クッシング症候群は東洋医学では、「腎陰虚」という病態と考えられています。
東洋医学でいう「腎」は西洋医学とは少し異なります。東洋医学では、腎は内分泌系・泌尿生殖器系や中枢神経系の一部・免疫監視能なども含めた機能系だと考えられています。
よって腎が虚する(腎機能が弱まる)とそれらの機能が低下します。すると、めまいや耳鳴り、膝や腰に力が入りづらく倦怠感が出る、発育が遅くなる、女性では無月経や不妊などの症状が現れやすくなります。
腎陰虚では、それに加えて陰液が不足しているために起こる熱証の症状を呈します。また体内の栄養不良や脱水などがおこり、それに伴う内分泌系の機能亢進・自律神経機能の亢進などの症状が現れます。
腎陰虚が慢性化するとその他の五臓にも影響を与えて甲状腺機能亢進症・下垂体機能亢進症・副腎皮質機能亢進症・高血圧症・慢性肝炎などの疾患へと繋がる可能性があります。
腎陰虚での熱証として、体の熱感やのぼせ・手のひらや足の裏のほてり・顔面紅潮・不眠・体幹がやせるなどの症状があり、クッシング症候群の症状と似ています。
当院のクッシング症候群に対する鍼灸治療は、東洋医学の観点より「腎」の状態を正常に戻すことです。脈診や腹診などからその日のお身体の状態を検査してその日その方に合った最適な施術をいたします。
またクッシング症候群は日々のストレスなどの自律神経の乱れも深く関係していますので、自律神経測定器でお身体の状態を把握したうえで自律神経調整療法で自律神経の状態を整えます。
クッシング症候群の治療に対して当院では病院との併用をお勧めしております。手術前や手術後の体調管理などに効果があります。ま
た、腫瘍が見つかず、有効な治療法があまりない場合でも当院では、東洋医学の観点からアプローチしていくことで症状改善に努めます。
クッシング症候群とは、副腎皮質ステロイドホルモンであるコルチゾールが増えすぎるために起こる疾患です。
コルチゾールは血糖の代謝やタンパク質や糖などの栄養の代謝に深くかかわっているためコルチゾールが増えすぎてしまうと様々な悪影響が出てきてしまうのです。
症状としましては、
・満月様顔貌(顔がむくんで赤らむ)
・バッファローハンプ(首から鎖骨にかけて脂肪が沈着し手盛り上がる)
・体幹は太り、手足は細くなる
・筋力の低下
・高血圧、高血糖
・骨粗しょう症
・月経不順
・感染に対する抵抗力の低下
・腎結石
・内出血が起こりやすい
・多毛症
などが挙げられます。
コルチゾールとは
コルチゾールとは、副腎皮質ホルモンでストレスホルモンとも呼ばれており、ストレスに敏感に反応するホルモンです。タンパク質や糖・脂質の代謝を制御しており、人間の体にとっては欠かせないホルモンの一つです。
過剰なストレスによってコルチゾールは発散されてそのような状態が続いてしまうと免疫力の低下などの様々な体の不調を訴えやすくなります。またコルチゾールは抗炎症作用も備わっているため医薬品の分野では抗炎症作用として使われています
コルチゾールは基本的に朝が一番高く夜にかけて徐々に減っていきます。血中や尿中のコルチゾール値によってコルチゾールの量がわかり、その結果によって様々な疾患の指標となります。
コルチゾール値が高い場合
・クッシング症候群
・うつ病
・肥満
・糖尿病
コルチゾール値が低い場合
・アジソン病
・下垂体性副腎皮質機能低下症
などの疾患が疑われます。
クッシング症候群は脳の下側に位置する下垂体という部分に腫瘍ができる場合と、副腎皮質という部分に腫瘍ができて発症する場合とがあります。
下垂体は内分泌器官であり非常に血管が豊富にあります。下垂体で分泌されたホルモンは血流に乗って効率よく目的地に運ばれるようになっているのです。
下垂体に腫瘍ができてしまい副腎皮質刺激ホルモンが過剰に分泌されて副腎皮質が刺激されます。副腎皮質は副腎の周囲にあり、様々なホルモンを合成して排出します。コルチゾールは副腎でつくられていますが、下垂体の異常から来る副腎皮質刺激ホルモンの増加により副腎皮質は刺激されて多量のコルチゾールを排出してしまうのです。
また、何らかの異常で副腎皮質に腫瘍ができてしまった場合でもコルチゾールは過剰に排出されてしまいます。
過剰なコルチゾールの排出は上記のような症状を呈してしまうのです。
・最近よく顔がむくむ
・腹部や太ももに赤紫色の線が出る
・あざができやすくなった
・血圧が高い
・女性でひげが生えたり、体毛が濃くなった
清水大地
資格
はり師
きゅう師
2008年
鈴鹿医療科学大学鍼灸学部 卒業
卒業後2年間北京中医薬大学に留学。日中友好病院にて多くの臨床経験を積む
2011年
おおうち総合鍼灸院に勤務。眼科鍼灸の確立
2014年
中目黒にて東京α鍼灸整骨院を開院
2016年
渋谷α鍼灸整骨院を開院
2018年
三軒茶屋α鍼灸院を開院
Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸院|眼精疲労 at 21:45 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)