老眼の鍼灸治療

老眼の鍼灸治療

 

・自律神経の調整
目と自律神経は実は深い関係にあります。自律神経とは、内臓の働きや血液循環など自分の意識とは無関係に働いている神経であり、目のピントを合わせる調整や目の血液循環にも影響を与えています。
自律神経の状態が乱れていると目のピントを合わせる調整能力が低下したり、目の周りの血液循環は低下してしまいます。

 

老眼の自律神経調整鍼灸

・首肩コリの解消
首肩の筋肉が過緊張状態やコリがあるとその部分で血管を圧迫してしまい脳や目に栄養ある血液が行き届きませんし、脳や目からの血液が下がりにくくなってしまうのです。
また、首肩部分には目に関するツボもあるためその部分を刺激していきます。
東洋医学的にみると目と五臓六腑の『肝』、老化と五臓六腑の『腎』は深い関係にあります。『肝腎同源』という言葉もあり、肝と腎はお互いに影響しあうため症状が現れるときも同時に現れる場合も多いです。首肩の施術と並行して背部に肝と腎の重要なツボがあるためそのツボも刺激していきます。

 

老眼の頸肩鍼灸治療

・目の周りの施術
目の周りに鍼を刺してお灸を施すことで目の周りの筋緊張の緩和や血液循環を改善する目的で施術していきます。

老眼の鍼治療

 

当院ではこの3点を老眼治療として行っていきます。その他にもその方の症状に合わせたツボを用いて施術を行っていきます。

老眼とは

老眼とは目の水晶体が老化によって硬くなったり、毛様体筋という水晶体の厚みを調節する筋肉の衰えによって近くのものが見えづらくなることです。

現代の生活の中には、目に負担のかかることが溢れています。仕事中は、パソコン作業をして仕事の時間以外でもスマートフォンを見ていたりテレビを見たりと常に目に負担のかかることをしている方も少なくないと思います。

目に負担のかかる時間の多い人は、老眼となる時期も早まる可能性があります。一般的には老眼は45歳から始まりやすいと言われますが、30代後半くらいから老眼の症状が出る方もいます。

老眼

老眼となる仕組み

老眼となってしまう原因を知るためには目の構造を理解する必要があります。

目に入ってきた情報は、角膜→水晶体→硝子体→網膜と通過して資格情報として視神経を介して脳に伝わります。

目の構造

角膜:角膜は一般的には黒目と言われるもので暑さ0.5ミリほどの厚さです。角膜は透明な組織で外から入ってきた光を網膜上で合わせるために光を屈曲させる役割があります。角膜は、目の構造上一番外にあり外界に触れやすいため傷つきやすいため傷つくと角膜炎となったりします。

角膜炎について詳しくはコチラ

 

水晶体:水晶体はカメラの機能でいうとレンズに相当する目の器官です。角膜の内側に位置します。水晶体の役割は角膜と同じように光を屈折させて網膜上で合わせる役割があります。
しかし、角膜と違う部分は水晶体は毛様体筋の働きによって水晶体の厚さを変化させることができる点です。近くのものに焦点を合わせるときは、毛様体筋は収縮して水晶体は膨らむことで焦点を合わせようとします。逆に遠くのもに焦点を合わせるときは、毛様体筋は弛緩して水晶体を薄くすることで遠くに焦点を合わせます。

水晶体が白く濁って物が見えづらくなる症状を白内障と言います。

・白内障について詳しくはコチラ

 

硝子体:硝子体は水晶体の内側にある目の器官の中ではとても大きい器官です。硝子体の内部は房水というタンパク質で出来ており、眼球の形を保つ役割があります。硝子体の中の房水がうまく排出されなかったりして房水の量が増えてしまうと視神経を圧迫して視界が狭くなったり、中心暗点ができる緑内障となってしまいます。

また、房水が紫外線などによって物質変化して線維化したものが房水内に漂流してしまうと飛蚊症となってしまいます。

・緑内障について詳しくはコチラ

・飛蚊症について詳しくはコチラ

 

網膜:網膜はカメラで言いますとフィルムの役割で角膜・水晶体・硝子体と通ってきた光を視覚情報として電気信号に変えて視神経を介して脳に情報を送る役割があります。成人では厚さは0.2ミリほどで網膜の中心部分、視覚情報が集中する部分を黄斑部といい、この黄斑部分が変性してしまい物が歪んで見えたり、視界が狭くなってしまう症状を加齢性黄斑変性症といいます。

・加齢性黄斑変性症について詳しくはコチラ

 

 

この4つの視覚情報を伝達する過程で老眼となる原因となってしまうのは、水晶体毛様体筋です。水晶体は目の器官で唯一自分で厚さを変えてピントを調節するととても重要な役割があります。その過程で、老化により厚さを変えることができなかったり、筋力の衰えによって厚さの調整能力が低下すると老眼となってしまうのです。

老眼

 

今増えている『スマホ老眼』とは

老眼は思っているよりも早く発症します。40歳以上は目のピントを調整する能力が衰えてしまう老眼世代にあたります。目の調整能力は20歳がピークと言われてそれを境目に段々と落ちてくるといわれていますが、眼を酷使する現代社会ではその年齢も低年齢化していると思われます。

ピント調節筋である毛様体筋の緊張が強く、簡単には筋肉の緊張がほどけない場合もあります。このような場合、子供ならば仮性近視といい、大人であればスマートフォンを長時間艦見続けてピント調整がうまくいかない『スマホ老眼』の方が急増しています。
そのような方々は、厳密にいうと水晶体の弾力性が失われた状態ではないので「老眼」とは診断されませんが、老眼とほぼ同じような症状がでます。

水晶体の弾力性が失われている老眼と違ってスマホ老眼の方がまだ対処が簡単にできます。

一番は長時間のスマホ操作を避ける・30分以上はできるだけ見続けない・合間に遠くを眺めたり目を温めるなどして目の保養時間を作る、ルテインゼアキサンチンなどの栄養素を摂取するなどの対策を行っていけば、段々とスマホ老眼は回復していく可能性が高いです。

逆にスマホ老眼の状態を放っておいてしまいますと、毛様体筋や水晶体周囲にも血流の悪化などで影響が及ぶ危険性があります。

スマホ老眼には眼科鍼灸

老眼と遠視の違い

老眼と遠視はともに近くのものが見えづらくなるということでは同じですが、原因がまるっきり違ってきます。

老眼は先ほども記述した通り、水晶体の硬化や毛様体筋の機能低下により近くのものが見えづらくなる現象ですが、遠視は、眼軸が原因となってきます。眼軸とは角膜から光の焦点が合う網膜までの距離のことをいいます。遠視とは、この眼軸の長さが短いために網膜よりも後ろで焦点が合ってしまい網膜に映る画像がぼやけてしまうのです。

逆に眼軸が長い場合もあります。その場合は、光の焦点が網膜よりも前に来てしまうため遠くのものが見えづらくなってしまうのです。このような近視も近年若い世代中心に増加傾向にあります。目の周りの筋疲労などで眼球が圧迫されることで眼軸が伸びてしまうタイプです。

・近視について詳しくはコチラ

 

 

老眼となる前兆

体の老化は、人間にとって避けられないものです。老化は進行を遅らせたりと予防は十分に可能です。特に目は視覚情報が人間の情報の6~8割も占めると言われ、特に老化現象を身にしみて感じやすいと言えます。ここでは老眼の前兆となる症状をしっかりと把握して、目の衰えを感じたらすぐに対処していきましょう。

 

・細かい作業をしているとすぐに目が疲れる

・以前に比べると新聞の字が見えにくくなってきた

・目の疲れのほかに肩こり、頭痛もする(眼精疲労

・うす暗い所で視力が低下したと感じる

・普段何気ないときに目がかすんで見える

・物が二重に見える(複視

スマホ老眼

 

これらの症状は老眼のサインと考えられます。一度眼科で調べてもらう必要があります。

 

日常生活での注意点

目に負担のかかる生活を続けていると老眼の進行は早まってしまいます。老眼を予防・症状を軽くするためには治療のほかにも日常生活で目に負担のかかる生活をしないように心がけることが必要です

 

・近くのものを長時間見ない(1時間に10分は休憩を挟む)
・パソコン作業の合間に遠くのものに焦点を合わせて目の筋肉を休める
・温めた濡れタオルを目にかけて目を温める
・有酸素運動を習慣化して体全体の血行を良くする

このような日常生活での注意点を頭に入れておきましょう。

早期老眼にならないために


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸院|眼精疲労 at 00:34 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)

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