の間から出て上腕骨内側上顆という骨の出っ張りの後ろの尺骨神経溝を通り、その先にある骨と靭帯とで囲まれた「肘部管」というトンネルをくぐって手の方へ伸びて行きます。肘部管は狭く、尺骨神経はその中を通るため圧迫されて神経障害を引き起こしやすいのです。
尺骨神経は、手の薬指の小指側半分から小指にかけて感覚を支配しています。また手首を曲げさせる筋の一部や小指を親指方向へ引き寄せる筋、手の骨と骨との間で手指の細かい運動をつかさどる筋などを支配しています。

肘部管症候群は尺骨神経領域の感覚障害運動障害、支配している筋の萎縮などが見られます。

感覚障害
薬指の小指側半分から小指にかけて痺れや知覚鈍麻が起こります。

運動障害
感覚障害が進むにつれて、手の筋肉がやせてきて細かい指の運動がしづらくなります。特に、手の骨と骨との間の筋がやせてくると指を開いたり閉じたりする力が弱くなったり、親指と人差し指で物をつまむ力が弱くなり、箸が使いづらいなど握力も低下していきます。

筋の萎縮
手の骨と骨との間の筋が萎縮すると、指が伸びたままで指先だけが曲がり、「鷲手」と呼ばれる状態になります。

また、肘部管症候群では肘をよく使う人に発症しやすく、30歳以上の男性に多く見られます。一般に利き手側に起こり、両手に同時に発症することはめったにありません。

※肘部管以外にも手のしびれを感じる疾患があります
肘部管症候群以外にも手の感覚異常や運動障害が起きる場合があります。場合によっては、すぐに病院で検査を受ける必要があります。
・脳の障害の場合
脳卒中やくも膜下出血、脳腫瘍によっても肘部管症候群に似たような症状が出る場合もあります。脳血管が詰まったり出血してしまったりすると、脳の細部にまで血液が行き渡らくなってしまい、その部分が運動機能を主る部分や手足の感覚を主る部分に血液が行き渡らない状態となると手のしびれや運動障害を引き起こします。
この場合手の不具合ばかりでなく、吐き気や頭痛・めまいしゃべりにくいなどの症状も出るため、それらの症状が合わせて出た場合には早急に病院を受診しましょう。

・脊髄の疾患
脊髄の疾患の場合でも手に症状が出る場合があります。脊髄は脳からの電気信号を体の細部に伝達する中継地点でその脊髄部分に腫瘍や脊髄損傷が起きると手のしびれ症状や運動障害を引き起こしてしまいます。

・椎骨や椎間板の疾患
腰椎椎間板ヘルニアで下肢に症状が出ることはよく知られていますが、頸部の場合でも椎間板ヘルニアが起きることがあります。すると飛び出した髄核が神経を圧迫してしまい、手のしびれなどの神経根症状を呈します。その他椎骨が変形して神経を圧迫する頚椎症などでも同様の症状を呈します。

 

 

 

肘部管症候群の原因

肘部管症候群の原因は様々ですが、主に外反肘変形性肘関節症ガングリオンによる圧迫があります。
外反肘・・・生まれつき肘が外側に曲がっていたり、小児期の肘関節の骨折によって肘を伸ばすと過剰に外側に反ることにより尺骨神経を引き伸ばす。

変形性肘関節症・・・肘関節で衝撃を和らげるクッションのような役割をしている関節軟骨が仕事やスポーツなどで長年酷使続けたことにより擦り減って肘に痛みや変形などが起こる疾患。

ガングリオン・・・手足などの関節にできる出来物。多くは良性。無症状だが時に神経や腱を圧迫することにより痛みを生じさせる。

肘部管症候群の簡単な診断法として、肘関節の内側をたたくと、薬指や小指に痛みや痺れが放散すると肘部管症候群が疑われます。また肘部管症候群では手指の開いたり閉じたりする筋力の低下により親指と人差し指の間で挟んだ紙が親指を曲げないと引き抜かれてしまうフロマン徴候が出ます。

 


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸整骨院|眼精疲労 at 20:22 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)

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