歯痛のはり灸治療

 

歯痛に対する当院の鍼灸治療

 

当院の歯痛に対する治療は、鎮痛目的の鍼治療痛みによって乱れている自律神経のバランスを整える自律神経調整療法です。

歯痛の鍼通電治療

以前、中国では鍼で麻酔の効果を引き出して手術が行われたことがあるほど痛みを抑制させるのに鍼は有効です。歯痛に対する鎮痛治療で有効なツボは、頬にある『頬車』『地倉』や上肢にある『合谷』や『曲池』です。それらのツボに鍼を刺してさらに鍼に電極を繋いで低周波を流すことでさらに鎮痛効果が望めます。

 

歯痛の鍼麻酔

 

また、施術に入る前に自律神経測定器で自律神経の状態を把握した上で施術に入ります。痛みは交感神経を過亢進状態に導き、自律神経の乱れの原因にもなります。それを放置していくと不眠症うつ病も併発しかねませんので、しっかり治療して行く必要があります。

 

その他にも交感神経過亢進状態が続いてしまうと、筋肉や血管は収縮して血流が悪くなり、痛みの物質はそこに留まりやすく、痛みが継続する原因ともなってしまうのです。痛みはさらに交感神経を過亢進状態にもっていくため、痛みの悪循環を引き起こしてしまっている可能性があるのです。

自律神経の状態を整えることでそれらの痛みの悪循環を断ち切る必要があるのです。

歯痛の自律神経調整鍼灸

 

歯痛に対する治療ですのでもちろん頬や側頭部など歯周囲の施術を中心に行いますが、自律神経の状態を整えることや首肩の筋緊張を取り除くなど全身的な施術も行っていきます。

 

歯痛に対する東洋医学的考え

 

東洋医学では、五臓六腑の『』『大腸』『』が深く関係していると言われています。特に『胃』の機能が低下してしまうと上の歯が、『大腸』の機能が低下してしまうと下の歯に影響を及ぼすと考えられています。

 

また、東洋医学では歯を『骨余り』と呼びます。骨の成長に携わるのが『腎』ですので、『腎』の機能低下は直結して歯に現れることが多いのです。

しかしながら、腎は先天の精と言われ、年を重ねるごとに年々機能は低下傾向にあるのは仕方ないことです。『肝腎同源』という言葉もあることから肝の機能低下は腎にも影響を与えるので、注意が必要です。

 

 

歯痛の鍼灸治療症例

 

40代 女性

数ケ月前から歯の痛みを感じて歯科を受診したが、虫歯などは見つからなかった。痛みがあまりにもひどい場合は痛み止めを飲むように処方されたが、それでも痛みは引かなかった。噛み合わせが悪いということも指摘されて夜寝る間にマウスピースをつけて寝るように指導されたが、それをしても歯の痛みは軽減されなかった。歯の痛みがひどい場合は、その痛みが波及するように頬やこめかみ辺りが痛くなり、肩も凝ったように感じて仕事に集中できなくなってしまった。
どうにかして痛みを軽減させたいということで当院にご来院されました。

 

当院の治療
痛みを感じる少し前から職場環境の変化による人間関係のストレスを感じていたということで自律神経もなにかしら痛みに関係している可能性があるので自律神経測定器を用いて自律神経のバランスもチェックしていきました。また、触診の結果首肩の筋肉にもはりがみられた。

自律神経測定器の結果、交感神経の活動が過亢進気味でバランスも乱れていたので自律神経のバランスを整える治療、首肩のコリをとる治療、歯周囲の痛みが強く出てる部分に鎮痛目的の鍼通電療法を行っていきました。

◇1回目◇
治療後、歯の痛みは少し軽減したかのように感じたが、半日ほどするとまた痛みが戻ってしまった。

◇2回目◇
歯の痛みはまだ強いがこめかみなどの周りの組織の痛みは軽減された

◇3~5回目◇
首肩のコリもだいぶ取れたように感じた。以前は歯の痛みを常に感じていたが、気にならない時も出てきた

◇6~8回目◇
痛みが徐々に軽減されて8回目の治療が終了後、ほぼ痛みが消失されたということで治療を終了した。

 

 

 

症例②
40代 男性

30代の頃に虫歯になってその原因が親知らずということで親知らずを抜いた。その後から右の奥歯の方が常に鈍痛がするようになってしまった。歯医者でみてもらっても特に異常がないということでずっと放っておいた。その痛みが最近変わり始めてズキッと鋭い痛みがふとした時に走るようになってしまった。
病院で痛み止めを処方してもらったが、効果がなくふとした時に痛みが走る。

治療
歯の痛みのため頬や頸部の筋肉はとても緊張していて硬くなっていました。自律神経の状態も交感神経の活動が高く、体から力が常に抜けない状態でした。まず自律神経の調整治療を行った後に頸肩の筋緊張をとってから次に頬部に鍼通電療法を行っていきました。

◇1回目◇
治療後は痛みが軽減。次の日には痛みがまた戻ってしまった

◇2回目◇
2回目の施術の後は痛みの軽減が3日ほど続いた。

◇3回目◇
鋭いズキッとした痛みは感じなくなった。体の力も抜けたように感じて睡眠の質も良好

◇4回目◇
鋭い痛みが消えて前から感じていた鈍痛を感じるようになった。

◇5回目◇
5回目治療後から鈍痛も感じなくなってほぼ痛みを感じることはなくなった。

 

非定型歯痛とは

非定型歯痛とは、虫歯や歯の損傷がないにもかかわらず、歯の痛みを引き越してしまう疾患です。歯科に行っても原因が特定されずに持続的な歯の痛みに悩まされます。

いろいろな歯科をまわり、原因が特定されないため精神的ストレスも大きく特に40代女性に多く発症します。

痛みの程度は人によって様々で場所も局所的なものからそれが波及して顔全体に痛みを感じる場合もあります。

下記のような症状がある方は非定型歯痛かもしれません。

 

・虫歯の治療をしたのに歯がまだ痛み

・冷たい物が歯にあたっても痛みが増強しない

・CTやMRIの検査を受けたが原因が特定されない

・痛みが持続的で数週間や数カ月にわたって痛む

・歯周囲の痛みが波及して顔全体が痛む

・麻酔やロキソニンなどの痛み止め薬が効かない

・いくつかの歯科で治療を行ったが痛みが軽減しない

・痛みが歯から違う歯へと転々とする

 

 

このような特徴があります。非定型歯痛は、専門医が少なく非特定歯痛の診断はかなり難しいのが特徴です。

歯痛

様々な歯痛

歯痛を起こす原因は、虫歯か歯周病が原因ですが、その他にも様々なものがあります。

 

歯根膜痛

歯ぎしりや日々の食いしばりによって歯を支える歯根膜という組織が炎症を起こしてしまいます。現代は、パソコン作業中などで集中している時に自然と歯を食いしばっていたりと歯根膜痛で悩まされている方も増えています。

 

三叉神経痛

三叉神経は顔面部や歯の感覚を司っているため三叉神経の異常が歯の痛みとしてあらわれる場合もあります。痛みの特徴として電気が走ったかのように鋭くズキッと痛みます。

 

歯周囲の筋肉異常による歯痛

食事などで歯をかみしめる際に働く筋肉として左右の耳の上にある側頭筋や左右の頬に分布する咬筋などがありますが、それらの筋肉が原因で歯痛となる場合もあります。側頭筋や咬筋が原因によって起きるは三叉神経の痛みと違って鈍い痛みで比較的持続的な痛みをていします。

 

偏頭痛・群発性頭痛からの歯痛

偏頭痛や群発性頭痛から歯痛に波及する場合もあります。頭痛により三叉神経や顔面神経が過敏となって異常をきたしている場合に歯痛が起こりやすくなります。

 

心疾患による歯痛

関連痛といって心臓に疾患がある場合に肩や背中に痛みが出ることはよく知られていますが、心疾患の関連痛は歯にも痛みを発生させてしまう場合もあります。

 

腫瘍による歯痛

顔面部などに腫瘍や動脈瘤ができている状態で歯に痛みを発生させてしまう場合があります。

 

ストレスによる歯痛

痛みの経路はまだ科学的にすべて解明されているわけではありません。ストレスがどのように身体に影響を与えて痛みを引き起こしてしまっているのか、わかっていない部分も多いですが、肉体的及び精神的ストレスによっても歯痛の原因となる場合もあります。

 

 

非定型歯痛の原因

非特定歯痛の原因はいまだ解明されておらず、原因不明とされていますが、精神的ストレスと脳の中で起こっている痛みの伝わるメカニズムの障害という説があります。

 

精神的ストレス

精神的ストレスによって自律神経が乱れて痛みの物質が歯に溜まって滞っている状態によって歯痛が引き起こされている場合があります。ストレスを感じると血中のカテコールアミンの量が増加しては周囲の血管が充血して歯痛が引き起こされるという説もあります。

また、現代では精神的ストレスによって自然と歯の食いしばりが多いということが知られています。歯を食いしばる事で頬や側頭部の筋肉が過緊張状態となりそれが影響して歯痛の原因となる場合もあります。

歯痛に限らず近年では、歯科領域の症状と精神症状との相関関係が注目されており、歯科心身症とも呼ばれています。日本歯科医師会では6つの症状を歯科心身症と定義しています。
・歯科恐怖症
過去に歯医者で受けた痛みなどのトラウマにより、治療を受けないといけない状態にもかかわらずに治療を受けないで放っておいてさらに状態が悪化してしまいます。実際に無理して歯医者で治療を受けようとすると、過呼吸やパニック発作を起こしてしまうこともあります。

・かみ合わせの異常
実際にはのかみ合わせに異常がないのにもかかわらずにかみ合わせが悪いために体にさまざまな悪影響が出ていると思い込んでしまいます。歯には特に異常が見られないため歯医者では治療が施されずに体の状態がさらに悪化することもあるようです。

・顎関節症
精神的ストレスや疲労感から歯を食いしばったり、寝ている最中に歯ぎしりを起こしてしまい、顎にある歯を食いしばる筋肉に異常をきたして痛みなどの症状が出てきます。

・口腔内セネストパチー
口の中に特に異常が見られないのにもかかわらずに口の中の異常感や痛みを訴えます。口腔内セネストパチーでも精神的ストレスなどのこころの状態が関係していると言われています。

脳内の痛みの伝達障害

歯の痛みが脳に伝わり、脳が痛みを感じる間に何かしらの異常が生じて歯痛が継続して感じられる場合があります。

そこで重要な脳内物質として挙げられるのがセロトニンです。脳内セロトニンの役割は多岐にわたり、生体リズムや睡眠、体温調節や不安感の抑制などがあります。脳内のセロトニンが不足するとうつ病睡眠障害に患いやすいということは広く知られていますが、脳内セロトニンは痛みの伝達にも影響を与えます。

脳内セロトニンは疼痛を抑制させたり、または疼痛を促進させたりします。その過程で脳内セロトニンの痛みの伝達に何かしらの不具合が生じて痛みを持続的に感じている可能性もあります。

 


Posted by 中目黒の鍼灸院 東京α鍼灸院|眼精疲労 at 13:04 / 院長コラム コメント&トラックバック(0)

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