変形性股関節症の鍼灸治療

2018年10月22日

変形性股関節症の東洋医学と鍼灸治療

 

まず第一に股関節部分の痛みを取り除くことが治療方針となります。変形性股関節症が発症してしまうと、痛みが強く出て周りの筋肉が萎縮し過緊張状態となって血流が悪くなりさらに痛みを悪化させる可能性もあります。このような場合、鍼治療を行うことで筋肉の緊張をとり、血流を改善させることで痛みを軽減させていきます。

 

変形性股関節症の鍼灸治療

 

痛みが強く出ている場合は鍼通電療法を用いて施術を行っていく場合もあります。

変形性股関節症の鍼通電療法

 

主に鍼を刺す場所としましては、痛みの強く出ている股関節部分に直接アプローチする治療周りの筋肉・臀部や大腿後面や前面を治療していきます。

変形性股関節症の腰部・臀部への鍼灸治療

 

 

上記でご紹介した股関節周りの筋肉は変形性股関節症になると緊張や固結部位として反応が出やすいです。それらのポイントしっかりと取っていきます。また腰部や膝部にも負担が掛かり、痛みや緊張状態起こりやすいのでそれらも鍼灸施術により取り除いでいきます。

変形性股関節症の膝への鍼灸治療

 

 

また東洋医学的に診ると経絡の走行上、大腿の前面を走行する足の陽明胃経足の太陰脾経、大腿の後面を走行する足の太陽膀胱経が変形性股関節症に深く関係しているといえます。

それら経絡の反応点も診ていきます。よく使用する経穴として三陰交太衝足臨泣陥谷などが挙げられます。

 

変形性股関節症の鍼灸治療症例

 

40代女性

1週間前ほどに山にハイキングに行って普段よりだいぶ歩いた後の次の日の朝に股関節の違和感が出るようになった。歩くと痛みが出たため整形外科でレントゲンなどの検査を受けた。しかし、特に骨に異常は見られずに湿布薬を処方されて経過観察という診断を受けた。
パソコン仕事で座っていることが多く、急に立ち上がったり、朝の寝起きで歩く時が一番痛みを感じてしばらくすると痛みを忘れることもある。
また、来月に山にハイキングに行きたいとのことで当院にご来院された。

当院の治療
まず、可動域や圧痛点などを調べた結果、股関節周りの筋肉の緊張がみられてそれが股関節を圧迫することで痛みを発症していることが考えられてたため、痛みの強く出ている部位に電気鍼を施すことと股関節周りの筋肉をはり灸やストレッチなどでほぐしていきました。

一回目の治療後、痛みが取れた感じで歩行も楽になったとおっしゃっていた。次の日は歩行時も軽い違和感程度。調子が良くなり、ついつい歩く距離がのびるとまた痛みが出ることがあったが、6回目の治療後には股関節の違和感や痛みが出なくなった。ハイキングにも無事に行くことができた。

自分でもできる股関節周りのストレッチを普段から行っていただき、治療を終了しました。

 

 

 

股関節とは

股関節は人体の中で最も大きな関節の一つで体重を支えて歩行や立ったり座ったりする動作にとても重要な役割をします。股関節に何かしらの障害が出ると歩行が困難となったりと日常生活に重大な障害が出てしまいます。

股関節は、大腿骨の上端の大腿骨頭が骨盤を形成する寛骨臼にはまり込むようになり、球関節となっています。股関節の可動域の広さはこの球関節がカギとなっているのです。大腿骨頭は約3分の2程度、寛骨臼に包み込まれており、その周りには関節軟骨という軟骨が覆っており、関節にかかる荷重を軽減して滑らかに動く役割を担っています。また、関節の周りには様々な筋肉があり、それらの働きによって下肢の運動を可能にしています。年齢を重ねるごとにこの筋肉が低下して自然と関節にかかる負担が増大して、関節軟骨や股関節に障害が起きやすくなってしまいます。

股関節は年代によって症状が出やすい疾患が違ってきます。幼少期や青年期にかけては、先天性股関節脱臼・ペルテス病がよく見られ、成人になると変形性股関節症関節リウマチ、高齢期となると転倒などによる大腿骨頚部骨折転移性の腫瘍などが見られます。

また、股関節に障害が出て歩行時に痛みが出るとそれをかばうように歩くためにその他の部分、腰部や膝部などにも負担が増して痛みの原因となる場合があり、注意が必要です。

 

 

股関節周りの筋肉

股関節周りには様々な筋肉があり、股関節の動きをサポートして下肢の運動を可能にしています。

・大腿四頭筋

大腿直筋・外側広筋・中間広筋肉・内側広筋の4つの筋肉で構成されており、股関節を曲げる動作をします。主に大腿の前面を通る筋肉です。

・ハムストリングス

大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋で構成されている筋肉で股関節を伸ばす働きやつま先を内側と外側に向ける働きをします。主に大腿の後面を通る筋肉です。

・殿筋群

臀部にある大きな筋肉群で大殿筋・中殿筋・小殿筋があり、股関節を伸ばす動作や股を開く動作などをします。

 

その他にも最近よく言われる比較的身体の深部にあるインナーマッスルとして腸腰筋などもあり股関節の動きをサポートしています。

 

変形性股関節症とは

変形性股関節症は上記のように20歳以上の成人に起きやすい症状と言われています。股関節周りの筋力低下やオーバーユースにより、関節軟骨は擦り減り、または変性をきたすことによって痛みを生じる疾患です。

変形性股関節症

変形性股関節症によく見られる症状として

・立位や歩いている時に股関節部分に痛みが出る

・股関節部分を圧迫すると痛みが出る

・股関節の動く範囲が狭くなる

・痛みや股関節の変形により歩行が正常にできない

 

などが挙げられます。

変形性股関節症の簡単な見分け方として

・トレンデレンブルグ徴候

片足立ちした時に正常では上げた側の骨盤が上がるが、変形性股関節症の場合では上げた側の骨盤が下がる。主に中殿筋の機能不全が原因で起こる。

・トーマステスト

仰向けで寝ている状態で片足を上げると正常な場合上げていない方の足はそのまま伸びた状態だが、変形性股関節症の場合では上げていない方の足が上げている方の足に引っ張られる形で膝が曲がってくる。関節の拘縮することによって起きる現象。

 

 

もちろんこれだけで変形性股関節症と判断はできませんが、股関節に痛みがあり、上記の2つの状態が見受けられる場合は、一度整形外科で検査を受ける必要があります。


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸整骨院|眼精疲労 at 18:27 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)

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